高市政権の外国人政策強化

10 月 21 日、高市早苗自⺠党総裁が総理大臣に任命された。我が国初となる女性首相の誕生だ。同日に発足した高市内閣は、自⺠党と日本維新の会の「連立政権」として報じられている。 厳密に言うと、「閣外協力」と「連立政権」はイコールとは言い難いが、20 日に高市総裁と維新の会の吉村洋文代表、藤田文武共同代表が署名した文書は「連立政権合意書」というタイトル。今後は、閣僚を内閣に送り込まない閣外協力であっても連立政権であるという理解が浸透していくだろう。 高市内閣では、女性閣僚の登用が注目されていた。蓋を開けてみると、片山さつき財務相と小野田紀美経済安保相の二人にとどまったが、松島みどり元法相が総理補佐官に起用された。 外国人政策担当の松島みどり総理補佐官 出典:首相官邸公式サイト 松島総理補佐官の担当は外国人政策。小野田経済安保相も「外国人との秩序ある共生社会推進担当」を兼ねている。高市首相の肝入り案件である「外国人対策」の司令塔を首相側近で固めてきたところに、高市首相の本気度が伺える。 自維の「連立政権合意書」も、外国人政策として、外国人に関する違法行為への対応と制度基盤を強化して「ルールや法律を守れない外国人に対しては厳しく対応する」ことを明記している。 その他にも、対日外国投資委員会(日本版 CFIUS)の創設や、外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案も、来年の通常国会での審議入りが目指されている。高市政権は、我が国における「外国人政策」の転換点となるだろう。 (北島純・社会構想大学院大学教授)
政治•経済

2025/10/23

最新記事

走る走るアシックス、その利益は1000億円超
走る走るアシックス、その利益は1000億円超

スポーツ振興のため財団を設立、スポーツに特化した世界的企業を目指す アシックス  アシックスが2月14日に開示した2024年12月期通期の連結決算は、売上高は前期比18.9%増の6785億円、営業利益は前期比84.7%増の1001億円で1000億円の大台を突破し過去最高益を更新。当期純利益は前期比80.9%増の538億円で昨年から引き続き走り続けている。  主力のランニングシューズは、前期比7.6%の増収になった。特に北米ではランニング専門店への卸に注力し、同チャネルの売り上げが前期比38.6%増を記録した。  同社は決算短信で業績全体を総括して「アシックスのステージが完全に変わった」とまで表現したばかりか、今年度の営業利益は前年比19.9%増の1200億円との見通しを示した。  また決算会見では、一般財団法人「ASICS Foundation」の設立を発表し、運動・スポーツに関わる社会課題に取り組むことを目的に、スポーツインフラの整備やスポーツ用品の提供などを行うことを宣言した。  財団設立に至った理由について、富永満之社長は、「通常のビジネスでは経済的に厳しい方々を支援するのは難しい。利益率が高くなっている今だからこそ、同財団によるサポートを通して、アシックスのブランド哲学である『Sound Mind, Sound Body(健全な身体に健全な精神があれかし)』を体現したい」と話している。  今年9月には東京で世界陸上が開催される。同社はオフィシャルパートナーとして、これをチャンスにさらなる成長に期待を寄せている。

政治•経済

2025.03.03

ビッグカメラに下請法違反 公取委が勧告 5・5億円不当減額
ビッグカメラに下請法違反 公取委が勧告 5・5億円不当減額

 家電量販販売業大手のビックカメラに対し、公正取引委員会の厳しいメスが入った。公取委は2月28日、ビックカメラが自社のプライベートブランド商品の製造を委託していた下請け業者への支払代金を不当に減額したとして、下請法違反を認定し、再発防止を勧告した。不当な減額は、下請け業者約50社に対して総額5億5000万円に上った。 ▼下請け業者51社が被害  公取委の発表などによると、ビックカメラは2020年頃から家電や日用品のプライベート商品について、下請け業者に製造を委託するようになった。その後、遅くとも2023年7月から24年8月までの間、下請け企業51社に対し、「実売助成費」などの名目で総額5億5746万円を不当に減額していたという。  下請法は、立場の弱い業者を守るための法律で、下請け企業に明確な責任がある場合を除き、当事者間で合意したとしても発注後に代金から減額することを禁じている。  ビックカメラは、プライベート商品約560品目について、製造していた下請け業者への支払い代金を減額していたといい、不当に減額した代金が5億円規模と異例の高額に及んだ形だ。 今回の勧告で下請法違反を認定された期間は2023年夏からの約1年ほどだが、公取委関係者によると、下請け業者からの通報で公取委が調査に乗り出したことで、不当な減額行為が止まったという。 ▼ビックカメラは原因検証を 下請け業者側が泣き寝入りを続けていれば、不当減額の「被害」はさらに拡大していた可能性もあり、対象の下請け企業が51社にも上っていることを踏まえると、問題は根深い。 ビックカメラは、下請法違反がこれだけ横行していた原因についてしっかり検証すべきだ。「一部の担当者による下請法違反についての認識不足」と原因を矮小化させるのは許されず、根本的な解決につながらない。 業界大手として、外部有識者による第三者委員会などで適切に原因を検証・分析し、公表すべきではないか。原因究明をしない中でうわべだけの再発防止策を打ち出しても、実効性が期待できない「絵に描いた餅」にしかならないのは、言うまでもないだろう。  

スーパーの異端児ロピアは何がすごい 社長夫人のカトパンか?
スーパーの異端児ロピアは何がすごい 社長夫人のカトパンか?

10年で売り上げ7倍! すごいぞ、ロピア カトパンの嫁ぎ先で話題をさらった流通業界の風雲児  イトーヨーカ堂の北海道、東北の撤退店舗の大半を手中に収めたことで大きなニュースとなった新興ディスカウントスーパーのロピア(運営元:OIC=オイシー、未上場)。強みはテレビ露出が多いことや店舗平均の売り上げが、約40億円という圧倒的集客力(業界平均は14億~15億円)などで、その売上高はこの10年で7倍超に拡大し、海外出店も果たして台湾に5店舗を構えるまでに成長した。  快進撃を支えるのは巧みなM&Aだ。10年弱で20社を傘下にし、OICグループには33社が参画している(2025年2月)。24年には有名パティシエ・鎧塚俊彦の洋菓子店「トシ・ヨロイヅカ」の運営企業を買収したことでも話題になった。  ロピアの集客力を支えているのは、値段の「安さ」もあるが、肉を中心とした生鮮売り場のコスパである。そのためロピアの業態をデスティネーション・ストア(他店を飛び越えて来客する店)と呼ぶ。  2021年6月、「カトパンは“令和の激安王”年商2000億円2代目社長に嫁いだ」。スポーツ新聞や女性週刊誌などにこのような大見出しが躍った。  当時「カトパン」の愛称で呼ばれていたのは、元フジテレビの超人気女子アナの加藤綾子(当時36)。「カトパン」を射止めたのは高木勇輔(1982年生まれ)。慶応義塾大学経済学部を卒業後、三菱食品での武者修行を経て、父親が藤沢市で創業した食肉専門店「ユータカラヤ」に2006年に入社、13年に2代目社長に就任した。ロピアに社名変更したのは11年のことだ。  「カトパン」と結婚した21年2月期には2068億円だった売り上げは 24年同期には4126億円。結婚後、僅か3年で倍増した。カトパンはまさに「アゲ〇〇」。  ロピアは、各売り場のチーフが「個人商店主」として大きな権限を持って仕入れている。その結果、常に変化する売り場が再来店につながるという好循環につながっている。マニュアルに従って売り場作りをする一般的なチェーンストアとは異なる「売り場の鮮度」+安さが、また来たいという気持ちにさせるというデスティネーション・ストアを実現しているというわけだ。  

社会•事件

2025.03.02

トランプ大統領の勢いメキシコ湾を「アメリカ湾」に 次は太平洋を「アメリカ海」?!
トランプ大統領の勢いメキシコ湾を「アメリカ湾」に 次は太平洋を「アメリカ海」?!

太平洋を『アメリカ海に』? 言い出しかねないトランプ大統領   日本海を『東海』に,と言い出したどこかの国のように    2月13日、トランプ米大統領は、メキシコ湾をアメリカ湾に改名する大統領令に署名した。これは大統領就任演説での予告通りである。  これに似た呼称の改正案が、「日本海」を「東海」にせよと国際機関に提訴した韓国だ。韓国の言い分はこうだ。  ≪日本海という名称は、日本の植民地支配の名残だ。これを「東海」と改称するのは、その名残を清算する作業の一環だ≫。ちなみに北朝鮮の改称案は「朝鮮東海」というものだ。  日本は韓国の「東海」案を「国際的な地図作成会社も日本海で統一している」として一蹴したため、怒った韓国は1992年の第6回国連地名標準化会議に問題提起し、これを口実に1997年に「国際水路機関」(IHO)に提訴した。  日韓には「竹島問題」が戦後根強く対立構図を描いている。日本は国際司法裁判所(ICJ)に合意付託すること及び日韓紛争解決交換公文に基づく調停を行うことについての提案を行っている。だが、紛争当事国である日韓が同時に提案しなければならない原則であるにもかかわらず、韓国が応じないため韓国の「実効支配」は続いたままだ。韓国の「竹島問題」に対する姿勢は「東海問題」とは完全に矛盾している  「東海問題」に関しては、IHOの結論は出ていないというより出しようがない。そもそもIHOは地名の呼び方の標準化を目指す機関で、関係国同士の論争を裁く権限も義務もないからだ。ちなみに「東海問題」については、中露ともまるで韓国や北朝鮮の主張に関心がない。  話を「メキシコ湾問題」に戻すと、名付け親は、カリブ海やメキシコから北米を目指したスペイン人で、別にメキシコ人が付けたわけではない。  もしメキシコ湾がアメリカ湾になれば、トランプ大統領の次は「太平洋」を「アメリカ海」にしようと言い出すかもしれない。  

社会•事件

2025.03.02

中国製ハリウッド映画など誰が見る?!
中国製ハリウッド映画など誰が見る?!

アメリカの『良心』まで奪おうというのか(怒)!  米・トランプ大統領は就任前の1月16日、ジョン・ボイト、メル・ギブソン、シルベスター・スタローンをハリウッドの「特別大使」に任命した。トランプは3人の起用を「ハリウッドは、すばらしいが問題を抱えた世界だ。この4年間にたくさんのビジネスを外国に奪われた。ハリウッドをかつてなく大きく復活させることが目的だ」とした。  ハリウッドを席巻する左翼思想と反トランプを唱えたデニーロ、ストリープ、ガガ、クローニーらの排除を狙ったかと思われたが、そうではなく、ハリウッド産業の回復を企図したビジネスを発想したものだった。  ハリウッドはコロナ禍で映画館が閑古鳥となり大不況に陥って、ディズニー、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー、パラマウント、NBCユニバーサルなど複数のスタジオが過去1年間に大幅な人員削減を実施した。  2024年第2四半期の米国映画製作数は、22年の同時期に比べて40%減少、同年第3四半期にはさらに5%減少し、米国の興行収入はピークの19年比24%も減少している。  さて、そのハリウッドの現状を、現在上院情報特別委員会委員長であるトム・コットン上院議員(共和党:アーカンソー州)が出版した『中国について言えない7つのこと』はこう暴いている。  ≪ハリウッドの中国への屈従は、芸術形態を封じ込め、カネの力で俳優や監督、スタジオの重役たちを従わせた。ハリウッドは過去30年、中国の体制批判をした映画を公開していない≫と指摘している。  ハリウッドはかつて、中国共産党によるチベット民族弾圧を描いた「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(ブラッド・ピット主演、1997年公開、コロンビア・トライスター)やディズニーが、マーティン・スコセッシに監督させた「クンドゥン」(ダライ・ダマ14世の演技者主演、1997年12月25日公開、ディズニー)もチベットにおける中国の大量虐殺を批判し、ダライ・ラマを好意的に描写するなど多くの映画人が中国の人権侵害に抗議の声を上げていた。  中国は報復として、ディズニーとソニー・ピクチャーズ傘下のコロンビア・トライスター(現:トライスター ピクチャーズ)の中国への入国を禁止した。さらなる報復を恐れたディズニーは、「クンドゥン」の公開を中止し、クリスマスにわずか2つの劇場で公開しただけだった。ディズニーCEOのマイケル・アイズナーは北京を訪れ、この映画を「愚かな間違い」とし謝罪した。  極めつけは、旧ソ連の米本土侵攻を描いた1980年代のアクション巨編「若き勇者たち」をリメークした「レッド・ドーン」(2012年公開)だ。  この作品はもともと、中国による米国侵攻を題材にしていたが、撮影途中で作品の内容に気付いた中国が制作会社の米MGMに圧力をかけ、撮影済み映像のデジタル処理で敵役を中国軍から北朝鮮軍に変更させた。  これ以後、危機感を覚えた中国共産党指導部は、米映画界に中国マネーを注入し、作品内で中国に肯定的な描写を増やす宣伝工作を年々強化させている。  米紙ニューヨーク・タイムズによると、97~2013年に全世界で興行成績上位100位に名を連ねた作品のうち、中国が資本参加した作品は12本。しかし14~18年は一気に41本に増えている。  さらには、2018年3月、中国で新聞や出版、テレビ・ラジオ局、映画産業を監督する「国家新聞出版広電総局」が中国の最高行政機関である国務院の管轄から中国共産党中央宣伝部の直接管理下に置かれた。いうまでもなく中央宣伝部は、共産思想や党の路線を周知徹底させるプロパガンダ機関だ。  同総局を管理下に置いたのは、中国の映画産業を党の監視下に置くことに加え、中国市場を重要視する米映画産業に対し、中国国内での公開許可をエサに、中国の政治的主張に沿った作品をつくるよう「自主規制」させる意図からだ。  情報戦略では映画も政治宣伝戦争の武器となる。米国民は日鉄のUSスチール買収に怒っている場合ではない。  

社会•事件

2025.03.01

パクリ・サムスンの敗北宣言で、日の丸半導体復活?!
パクリ・サムスンの敗北宣言で、日の丸半導体復活?!

暗夜行路の韓国経済と復活の日の日本経済  韓国経済は、2024年12月3日の大統領「非常戒厳」によって、政治も経済も暗闇に入ったも同然な状況に陥っている。  同じく暗闇に落ちたのがここ30年、韓国経済を牽引してきたサムスンで、同社の最先端半導体「5ナノ」の歩留まり率が20~30%と超低率に陥り、製品の70~80%が不良品という最悪な事態に陥っている。ライバルのTSMCの「5ナノ」の歩留まり率は70%程度とみられており、その差は歴然としている。  昨年末、サムスン電子の事業部長は、社員に電子メールを送り、「他の大型メーカーに比べて技術力が劣ることを認めなければならない」と苦悩を吐露し、サムスン自ら台湾のTSMCと並ぶような世界的半導体企業でないことを自認したばかりか、先端半導体からの「撤退」を示唆した。  なぜこういう事態に陥ったのか。そもそもサムスンは、日本半導体技術者を高額給与で招き、技術を伝授させてきた。これは非合法で、日本企業へ正式なロイアリティーを払うことはなかった。  こうしたパクリでは、メモリー半導体は生産できても、技術的に一段上の非メモリー半導体にはたどり着けない。技術的蓄積がないからだ。  日の丸半導体企業「ラピダス」は、「2ナノ」操業開始1年で80~90%の歩留まり率が見込める状況だ。日の丸半導体復活の兆しの1つとして、IBMが日本へ「2ナノ」技術を移転している。このことからも日本半導体の「健在」が理解できるだろう。  

政治•経済

2025.03.01

改正地方自治法「有事対処」をすぐ「戦争準備」と捏造するどこかのアホ
改正地方自治法「有事対処」をすぐ「戦争準備」と捏造するどこかのアホ

ああ、勘違い、なんでもかんでも戦争反対!(涙) (写真 文部科学省HPより引用)  2024年6月19日の通常国会で、大規模災害や感染症の蔓延などの非常事態が発生した際、国が自治体に必要な指示を与えることを盛り込んだ改正地方自治法が成立した。  この「改正法」に嚙みついたのが、どこかの「お花畑集団」だ。曰く「指示権」の拡大は、  ①地方自治を破壊するものである、②立法事実が存在しない、③要件や手続が大雑把で濫用のおそれのある無限定な指示権である、④武力紛争をめぐって発動されるおそれがある、⑤改憲項目とされている緊急事態条項の一部先取りである、⑥災害対策を歪めるおそれがあるという6つの重大問題を含んでいるとした。  日本国憲法は、戦前の自治体が自治体ぐるみで侵略戦争を遂行する一翼を担わされたことに対する反省から、「地方自治」を明記した第8章を設け、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」(92条)とし、団体自治と住民自治を保障しているとした事実を放棄するものだという批判だ。  国と地方との関係は、00年に地方分権一括法が施行され、それまでの「上下・主従」から「対等・協力」なものになった。今回の改正によって対等な関係が損なわれるとのこうした批判に対して、新たに盛り込まれた「指示」はあくまでも特例措置だ。  近い将来、南海トラフ地震や首都直下地震が高い確率で発生すると予測されている。コロナ禍では、地震や台風、豪雨などの自然災害と感染症の感染拡大が同時に発生する複合災害への対応不足が指摘された。  また周辺の国際情勢も緊迫化している。国際社会では軍事力だけでなく非軍事力も組み合わせた「ハイブリッド戦争」が一般化しており、多角的な防衛体制の整備が喫緊の課題になっている。  このほか「改正法」では、自治体ごとにサイバーセキュリティーを強化するための基本方針を策定し、公表することも義務付けられた。  「改正法」に至った教訓は、新型コロナウイルスの感染拡大初期、横浜港沖で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で集団感染が発生した際の対処法だった。当時国の権限について定める法律がなく自治体間の調整などが難航した。そのため3711人の乗客乗員のうち712人が感染、14人が死亡した。  これだけの患者を横浜市や神奈川県だけで受け入れることは困難だった。現在も大雪による災害が続発している。自治体の境界線を越えた救出が発動されることが重要だ。  

政治•経済

2025.03.01

なぜいまだに「過払い金CM」がメディアに流れるのか
なぜいまだに「過払い金CM」がメディアに流れるのか

生活苦で借金生活から抜け出せない人は砂の真砂の如く 、それ故にいまだに過払い金CM    過払い金の請求原因となる消費者金融や信販会社の「グレーゾーン金利」による貸し付けがなくなってから十数年の時が流れた。何年か前までは「過払い金の請求権はまもなく時効を迎えます」と警告するCMが盛んに流れていたが、弁護士事務所や司法書士事務所による過払い金返還請求の手続き代行CMがいまだに流れている。そのわけとは?  過払い金返還を求める訴訟が一気に増え始めたのは2006年のこと。きっかけとなったのが、06年1月13日の最高裁第2小法廷判決だ。当時、消費者金融や信販会社は、利息制限法の上限金利(貸付額に応じて年利15~20%)は上回るものの出資法の上限金利(年利29.2%)内には収まる高金利で貸し付け=グレーゾーン金利を行っていた。  利息制限法に違反していても一定の要件(債務者が利息として任意に支払った)を満たせば有効な弁済とみなされるという「みなし任意弁済」の規定が貸金業法にあったからだ。  そんな中、前述の最高裁判決は、期限の利益喪失約款(返済が一度でも遅れたら残金を一括で支払わなくてはならないという条項)がある貸付契約に基づき、債務者が貸金業者に利息制限法の上限を超える利息を支払った場合、特段の事情のない限り、債務者が任意に支払ったものということはできないと判示した。  この判例により、過払い金請求は訴えさえ起こせば簡単に勝訴できるようになり、全国の裁判所には過払い金訴訟が殺到した。このため貸金業者の中には消費者金融最大手の武富士のように資金難で倒産するところも出た。逆に過払い金弁護士や司法書士は笑いが止まらないまさにバブル期を迎えた。  過払い金返還請求の対象となるグレーゾーン金利での貸し付けが行われなくなってから13年以上が経過しているにもかかわらず、今でも過払い金請求ができるのはなぜか。  消費者訴訟に詳しい弁護士によると、現在、過払い金返還請求ができるのは、グレーゾーン金利で貸金業者から借金をしたことがあり、その返済が終わった後も同じ業者(合併等によって別法人になっているものを含む)から借り入れと返済を繰り返しており、最後の取引から10年経っていない人に限られるという。  世の中には、グレーゾーン金利がなくなっても、生活苦その他の事情で借金生活から抜け出せない人はまだ多い。だからこそ消費者金融などの貸金業者は今も生き残っているし、それらがなくならない限り、過払い金請求も続き得るということなのだ。  

社会•事件

2025.02.28

さようなら、つば九郎、いつも“えみふる”
さようなら、つば九郎、いつも“えみふる”

ヤクルトスワローズのマスコットつば九郎一筋に30年  去る2月16日に東京ヤクルトスワローズのマスコットの人気マスコットである「つば九郎」が亡くなったという突然の報道に驚いた。聞けば亡くなったつば九郎の中の人はまだ52歳だったという。日本人男性の平均寿命が81歳だと言うから30年も早かったということになる。  中の人は沖縄のキャンプ地を訪れた後、2月4日に帰京するために空港に向かい、搭乗口付近で突然倒れ、心臓マッサージを受けつつ病院に搬送されたとのこと。6日になって球団はつば九郎の出演日程の多くを体調不良のためにキャンセルすることを発表した。つば九郎の公式ブログは2月4日から更新されておらず既に重病説が流れていたらしい。そして16日に肺高血圧症の為に帰らぬ人となったことが報じられた。聞くところによると着ぐるみに入る仕事はかなりのハードワークらしい。長時間、中に入っていると息苦しくなるそうだ。確かにそうかもしれない。バイク用のフルフェイスのヘルメットが目の部分しか開いていなかったら苦しくて被っていられない。息苦しいだけではない。冬以外は中に熱が籠ってしまい熱中症になる恐れがある。イベント運営会社によると多くの現場では1回の活動を30分以内に制限しているらしい。特に夏場は熱中症になるリスクが高まるために20分までとすることが多いとのこと。別段、法律による規定はないが労働災害を未然に防ぐための一定のガイドラインが業界内には存在する。  つば九郎の中の人が亡くなった原因と着ぐるみを結び付けているわけでない。とはいえ、着ぐるみによるパフォーマンスは思った以上のハードワークであることは間違いない。私は某政党のウサギ型のキャラクターの着ぐるみを見たことがあるが、見た目は大きいが中のサイズは実は随分と小さいし狭い。体の大きな大人の男性が入ることは容易くない。多くのキャラクターが見た目以上に中は窮屈な状態あると察する。この機会に着ぐるみを利用する業者は運用上の安全に配慮したガイドラインを設けることや一回の活動が過度にならないように管理する体制などを見直して頂きたい。それこそ、労災に至らぬように。  さて、つば九郎は余人に代え難い独特の魅力を持っていた。フリップ芸で毒舌を吐こうと、やさぐれた態度を露わにしてもつば九郎が持つ独特の魅力によって観客にはユーモラスに映った。決して美しくもなく言いたい放題に毒を放つマツコ・デラックス氏が視聴者から好感されている。有吉弘行氏もそうだし、カンニング竹山氏もそうだ。ぷんぷんしていても愛されるキャラ。つば九郎もそう、誰も傷つけない毒舌を吐ける稀有な存在の一人であった。いるだけで愛嬌を感じた。たとえ中の人のそれが素の性格であったとしても30年以上も続けて来たのだから様々な努力もしていたことだろう。つば九郎のようなメタボの球団マスコットは他では見なくなった。他球団のマスコットはバク転などアクロバティックな芸をウリにしていることが多い。その中でのろまなメタボ体型をしたつば九郎は独特の異彩を放っていた。つば九郎の姿に一種のノスタルジックさも感じられた。つば九郎の二代目は見たいような見たくないような複雑な胸中になる。偉大で唯一無比であったとも言える初代つば九郎の後を継ぐことは容易ではない。  つば九郎の中の人は惜しまれつつ飛び立った。天国でも愛されるに違いない。つば九郎の中の人の功績を称えると共にご冥福を祈念する。(世良 直)

社会•事件

2025.02.28

事件発生から1年が経過する。当事者である警視庁はシカトを続ける。警察不信極まれり。告発スクープ連載第2回
事件発生から1年が経過する。当事者である警視庁はシカトを続ける。警察不信極まれり。告発スクープ連載第2回

いきなり大外刈りを喰らわされ、パトカーで連行、留置場に放り込まれる  男性Aは警察官にいきなり食らわされた大外刈りに気が動転し、判断力は落ちてしまっていた。それよりなによりしたたか打った腰や背中がすこぶる痛む。投げ飛ばされたときに捻じ曲げられたのか、首が痛む。なにも判断できない状況で連行された麻布警察署の留置場に放り込まれる。まるで映画『イージーライダー』の主人公のようにである。何もしていないのに、暴れたとか女性に対して暴行を働いたとか、暴言すら吐いていないのに、いきなり派出所から飛び出してきた警察官からいわれのない〝暴行〟を受けたのだ。  こんなことがあっていいのか。  麻布署の留置場では、身に着けているものを次々と剝がされていった。本当に『イージーライダー』そのものだった。警察から身ぐるみはがされるのだ。それも複数の警察官からなのである。特にベルトはいきなり暴力的に抜かれた。これは集団暴行そのものといって差し支えない。男性は、朦朧とする意識の中でこう思う。  『俺が何をしたっていうのか』。  男性は何もしていない。警察官が一方的に、〝保護〟の名のもとに男性に大外刈りを喰らわせたのだ。事件はいたってシンプルなものである。突然、何の理由もなしに、年若い警察官が、中年の男性を投げ飛ばした。投げ飛ばされた男性は失神寸前になった。それだけなのだ。こんなシュールな話は聞いたこともない。本当にこんな理不尽なことが起きたのである。  男性はあまりの苦しさに耐えながらも喘ぎながら囲む警察官に向かって、『苦しい、息もうまくできない。病院に、病院に連れて行ってくれ』。警察官の一人が男性に訊く。『本当に苦しいのか?』。男性の異変を見てようやくただ事ではないと悟ったのか、そう聞いた警察官は、上司らしき警察官にいう。『本当に苦しそうです。病院に搬送した方がいいのではないでしょうか?』。  男性の顔色をもう一度入念に見た上司警察官は、命じた。  『消防(救急車)の手配』。  男性の意識は半覚半醒、そんな状態で救急車で聖路加病院に搬送された。ベルトは取り上げられたままで。(つづく)  

社会•事件

2025.02.28

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