高市政権の外国人政策強化

10 月 21 日、高市早苗自⺠党総裁が総理大臣に任命された。我が国初となる女性首相の誕生だ。同日に発足した高市内閣は、自⺠党と日本維新の会の「連立政権」として報じられている。 厳密に言うと、「閣外協力」と「連立政権」はイコールとは言い難いが、20 日に高市総裁と維新の会の吉村洋文代表、藤田文武共同代表が署名した文書は「連立政権合意書」というタイトル。今後は、閣僚を内閣に送り込まない閣外協力であっても連立政権であるという理解が浸透していくだろう。 高市内閣では、女性閣僚の登用が注目されていた。蓋を開けてみると、片山さつき財務相と小野田紀美経済安保相の二人にとどまったが、松島みどり元法相が総理補佐官に起用された。 外国人政策担当の松島みどり総理補佐官 出典:首相官邸公式サイト 松島総理補佐官の担当は外国人政策。小野田経済安保相も「外国人との秩序ある共生社会推進担当」を兼ねている。高市首相の肝入り案件である「外国人対策」の司令塔を首相側近で固めてきたところに、高市首相の本気度が伺える。 自維の「連立政権合意書」も、外国人政策として、外国人に関する違法行為への対応と制度基盤を強化して「ルールや法律を守れない外国人に対しては厳しく対応する」ことを明記している。 その他にも、対日外国投資委員会(日本版 CFIUS)の創設や、外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案も、来年の通常国会での審議入りが目指されている。高市政権は、我が国における「外国人政策」の転換点となるだろう。 (北島純・社会構想大学院大学教授)
政治•経済

2025/10/23

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違法なオンラインカジノ 経験者は337万人の集計 警察庁調査 借金きっかけも
違法なオンラインカジノ 経験者は337万人の集計 警察庁調査 借金きっかけも

 違法なオンラインカジノの経験者が国内で約337万人に上り、年間の賭け金は総額約1兆2400億円と推計されることが、警察庁の初の実態調査でわかった。経験者の大半が、安易に始めてしまったオンラインカジノをきっかけに借金に陥っており、深刻な依存症リスクも明らかになっている。 日本ではそもそも、金銭を賭ける行為は形式的には刑法の「賭博罪」にあたる。日本では、競輪や競馬など国が認めた公営ギャンブル以外での賭け事が禁じられているためだ。海外で合法的に運営されているカジノサイトでも、日本国内からアクセスして賭ければ罪に問われる可能性があり、「単純賭博罪」では50万円以下の罰金、賭け事を繰り返す「常習賭博罪」では3年以下の懲役が科される。 ただ、海外のサイトには、スマホやパソコンを通じて容易にアクセスできることもあり、違法と知らずに関わる人は後を絶たず、経験者の約4割は違法性を認識していなかったとされる。 ▼年間の賭け金は平均63万円 最近では、若者がオンラインカジノに手を染めて摘発されているほか、スポーツ選手やお笑い芸人ら有名人が活動自粛に追い込まれるケースも相次いで発覚した。オンラインカジノが国内で蔓延している深刻な事態を踏まえ、警察庁は昨年7月以降、全国の15~79歳を対象に初の実態調査に乗り出した。 調査の結果、回答した約2万7000人のうち、オンラインカジノの経験者は942人(約3・5%)で、現在の利用者は550人(約2%)に上った。人口比から推計した利用者数は約196万7000人で、経験者は約336万9000人とされた。  500人を抽出した調査では、年間の賭け金の平均額が約63万円で、賭け金総額は約1兆2423億円と推計された。  調査では、カジノが借金を招いている実態も浮き彫りになった。経験者のうち46%はカジノに絡む形で消費者金融や知人から借金をしたことがあったと回答。そのうち6割の人が「ギャンブル依存症」の自覚があったといい、特に10~30歳代で目立った。さらに、広告に登場する有名人らの影響でカジノを始めたという経験者は約2割に上ったため、警察当局は、海外の合法なサイトとはいえ、広告塔になっている著名人らを通じて注意を促したい考えだ。 ▼海外サイト遮断を オンラインカジノが国内で拡大している背景にあるのが、カジノ運営事業者と連携して賭け金の決裁を代行する国内業者が横行していることだ。警察当局は今後、代行業者の摘発も強化する方針だ。 ただ、いくら摘発を強化しても、安易にカジノサイトにアクセスできる現状を改善しないことには、根本的な解決にならないのは言うまでもない。日本国内から違法なサイトへのアクセスを遮断するため、政府には今後、海外当局にも働きかけて日本向けのサービスを停止させなど、厳格な対処が求められる。

ポーランドが核武装宣言、防衛費をGDPの5%にその時ニッポンは? 
ポーランドが核武装宣言、防衛費をGDPの5%にその時ニッポンは? 

唯一の核被爆国なのに無関心とは!いい加減に目を覚ませ!ポーランドの動きを見よ、ニッポン  (写真 Wikipediaより)  ポーランドがトランプ米大統領が、NATO(北大西洋条約機構)重視を引っ込めた途端、真っ先に反応した。3月7日、トゥスク首相が、「ロシアの脅威に対抗するため50万人規模の軍隊を編成し、核兵器の入手を検討する」と発言したのだ。同首相は、「ポーランドが通常兵器に限定することはできない」と明言し、フランスが主張する欧州の核の傘へ入れに懐疑的な姿勢であることも強調した。また「男性すべてが軍事訓練を受けるよう徹底する」と軍事国家化を宣言している。トゥスク首相は50万人規模の軍隊の編成については、「これは徴兵ではないが、年末までに、ポーランドの成人男性全員が戦争に備えた訓練を受け、この予備軍が軍事脅威に十分対応できる準備としたい」と続けた。  ポーランド軍は現在約20万人規模で、NATOでは米国とトルコに次いで3番目、EU加盟国の中では最大規模であり、防衛予算はGDPの4.7%。これを早急に5%に増やすべきとしている。トゥスク首相は、トランプ大統領が3月4日にウクライナへの軍需物資供与中断をいう電撃発言をしたことから対策を協議してきたが、ずいぶんと思い切った方向に足を踏み出したものだ。ポーランドはNATOの中核で、欧州の対ロシアのゼロライン(最前線)国家だ。同国南東部ジェシュフ空港はNATOからの武器や資材の輸送拠点となっている。米国や欧州が供与するウクライナへの武器のほとんどがこの空港を経由している。ポーランド軍の装備は、米国製エイブラムス戦車、パトリオットミサイル防衛システム、F-35戦闘機、韓国製K2ブラックパンサー戦車、同国K9・155ミリ自走榴弾砲、ホマーKロケットシステムなど最新兵器を保有している。特に韓国産兵器についてはお得意先だ。  とはいえトゥスク首相は、「いかなる和平協定の執行にもポーランド軍を派遣しない」とも発言している。つまり英仏主導の地上部隊派遣には協力しないということだ。この点でNATOの足並みは乱れている。3月6日、トランプ大統領は、NATO批判をしながら日米安保条約の片務性に触れた。その骨子はこうだ。≪日本とは非常に興味深いディール(取引)を結んでいる。私は日本が大好きだ。しかし、米国は日本を防衛しなければならないが、日本は米国を防衛する必要がない≫。これはほぼ事実だが、恐らくトランプは「日米地位協定」という日本を植民地にしている協定があることを知らないか知っているが無視している。植民地に甘んじている国家が、宗主国を守る必要はない。  それでもわが日本は、命(戦争)より、病気が優先と高額医療費削減問題にしか関心がない。  

政治•経済

2025.03.16

3800億円で西友買収 九州の“コンピュータ付き川筋者”「トライアル」の東京侵攻作戦
3800億円で西友買収 九州の“コンピュータ付き川筋者”「トライアル」の東京侵攻作戦

地方が首都圏を飲み込んでいく。流通業界、下剋上の時代が始まった! (写真 トライアルホールディングHPより)  3月5日、ディスカウントストア「トライアル」を運営するトライアルホールディングス(HD)が、老舗総合スーパー「西友」を買収すると発表した。買収額は3826億円で、米投資ファンドKKRなどから7月1日までに西友の全株式を取得する予定だ。単純計算で両社の売上げは、1兆2000億円を超え、小売業では、セブン&アイHD、イオン、ファースト・リテイリング(ユニクロ)、パン・パシフィックHD(ドンキ)、ヤマダHDに次ぐ第6位に躍り出る。スーパー業態ではセブン、イオンに次ぐ第3位企業の誕生となる。  九州を中心に全国に店舗を拡大させてきたトライアルは、地方を中心に343店舗を構えるものの都内には1店舗もなく、首都圏の強化は喫緊の課題と言える。一方の西友は関東地方を中心に242店舗を構え、都心の主要駅など好立地の店舗が多い。立地的にはこの2社は補完関係にあり、特にトライアルからすれば首都圏進出の足がかりとなり、万々歳にみえるが、落ちぶれたとはいえ大店の娘が、福岡の“コンピュータ付き川筋者”に嫁ぐようなものだとの見方をする向きもある。  トライアルの発祥は、1974年に福岡市で創業したリサイクル店だ。80年代にPOSシステム開発などIT分野に進出し、そのシステムを武器にして1992年、現在HDの代表取締役会長である永田久男が小売業に参入した。永田会長が家業の小さな町の電器店を継ぎ、東証への上場(昨年3月)を果たすまで成長した巨大小売業を育て上げたことは、山口県の小さな洋品店を継ぎ、ユニクロ(ファーストリテイリング)に成長させた柳井正取締役会長兼社長の相似形といえるかもしれない。来店客層についても年齢層は、若年から高齢層まで幅広い。九州都市の中心部にある深夜営業店などでは、日本国内で就労する外国人の来店が多い。そのあたりはドンキ店と似ている。同社は永田会長が名付けた「リテールテック(流通情報企業)」で流通産業に革命を起こした先進企業として名高い。例えば、商品をかごに入れる際、会計に必要なバーコードを客が読み取るという「タブレット付き買い物カート(スマートカート)」はその代表例だ。このカートを使うことによって、単にレジ待ちがなくなるだけでなく、店内で何をどういう順番で買ったかといったデータが得られるほか、目の前のタブレットに店舗内の適切なタイミングで広告を流したり、クーポンを配布したりすることもできる。このシステムを開発したのが、永田会長の子息であり、HDの永田洋幸取締役だ。永田取締役は創業者の子息で、米コロラド州立大学を経て、2009年中国・北京にて小売企業向けコンサルティング会社や11年には米シリコンバレーにてビッグデータ分析会社を起業した。15年トライアルグループのCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)に従事し、シード投資や経営支援を実施した。18年より現職。九州大学工学部非常勤講師を務めるほどのIT専門家だ。 元バンカーが大ナタを振るった、その結果…  そしてもう一人、HDの代表取締役社長、亀田晃一は、富士銀行(現:みずほ銀行)から永田会長にスカウトされ08年にトライアルカンパニー(HD傘下の店舗展開、運営会社)に入社すると倒産が噂された同社の業績改善に尽力し、積極出店を続けるなかで、有利子負債のカットにも成功する。また自己資本も手厚くするなど財務の強化に加えて、売上高も伸び、倒産の二文字を打ち消した功労者だ。トライアルカンパニーは積極的にM&Aに打って出て、九州地盤の寿屋やニコニコ堂、オサダ、カウボーイの株式30%をゴールドマンサックス社から買収(2010年1月に吸収合併)するなど居抜き出店などを駆使して急伸した。ただ当時から離職率はかなり高く、ボーナスはないに等しく、残業代なし、昇給は少額で、売り上げノルマが未達成の店長には容赦ないなどブラック企業視される一面もある。各店の店長が若いことも特徴のひとつ。40歳以上の店長は皆無であり、35歳前後でエリアマネージャーやバイヤーになる。経験の浅い店長でも店舗運営ができるようオペレーションが整備されていることも大きいが、その分給料は安く、それを理由に転職希望者は多い。この企業体質が西友の経営風土と合うかどうかが、東京侵攻作戦のカギとなろう。同社およびグループ会社には、国内外の投資家からの資金誘導が不可欠であるために10年ごろから上場を視野に入れ動いてきたが、それが14年も経ってやっと上場に漕ぎつけたのはなぜか。上場の実質審査基準には、「企業の存続性」「健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立」「企業の信頼性」「企業内容等の開示の適性性」などが問われるが、どこかでクリアできない部分があったからだ。上場の障害になったのは10年4月に起きた万引き事件だ。1377円相当の商品を万引きした男性に、「お前がやった1年間の万引きの被害総額は109万円だ」などと迫って現金50万円を脅し取ったとして、岡山県警は、「スーパー・トライアル倉敷店」(岡山県倉敷市玉島)の店長や保安員ら3人を恐喝容疑で逮捕した。トライアルの定めた万引き防止・対処マニュアルには、過去の被害額を請求することは定められておらず3人はマニュアルを逸脱していたが、同県警は本社を家宅捜索している。その翌日、どの店舗にも事件の説明やお詫びの張り紙はなかった。しかも事件後しばらくしてこの倉敷店の事件の釈明文は同社のホームページから削除された。この辺りの同社のコンプラが上場基準に抵触したのかもしれない。  同社は首都圏攻略の青写真をどう描いているのだろうか。同社はイオンの「まいばすけっと」のような小型店「TRIAL GO」を擁している「GO」は都市部で展開する面積1000㎡以下の小型店で、顔認証などによる無人レジを始め、徹底的に自動化・省力化を図った店舗だ。近接する大型店から作り立ての総菜や弁当を「GO」に配送する方式を採っており、首都圏の西友の周辺に「GO」を出店する方針を明らかにしている。福岡では「GO」はコンビニキラーと呼ばれ、出店した近接のコンビニの売り上げが激減する事象も起きたという。西友はセゾングループ解体後、米ウォルマートや米投資ファンドKKRと楽天などが経営権を取得し再建に取り組んできたが、世界のウォルを以てしても再建はできなかった。西友は“コンピュータ付き川筋者”の気質に耐えられるか。  

社会•事件

2025.03.16

再審制度見直し 実現するのか 28日に諮問へ
再審制度見直し 実現するのか 28日に諮問へ

 刑事裁判をやり直す再審制度は改正されるのか――。再審制度の見直しに向け、鈴木馨祐法務大臣が、刑事訴訟法の改正について3月28日開催の法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方針を決めた。14日の閣議後記者会見で表明した。法制審では、再審請求審における証拠開示のあり方や、再審開始決定に対する検察の不服申し立て制限、請求審での裁判官忌避申し立てが主な論点になる見通しだ。改正が実現すれば、1948年に制定された現行刑事訴訟法で、再審の関連規定が初めて見直されることになり、法曹関係者の関心は高まっている。 ▼審理長期化 再審制度では、審理の長期化がかねてから問題となっていた。 静岡県一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)を巡っては昨年10月、逮捕から58年と異例の長期間を経て再審無罪判決が確定している。重要な証拠の開示まで最初の再審請求から30年近くかかり、審理の長期化や規定の不備が顕在化し、証拠開示の義務化など法改正を求める意見が日本弁護士連合会から出ていた。 法務省は従来から、通常の裁判と異なる再審制度において、証拠開示の義務化を含めた改正に慎重な姿勢を貫いてきた。ある法務検察幹部は「1審地裁、2審高裁、最高裁と3段階の審査を踏んで有罪になったにも関わらず、再審でも証拠を全て開示せよというのは、実質的に3審制ではなく『4審制』にしろと言っているようなもので、非現実的だ」と拒否感をあらわにする。 だが、袴田さんのケースに加え、他の事件でも再審開始が決まり、見直しに慎重だった法務省も方針転換を余儀なくされ、法制審への諮問方針が決まった形だ。ただ、法務省は法改正ありきで議論するつもりではなく、改正の要否も含めた協議を想定しているとされる。 ▼超党派議連も議員立法で改正目指す 再審制度の見直し巡っては、超党派の国会議員連盟(会長=柴山昌彦衆院議員)も、議員立法による刑事訴訟法の改正案を検討中だ。議連は1月に刑事訴訟法改正案を公表後、2月には、冤罪被害者を法制審のメンバーに入れるよう鈴木法相に求めるなど活動を本格化。今国会に改正法の提出・成立を目指しているという。 議連が公表した改正案には、再審請求者側から開示請求が出た場合、裁判所が原則として検察に開示を命じるよう義務化。再審開始決定に対する検察側による不服申し立てを禁止する内容などが盛り込まれている。 法務省が所管法律の改正を検討する場合、まずは法制審に諮問した後の答申を踏まえて改正案を国会に提出し、国会議員が議論するのが通常の流れだ。今回は、議連も独自に刑訴法改正案を国会に出す方針という異例の展開をみせており、今後の行方が注目される。  再審を巡っては、100人以上いる確定死刑囚の大半が再審請求中だが、何度も同じ理由で再審請求を繰り返すなど死刑の執行逃れが目的とみられるケースも少なくない。法制審では、再審請求の現状についても検証し、本当に見直しが必要なのかも含めた丁寧な議論が求められる。

従業員守る改正法案が続々閣議決定 今国会でカスハラ対策など強化へ
従業員守る改正法案が続々閣議決定 今国会でカスハラ対策など強化へ

 企業に従業員の安全確保を促すため、政府は今国会で複数の労働関連法の改正を目指している。3月11日には、顧客から理不尽な要求を突きつけられるカスタマーハラスメント(カスハラ)の防止策を企業に義務づけることなどを柱とした労働施策総合推進法の改正案が閣議決定。同14日には、働く人の心理的負担を調べる「ストレスチェック」の実施や高齢者の労災対策の実施を義務づける労働安全衛生法の改正案が閣議決定された。政府は今国会で速やかに改正法を成立させ、従業員らの保護強化につなげたい考えだ。  ■就活セクハラも対策 男女雇用機会均等法改正案 カスハラは近年、飲食店などを中心に問題になっており、東京都が条例を制定するなど注目を集めている。 政府は11日に閣議決定した労働施策総合推進法改正案で、カスハラについて、①行為者が顧客や取引先、施設利用者など②社会通念上、相当範囲を超えた言動③就業環境を侵害――の3要素を満たすものと定義。従業員向けの相談窓口の設置など具体策を講じるよう企業に求めた。 11日はこのほか、就職活動中の学生らへの性的嫌がらせ「就活セクハラ」についても対策を強化するため、企業に必要な措置を義務づける男女雇用機会均等法の改正案も閣議決定された。 14日に閣議決定された労働安全衛生法の改正案は、働き手を労災から守るのが最も大きな狙い。上司との関係性や仕事量、食欲や睡眠状況などについて尋ね、ストレスの度合いを数値化するストレスチェックについて、50人未満の小規模事業所も含めた全事業所に義務づける内容が盛り込まれた。 仕事上のストレスなどが原因で精神疾患を発症する労働者は増えており、精神疾患で労災認定された働き手は2023年度、過去最多の883人と高水準だった。 ■高齢者の労災もケア 労働安全衛生法の改正案は、増加しているシニアの働き手の労災を防ぐための措置も盛り込まれた。厚生労働省は現在、高齢者の労災防止に向けた指針を策定し、企業に働き手の健康状態の把握や職場の段差解消、スロープ設置などの対策を呼びかけている。法改正案では、指針で示す労災対策を法制化するとした。企業には、高齢の働き手の身体機能の低下などに配慮した職場環境の整備を努力義務として課す。

政治•経済

2025.03.15

“え!ほ~そう?”「衛星放送」店仕舞い続出の悲惨
“え!ほ~そう?”「衛星放送」店仕舞い続出の悲惨

盛者必衰のあわれ(涙)、 衛星放送の悲しき現状 (写真 Wikipediaより)  1990年代に鳴り物入りで始まった衛星放送だが、もはや「オワコン」になってしまった。無料の民放BSは、スポンサーの確保もままならないことからテレビショッピング(通販番組)だらけになり、多くの専門チャンネルを提供する有料放送の「WOWOW」や「スカパー!」も急速に加入者を減らしている。ここ数年の間に事業者の撤退・整理が相次いでいる。2月28日、WOWOWが開局30周年を機に、21年3月に開設したBS放送の「WOWOW4K」を終了した。もはや先行きが見通せない事業をダラダラと続けられないというのがその理由だ。このように衛星放送から撤退する事業者が続出し、新規募集への応募もほとんどなく、放送衛星の中継器(トランスポンダ)はガラ空き状態だ。大谷翔平選手はじめ日本人選手の多くが活躍するMLBの中継を独占するNHKBSも、受信契約は伸び悩んだままだ。多くのマンションにはBS受信アンテナがあり、「金払え」という画面に映る文字をガマンすれば(録画すれば“金払え”は画面には映らない)受信契約をしなくてもNHKBSは見られる。  衛星放送を苦境に追いやったのは、「ネットフリックス」や「Amazonプライム・ビデオ」、「ディズニープラス」、「U-NEXT」や「Hulu」などネット配信サービスだが、自ら招いた惨禍とも言える。2000年にスタートした民放BSは、当時からテレビショッピングが主要コンテンツだったが、25年経った現在も目立った工夫も進歩もない。24時間放送のうちオリジナル番組はほぼ皆無で、テレビショッピングが約4割を占める。通常の番組中に流れるCMもスポンサーが付かないからショッピング広告が延々と続き、一日中テレビショッピングが怒涛の如く垂れ流される。しかも一世を風靡したセレブ俳優が、「安~い、買いた~い」を連発。これを某漫才師は、「バカじゃね~の。お前らカネ余ってるくせに」のセリフに妙に合点がいく。まあこれは置くとしても、専門家がさんざん「○○は飲んでもなんのプラスにもなりません」と紙媒体で論理展開している○○が、堂々と「効果あり(ただし個人の感想です)」、「何時までなら通常5000円が2500円です」などとテキヤばりのセリフをまき散らす。民放BSがいくら無料だからといって、これでは視聴習慣などできるはずがない。  スタートしてからほぼ30年。予想もしなかったメディア環境の激変で、衛星放送は大きなカベにぶち当たっている。  

社会•事件

2025.03.15

コメダ珈琲店が“先祖返り”
コメダ珈琲店が“先祖返り”

原点回帰で初心に帰る?コメダ珈琲の新展開は如何に? (写真 コメダ珈琲店HPより)  2月22日、コメダホールディングス(コメダHD)傘下で「コメダ珈琲店」を展開する㈱コメダが、おむすびを提供する新業態「おむすび 米屋の太郎」の1号店を東京・新宿センタービルに出店した。1号店に続いて、さいたま市、川口市にも展開予定だ。「コメダ」の名称は創業者の家業が米屋で、屋号を「コメ屋の太郎」と言い、コーヒー店もそれに因んでいるから言わば先祖返りとなる。コメダは「おかげ庵」という甘味やうどんなどの麺類が充実している喫茶業態の店舗を愛知県中心に出店している。同店舗でモーニングとして提供している“おむすび”が好調なことから、同業態の姉妹ブランドとして「米屋の太郎」を立ち上げた。コメダは「米屋の太郎」だけでなく「おかげ庵」の出店強化も掲げており、「おかげ庵」と「米屋の太郎」の併設店舗を出店していく計画もある。近年「おにぎり専門店」の出店が加速している。吉本新喜劇のギャグに「お前おむすび顔や」「違うで~おにぎり顔や」というのがあるが、コンビニでも、おにぎりの販売は総じて好調なようだ。  コンビニの場合、低価格と高価格帯のおにぎりがあり両極化している。それぞれが好調だが、「米屋の太郎」が展開するような専門店のおむすびは、価格的にコンビニの高価格帯おむすびと競合する(米屋の太郎のおむすび1個あたりの価格帯は150〜580円)。ただ「米屋の太郎」は注文後に握りたてのおむすびを提供したり、具材の充実度がコンビニより豊富で、その点に差別化を計っている。これは他のおむすび専門店も同じだ。コメダHDの現状は、売上・営業利益ともに伸びているが、直近では営業利益が頭打ちである。同社のビジネスモデルはフランチャイズ(FC)で、珈琲店舗数は2024年11月時点で1061店舗となっているが、その95%以上がFC店舗だ。他のコーヒーチェーンの店舗数を見ると、スターバックスが1991店舗、ドトールコーヒーが1063店舗、比較的コメダに業態が近いと思われる星野珈琲店が277店舗となっている。同社には1業態に依存しているという危機感があり、今後、既存業種である「おかげ庵」と新業態の「米屋の太郎」を伸ばして、コメダ珈琲店に次ぐ成長のエンジンにしていきたいと考えているのであろう。  

社会•事件

2025.03.15

参議秘書兼経済アナリスト 吝 貢辞(やぶさか こうじ)の『日本経済・深層海流』春季短期連載  中国で人気を集める日本米の輸出が伸びないわけ(第6回)
参議秘書兼経済アナリスト 吝 貢辞(やぶさか こうじ)の『日本経済・深層海流』春季短期連載  中国で人気を集める日本米の輸出が伸びないわけ(第6回)

中国産日本米が中国国内で広く普及している  (前回よりつづく)とはいえ、中国以外の国への米の輸出は伸びている。香港、シンガポール、台湾、アメリカへの輸出が多く直近10年で10倍になっている。アメリカ国内ではカリフォルニア米と日本米がほぼ同じ価格で販売されていることから中国よりもビジネスチャンスは大きいのではないか。アメリカと対等にコメの販売競争をするには関税の撤廃が必要となるが、生産者支援や政策目的の誘導を行うために関係者へ直接的に補助金を支払う制度を導入すれば可能となる。EUは関税を撤廃後、直接支払いを利用して生産者を保護している。農家の生産性の向上、技術革新などを後押ししつつ、直接支払制度を活用すれば減反の必要はないし国際競争力は一気に増す。そして、国家の食糧安全保障にも貢献する。(おわり)

政治•経済

2025.03.14

保険会社の取り分は競馬の胴元より多く、最悪の博打宝くじを上回るときもある?!
保険会社の取り分は競馬の胴元より多く、最悪の博打宝くじを上回るときもある?!

だから保険会社はやめられない!馬券や宝くじを大幅に上回る、史上最大級の〝胴元取り分〟  保険商品の設計に関わっている専門家によると、「医療保険」の保険料には30%程度の保険会社の経費などが含まれているという。競馬の場合、馬券代の約25%が運営側の(税金も含む)経費等に回り、残りの約75%が賞金になるので、「医療保険に加入すると馬券を買うより損失が出やすい」という結論になる。良心的な保険会社と言われるライフネット生命の2022年度決算説明資料(23年5月11日)には、「粗利率」が記載されている。これは、保険料から各種給付金を支払い、将来の給付金支払いのために一定額を積み立てた後、会社側に残るカネの割合だ。  この粗利率が20年度は43%、21年度は44%、22年度は39%(新型コロナウイルス禍の影響を除くと46%)となっている。  ライフネット生命でも粗利率から逆算すると、給付に回るカネの割合は、コロナの影響を除けば55%前後であり、馬券を買うより不利だ。ライフネット生命以外の保険会社は、保険料の内訳のような情報を開示していないが、大手生保の「定期保険」(保障期間が定まっている死亡保険)では、加入者の死亡時の給付金に回るカネは保険料の約23%にすぎないと試算できる契約例もある。つまり生命保険は「ネット生保でも6万円もらうのに10万円超のお金がかかる」仕組みであり、競馬より確実に不利で、運営側の取り分が55%もある宝くじよりひどい例もあるらしい。誰も保険会社を「胴元」とは言わないが、会社側の経費や利益が上乗せされている分、加入者のカネは確実に減るのだ。  一方、庶民の夢食うバクに例えられる「宝くじ」は、バクに夢という餌を与えているようなものだ。投資したときにそのうち何%がリターンとして返ってくるかという指標を「還元率」というが、年末ジャンボの場合、49.8%の還元率であり、数あるギャンブルの中でも最低ランクに位置する。「控除率」と指標からみると呆れるくらいひどい。「控除率」は、投資したときにそのうち何%が引かれるのかという指標だが、これが50.2%で、投資額のうち半分以上が引かれるということになる。運営者を「胴元」というならこの控除率が胴元の儲けになるわけで、宝くじの還元率は50%未満、1万円分の宝くじを買ったら平均して5000円分くらい当たるということになる。しかし、宝くじを買ったことがある人なら、「いや、半分も戻ってくる感覚はない。せいぜい買った10枚分の1枚の当たり300円が関の山だ」と思う方が多いはずだ。  そこでいま喧々諤々となっている高額医療費問題を見てみよう。所得金額が150万円の高額医療費の場合、医療費100万円に対し医療費控除対象額は92万5000円で、還付金額は4万6250円となる。こう“配当”が少ないと保険に入ろうとか、宝くじを買った方がマシという人も出てくるだろう。高額医療費減額の陰で、糸を引いている誰かさんがいるに違いない?!  

社会•事件

2025.03.14

参議秘書兼経済アナリスト 吝 貢辞(やぶさか こうじ)の『日本経済・深層海流』春季短期連載  中国で人気を集める日本米の輸出が伸びないわけ(第5回)
参議秘書兼経済アナリスト 吝 貢辞(やぶさか こうじ)の『日本経済・深層海流』春季短期連載  中国で人気を集める日本米の輸出が伸びないわけ(第5回)

中国産日本米が中国国内で広く普及している (写真 NECより引用)  二つの要因を検討した結果、中国への日本米の輸出が伸びないことと中国当局による精米や燻蒸の施設の認可は自由な貿易競争を阻害しているとは言えない。また、中国が中国産ブランド米のルーツが日本米であることを隠していることもない。むしろ、日本米の国際競争力を阻害しているのは価格である。農家の努力によって一定のところまで価格は下がったがその後が続かない。農業の大規模化、効率化を進められず、逆に兼業農家などの多様性を重んじたことによって低コスト化は進まなかった。政府は減反政策の一環としてコメ農家に飼料用米の栽培に変更した場合にはコシヒカリを生産したときと同様になる補助金を給付した。コメ農家は中国をはじめとした新しい市場で価格競争にさらされるよりも補助金で安定収入を確保する方を選んだ。政府の農政が農業の大規模化や生産効率の向上を阻害する結果となっている。コメの国際競争力を失ったのは政府による人災なのかもしれない。(つづく)

政治•経済

2025.03.13

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