高市政権の外国人政策強化

10 月 21 日、高市早苗自⺠党総裁が総理大臣に任命された。我が国初となる女性首相の誕生だ。同日に発足した高市内閣は、自⺠党と日本維新の会の「連立政権」として報じられている。 厳密に言うと、「閣外協力」と「連立政権」はイコールとは言い難いが、20 日に高市総裁と維新の会の吉村洋文代表、藤田文武共同代表が署名した文書は「連立政権合意書」というタイトル。今後は、閣僚を内閣に送り込まない閣外協力であっても連立政権であるという理解が浸透していくだろう。 高市内閣では、女性閣僚の登用が注目されていた。蓋を開けてみると、片山さつき財務相と小野田紀美経済安保相の二人にとどまったが、松島みどり元法相が総理補佐官に起用された。 外国人政策担当の松島みどり総理補佐官 出典:首相官邸公式サイト 松島総理補佐官の担当は外国人政策。小野田経済安保相も「外国人との秩序ある共生社会推進担当」を兼ねている。高市首相の肝入り案件である「外国人対策」の司令塔を首相側近で固めてきたところに、高市首相の本気度が伺える。 自維の「連立政権合意書」も、外国人政策として、外国人に関する違法行為への対応と制度基盤を強化して「ルールや法律を守れない外国人に対しては厳しく対応する」ことを明記している。 その他にも、対日外国投資委員会(日本版 CFIUS)の創設や、外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案も、来年の通常国会での審議入りが目指されている。高市政権は、我が国における「外国人政策」の転換点となるだろう。 (北島純・社会構想大学院大学教授)
政治•経済

2025/10/23

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トランプ大統領 バイデン前政権で税金を貪り食った左翼陣営から補助金召し上げ
トランプ大統領 バイデン前政権で税金を貪り食った左翼陣営から補助金召し上げ

右か左か?どっちを向けばいいの?それにくらべてニッポンのなんとまあ能天気なこと(涙) (写真 Wikipediaより)  トランプ米大統領の「レッドパージ」がすさまじい。トランプ米大統領は20日、左傾化を強める日本の文科省にあたる教育省の廃止を目的とする大統領令に署名した。返す刀で「左派の牙城」法曹協会(ABA)にも「特権」の剥奪を突き付けている。ABAの特権とはなにか。同協会は、法科大学院の学術基準を設定し、法曹界のための倫理規範を作成するほか、法科大学院を評価・認定するという権限を持っている。大多数の州では、法曹志望の学生は、ABA認定の法科大学院を卒業していないと司法試験を受けることができないことからABAの意に沿わざるを得ない。ABAは本来であれば、中立性が求められる立場だが、近年この認定権限を利用して、左派的な方針を推進してきたと共和党や保守派から非難されている。  パム・ボンディ司法長官は2月28日、ABAへの書簡のなかで、ABAが長年にわたり、法学教授とその学生に「『多様性』を装った違法な人種差別と性差別」を義務付けているとして多様性規則を廃止するよう求めた。ボンディ司法長官は、ABAが米国の法科大学院の唯一の認定者であることは「特権であり、義務的な多様性の目標の設定は、その特権の乱用であり、取り消される可能性がある」とも警告している。日本以外のG7諸国では共産党は非合法だ。したがってトランプ流儀に倣えば、ABAの特権剥奪は、日本で言えば、日本共産党系弁護士の牙城である「日本弁護士連合会(日弁連)」に解散をチラつかせるようなものだ。  さて、やはり左傾化が極限までに達している米国・教育省の解体はすんなりとは進まない。というのも合衆国憲法第2条は、解体には議会の承認を得なければならないが、それには上院で60票が必要という規定がある。が、現在共和党員は53人しかいないからだ。同省を一段一段小規模化するなどしながら事実上の「解体」を進めていかざるを得ない。ともかく教育省を閉鎖すれば、 DEI(多様性、公平性、包括性)という錦の御旗にトランスジェンダーを思い込まされる少年や少女たちを量産する教師研修などの左翼プロジェクトに連邦政府の補助金交付がなくなる。トランプ政権はすでに補助金を6億ドル削減した。教育省は、連邦教育プログラムの調整を改善し、州および地方の学校システムを支援することを目指して24年度に791億ドルの予算を得ている。その予算にストップをかけられたのがアイビーリーグの一角ペンシルバニア大学だ。  ホワイトハウスは19日、同大がトランスジェンダーの選手が性自認に基づいて女性と競うことを認めたとして1億7500万ドルの資金提供を一時停止したと発表した。ペンシルベニア大は、2021~22年の競泳シーズン中に、女子スポーツへのトランスジェンダー選手の出場を巡る全国的な議論に火をつけた“先駆者”として左翼からの評価は高い。シーズン中、同大のリア・トマス選手が、全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン1女子で、トランス選手として初めて優勝したためだ。奨学金でスポーツに励む選手は、順位が下がれば評価も下がり、奨学金などが減額される可能性がある。“男”の女子競技参戦は、教育権や生活権への侵害であり差別なのではないか。トランプ氏はそう言いたいのだ。米国の問題は明日の日本の問題となる。ただし差別解消を錦の御旗に掲げる日本の左翼陣営は“容共自民党”と“容共メディア”に支えられ今日も元気だ。  

政治•経済

2025.03.28

再生医療でトラブル後を絶たず 行政は監視強化を
再生医療でトラブル後を絶たず 行政は監視強化を

 体の細胞を患者の脂肪などから採取し、点滴や注射器を使って患者の体内に戻す「再生医療」。病気やけがで損なわれた組織や臓器を修復する治療で、糖尿病や腎臓病などの病気改善のほか、健康や美容に効果があるとされている。難病治療にも期待が寄せられている再生医療だが、最近は自由診療で行われていることもあってか、トブルが後を絶たない。行政による監視強化が不可欠となっている。 ◆2014年に再生医療安全性確保法が施行  大学病院の臨床研究などで行われる再生医療の場合、一定程度の安全性が担保されている。一方で、保険外の自由診療を行う民間クリニックなどでは、安全性や有効性に疑問を抱かざるをえないような「えせ再生医療」が目立ち、患者に副作用が出たり高額代金を請求されたりするなどのトラブルは前々から相次いでいた。  政府は対策に向け、再生医療を行う全医療機関に対し、治療計画を策定して国に届け出ることを義務づけた再生医療安全性確保法を2014年に施行。医療機関は、国が認定する有識者委員会で計画の安全性について審査を受けなければならないとも規定している。  だが、最近でもトラブルが続き、患者が重症になるなど深刻なケースも少なくない。昨秋には東京都内のクリニックで、がん予防を目的に細胞の投与を受けた2人の患者が重い感染症にかかり、緊急搬送されたケースも発生。厚生労働省がクリニックの運営法人に行政処分を下す事態にまで発展した。 ◆安全性の根拠が乏しいケースも 再生医療安全性確保法に基づき、医療機関には治療計画の届け出が義務づけられているものの、治療計画そのものの安全性に根拠が乏しいケースも少なくないようだ。国立がん研究センターなどが、国に届け出のあっ治療計画を調べたところ、安全性の根拠が疑わしいケースが25%も締めていたという。 ただ、そもそも治療計画は、有識者委員会の審査を経ているものであるため、いい加減な甘い審査が横行していることの裏返しともいえる。現在の有識者委員会の人選や審査の在り方に問題がないのか、改めて見直すべきではないか。 再生医療を展開する医療機関で安全性を担保していくためには、行政が厳格にチェックする仕組みを構築する必要があるだろう。有識者委員会によるずさんな審査を許し、問題のある再生医療を放置することは許されない。

社会•事件

2025.03.28

“赤海亀”に席巻される日米の最高学府
“赤海亀”に席巻される日米の最高学府

東京大学はもう以前から、ハーバード大学もブラウン大学も、はたまたボストン大学だっていまや中国人留学生に席巻されているという現実  (写真 アカウミガメ Wikipediaより)  3月24日の参院外交防衛委員会で、自民党の有村治子参院議員の「優秀な博士課程の学生に生活費や研究費を支給する国の支援制度」を巡る質問に、文科省は2024年度の受給者の約3割が中国籍の留学生だったことを認めた。有村氏は、経済安全保障の観点から過度な留学生依存は避けるべきだと指摘し、「日本の学生を支援する原則を明確に打ち出さなければ、国民の理解は得られない」と述べた。まったくその通りだ。中国では海外から帰国する留学生のことを「海亀(ウミガメ)族」と呼ぶ。中国語で海外から帰ってくるという意味の「海帰」と「海亀」の発音(いずれも haigui) が似ていることがその由来だ。ウミガメは海外で修得した技術などを中国に持って帰る。中には技術窃盗で逮捕される「信義に厚い」ウミガメもいる。  米国では「中国人と見たらスパイと思え」が合い言葉となった。5年ほど前から居づらくなった博士クラスが大挙中国へ帰国し、学部学生の留学生となると卒業後80%が中国へウミガメとして帰国する。ボストン大学でロボット工学をマスターしたイエ・ヤンジンは中国人民解放軍の幹部で、ブラウン大学でバイオ研究30年の曹浩乃は精華大学教授として帰国した。在米20年のホー・イクイエンは北京大学教授になった。米国で最新の科学や医学、化学などを学び、マスターしアメリカの資金で研究を極めた中国人学者が中国へ帰る。米国の巨額投資の成果はみすみす中国に渡る。前述した3割の中国人博士課程留学者には1人あたり年間最大290万円が支給される。そして日本でタダ同然で得た知識を持って中国に帰り、日本の安全保障を脅かすというサイクルだ。  楊振寧というノーベル賞受賞者のケースでは、彼の父親も世界的な数学者で安徽省生まれ(当時は蒋介石の中華民国)。米国へ渡り、同じく中国人の李政道と一緒に素粒子の研究に励みノーベル賞に輝いた。そして中国へ凱旋した。逆に中国の高給とふんだんな研究費、助成金に釣られた米国人学者が中国と協力するケースもある。典型はハーバード大学化学部長だったチャール・ズリーバーで、米国予算からの助成金を受けながら同時に中国から2億円の研究補助を受けていた。英国でも同じ現象が起きている。これは「千人計画」の一環で、日本学術会議の取り込みもこの国家計画の一環だ。政治的判断の出来ない日本人研究者も多数が中国の高給と研究環境、待遇などの好条件に魅かれ中国へ渡った。日本における中国人留学生は10万人を超え、東京大学の大学院生では5人に1人が中国人留学生だ。しかも学費はタダ同然、国賓待遇だ。留学生が増えた結果、ゼミや大学内の授業でも中国政府の公式見解(例えば尖閣列島は中国領)を信じる学生の声が多数になりつつある。それはそれでいいのだが、「あの教授が尖閣列島は日本の領土だと教えている」と、留学生が大学の執行部や事務方に苦情を訴えるケースもある。とある私立大学では、事務方から「大切な留学生の意向に沿うような授業にして欲しい」と指導された教員がいるという話もある。  中国人留学生が押し寄せている米国では、中国系アメリカ人教授が、中国人留学生から「先生も中国人なのだから、中国語で授業をしてくれ」と要求された。教授は「ここはアメリカの大学である」と断ったそうだが、東大にいる中国系教授も他人事ではない。  

社会•事件

2025.03.28

世界最速W杯出場!日韓サッカーの違いから見える政治空白
世界最速W杯出場!日韓サッカーの違いから見える政治空白

 昨年末に尹錫悦大統領が「非常戒厳」を発して以来、韓国政界はカオス状態が続く。首相で大統領代行の韓悳洙(ハン・ドクス)氏にかけられた「非常戒厳幇助」の疑いは、憲法裁判所で棄却されたものの、尹大統領の「内乱首謀罪」の審議はまだ先。世の中ではトランプ・ストームが吹き荒れる中、全く持って蚊帳の外に置いて行かれた状態だ。  話しは急に変わるが、こちらもなんともカオス状態にあるのが、サッカー韓国代表だ。日本はもちろん世界最速でワールドカップ本大会出場を決めて、「目指すはW杯優勝」などと沸く一方、「このままではW杯に行けない」(3月26日付『中央日報』)と、悲壮感が漂い、まさに天国と地獄の瀬戸際状態なのだ。  日本代表が事実上の消化ゲームのサウジアラビア戦を3月25日に行ったのと同時に、日本とは別のB組首位の韓国はホームで2位のヨルダンと首位対決を行ったのだが、結果は1-1のドローで、本大会出場は持ち越された。だがこれで韓国代表は3戦勝ち無し。「赤信号が点った」(同前)などとも言われている。 「結果を受け、洪明甫(ホン・ミョンボ)監督は『自らの責任』とファンに頭を下げましたが、このところの韓国サッカー界のゴタゴタを考えれば、とても監督だけの責任とは思えません。まずは24年1~2月に開催されたアジアカップの準決勝で敗退したのが国際大会でのミソの付け始め。結果、選手としてW杯優勝経験もあるドイツの英雄のユルゲン・クリンスマン監督を、就任から1年足らずで解任しました。すると昨年4月には、Uー23(23歳以下)の代表がパリ五輪出場を逃し、88年のソウル五輪以来の9回で連続出場が絶えました。この時、韓国サッカー協会は短い謝罪文を出しただけ。フル代表もこの間、クリンスマン監督の後任に臨時監督を立てるだけに終始したことで、ファンはもちろん歴代のスター選手から協会の無力に批判的な声が上がったほどです」(スポーツライター) 未だ指揮体制定まらず  そしてようやく24年7月に、現監督でW杯4回出場、韓国代表史上最多のキャップ数を誇る大スターのホン・ミョンボを正式な監督に据えるのだが、これに対しても「多くの反対意見を聞かなかった」として市民団体が協会会長を業務妨害で刑事告発したり、韓国の日本でいうところのスポーツ庁が協会の監査に乗り出すなど、内部はゴタゴタ。そんな空気が選手の戦う気持ちに反映しないわけがない。ちなみに最近のUー23代表は、親善試合で格下のベトナム、中国に連続ドローでこちらも揮わないが、やはり監督は臨時体制という始末だ。  アメリカ・ファーストで同盟国を何とも思わないトランプ政権に対し、日本の防衛庁は、陸海空だけでなく宇宙とサイバーも加えた指揮系統の1元化を図る「統合作戦司令部」を発足。そこには在日アメリカ軍との連携を深める狙いもある。そして3月30日には、ヘグセス国防長官が来日して、中谷元防衛大臣と会談を行う予定だ。だがヘグセス長官は、日本のほかにフィリピンを訪れるが韓国はスルー。先に来日したトゥルシー・ギャバード国家情報長官も、日本のほかにフィリピン、インドを訪れたものの、やはり韓国はスルーしている。  激変の時代に乗り遅れると、気付かないうちにいつか取り返しのつかないことになるやもしれない。韓国サッカーの現在の状況が、実はその結果なのかもしれない。  

鱗形屋を差し置いて大量出版、大躍進した蔦重・耕書堂
鱗形屋を差し置いて大量出版、大躍進した蔦重・耕書堂

 蔦重・耕書堂の大躍進の原動力となった「黄表紙」とは、鱗形屋孫兵衛が手掛けた1775(安永4)年の大ヒット作、恋川春町『金々先生栄花夢』が新たに開拓したジャンル。草双紙と呼ばれる子供向けの絵入り・かな混じりの文で書かれた絵本を、より大人向けに風刺や滑稽な内容を加えた書物だった。   1780(安永9)年、蔦重はその黄表紙8点を含む15点の出版物を一気に売り出したのだ。注目すべきはその作者の面々の中に朋誠堂喜三二(ほうせいどう・きさんじ)、北尾重政という2人の大家が名を連ねていたことである。   鱗形屋は先のパクり騒動なども重なって経営が傾き、この年の出版点数がついにゼロとなっていた。鱗形屋を支えていた喜三二と春町の二本柱はフリーとなった。このうち春町は個人的な事情で休筆していたが、喜三治は当然ながら他の版元の争奪戦が繰り広げられたと思われる。   鶴屋、西村屋といった大手老舗を差し置いて蔦重が喜三二を「落とした」理由については記録が残っていないが、蔦重が得意の接待攻勢で篭絡したか、鱗形屋の下にいた時代から何らかの繋がりがあって、喜三二が蔦重に「面白さ」を見出していたのかもしれない。この年の喜三二は数えで46歳、蔦重は30歳。(つづく)

連載•小説

2025.03.27

政府の大甘査定、法人化で永らえる日本学術会議
政府の大甘査定、法人化で永らえる日本学術会議

嗚呼、なさけなや。中露から果ては北朝鮮からも〝核〟で恫喝されるニッポン (写真 日本学術会議 内閣府HPより)  「武器さえなければ戦争は起こらない」「人工知能(AI)やドローン、ロボットなど多くの先端技術は、軍事と民生の明確な境界をつけられない多様性を持つ」。こんな小学生でも分かることが分からないのが、日本の知性の結集集団「日本学術会議(光石衛会長)」だ。学術会議の“功績”により日本の軍需産業は霧散し、海外から高額な武器を購入せざるを得なくなった。その原資は税金だ。政府は先頃、同会議を現行の「国の特別の機関」から切り離し、特殊法人(民営化)に改編することを柱とした新しい「日本学術会議法案」を国会に提出した。成立すれば2026年10月から施行され、現行法は廃止となる。これまで学術会議は日本共産党主導の共産主義イデオロギーに基づく運営が目立った。民営化も選択肢だが、本筋なら廃止こそが最善の策ではないか。なまじ民営化すると、それこそ中国資本が入り込んで運営への口出しを始め、学術会議の権威を利用して国公立大学や国立の研究機関に影響力を行使しかねないからだ。学術会議の問題点は異常なほど軍事忌避の姿勢が際立つことだ。1950年と67年にはそれぞれ「軍事目的の科学研究を行わない」と表明。17年にも防衛装備庁が将来の装備品開発を目指して研究者に資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」に懸念を示す声明を発表した。であるのに、15年9月7日には、北京の中国科学技術協会において当時の大西隆日本学術会議会長と韓啓徳中国科学技術協会会長が、両機関における協力促進を図る覚書を締結した。  中国科学技術協会は、中国の最高意思決定機関である共産党常務委員会の下にある「中共中央書記処」の管轄下にある。さらに同協会は、軍民融合を中国全大学の研究や有力な民間企業に呼び掛けるセンターとなっている。そもそも「革命は銃口から生まれる」という毛沢東元主席の軍事力重視路線が国家のDNAにある中国は、あらゆる力を糾合して軍事力強化に協力させている。常に戦時を想定し、徴用を含む民間資源の軍事利用を目的とした国防動員体制を整備してきた国家である。この国ではアカデミズムの独立より、はるかに国力増強が優先される。その中国アカデミズムの中心にある中国科学技術協会と日本学術会議が組むということは、日本のアカデミズムの研究成果が中国に流れ、その研究成果や編み出された技術が軍事転用される可能性があるということになる。「学術会議は一体どこの国の機関なのか」という疑問が沸くのは当然のことだ。  こんな体質を持つ学術会議の改革は、20年9月に当時の菅義偉首相が会員任命で6人を除外したことがきっかけとなった。任命拒否の理由を政府は明らかにしていないが、6人は安倍政権が制定した安全保障関連法や特定秘密保護法、改正組織犯罪処罰法などに反対していた。科学技術が急速な進歩を遂げる中、軍事と民生の区別をつけるのは難しいということにようやく気付いた学術会議は、22年に当時の梶田隆章会長が中心となり、軍民双方で活用できる「デュアルユース(両用)」の研究を事実上容認する見解をまとめた。しかし遅すぎた。日本は中露どころか、北朝鮮にも核によって恫喝される半奴隷国家に成り下がったのだから。  

政治•経済

2025.03.27

「デジタル遺品・終活」に注目 家族に安心を
「デジタル遺品・終活」に注目 家族に安心を

パソコンやスマホといったデジタル機器の利用が高齢者にも広がる中、インターネットで取引が行われる銀行口座や定期購入契約を巡って、本人が死去後に家族らがIDやパスワードが分からずに困るケースが後を絶たない。ネット契約の解約に数年を要するケースも確認されており、国民生活センターは生前に行う「デジタル終活」の必要性を訴えている。 ◆ID・パスワードの整理をできるだけ早く 総務省の調査によると、スマホでネットを利用する人の割合は全世代で増加。20~59歳は9割ほど、60歳代は8割近く、70歳代は約5割に及んでおり、高齢者でもネット利用者が多い実態がうかがえる。  今後は、ネット上の契約を残したまま死亡する人が増える見込みで、国民生活センターは「デジタル遺品」の処理に関する対策を公表。ネット上の資産やサブスクリプションの契約、スマホやパソコンのロック解除のためのパスワードやIDを紙に書くなどして残しておくことを注意喚起している。   具体的には、名刺サイズの紙にパスワードなどを記入し、修正テープを複数回重ね張りするなどのマスキングを施して保管することなどが推奨されているようだ。 「死」は高齢になればなるほど向き合う必要性が大きくなるとはいえ、どの世代にも突然やってくる恐れのあるものだ。 家賃の振り込みや住宅ローンの支払いを、ネットバンキングを通じて行っている現役世代も少なくないのではないか。「債務」も相続されることを考えると、多くの人にとって「デジタル終活」は人ごとではないだろう。  スマホをはじめとしたデジタル機器の機能の向上も進み、生きている間は利用する上で非常に便利になっている。ただ、亡くなった後に家族らに迷惑をかける形となってしまっては、元も子もない。 亡くなってからでは遅い。対応が後手に回らないよう、生前からの心がけが重要だ。それは高齢者に限らず、全世代に通じることでもある。

社会•事件

2025.03.27

職場の熱中症対策 罰則付き義務化へ
職場の熱中症対策 罰則付き義務化へ

 寒い冬が終わって各地で気温が高騰しており、春を飛び越えて今にも夏がやってきそうな勢いだ。職場での熱中症による死傷を防ぐため、厚生労働省はこのほど、企業に労働環境の整備などの対策を罰則付きで義務化する方針を固めた。職場で熱中症による労災が相次いでおり、死傷者が後を絶たない現状を踏まえ、国が厳しい対応を決めた形だ。労働安全衛生法に基づく罰則付きの義務化は6月には始まる見通しで、各地の建設現場などで熱中症対策の強化が期待される。 ■死者は年間30人 職場で熱中症にかかり、4日以上の休業を余儀なくされるなどした死傷者は2024年、1195人にも上り、そのうち死者は30人だった。 このため厚労省は、熱中症の症状が出た後に重症化を防ぐ必要性が高いと判断。厚労大臣の諮問機関である労働政策審議会分科会で議論を重ねた結果、労働安全衛生法の省令を改正し、企業に対策を義務づけることを決めた。 対策が義務づけられるのは、気温や湿度などから算出する暑さ指数の「WBGT」が28度以上、あるいは気温31度以上の環境下で連続1時間以上か1日4時間以上の作業をするケースについて。 具体的な義務付け内容は、▽熱中症の恐れがある労働者を早期に発見・報告するための体制整備▽重症化を防ぐための応急処置や医療機関への搬送などの実施手順の事前作成――などとした。対策を怠った場合の罰則は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金となる。 厚労省が対策を単なる企業の「努力義務」にせず、罰則付きで義務化しているのは、労働者保護に重点を置いたためだろう。 働き手の人手不足が深刻化している中、現場熱中症で倒れる労働者が出てくると、企業にとっては大きな痛手だ。真夏の屋外の建設現場を中心に、手厚い対策が迫られる。  

北朝鮮軍大活躍 ロシアのクルスク奪還の原動力との報道も
北朝鮮軍大活躍 ロシアのクルスク奪還の原動力との報道も

700億円を米ドルで濡れ手に粟!? 米ロのはざまで金正恩総書記の懐温まる (写真 クルスク Wikipediaより)  ロシアによるウクライナへの侵略戦争に停戦の2文字がチラつき始めた。米トランプ大統領は、3月4日の連邦議会での演説で、≪われわれはロシアと真剣な話し合いを行い、彼らが平和を望んでいるという強いシグナルを受け取った≫と述べた。ところが、昨年夏にウクライナが占領したロシア領クルスク州の3分の2をロシア軍がドローンと朝鮮人民軍(北朝鮮軍)を前面に出して奪還するという異変が起こった。18日(現地時間)の米紙ワシントンポストは、≪ロシア軍がクルスク州を事実上完全に奪還して勝機をつかむようなったのは、北朝鮮軍の活躍のおかげだという評価が出ている≫と報道した。同紙によると、≪昨年11月に派兵が公式に確認された1万1000人の北朝鮮軍は、一般歩兵部隊が中心だったが、しばらく撤退し、先月追加派兵された北朝鮮軍には、独自の指揮体系と攻撃計画を持った特殊軍団が含まれている≫と説明した。この特殊軍団が通称暴風軍団=第11特殊軍団かどうかは明記されていない。  8日(現地時間)のニューヨークタイムズ(NYT)も、≪これはキーウ(ウクライナの首都)にとって相当な脅威になる≫とし、≪トランプ大統領が協議を進める現在、ロシアによるクルスク奪還で、ウクライナの立場が悪化する可能性がある≫と分析した。ウクライナはクルスクという和平を有利に進めるカードを失ったということだ。クルスク州で、北朝鮮兵が越境してきたウクライナ軍に攻撃を開始したのは、2024年11月中旬のことだった。投入された兵は1万1000人。それからわずか約2カ月で、半数に近い4000(戦死者400、負傷者3600、そのうち300が前線復帰)人の死傷者を出した。だが北朝鮮軍は、このみじめな失敗を成功のもとにした。ウクライナ軍が守ろうとした阻止ラインを次々に崩した。こうした戦果により「北朝鮮派兵兵士の値段」が高騰しているという。ロシアは北朝鮮兵1人あたり3万ドル(約450万円)を支給しているが、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と和平で合意するムードが出てきた3月に入ると3500人が新たに派兵されて、計1万5500人分、ざっと700億円が金正恩総書記の懐に入った計算になる。  喉から手が出るほど欲しかったドルを手にした正恩氏は笑いが止まらない。  

政治•経済

2025.03.26

独・米政権が代われば、コロナウイルスの発生源も変わる
独・米政権が代われば、コロナウイルスの発生源も変わる

コロナ・ウイルスはどこから来たの?いまさらながら蒸し返される世界的問題、その真相は? (写真 ロベルト・コッホ研究所 Wikipediaより)  のど元過ぎれば何とやら…。すっかり鎮静化というより忘れ去られた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2:以下コロナウイルス)だが、ベルリンにある欧州最大級の大学病院シャリテのウイルス学研究所長・クリスティアン・ドロステン博士は、WHOが新型コロナ「緊急事態宣言」を発令した2023年5月の1年前には「春には終息する」と断言していた。ドイツはどこよりも早く、正確にコロナウイルスの正体を見抜いていたのだ。コロナウイルスには2つの発生源がある。まず「自然発生説」(a natural zoonotic outbreak)と「武漢ウイルス研究所=WIV流出説」(a research-related incident)だ。このうちドイツの諜報機関、独連邦情報局(BND)が、20年の段階でWIV流出説を裏付ける機密情報、資料を入手していたことがこのほど明らかになった。  BNDが根拠にしたのは、公的なデータの分析に加え、「サーレマー」というコードネームで行われた情報機関の極秘作戦で入手した資料に基づくものだった。資料の中には、中国の研究機関、特にウイルス研究の最先端機関である「武漢ウイルス研究所」からの科学データが含まれていた。また、自然界のウイルスを人為的に改変する「機能獲得(Gain-of-Function)」実験のリスクに関する証拠や研究所の安全基準違反を示す多数の資料も含まれていた。当時のメルケル政権下にあったBNDのブルーノ・カール長官は、首相府に対し、「武漢ウイルス研究所」起源説の信憑性は「80~95%」と報告したが、首相府は非公開の決定を下した。  そしてメルケル政権からショルツ政権への移行後、BNDのカール長官は首相府に再び報告を行ったもののドイツ連邦議会の情報機関監視委員会や世界保健機関(WHO)は、この情報を共有しなかった。24年末、ドイツ政府はBNDの知見を外部専門家に検証させることを決定。ロベルト・コッホ研究所(RKI)のラース・シャーデ所長と前述のドロステン博士を含む専門家チームが現在、BND情報の妥当性を評価している。ただし最終結果はまだ公表されていない。興味深い点は、BNDは昨年秋、詳細な情報を米中央情報局(CIA)にも提供していることだ。ところが、CIAは25年1月に入って、「武漢研究所事故の可能性は低い」との立場を示した。しかし、トランプ米政権がスタートした直後の1月25日になってCIAは、中国の研究室から流出した可能性が高いと豹変した。これまでコロナウイルスの起源を調査した米機関のうち、エネルギー省と米連邦捜査局(FBI)は研究室からの流出が最も可能性が高いと評価したが、国家情報会議と他の4つの情報機関は、自然発生の可能性が高いとしている。  こうしたBNDの報告について、中国外務省の報道局長・毛寧は北京で、「コロナウイルスに関する問題で、中国はいかなる形の政治的操作も断固として拒否する」と強調し、BNDのWIV流出説を一蹴している。  

社会•事件

2025.03.25

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