高市政権の外国人政策強化

10 月 21 日、高市早苗自⺠党総裁が総理大臣に任命された。我が国初となる女性首相の誕生だ。同日に発足した高市内閣は、自⺠党と日本維新の会の「連立政権」として報じられている。 厳密に言うと、「閣外協力」と「連立政権」はイコールとは言い難いが、20 日に高市総裁と維新の会の吉村洋文代表、藤田文武共同代表が署名した文書は「連立政権合意書」というタイトル。今後は、閣僚を内閣に送り込まない閣外協力であっても連立政権であるという理解が浸透していくだろう。 高市内閣では、女性閣僚の登用が注目されていた。蓋を開けてみると、片山さつき財務相と小野田紀美経済安保相の二人にとどまったが、松島みどり元法相が総理補佐官に起用された。 外国人政策担当の松島みどり総理補佐官 出典:首相官邸公式サイト 松島総理補佐官の担当は外国人政策。小野田経済安保相も「外国人との秩序ある共生社会推進担当」を兼ねている。高市首相の肝入り案件である「外国人対策」の司令塔を首相側近で固めてきたところに、高市首相の本気度が伺える。 自維の「連立政権合意書」も、外国人政策として、外国人に関する違法行為への対応と制度基盤を強化して「ルールや法律を守れない外国人に対しては厳しく対応する」ことを明記している。 その他にも、対日外国投資委員会(日本版 CFIUS)の創設や、外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案も、来年の通常国会での審議入りが目指されている。高市政権は、我が国における「外国人政策」の転換点となるだろう。 (北島純・社会構想大学院大学教授)
政治•経済

2025/10/23

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改正育児・介護休業法が4月施行で両立支援を強化
改正育児・介護休業法が4月施行で両立支援を強化

 仕事と育児・介護の両立支援を強化する改正育児・介護休業法が、今年4月に施行された。男性の育児休業の取得率が女性に比べて依然として低く、男女ともに介護休業の取得が進まない現状を改善するのが狙い。国は改正法施行によって、企業による仕事と育児・介護の両立支援を男女ともに強化させていきたい考えだ。  国の統計によると、2023年度の育休取得率は、女性が84・1%なのに対して男性は30・1%で、いまだに男女に大きな開きが出ている。介護休業も、取得率は1割未満で、介護を理由に離職する人は年間10万人以上にも上るという深刻な事態だ。  多くの社員が直面する育児や介護の問題を放置するわけにはいかず、仕事との両立支援の拡充は近年、喫緊の課題だった。 ■子の看護休暇など見直し 4月に改正同法が施行されたことで、男性の育休取得率の公表を義務づける対象企業は従業員1000人超から300人超まで拡大。子どもの看護休暇は、取得範囲が「小学入学前」から「小学3年」までに広がったほか、改正法前は取得理由が病気時などに限られていたが、改正により、感染症に伴う学級閉鎖、卒園式や入園式、入学式が追加された。  改正法は、介護分野でも支援策を強化した。介護の問題に直面しがちな40歳前後の社員に介護休業制度を周知することを義務付けるなどし、制度の活用促進につなげる狙いがある。 ■中小企業の支援を  こうした法改正を背景に、大手企業を中心に育児・介護を巡る福利厚生を充実化させる動きが広がってきた。育児休暇の対象を、子どもだけではなく孫にも広げ、「孫育児」でも休みを取ってもらう企業が相次ぐなど、働きやすい環境整備も進んでいるようだ。 ただ、人手不足に悩む中小企業の間では、休業を取った社員の代替要員もいないなど、育児休業や介護休業を取らせる余裕もないといった問題は引き続き残っている。 国は改正法施行に加え、中小企業に対する助成金制度を拡充させるなど、さらなる対策強化を検討する必要がある。

元行員女 貸金庫窃盗認める 三菱UFJ事件 初公判
元行員女 貸金庫窃盗認める 三菱UFJ事件 初公判

 銀行員としてあるまじき愚行に走った三菱UFJ銀行の元行員の女が、裁判で全面的に自身の悪事を認めた。貸金庫から顧客の金塊や現金を盗んだとして、窃盗罪に問われた同行の元行員・山崎(元の姓・今村)由香理被告(46)の初公判が4月18日、東京地裁で開かれ、山崎被告は「全て認めさせていただきます」と起訴内容を認めた。  起訴状などによると、山崎被告は2024年3~10月、勤めていた練馬支店の貸金庫から顧客が預けていた金塊計22個(約2億8000万円相当)を盗んだほか、異動先の玉川支店でも現金1650万円を盗んだとされる。  初公判には、黒いスーツ姿で緊張した面持ちで臨んだ山崎被告。検察側の冒頭陳述では、FX取引で出た約10億円もの損失を補填するため、貸金庫の管理責任者の立場を悪用して盗みを繰り返したと糾弾された。 ▼金融庁が監視強化をすべき  今回の事件は昨年10月、貸金庫の現金がなくなっていたことに気付いた顧客からの相談で発覚。同行は、山崎被告を懲戒解雇としたが、被害者は約70人、被害総額は約14億円にも上る前代未聞の大規模窃盗事件に発展した形だ。たった一人の行員にここまでの暴走を許した三菱UFJ銀行の管理体制のあり方を批判する声も相次いだ。  三菱UFJ銀行では、役員が報酬減額を決めたほか、貸金庫に監視カメラを設置するなどの再発防止策を示しているが、これだけの被害を生んでいることを踏まえれば、対応はまだまだ甘いだろう。  同様の貸金庫の窃盗事件が他の金融機関でも相次いで発覚したことを受け、金融庁は行員らが貸金庫に入る際に生体認証の仕組みを導入するなどの対策を求め、監督指針の改定を打ち出した。今後、金融機関で真に実効性のある対策が講じられるよう、金融庁はさらに厳格な目で監視していくべきだ。

社会•事件

2025.04.20

日本の経済力の新エンジン「ロケットビジネス」の日本的問題点
日本の経済力の新エンジン「ロケットビジネス」の日本的問題点

日本経済再生の起爆剤となるか?ロケットビジネス 「有人」ロケットの発射は果たして… (写真 種子島宇宙センター JAXA HPより)  日本政府は2023年11月の「宇宙開発戦略本部」で「2030年代前半に年30回」という打ち上げ目標数を発表した。現状は、23年の2回から増えたものの24年の打ち上げ成功回数は5回に留まっている。一方、米国宇宙財団が発表した24年の世界におけるロケット打ち上げ回数は259回。その過半数の152回は米スペースXによるものだ。日本の打ち上げはあまりに少ない。その理由の1つには、漁業補償という大きな問題も横たわっている。もう1つの問題は、市場が拡大する宇宙市場で日本が存在感を示すために民間のロケットと発射場の確保が必要不可欠となっていることだ。日本の場合、民間によるロケット打ち上げはゼロだ。こうした現状を打開するため、24年から10年間、総額1兆円規模の支援によって、宇宙関連技術や産業の競争力強化を図ろうという宇宙航空研究開発機構(JAXA)による宇宙戦略基金もスタートしている。  打ち上げの高頻度化には、第一に衛星やロケットの開発から打ち上げに至るまで、その担い手となる企業の育成や「宇宙輸送力」全体の向上が欠かせない。次に打ち上げる「場所」となるインフラを整備することが重要だ。国内ではJAXAが所有する種子島宇宙センターと内之浦宇宙空間観測所の2カ所が日本の打ち上げを牽引してきたが、これらはH3やイプシロンなど国の基幹ロケット専用の射場である。「年間30回」という目標を達成するためには、民需の拡大と並行して、より多くのロケットを発射できる新たな拠点を拡充させなければならない。現在、民間や自治体主導でインフラを確保する動きがある。ロケットの発射台だけでなく、研究開発施設なども併設された宇宙へのアクセスの拠点としての「宇宙港(スペースポート)」の整備だ。検討段階のものも含めると北海道、福島、和歌山、大分、沖縄の各県と洋上を含めた6カ所。さらに今年2月には高知県も名乗りを上げた。  各地で「宇宙港」が芽吹こうとしているわけだが、こうした動きを止めないためには、民間任せにせず、国が前面に立つべきだが、それには2つのハードルを乗り越えなければならない。  1つ目は漁業者との調整だ。ある関係者は、現行制度では打ち上げ時に警戒区域への進入を禁止したり退去を命じたりする法的根拠がなく、漁業関係者には協力願いをするしかない。実際、昨年3月9日には、スペースポート紀伊(和歌山)から「カイロス」1号機の打ち上げが予定されていたが、ロケット発射直前に警戒区域への船舶の侵入が発覚、打ち上げが延期となっている。また漁業関係者への「補償金」の負担も小さくない。漁業権の問題があるからだ。水産政策実施上では海は国民共有の財産であると認識されているが、法律上、漁業権は「物権」だから、土地と同じ扱いで妨害行為排除権を有するため、実際に漁を行っていなくても補償を受けられる。  そしてもう1つは法律の整備だ。民間の宇宙港には、ロケットの打ち上げ以外にも一般人が宇宙に行く「宇宙旅行」ビジネスを目論む基地もある。日本の打ち上げに関する法律「宇宙活動法」の対象は無人ロケットや衛星であり「人」に関する記載はない。「有人」を意図する企業も出てきているなか、その拠り所を一刻も早く整備する必要がある。  日本ロケットの「有人」化は、掛け声だけは聞こえるが、その姿はまだ見えない。  

政治•経済

2025.04.20

限りない違和感、ディズニーの実写版「白雪姫」は左翼思想の“魔法”で“シラケ姫”に
限りない違和感、ディズニーの実写版「白雪姫」は左翼思想の“魔法”で“シラケ姫”に

大コケ(涙)現代版『白雪姫』 戻った方がいいんじゃない?家庭向けコンテンツに (写真 ブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動 標語)  過去の大ヒット作も現代版にすると時代背景などが変わるため視聴者にとって違和感を覚えることも多い。が、3月に公開された最新のディズニーリメイク作品「白雪姫」の現代版は、左翼思想の汚染という背景からトンデモ作品になった。2億7000万ドル(約395億円)以上の予算を掛けたが失敗に終わりそうなのだ。無理やり「多様性、公平性、包括性(DEI)」を盛り込みすぎ、辻褄が合わなくなった。業界関係者は「節目の1億ドル(約146億円)にも到達できない深刻な危機に瀕している」と明かした。一方観客はこの実写映画に対して、オンラインデータベースIMDbで、10点満点中1.7点という評価を下した。これは、「バトルフィールド・アース」や「火星人ゴーホーム」といった歴史的ダ作と並ぶ評価だった。ラテン系女優レイチェル・ゼグラーを主役に起用するなど封切り前から話題を集めたが、ハリウッドの映画会社は“意識高い系”映画の製作に及び腰にならざるをえない。 米芸能ニュースサイト「レイダー・オンライン」はディズニー関係者の話として、  ≪ハリウッドは2017年の「#MeToo運動」や20年の「ブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動」の広まりを受け、その波に乗る形で人種偏見や女性差別、LGBT差別などへの問題意識を強調した作品を作ってきた。その結果、3月3日の米アカデミー賞授賞式の視聴率は、誰も関心を示さない作品ばかりだったため過去最低を記録した≫と嘆いた。  20年にアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、ノミネーション条件として、作品に「多様性、公平性、DEI」、少数民族や女性、障害者数などに配慮する内容を義務付けた結果だ。  さてその「白雪姫」の内容だが、まず7人の小人の役に差別を回避するために低身長の人間を採用することを避けた。結果的に不気味なデジタルアバターとして再キャストされた。ラテン系女優の姫様は、白人の王子に救われることを拒否したばかりか、王子が万引き犯に置き換えられている。魔法の鏡も置き換えられた。鏡は「世界で一番美しいのは誰?」と尋ねられても美人を特定することはできないからだ。噂によると、悪役の女王を演じるイスラエルの女優ガル・ガドット氏は、ガザにおける母国の行動を支持しているが、ゼグラー氏は「パレスチナの自由」を掲げており、衝突のしっぱなしだった。先週発表されたディズニーの年次報告書によると、劇場配給収入が29%減少している。映画ファンは進歩的なプロパガンダに関心はない。銀幕は日常の懸念から逃れ、ファンタジーの世界へと誘うものでなければならない。ディズニーが元の「白雪姫」のような伝統的で家族向けのコンテンツに戻るときにのみ、本来の魔法を取り戻すことができるだろう。    

社会•事件

2025.04.20

国内ユニコーン、スタートアップ企業の新たな幕開けでイノベーションを起こせ
国内ユニコーン、スタートアップ企業の新たな幕開けでイノベーションを起こせ

掘り起こせ、新しい産業! 三菱商事が賭ける東京大学への期待 (写真 東京大学正門)  日本政府は2022年に「スタートアップ育成5カ年計画」を策定し、日本でユニコーン社数百社を目指している。ユニコーン企業とは、企業価値10億ドル(約1600億円)以上の未上場企業を指している。米国や中国、インドなど諸外国に比べて日本ではユニコーン企業が育たない、数が少ないといった指摘がされてきた。しかし、現在は国内のユニコーン企業は8社となり、ユニコーン予備軍となる100億円規模の企業価値を有するスタートアップはおよそ300社もある。まさにイノベーションの胎動が出てきているのだ。大学発スタートアップ企業輩出数で国内随一の実績を持つのが東京大学だ。AI研究で著名な松尾豊教授が技術顧問を務める「PKSHA Technology」、Googleやモデルナなど海外資本に買収されイグジットした企業などテクノロジー系を中心に577社(2024年3月末)を輩出している。577社のうちIPOまで至った事例は27社。M&Aは66社と一定の成果を挙げている。東大ではさらなるスタートアップ創出を進めている。今年3月28日、東京大学・安田講堂で開かれた記者会見で、三菱商事の中西勝也社長は日本の危機をこう見通した。  「海外の国々は研究と社会実装の両輪で新しい産業を創出し成長を続けている。ところが日本はその点で少し遅れを取っているという問題意識があります」  三菱商事は同日、東京大学に6億円の寄付を発表したが、単に資金を拠出するだけではなく、人材リソースや総合商社としてグローバルで培った産業知見・ネットワークを提供し、東大のスタートアップ創出、技術シーズの発掘・社会実装を支援することを目的とする。三菱商事は今回の寄付を通じて、東京大学に眠る研究開発型(ディープテック)スタートアップの技術シーズの探索や事業化を一気通貫で支援するプログラム「Tech Incubation Palette」の設立を支援する。支援期間は2025〜28年度(予定)だ。三菱商事の東大支援の背景にあるのは、三菱商事にとっても将来のビジネスの種になりうる、新産業創出に向けた大学への期待感だ。東大に眠る技術を掘り起こそうというわけである。  

政治•経済

2025.04.19

資産15億円以上の富裕層数 日本は12万人で世界3位 1位アメリカ、中国の“腐敗収入”は?
資産15億円以上の富裕層数 日本は12万人で世界3位 1位アメリカ、中国の“腐敗収入”は?

仕事で稼いでも賄賂で稼いでも富裕層、カネさえ持っちまえば勝てば官軍か、やれやれ (写真 ブルームバーグ ビリオネラ指数)  ロンドンに本部を置きグローバル活動をしている不動産コンサルタント会社、ナイトフランクが発表した2025年ウェルス・レポートによると、全世界で1000万ドル(約15億円、1ドル=150円)以上の純資産を有する個人の39%がアメリカに拠点を置いている。人数にすると90万5413人だ。ランキング2位は中国の47万1634人。アメリカはそのほぼ2倍の数となる。「金持ち喧嘩せず」というが、米中は大喧嘩の真っ最中だ。3位の日本は12万2119人なのでアメリカはその約7.4倍だ。ランキング4位のインドは8万5698人だった。1億ドル(約150億円)以上の資産を有する人となるとアメリカで暮らしている人の比率は40%を超える。どのような職業から10億ドルを超える億万長者が生まれやすいかは、絶対数でいえば金融業と投資。資産総額という点ではテクノロジー業がリードしている。  注目度の高いブルームバーグのビリオネア指数では、世界で最も裕福な10人のうち8人がテクノロジー業出身だ。イーロン・マスク、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス、メタのマーク・ザッカーバーグなどだ。もう一つと職業を加えるならば「中国共産党員」だ。米情報機関が3月20日に公表した報告書によると、中国の習近平国家主席は、親族を通じて10億ドル以上の資産を築いていることが明らかになった。報告書は、中国共産党の幹部500万人以上が10年以上にわたって腐敗防止に取り組んできたにもかかわらず、中国全政府高官の65%が賄賂や接待によって非公式な収入を得ていると指摘した。中国指導部の中核グループである共産党中央委員会の幹部の汚職には、さまざまな金融資産やプロジェクトを監督する幹部が関与しており、1800万ドル以上の賄賂を受け取った元科学技術担当党幹部の陳剛氏もその1人だ。4月には 証券監視委員会(CRSC)技術監督局の元局長、姚前氏が中国中央銀行のデジタル通貨プロジェクトに絡む汚職に関与していたことが明らかになった。人民解放軍の高位の将校の汚職も発覚した。中国特有の「昇進に見合った報酬を支払う文化」の結果だ。  ニューヨーク・タイムズとブルームバーグは、10年代初頭に習氏と温家宝(元首相)氏の隠し財産について報道したことがある。その結果、中国政府から記者らへの嫌がらせが起きた。16年、「パナマ文書」として知られる1100万件以上の法律・財務記録の流出により、中国の腐敗に関する情報はさらに増えた。この文書によって、中国政府の主要な一族がオフショア企業を使って巨額の資金を隠している証拠が明らかになった。習氏の資産10億ドルとの関連は、彼の隠し財産に関するこれまでの推定より6億ドル以上多い。びっくりしチャイナ。  

社会•事件

2025.04.19

会社資金で自社株を不正取得か 東京地検特捜部が会社法違反で元社長らを起訴 
会社資金で自社株を不正取得か 東京地検特捜部が会社法違反で元社長らを起訴 

 公認会計士が関与した金融商品取引法違反(インサイダー)事件が、会社資金で不正に自社株を取得したとされる会社法違反事件に発展する異例の事態だ。 名古屋証券取引所上場のウェブサイト運営会社「オウケイウェイヴ」(東京)を巡り、東京地検特捜部は4月4日、同社の元社長ら2人を会社法違反(自社株の不正取得罪)で東京地裁に在宅起訴した。特捜部は、3月にインサイダー事件で起訴していた元公認会計士・佐久間将司被告についても、2人と共謀したとして会社法違反(同)で追起訴した。  ▼立件は異例 会社法は、企業に対し、自社株を取得する際、取締役会や株主総会の決議を得るなど、適正な手続きを行うよう義務づけている。役員らによる会社財産の流出やインサイダー取引を防ぐのに加え、特定の株主に便宜を図るなど「株主平等の原則」に反する行為を抑止するためだ。違反した場合の罰則は、5年以下の懲役か500万円以下の罰金、又は両方となっている。 自社株の不正取得罪は形式的に会社法で定められてはいるとはいえ、これまでの立件例はほとんどなく、立件は極めて異例といえる。 会社法違反の特別背任罪の場合、法定刑は10年以下の懲役または1000万円以下の罰金で、併科もあり、自社株不正取得罪より重い。ただ、役員らが「任務に背く行為により、会社に財産上の損害を与えた」と立証するハードルは高いとされるため、特捜部は今回、間違いなく有罪立証できる自社株不正取得罪を選択し、立件に踏み切ったようだ。 ▼公認会計士も関与 起訴状などによると、オウケイウェイブ社の元社長・福田道夫被告と元取締役・野崎正徳被告、佐久間被告の3人は2022年1月、同社の取締役会や株主総会の決議を経ずに、同社資金約8億円を不正に支出し、同社株約94万株を買い付けたとされる。1株あたりの買い取り額は、当時の市場価格の2倍以上だったという。 関係者の話などによると、福田、野崎両被告は、同社株を大量に保有していた男性から株購入を求められ、佐久間被告が経営に関与していた別会社を通じて買い取りを決めたが、買取額が高額に及ぶことが見込まれたため、取締役会・株主総会の決議を得るのは困難と判断。不正支出に及んだ疑いが強いという。 一連の取引では、佐久間被告が株式取得の具体的な方法を考案するなどし、多額の報酬を得たとされる。 3被告は特捜部の調べに対し、不正取得について認め、経営を安定させる狙いがあったなどと説明しているという。今後の裁判で詳細な実態解明が待たれるところだ。 企業によるこうした不正な自社株取得が横行すれば、株式市場の信頼性そのものが揺らぎかねない。経営者は、株主平等の原則を順守し、適正な取引に努める必要がある。

社会•事件

2025.04.18

北朝鮮労働者も“タイミー化”国連の制裁すり抜けリモートワークで金正恩への上納金稼ぎ
北朝鮮労働者も“タイミー化”国連の制裁すり抜けリモートワークで金正恩への上納金稼ぎ

やるねェ、したたか北朝鮮、国連からの制裁もリモート使って体をかわす (写真 北朝鮮なりすまし人材の構図 アメリカ財務省HPより)   国連安保理から制裁を受けている北朝鮮は、合法的に輸出できる製品はごくわずかだが、抜け道を使って世界中に流通している。こうした密貿易の問題は、強制労働という倫理的問題にとどまらない。密輸出は朝鮮労働党幹部のぜいたくな暮らしや、独裁者金正恩総書記が進める核・ミサイル開発計画の資金に化ける。だから北朝鮮は制裁をかわして国際供給網の中に潜り込む術を模索し続けている。  金正恩政権の利益の上げ方を見てみよう。海産物の場合、中国の漁業会社は、乱獲規制のある中国領海を避けるため、北朝鮮の会社から漁獲権を買い取って操業する。国際的な非営利監視団体、グローバル・フィッシング・ウオッチ(GFW)が2020年に実施した調査によると、中国の遠洋漁船の約3分の1が北朝鮮領海内で操業していた。北朝鮮の沿岸で取れた魚介の多くは、北朝鮮国境に接する中国遼寧省丹東などの漁業基地に運ばれ加工される。そこでは何千人もの北朝鮮人女性が低温の倉庫の中で魚介を洗い、さばき、包装する長時間労働に従事している。その製品が中国製として日本および世界中に出荷されている。最近は世界的なリモートワークの拡大で、優秀なIT技術者不足の盲点を突き、身分を偽った北朝鮮のIT技術者(以下:偽装IT技術者)を雇ってしまう企業が相次いでいる。24年7月には米国のセキュリティ企業が、偽装IT技術者を雇ってしまったことを公表した。偽装IT技術者は北朝鮮政府のダミー会社や組織により海外企業に就職させられる。主な目的は核・ミサイル部品を調達するためのドルや円など外貨獲得だ。偽装IT技術者の多くは、北朝鮮の大学で訓練を受けた熟練のIT技術者だが、劣悪な環境に置かれ、賃金のほとんどを搾取される。それでも文句の一つも言わない。賃金は資金洗浄された後、北朝鮮の指示役に送られていると見られる。また、雇用主企業のシステムにマルウエアを感染させたり、機密情報を盗んだりするサイバー攻撃につなげる狙いもある。偽装IT技術者は北朝鮮以外の国籍を名乗り、リモートワーカーとして就職する。顔写真もアジア系の顔を中東系、インド系、黒人・白人系に偽装すれば身分証は一丁上がりだ。雇用主から郵送された業務パソコンを受け取るために雇用主と同じ国・地域に居住する仲介役が存在するが、こうした仲介役は、郵送された業務パソコンを自宅やレンタルスペースなどに設置する。同様の業務パソコンが複数設置されていることから、その場所は「ラップトップファーム」と呼ばれる。偽装IT技術者は、ラップトップファームに置かれた業務パソコンを経由して雇用主のシステムにリモートアクセスし業務を行う。日本でも同様の事件が確認され、外務省や警察庁などが注意喚起しており対岸の火事ではない。技術者、特にリモートワーカーを雇用する際には十分注意する必要がある。  

政治•経済

2025.04.18

好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』⑥ 『暑かったり寒かったり』
好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』⑥ 『暑かったり寒かったり』

 暑かったり寒かったり、もう無茶苦茶である。なんの話をしているのかというと、最近の気温である。先日は午前中の寒さにブルブル震え、朝から風呂の湯を溜めて浸かった。  だが、昼前から暑くなって扇風機クルクル。水浴びしたい位である。衣類はヒートテックから急遽、Tシャツに着替える。スポーツ飲料をガブ飲み。夕方になって、またヒートテック。風呂、暖める。冷たい缶ビールをガブ飲み。また暖房。冷たい缶ビールを飲んで身体、また冷える。そのまま朝まで暖房プラス羽毛布団。明け方、暑くなって羽毛布団蹴とばす。大いに蹴とばす。勢いで目が開いて、暖房切る。寝る。2時間後位に起きたら、寒くてたまらない。風呂、暖める。湯上りに麦茶。一日の始まり、体調最悪。四月に革ジャンを着て寄席へ。着物に着替えて舞台へ。高座は暖房が効きすぎている。終演後、楽屋でパンイチ。5分後寒い。  しっちゃかめっちゃかな俺47歳。なんとか今日も生きている。

連載•小説

2025.04.18

存在意義を高める「独立リーグ野球機構」
存在意義を高める「独立リーグ野球機構」

ついに日の目を見る時が来たか、独立リーグに熱い注目 (写真 さわかみ関西独立リーグHPより)  日本にはプロ野球選手を目指せる2つのプロ野球球団がある。1つは日本野球機構(NPB)のファームリーグに新規参加した「オイシックス新潟アルビレックスBC」(イースタン・リーグ)と「くふうハヤテベンチャーズ静岡」(ウエスタン・リーグ)である。  もう1つは、一般社団法人日本独立リーグ野球機構(いわゆる独立リーグ=IPBL)だが、今年3月11日、新たな加入チームが加入した。それは一般社団法人関西独立リーグ(2代目)で、これで6団体27球団、準加盟球団も含めれば31球団がIPBLの傘下になった。IPBLに加盟していないリーグは、地元優先で必ずしもプロを目指さない北海道ベースボールリーグだけになった。昨年のNPB主催のドラフト会議(新人選択会議)では、関西独立リーグ所属の「堺シュライクス」の捕手、松本龍之介が育成6位でヤクルトに指名された。関西独立リーグからは7年ぶりのことだった。独立リーグが主眼とするのは地域の野球振興だ。それをどう達成するかが第一目的だが、四国アイランドリーグplusは、充実した戦力を持つ球団が多くNPB入りを目指す選手が多い。なかでも「NPB選手輩出NO1」は、徳島インディゴソックスだ。同球団はNPBへの近道と認識されており、全国からドラフトの指名に漏れ、大学や社会人からプロ入りするより早くプロを目指したい有力選手が集まって来る。だから独立リーグには長く在籍しないしできない。NPB加盟12球団から指名を受けるには、25歳から26歳が限度。プロに行けなければ2~3年で退団し、転職先を探す。  その一方で北海道フロンティアリーグのように選手が地域に根差して、働きながら野球を続けて、地域振興を目指す考え方もある。NPBへの選手の輩出に重点を置くチーム、地域振興に主眼を置くチーム、どちらも野球や地域の課題を解決する重要な役割を担っている。独立リーグができて20年が経った。社会人企業チームが減少する中で、独立リーグの存在感は大きくなった。今では、阪神タイガースの湯浅京己投手のように、独立リーグ出身でWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場するような選手も生まれている。つれて、その統括団体であるIPBLの存在意義も高まっている。  

社会•事件

2025.04.18

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