高市政権の外国人政策強化
2025/10/23
最新記事
たぶん好感度で物言わなければ誰でも良いのだろう。あるいは「馬主つながりか?」と言われているのが、靴小売りのABCマートの社外取締役だ。4月21日、同社は女優の榎本加奈子と畑野ひろ子をその候補者として発表したからだ。 このところ社外取締役に、好感度女性を起用するケースが多発。21年には酒井美起の不二家、22年には女子マラソンの高橋尚子がスターツコーポレーションに、有名女子アナに関しては引っ張りだこなので敢えて書かない。そういった状況だ。 「馬主」に関しては、少し補足が必要だ。同社創業者の三木正浩は馬主としても有名で、榎本加奈子の旦那で元プロ野球投手の佐々木主浩も馬主で有名なためそのつながりかと詮索されたわけだ。いかにもSNSでは好まれそうなコメントだ。 コーポレートガバナンスをどうするか。社外の立場から物言う社外取締役が重要だ。型通りの言説ではそうなっている。 例えばつい最近、そのことが声高に叫ばれたのが、日産の場合だ。24年度上半期に純利益93.5%減、営業利益90.2%減という経営危機に陥って、年末にホンダとの電撃的な統合を表明するも、3カ月も経たない2月13日に白紙撤回。先が見えない中、居残ろうとした内田誠社長は、結局は退陣圧力に絶えられずに副社長3人と併せて3月11日に退陣を発表したが、その内田社長を監督する立場の社外取締役8人は留任することで相当な批判を浴びた。 だが事情は会社の性質によるだろう。自動車のような激しい国際競争に晒され、さらにはEVや新エネ車などで業界の変革著しい企業にあっては社外取締役には経営監視が求められるが、ABCマートのように内需の小売りともなれば、企業の宣伝のための好感度狙いは意味があるし、もしろ経営には素人で消費者目線があった方が有効にもなる。また同社では三木は07年に会長を退任したが、そのまま会社が上手くいっていれば必要以上に組織や人事をイジる必要もないだろう。 外国企業も同じだった 一方、社外取締役ではないが、大方の人が「それは無いだろう」と思わせたのが、大揺れのフジ・メディア・ホールディングスの約7%の株式を保有するアクティビストの米ダルトン・インベストメンツが行った株主提案での12人の取締役候補だ。 「その中、ボスキャラの北尾吉孝SBIホールディングス社長兼会長は、4月17日に会見を行いましたが、昔風の俺様ぶりで会見をし切りまくったものの、会見中に株価は下落。一時は8%を超えて下げ、最終的には5.7%下げで、自身とフジHDの株を下げたのは既に知られたところ。ただそもそもダルトンの12人の人選も大いに疑問符がつくもので、例えば元ジャパンディスプレイ社長兼CEOの菊岡稔氏は、13年の誕生時はセカイシェア1位の『日の丸液晶パネルメーカーの誕生』などと囃されながら、上場後に1度も黒字化したことなく散ったA級戦犯などと言われているし、旧ジャニーズ事務所を引き継いだSTART ENTERTAINMENTの福田淳さんは癒着を言われかねない。また企業家として師弟関係にある北尾さんが推したと思われるネクシーズの近藤太香巳氏は、元愛人との間であったとされる暴力沙汰でいわゆる『文春砲』を浴びた人。福田さんも今年1月にフライデーで2回り年下の女性との路チュー写真を掲載されたばかりで、女性問題があった会社の役員候補に、身体検査の配慮が感じられない辺りにも違和感を覚えます」(経済部記者) といった矢先の23日、ダルトンは取締役候補の1名を差し替えると発表。下りるのはダルトン最高投資責任者で、理由は放送法に抵触するから。やはりほとんど何も考えていなかったようにしか思えず、むしろ好感度タレントを起用する企業がよほど賢くも思える。
大河『べらぼう』劇中の平賀源内は、『吉原細見』の序文を書いたという以外に蔦屋重三郎との史実上の接点は見つからないが、蔦重の住む江戸の市井と、田沼意次の住む幕府の中枢という2つの世界を行き来できる特異なポジションにあり、劇中で2つの世界を橋渡しする役割を負っていた。 日本版レオナルド・ダ・ビンチとも称される源内の多才ぶりは、よく知られている。主に薬用となる植物・動物・鉱物の形態や効能を研究する本草学者であり、エレキテル(摩擦起電機)を復元したり、‶燃えない布″火浣布を発明したり、戯作者でもあり今でいうコピーライターでもあり、鉱物資源を掘り当てる山師であった。 1728(享保13)年、讃岐国寒川郡で高松藩の下級武士の三男として生まれた源内は、26歳で高松藩の役職を辞して28歳のとき江戸に上り本草学者・田村元雄に入門。武士の身分は保ちつつも家督は妹婿に譲り、浪人扱いとなって学問や技術分野の研究に専念する。意次とどのタイミングで接触したかは不明だが、その多才さを意次に買われた源内は、幕府の政策に深く関わるようになる。
2025.04.24
こども家庭庁が虐待に関する愚策で大恥をかいている。虐待が疑われる子どもの一時保護を巡り、同庁は2021年度から人工知能(AI)による判定システムの導入に向けて約10億円の税金を投入して開発を進めてきたが、試行段階で判定ミスが目立ち、導入見送りを決めた。AIで子どもの虐待の度合いを判定するという発想自体に疑問を抱かざるをえず、導入断念は当然の判断だ。 こども家庭庁は、全国の児童相談所が慢性的な人手不足に悩んでいることから、児相職員の補助的な役割として、AIによる判定システムを2024年度中には導入する予定だった。しかし、一部の自治体の児相に協力してもらい、過去の虐待事例100件のリスクを判定させる検証・試行を進めたところ、6割以上で判断に疑義が生じたという。 今回は、5000件事例をAIに学習させた上で試行してきたが、事例数が少なかったことも、判断ミスの大きな要因とみられている。 ただ、そもそも虐待は、加害者が実の親だったり義理の親だったり様々で、さらに虐待に至った経緯や加害行為の態様なども千差万別だ。たった5000件程度で判断しようというのが、根本的に無理があったのではないだろうか。 一時保護は、児童福祉法に基づき、虐待などが疑われる18歳未満の子どもについて、各地の児童相談所の判断で家庭から引き離す措置で、2022年度の一時保護件数は約3万件。全国の児相が同年度に虐待の相談を受けて対応した件数は過去最多の21万件超にも上っている。1年間だけみた規模からしても、過去事例の5000件がいかに少ないかは明白だ。 AIは確かに業務の効率化などにつながり、人手不足が深刻化するこの世の中において、様々な分野で大きな力を発揮している。ただ、子どもの虐待は、「生身の人」による対応が重要なのは言うまでもないだろう。政府は、対応に秀でたエキスパート人材の養成などに向け、効果的な施策を講じる必要がある。
2回の利上げに反対した中村豊明氏が退任しタカ派一辺倒になる恐れ (写真 増一行氏) 2月に引き続き日本銀行政策委員会の人事がある。2月には委員に小枝淳子氏が任命されることで所謂リフレ派は野口旭氏一人となった。今回の人事もリフレ派ではないもののハト派である日立製作所出身の中村豊明氏の退任に伴う人事である。 日銀政策委員会は通貨及び金融の調節に関する方針を決定するほか、その他の業務の執行の基本方針を定め、役員の職務の執行を監督する権限も有している。日本銀行には、役員として、総裁、副総裁(2名)、審議委員(6名)、監事(3名以内)、理事(6名以内)、参与(若干名)が置かれている。このうち、総裁、副総裁および審議委員が、政策委員会を構成している。政策委員会は戦後、GHQによって民主化の一環として設置された。任期は5年、9名全員が常勤で報酬は2600万円と高額。金融政策に関する事項を決定する金融政策決定会合は年8回、通常会合は週2回行われる。 令和6年7月と令和7年1月に日銀はマイナス金利政策を解除して利上げに踏み切った。賃上げの動向を見ての利上げであろうが実質賃金は3年連続のマイナス。日銀の利上げによって国民の銀行借入に対する利息負担も当然増えることになる。例えば3千万円のローン残高で30年の返済期間が残っている場合は月5千円以上の国民の利息負担が増えることが考えられる。年間約6万円の負担増は国民民主党が推し進めてきた基礎控除や給与控除での減税を帳消しにしてしまう。控除の拡大で減税した分を日銀を使った増税で取り返すという政府のウルトラな手法には驚かされる。これぞ政府と日銀の阿吽の呼吸というもの。(つづく)
2025.04.24
本当に「命を守る砦」といえるのだろうか。東京都墨田区の賛育会病院が、親の育てられない新生児を24時間体制で引き取る「赤ちゃんポスト」の運用を始めた。2007年5月に始まった熊本市の慈恵病院に次ぐ全国2例目の取り組みだ。赤ちゃんの遺棄や虐待死を防ぐ上で、手を差し伸べる医療者による取り組みは尊重されるべきだが、育児放棄を助長しかねないとの懸念の声は根強く、課題は少なくない。 全国で初めて赤ちゃんポストを開設した慈恵病院では、これまでに179人が預けられた。賛育会病院は、人の出入りが多い首都圏のため、利用者が増える可能性が高い。 国の調査では、2003~2022年度に遺棄や虐待によって生後1か月未満で亡くなった赤ちゃんは228人にも上る。ほとんどが、父親である男性らに助けてもらえず、孤立したまま、自宅トイレなど医療機関以外での危険な出産に迫られ、その後の悲劇につながっているのが実情だ。 こうした自体を踏まえ、赤ちゃんポストや内密出産について、慈恵病院や賛育会病院は「命を守る砦」だと主張する。確かに、孤立して出産した母親を社会で支えることは重要だ。ただ、赤ちゃんポストの存在が本当にその役割を担う上で必要なのか、疑問を抱かざるをえない事案も過去には起きている。 ■赤ちゃんポスト第1号は3歳児の衝撃 2007年5月に日本初の赤ちゃんポストが慈恵病院に開設された当日。実は、最初に預けられたのは、新生児ではなく、「3歳の男児」だったのだ。しかも、孤立して出産した母親ではなく、事故で死去した母親の代わりに男児を育てていた親戚の男が、自らの勝手な事情で慈恵病院に預けていた。当時、新生児ではない物心のついた男児が赤ちゃんポスト第1号として預けられたことで、社会に衝撃が走り、育児放棄を助長するなどと、赤ちゃんポストへの批判はさらに高まった。 さらに、この親戚の男は数年後、未成年後見人でありながら預けた男児の財産を横領したとして、埼玉県警に逮捕されたのだ。男はこの男児を連れて各地を転々とし、ギャンブルで男児の財産を消費。その途中で熊本市の赤ちゃんポストに男児を預けたというから、呆れるほかない。この赤ちゃんポスト第1号のケースが刑事事件にまで発展した事実は、それほど知られていないが、施設の存在が「育児放棄」を助長したことを明白にしたといえる。 この赤ちゃんポスト第1号のケースは極めて特殊だが、開設後すぐにこうした事案が起きた点は見過ごすことはできない。2007年5月からこの18年近く、他の病院などで赤ちゃんポストを始める施設は一切現れてこなかったのも、医療者らの中にある「育児放棄の助長」への懸念が大きく影響しているとみられている。 検討に検討を重ねて赤ちゃんポストを開設したという賛育会病院の取り組みを、正面から批判するつもりはない。ただ、大事なのは、孤立して出産した母親に対する行政の支援策の拡充や、虐待防止に向けた取り組みの推進のはずだ。もっと国や自治体が積極的に対策を講じていく必要がある。
2025.04.23
もし、トランプから「関税引き下げてやるから、解散命令反故にしろ」言われたら…どうなる統一教会への解散命令 (写真 統一教会が執り行う合同結婚式(1982年のもの) Wikipediaより) 米トランプ大統領によって世界平和統一家庭連合(旧統一教会:以下教団)への解散命令が反故にされる可能性が、かすかだが出てきた。東京地裁は3月25日、旧統一教会に対して解散を命じたが、教団側は抗告して現在東京高裁に移っている。解散か否かの結論は年内にも出るとみられ、そこでも「解散命令」が支持されれば、即座に清算の手続きが始まる。東京地裁の裁判のなかで、教団の総資産は約1136億円(2021年度末)もあることが判明している。一部メディアは16年前、教団の解散を想定し、資産を移す先として北海道帯広市に本部を置く宗教法人「天地正教」を指定していたことが、地裁の決定内容から判明していると報じた。 「解散命令」反故の予兆は、4月11日に世界平和統一家庭連合系の天宙平和連合(UPF)がソウルで主催した「ワールドサミット2025」の参加者の顔ぶれからだ。米・ホワイトハウスのポーラ・ホワイト牧師(信仰局長)や共和党の重鎮、ギングリッチ元下院議長が参加したのだ。信仰局は2月にホワイトハウスに設置された信教の自由を扱う部署で、ホワイト牧師はトランプ氏と近いキリスト教福音派の牧師である。そのホワイト牧師は「ワールドサミット2025」に登壇し、「トランプ大統領は信教の自由を重視している」と強調した上で、教団の韓鶴子総裁を「マザームーン」と呼んで称賛した。12日にはソウル近郊の加平で行われた韓総裁の結婚65周年を祝う式典や合同結婚式に参列したほか、13日には教団の聖地・清平にある総工費700億円を超えるといわれる新たな教団施設「天苑宮」の開設式典にも参加した。牧師はシンパであることを隠さない人物として知られる。やはり登壇者の一人ギングリッチ氏は会議後、教団系の世界日報のインタビューに応じ、「最も基本的な人権は神を求める『信教の自由』である」と述べ、信仰局の設置を評価した。文部科学省が教団に対して解散命令請求した問題については、「宗教を破壊しようとする日本政府の姿勢は非常に危険だ」と警鐘を鳴らした。 実はトランプ氏の周りには教団支持者が多い。週刊文春(4月10日号)は、そう報じ、バンス副大統領も今年2月に教団の関連団体がワシントンで開いた「国際宗教自由サミット」で講演し、「宗教の自由擁護はトランプ政権の重要課題だ」と述べたとも報じている。教団は傘下に国際勝共連合という反共政治団体を有し、日本では日本共産党やそのシンパ弁護士らと壮絶な思想戦を展開したが、霊感商法という名の法外な献金の強要が明らかになり、今回の解散命令に至った。米国における教団は、共和党の支持基盤である宗教保守層の1つとされ、ホワイト牧師は解散命令請求を行った日本政府に批判的なスタンスを取る。ワールドサミットの間の12日には「合同結婚式」も行われ、教団によると日本からの1200人を含む男女2500組5000人が会場参加し、オンライン参加を含めると約90カ国、計5000組1万人が結婚した。日本からの信者らは、税関で申告のいらない100万円の現金を持参し献金する。締めて50億円! 教団の天敵ともいえる「しんぶん赤旗日曜版(4月6日付)」は、≪石破首相は安倍晋三政権時の15年、地方創生相就任時に、統一教会の機関紙『世界日報』の新春座談会に出ていた。その際、日報の社長や編集局次長を大臣室に招き入れ、その後10万円の献金を受けていた≫、≪石破首相は日報に少なくとも3回は登場して、教会の“広告塔”の役割を果たしていた≫と、教団のシンパであると断じている。 石破茂首相は、トランプ氏から「関税引き下げてやるから、解散命令反故にしろ」と迫られたりして…。
2025.04.23
鳴り物入りで始めた『ロボコール』 〝失敗だったな〟じゃすまされないゾ! (写真 リボンコミュニケーションHPより) 固定電話や携帯電話に「0800」で始まる通話要求が掛かってくる。電話に出ると機械の自動音声で「NTTファイナンスから未納料金のお知らせです」「内閣支持率調査にご協力ください」などコンピュータを使った自動発声が聞こえてくる。これは「ロボコール」という機械による自動発信だ。「ロボコール(Robocall)」はコンピュータを使った自動発信電話を指す言葉だったが、現在では「迷惑電話」として広まりつつある。本来企業のマーケティングや世論調査などの正当な用途が想定されていたが、現在は詐欺やスパムの手段として悪用されるようになったのである。「NTTファイナンス」の詐欺電話では、指示通り(1)を押すと、人間のオペレーターが登場し、名前や生年月日、住所といった個人情報を聞き出したり、プリペイドカードでの支払いを要求してきたりする。 また「屋根の修理セールス」の例では、自動音声が「住んでいる住居の建築年数」「リフォームしたことはあるか?」「火災保険で屋根の修理ができることを知っているか」などと質問してくる。これに「ある」と答えると、悪徳リフォーム業者のリストに掲載され、その後は人が電話をかけて来たり、実際にセールスマンが来訪したりする。ロボコールには、正当な用途と悪質な用途が混在している。これらを見分ける効果的な方法はあるのだろうか。スマホに迷惑電話対策アプリをインストールすることがもっとも効果的だが、もっと簡単な対策は「知っている番号からの電話以外出ない」「怪しい番号は無視する」という方法だ。 「050」から始まるIP電話は取らない 「+1」「+44」など海外発信の国際電話は取らない 「0800」からのフリーダイヤルは取らない しかしながらこうした傾向は、電話という連絡手段の社会的信頼性の失墜を意味する。テレコム業界はロボコールの信頼性向上を講じるべき時に来ている。
2025.04.22
ピンチピンチと言われ続けてきた毎日新聞。4月18日には本社ビルの入るパレスサイドビルの再開発が報道され、「売却も含めて検討」というかわ、「とうとう虎の子まで」との声が広がる。 コロナ禍の21年の危機には、41億5000万円から「1億円への減資」が行われた。大企業が中小企業になることによる法人税逃れで、この時はJTBなどでも採られた手法だが、「税金逃れ」は官公庁や大企業はもちろん、世間一般へのウケは悪く、「恥も外聞もない」と言われた。その時も、「他はハイヤーか社用車での夜討ち・朝駆け。給料もだいぶ低い」と、かなり昔から言われていることが枕詞のようについて回った。 この時既に、不動産に手を付けていた。『週刊ダイヤモンド』が、「毎日新聞が『虎の子』大阪本社を差し出し資金捻出、急場しのぎの弥方策縫策スキーム」と、減資が行われたと同時に報じたからだ。大阪本社の入る「毎日新聞ビル」と「毎日インテシオ」を担保に、210億円を借り入れたというのだ。 もちろんこの時、「次は(東京)本社ビルか」という声があったが、それがとうとう本格化したということだ。 周辺再開発で、一発逆転も パレスサイドビルの建て替えということで、建築好きからも不安の声が上がっている。同ビルは大阪府立中之島図書館、神戸ポートタワーなど数多の歴史的建築物での、建築家・林昌二による最高傑作とされ、オフィスビルとして唯一「モダニズム建築20選ぶ」に入る逸品だ。それがどう立て直されるか、建築通ならずとも心配される。 また建て替えは2000億円規模というが、ロケーション的にあまり都市開発につながらないように思える。目の前には皇居で掘があり、背後には日本橋川が流れる中州のような場所。皇居に向かって左には丸紅本社があるが、かろうじてここまでが大手町の一画といったところ。右側には東京国立近代美術館、国立公文書館があり、背後は共立女子大など学校がある文教地区。そういったものに周囲を囲まれたパレスサイドビルは、人の導線という意味では離れ小島といった印象だからだ。 ただ掘を越えない堀沿いには、九段下駅まで再開発された千代田区役所・合同庁舎が続き、九段会館や堀を挟んだ向かいに武道館がある。千代田区はこの「九段下・竹橋エリア」をまちづくりの対象にしているが、巨額な民間資本が投じられれば、一気に再開発が進んで、毎日新聞の延命に大いに役立つかもしれない。
『小躍りをしていた怪しい男』 自宅から駅までの道のりが遠回りだったのを知ったのは去年のことである。 俺はある日、駅とは反対側の方へあてもなく歩いていた。単なる散歩であるが、駅の反対側に用事があるということがこの先の人生で限りなくゼロに近いゆえ、あてもなく歩く以外は一生その道を通らないだろう。本当にあてもなかったので、一生入ることのない路地を歩いていた。その時である。駅のない方から電車の音が聞こえて来た。不思議な感覚であった。俺は音のする方へ、その日初めて、あてがあって向かって行った。山田、鈴木、田中などの表札を抜けると、目の前に線路があった。四次元への入口のようであった。 そこから俺は、散歩とは思えぬほどのスピードで線路付近を進んで行った。そして、気付けばワープしたように駅に着いていた。風景はいつもと同じだったが、俺は電車に乗らないのに改札口まで歩いてしまった。 あの日、切符売り場の前で、小躍りをしていた怪しい男は俺である。
2025.04.22
都立南高校二年 椎野礼仁(ラグビー部)その2 「親戚の東大生に勉強を見てもらってるの」と問わず語りに ポッキーを両の端からかじっていく 唇ちかづく目が閉じられる チャイムまでわずかな時間をむさぼった 純情可憐な高校生は 抱きしめた背中で右手の時計見た わずかな動きのつもりだった 少女というこわれやすさを知りもせで十七の春 取り戻せない あの日にはすれ違う人がことごとく君に見えた 涙の目には 「逮捕されたんだって」と電話口「学生運動も悪くはないけど・・・」 東大の民青キャップのケンチャンと一緒になったとうわさに聞いた 60年前の高校生や学生運動のことがわからないと、最後の2首は歌意がつかめないかもしれないと思いつつ、あえて書きっぱなしにします。説明がないとわからない歌なんて、しょせん駄作ですね。
2025.04.21












