高市政権の外国人政策強化

10 月 21 日、高市早苗自⺠党総裁が総理大臣に任命された。我が国初となる女性首相の誕生だ。同日に発足した高市内閣は、自⺠党と日本維新の会の「連立政権」として報じられている。 厳密に言うと、「閣外協力」と「連立政権」はイコールとは言い難いが、20 日に高市総裁と維新の会の吉村洋文代表、藤田文武共同代表が署名した文書は「連立政権合意書」というタイトル。今後は、閣僚を内閣に送り込まない閣外協力であっても連立政権であるという理解が浸透していくだろう。 高市内閣では、女性閣僚の登用が注目されていた。蓋を開けてみると、片山さつき財務相と小野田紀美経済安保相の二人にとどまったが、松島みどり元法相が総理補佐官に起用された。 外国人政策担当の松島みどり総理補佐官 出典:首相官邸公式サイト 松島総理補佐官の担当は外国人政策。小野田経済安保相も「外国人との秩序ある共生社会推進担当」を兼ねている。高市首相の肝入り案件である「外国人対策」の司令塔を首相側近で固めてきたところに、高市首相の本気度が伺える。 自維の「連立政権合意書」も、外国人政策として、外国人に関する違法行為への対応と制度基盤を強化して「ルールや法律を守れない外国人に対しては厳しく対応する」ことを明記している。 その他にも、対日外国投資委員会(日本版 CFIUS)の創設や、外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案も、来年の通常国会での審議入りが目指されている。高市政権は、我が国における「外国人政策」の転換点となるだろう。 (北島純・社会構想大学院大学教授)
政治•経済

2025/10/23

最新記事

蝦夷地の調査隊のメンバーになるはずだった平賀源内
蝦夷地の調査隊のメンバーになるはずだった平賀源内

 田沼意次の下で平賀源内が尽力したのは、まずコメだけでは立ち行かなくなった幕府の財政の再建を目指す殖産興業だった。意次の庇護を受けて長崎に遊学し、オランダ商人から最新の西洋知識や技術を学び、その知見を江戸に持ち込んだ。そして火浣布を開発し、陶器・毛織物の製造など意次の技術革新政策に貢献している。   さらに、秩父鉱山の開発・採掘も源内の仕事だった。源内の「山師」とは純粋に鉱山開発における技術・経営の両面で不可欠な実務責任者のこと。いかがわしい投機家というイメージがついたのは後のこととされる。   当時の意次はロシアの南下政策を察知し、蝦夷地の開発に意欲を燃やしていた。『べらぼう』劇中では、源内が意次に直接蝦夷地直轄化・鉱山開発・ロシア交易を提案したが、意次が仙台藩医・工藤平助からロシアの南下の危険性とその備えの不備を指摘した『赤蝦夷風説考』を献上されたのは1783(天明3)年。源内の死後のことである。意次はこれを受けて翌1784(天明4)年、幕府普請役の最上徳内らを派遣し大規模な調査を開始した。   もし源内が存命なら、調査に関与した可能性が非常に高い。最上徳内とは弟子筋で繋がりがあったほか、蝦夷地開発にはロシアとの交易の決済手段として金・銀・銅を採掘する構想があり、実際に調査隊はその埋蔵量を調査している。特殊な技術の要る鉱山開発などのノウハウを持ち、経験も豊富な源内はうってつけだった。   しかし、源内はそれを待たずに1779(安永8)年、伝馬町(現小伝馬町)の牢屋敷で病死したとされる。そこに至るまでの経緯がやや不可解なものだった。(つづく)

連載•小説

2025.04.28

大好評連載 椎野礼仁の『TANKA de 爺さん』   第5回
大好評連載 椎野礼仁の『TANKA de 爺さん』   第5回

  母 その1                                                                            ガサ入れ 「警察はあなたの部屋しか見ないから移しといたよあぶないものは」   留置場                                                                                     「あなたの好きなお肉を焼いておくからね まっすぐ帰って来て頂戴」 タクシーは遠いところで降りたっけ 留置所帰りの俺と母親    先週の文末に、「学生運動用語だけど、説明しなきゃわからないような作品は所詮そこまでの歌」という趣旨の文章を書いたら、若い友人(といっても40代)から「解説をぜひ」と言われてしまった。もとより格下の格下(どこかの大臣か?)の詠み手なのだから、ここは説明を付すことにした。  歌の前にある 「ガサ入れ」は「詞書(ことばがき)」と言って、歌の背景や内容の説明だ。  「ガサ入れ」は、警察が行う家宅捜査のこと。裁判所の令状に基づくので、「椎野礼仁の部屋」と特定してあると、律義に(?)僕の部屋しか見ないらしい。ので、母親がそのことを学習して、こういう発言があったので、そのまま歌にした。  (※来週に続く)

連載•小説

2025.04.28

六代目山口組が神戸山口組との対立抗争を一方的に終結宣言
六代目山口組が神戸山口組との対立抗争を一方的に終結宣言

ふたつの山口組が抗争終結宣言「誓約書」を兵庫県警に提出 (写真 二つの山口組の代紋  Wikipediaより)  「六代目山口組」と「神戸山口組」との10年続く対立抗争で「えっ!」という動きがあった。4月7日、六代目側が兵庫県警に抗争の終結宣言と受け取れる「誓約書」を提出したのだ。「六代目山口組の森尾卯太男本部長、安東美樹若頭補佐、津田力若頭補佐の最高幹部3人が、六代目と神戸の両組織が本拠を構える神戸市を管轄する兵庫県警本部を電撃訪問し、『神戸山口組、池田組、絆會との抗争を終結する。今後一切揉めることはしません』などと記載された誓約書を提出し、一方的な“抗争終結宣言”をしたのです。山口組には前例があります。昭和50年に勃発した大阪戦争においてです。松田組との抗争に際して圧倒的な勝利を収めた後のことでした」(ヤクザ業界ライター)今回の場合も六代目の構成員6000人vs神戸2800人で始まった抗争は10年を経て、六代目が約3300人、神戸が120人と勢力に大きな差が付いた。  ただ、誓約書提出は一方的なものであり、神戸側の意向がわからない以上、警察当局としては六代目側の主張を額面通りに受け取って「抗争が終結した」とは認めないだろう。六代目側の誓約書提出の狙いは、「特定抗争指定暴力団」の縛りを解いて欲しいという要望ではないかとする向きもある。というのも同指定は、指定暴力団同士が対立抗争状態にある場合、その暴力団の主な活動拠点を都道府県の公安委員会が警戒区域に指定して、区域内では概ね5人以上での集まりには中止命令などの行政手続きを踏まずに即逮捕できるほか、事務所などの使用も禁止される。六代目と神戸は、抗争が激化した20年1月に指定され、双方の主な拠点がある神戸、大阪、名古屋の各市などが警戒区域に設定されている。六代目側が、警戒区域外の愛知県や静岡県の傘下組織の事務所で集会を開くことがあるのはこのためだ。また今回の「宣誓書」は、髙山清司若頭名で出されており、司忍組長の名がないだけに重みのなさに疑問符が付けられている。その理由を探ると「山一抗争」終結時と同じく調停に動いた稲川会の姿が見え隠れする。今年に入り、稲川会の内堀和也会長は六代目の内諾を得た形で住吉会など全国の友好団体を回り、抗争終結にまつわる要望書を取りまとめた。これにより終結宣言は、六代目山口組の独断ではなく、友好団体の賛同を得たものであるというお墨付きを得たわけである。  現在六代目山口組は、髙山若頭に代わって、竹内照明筆頭若頭補佐が新若頭に就き、新六代目体制に移行中だ。組織固めが終わった後、正式な形の終結宣言が出されるのではないか。神戸側には厄介な問題が持ち上がっている。神戸市北区にある神戸山口組の井上邦雄組長宅では、現在塀を高くする工事が進められている。井上組長は、新たな抗争に備えるための“要塞化”を進めているわけで、抗争終結の動きに沿うばかりか逆行する動きを見せているのだ。「井上組長の自宅は何度も六代目側からの襲撃を受けている。過去には、六代目の組員に拳銃を乱射されたり、ガソリンを撒かれたりした。それが25年1月にはエスカレートし、元六代目系組員の男が塀を乗り越えて侵入し、車2台と物置の一部を燃やし、住居侵入と建造物等以外放火容疑で逮捕されている。また拳銃を警察官に向けたとして公務執行妨害容疑でも逮捕されています。だから自宅を堅牢化しヒットマンの侵入を防ごうとしているのです」(同)。井上組長の自宅を巡る動きは、こうしたヤクザ業界からの攻めとは違う意味で攻勢にさらされている。4月16日、神戸地裁は井上組長宅に対し、強制競売の手続きを開始して土地と建物を差し押さえた。「井上組長は、暴対法の代表者責任を問われ、24年12月に大阪高裁から2億7000万円の損害賠償を命じられています。これを受けての強制競売の手続き開始なのです。現在井上組長側は、この民事訴訟の判決を不服とし、最高裁に上告受理を申し立てていますが、判決が確定したあとに支払いがないまま手続きが進めば、裁判所は入札を実施することになるでしょう」(全国紙社会部記者)井上組長としては、目の前で警察官が24時間警備しているし塀も高くしている。これで自宅に籠っていれば命を狙われないと思っているだろう。  だが、今後の裁判所の判断次第では強制退去もありうる。そうなれば身の隠し場所に困る井上組長は、終結宣言を受け入れざるを得ない状態になるかもしれない。  

社会•事件

2025.04.28

共産主義の隠れ蓑「ダボス会議」のボスがようやく引退
共産主義の隠れ蓑「ダボス会議」のボスがようやく引退

ダボス会議にボーアオ会議、権謀術数渦巻く、名付けて「世界のトップリーダー登竜門」 (写真 ボーアオ会議 Wikipediaより)  スイスのジュネーブに拠点を置く世界経済フォーラム(WEF:ダボス会議)は4月21日、創設者のクラウス・シュワブ会長が辞任したと公表、翌22日、同氏について、不正行為があったとする内部告発を受けて調査を開始したと発表した。1971年の創立以来半世紀にわたってダボス会議のボスとして君臨したドイツ生まれの同氏は、87歳にしてようやく引退を表明したわけだが、WEFはその理由を明らかにしていない。  ダボス会議の正体は、グローバリズムを隠れ蓑にした共産主義運動である。世界の政治指導者や財界人、著名人をスイスのダボスに招き、毎年1月末に年次総会を開催して、誰もが否定できない政策や思想で洗脳する。2025年の年次総会にはトランプ米大統領もオンライン参加し、いきなり「高関税で臨む」と対決姿勢を見せた。人寄せパンダなる著名人の招聘講演には、ソロスやキッシンジャー、ビル・ゲーツらもメインスピカーを務めた。また日本の被爆協やグレタ極左環境活動家などが分科会に呼ばれている。この総会に招かれることは、「世界のトップリーダーへの登竜門」とまでいわれているが、近年は一般人の生活から懸け離れたエリート集団の“お茶会”だと左右両派からの批判にさらされている。ダボス会議を無視できないのは、ここでの議論や政策提言が、数年後には世界の主流になっていることだ。気候変動や脱炭素、地球温暖化、持続可能な開発目標などに投資家や投資機関、巨大投資銀行が「これが次の儲け話だ」と飛び乗った。これだからカネが集まらないはずはない。内部告発状は、シュワブ氏とその妻、一族が適切な監督なしにWEFの資金を私的流用していた疑惑などを暴いている。  裏の顔はほかにもある。スイスはヨーロッパでも有名な売春の合法化が定着している国だ。したがってヨーロッパ中から世界から集まる権力者や大富豪をお目当てに「コンパニオン」や「エスコート」という名の売春婦が参集し、昼間のネットワーキングは当然として、夜のベッドワーキングも大いに盛り上がる。またダボス会議は「高額な会費」でも悪名高く、年会費が約600万円。日本から参加する場合、渡航費や宿泊費等を含め年間1000万円の負担となる。経団連、同友会幹部は保守陣営からの非難を受けながらも参加にいそしんだ。  この会議の影響力に刺激されたのが中国の「二番煎じ会議」と陰口を叩かれる「ボーアオ会議」だ。毎年海南島のリゾートで開催されるが、一番多い参加者は日本からで、福田康夫元首相らパンダハガーらが常連として名を連ねた。肉食が地球環境を悪化させているとの観点から「肉食を止め、環境負荷の少ない昆虫食に移行すべき」との議論の火付け役もダボス会議だ。そしてもう一つは「人口削減」。同フォーラムの顧問を務める歴史家兼未来学者であるユバル・ハラヒ氏は、「世界人口の大半は必要ない。現代の技術があれば、労働者や軍人に取って代わることが十分可能だ」と語り、こうした極端な考えに同調する世界の経営者も多い。イギリスのチャールズ国王もかつて「世界人口は30億人ほどが理想的だ」と述べていた。  欧州の妖怪シュワブ氏の引退で、ダボス会議はどこへ向かうのか。  

政治•経済

2025.04.27

プラダがヴェルサーチェを買収
プラダがヴェルサーチェを買収

いよいよ高級品市場も合従連衡の嵐が吹き始めたか、富裕層の関心事… (写真 プラダのサングラス Wikipediaより)  世界中で高級品市場の減速が続き、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(パリ)やケリング(パリ)といった巨大企業ですら業績を落とし始めている。その一方で「勝ち組」として浮上しそうなのがプラダグループだ。イタリア・ミラノに本社を置くプラダの2024年12月期の売上高は、前期比17%増の54億3200万ユーロ(約8646億円)と過去最高を記録し、その勢いのまま25年4月10日、112年の同社史上、最大規模のM&Aとなるカプリ・ホールディングス(以下:カプリ)傘下の「VERSACE(ヴェルサーチェ)」の株式100%を取得するための最終合意を締結した。この買収でルイヴィトンやケリングなどのライバル企業と競争する上で、有利な立場を得る可能性は大きくなり、またヴェルサーチェとしては、カプリが実現できなかった経営再建の機会が与えられることになる。買収額は12億5000万ユーロ(約2060億円)で、25年後半に買収完了の見込みだ。プラダグループのアンドレア・グエラCEOは、今回の買収は「グループ進化の旅路における新たな一歩」とコメントした。  ヴェルサーチェは46年前、ジャンニ・ヴェルサーチェによって設立され、クリエイティブディレクターのドナテラ・ヴェルサーチェの創造的ビジョンの下で発展を遂げたイタリアを代表するブランドだ。プラダグループは、ヴェルサーチェのクリエイティブなDNAを維持しつつ、グループの確立されたプラットフォームを最大限に活用してブランドの発展を目指すという。なお、ヴェルサーチェは3月にドナテラ・ヴェルサーチェの退任を発表。同氏は今後チーフブランドアンバサダーとして携わり、後任のチーフクリエイティブオフィサーとして「ミュウミュウ(MIU MIU)」のデザイン・ディレクターを務めていたダリオ・ヴィターレが就任することになった。プラダはヴェルサーチェ買収に向け、数カ月にわたって交渉を続けてきたが、トランプ米大統領の関税攻勢をきっかけとする世界的な市場混乱にもかかわらず、今回の買収合意を成立させた。  女性を射落とすブランドは、ヴェルサーチェを傘下に収めたプラダか、ルイヴィトンか、イヴ・サンローランやグッチなどのブランドを抱えるケリングか。  

社会•事件

2025.04.27

ローマ教皇フランシスコの葬儀(26日)に台湾と中国の板挟みのバチカン
ローマ教皇フランシスコの葬儀(26日)に台湾と中国の板挟みのバチカン

ああ、ここでもか(涙) 台湾バーサス中国  ローマ教皇フランシスコの葬儀  (写真 ローマ教皇フランシスコ Wikipediaより)  約14億人の信者を有するカトリック教会のトップに2013年に選ばれた最高指導者のローマ教皇フランシスコが死去した。2月に入院し、一時は危篤とされたが持ち直し、死去の前日にはバチカン(ローマ教皇庁、以下:バチカン)で信者の前に姿を見せてキリスト教の復活祭の声明を発表したばかりだった。声明では「平和は可能だ!」として、パレスチナ自治区ガザの戦闘停止を呼びかけた。ウクライナでの公正で持続的な平和を達成するため関係国に努力を促してもいる。19年には教皇として38年ぶりに日本を訪れ、長崎と広島から核廃絶を世界に訴えた。在位中に約60カ国を訪れた。初めて南米アルゼンチンから選ばれた教皇として、欧州出身の歴代教皇があまり重視しなかったアフリカやアジアの途上国にも足を運んだ。欧米で進むカトリック離れは深刻である。欧州教会ではここ数年、聖職者の未成年者への性的虐待事件が多発し、教会への信頼性が大きく損なわれている。その結果、信者の教会離れが加速しているのだ。5月初めには次期教皇を選ぶ「コンクラーベ」が行われる。選挙権を有する80歳未満の135人の枢機卿が参加し、教皇に選出されるためには3分の2の支持が必要となる。つまり90人の支持がなければならない。135人の枢機卿の内訳は、欧州教会が53人で依然、最大勢力を誇る。それに次いでアジア教会の23人、アフリカ教会18人、南米教会17人、北米教会16人、そして中米とオセアニア教会が各4人という顔ぶれだ。選挙権を有する枢機卿の勢力図からみれば、次期教皇は欧州教会出身の枢機卿が有力だが、教会内ではベネディクト16世がドイツ教会出身だったから次期教皇は欧州教会以外からという声が強い。枢機卿の勢力図から見て、信者数が増えているアジアとアフリカ教会から次期教皇が誕生してもおかしくない。南米教会はフランシスコ教皇が出たばかりだから2期連続して南米出身の教皇誕生の可能性は少ない。  そのアジアでは、4月26日に行われる葬儀の参加者を巡って、中国と台湾の政治的駆け引きが注目されている。国交が断絶した中国との関係改善に努めた教皇フランシスコは18年、中国が独自に任命した司教7人の妥当性を認め両国は暫定合意を結んで関係を改善したが、バチカンは欧州で唯一、台湾と外交関係を維持している国でもある。過去には05年の教皇ヨハネ・パウロ2世の葬儀に台湾の陳水扁(チェンシュイビエン)総統が参列し、13年の教皇フランシスコの就任式には馬英九(マーインジウ)総統が出席している。そのため台湾外交部(外務省)は教皇フランシスコの葬儀に、頼清徳(ライチンドォー)総統の参列をローマ教皇庁に要請していたが、バチカンが関係改善を進める中国に配慮したのだろう、折れた台湾外交部は23日、陳建仁・元副総統が参列することを発表した。  台湾と中国の“根競べ”は続く。    

社会•事件

2025.04.26

地球の運命はつながれた、新発見の小惑星、地球衝突の可能性ほぼゼロに
地球の運命はつながれた、新発見の小惑星、地球衝突の可能性ほぼゼロに

小惑星は地球にぶつからないんだって!『アルマゲドン』は回避?やれやれ (写真 ホイヘンス・プローブの模型 Wikipediaより)  地球に衝突する危険が観測史上最も大きいとされた新発見の小惑星「2024 YR4」(以下:YR4)について、2月24日、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、2032年に地球に衝突する可能性はほぼゼロになったと発表した。ただ、NASAは月に衝突する可能性を1.7%と推計しているが、それも地球が危険にさらされる可能性はないという。YR4は24年12月27日にチリのエル・サウセ天文台によって初めて発見され、現在の名が付けられた。当初はNASAの推計で3.1%、ESAの推計では2.8%の確率で地球に衝突する可能性があるとされ、天体が地球に衝突する可能性を指標化した「トリノスケール」の座標は10段階中のレベル3に分類された。宇宙観測が始まって以来、地球にとって最も危険な小惑星と位置づけされた。  フィンランドの研究チームも24年にカナリア諸島にある地上のノルディック光学望遠鏡を使ってYR4を調査している。同国ヘルシンキ大学のカリ・ムイノネン氏は「YR4が月に衝突した場合、地球は月と小惑星から分離した粒子で覆われる可能性があり、人工衛星などの宇宙インフラに損傷を与える」と警鐘を鳴らした。NASAの評価は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡からの新しい画像に基づいている。NASAのウェブサイトによると、現在の推定サイズは40~90㍍。衝突した場合、8メガトン級のエネルギーを放出する可能性が高いとされ、これは1945年に広島に投下された原子爆弾によって放出されたエネルギーの500倍以上という驚愕の数字が弾き出された。  ところが、NASAジェット推進研究所などがさらに精密な軌道計算を行った結果、今後100年間はこの小惑星が地球に衝突する可能性はほとんどないことが判明。「トリノスケール」の評価も「0」になった。やれやれである。YR4騒ぎで明らかになったことが一つある。NASAは21年11月24日、地球に接近する小惑星の軌道を変更させることを目的とした「DART」と呼ばれるミッションをスタートさせていたのだ。まるで映画「アルマゲドン」だ。DARTは Double Asteroid Redirection Test(二重小惑星方向転換試験)の略で、未来の地球の安全を守るためにNASAとESAが結束して「地球防衛システム」を構築するため約3億3000万ドルを投入したビッグプロジェクトだ。DART計画では、宇宙探査機(プローブ)を打ち上げ、目的の小惑星に衝突させ、小惑星の軌道の変動を観察する実験を行う。小惑星が地球に衝突する軌道上にあると判明した場合、その軌道を微調整することで地球に衝突する危険性を排除する試みだ。DARTは、地球が宇宙空間で今後も存続していくための危機管理、サステナビリティといえる。  

社会•事件

2025.04.26

日本銀行政策委員会に三菱商事出身の増一行氏が就任へ  現役国会議員秘書 紅良作 パート2
日本銀行政策委員会に三菱商事出身の増一行氏が就任へ  現役国会議員秘書 紅良作 パート2

2回の利上げに反対した中村豊明氏が退任しタカ派一辺倒になる恐れ (写真 増一行氏)  2回の利上げに反対してきた日立製作所出身の中村豊明氏が任期満了で退任するのは残念なことである。リフレ派の安達誠司氏も2月に退任しており、リフレ派の野口旭氏を除いてほぼ全員がタカ派となる。トランプ関税が経済界や産業界の景気を押し下げることが強く懸念されている状況の中でマイナス金利解除や利上げ、金融緩和政策の転換に反対してきた中村豊明氏が退任することは残念であり杞憂する。   さて、常勤での新任案である増(ます)一行氏は東京大学法学部を卒業後、三菱商事入社、平成28年から令和4年までは代表取締役常務執行役員としてCFOを務めた。現在はAstemo社の監査委員、公認会計士協会理事に就いている。経済界出身の中村豊明氏の後任として同じく経済界出身の増一行氏が就くことには一定の期待が持てる。できればハト派色を中村氏並みに残してくれることを増氏に期待したい。日本の企業は中小企業率が高い。中小企業の体力は脆弱であることが多い。増氏には中小企業への配慮を念頭においた金融政策を推し進めて頂きたい。増氏が製造業ではなく商社出身ということが少し気がかりではあるが、中村氏に代わって産業界ポストに収まるのであれば企業収益の増加が盤石なものになるまでは利上げに慎重な姿勢であって頂きたい。中村氏が抜けてハト派色が薄まることを懸念する。日銀の利上げによる長期金利の上昇とトランプ不況の影響を同時に日本企業が背負うことになるとマイナス成長を免れない。  経済が悪化する中でインフレばかりが加速すると国民の更なる貧困化が進む。日銀は難しい舵取りを迫れており、日銀政策委員会の金融政策決定会合は注目されている。増一行氏が利上げ推進派だとしたら日銀政策委員会のバランスは崩壊し国民の声は届かなくなるだろう。(おわり)

政治•経済

2025.04.25

「武漢ウイルス」の死亡者700万人、中国と米国の学者は責任を取れるのか
「武漢ウイルス」の死亡者700万人、中国と米国の学者は責任を取れるのか

新型コロナ=武漢ウイルス死者700万人!この責任、一体だれがとる? (写真 武漢ウイルス研究所 Wikipediaより)  新型コロナ(COVID-19=武漢ウイルス)のパンデミックでは、世界で700万人以上の犠牲者が出た。中国の武漢ウイルス研究所(WIV)からの流出説が有力になりつつあるが、この死者数は、ナチス・ドイツが強制収容所で虐殺したユダヤ人の数よりも多い。隠ぺいを続ける中国共産党政権はどう責任を取るのか。またWIVをアシストした米国のウイルス学者たちは、いつまで沈黙を続けるのか。世界保健機関(WHO)は4月、次のパンデミック対策をまとめたパンデミック条約の条文案を協議し合意に至った。5月には条約が採択される予定だが、肝心のウイルスの発生源については依然統一見解が示されていない。そもそも原因が明確ではないのに具体的な対策をまとめることができるのだろうか。WHOのパンデミック条約は、武漢ウイルス感染問題を早急に閉じたい中国側からの政治的圧力があったのではないか、といった疑念すら沸いてくる。調査ジャーナリストとして著名なシャリー・マークソン女史は、「中国共産党政権は世界のグローバル化を巧みに利用し、最新の科学技術、情報を手に入れてきた。武漢ウイルスはそのグローバル化の恩恵を受けて誕生してきたのだ」と述べている。が、幸いというか、昨年末から今年に入り、武漢ウイルスに関連した新しい情報が明らかになってきている。ドイツ連邦情報局(BND)は昨年秋、独自で入手していた機密情報の存在を明らかにした。そして米中央情報局(CIA)は、「研究所事故の可能性は低い」との立場を表明してきたが、トランプ政権がスタートした直後の1月25日、CIA新長官ジョン・ラトクリフは「中国の研究室から流出した可能性が高い」とする新たな評価を明らかにした。  米ホワイトハウスもウイルスの発生源はWIVだという見解を公式に表明したが、その理由として、①自然界には存在しない生物学的特徴を持つ。②WIVは過去、生物安全基準が不十分な中で機能獲得研究などが実施されていた。③2019年秋、華南海鮮市場でCOVID-19が確認される以前にWIVの研究者がCOVID類似の症状を示していた事例が確認されている。この3つを挙げている。米国はこれまでのFBI、米エネルギー省に加えCIAとホワイトハウスまでもがWIV説を支持したことになる。バイデン前政権時代は自然発生説が支配的だった。最高の研究機関と人材を誇る米国をもってしてもウイルス起源問題で結論が出ないのは、中国側の情報隠蔽だけではなく、米国内の親中派人脈や政治家、専門家、研究者、ロビイストがブレーキをかけてきたからだ。米国には武漢ウイルスの感染起源を知るうえで貴重な学者がいる。ウイルスの機能獲得研究と遺伝子操作の痕跡排除技術は、米ノースカロライナ大学のラルフ・バリック教授、そして英国人動物学者で米国の非営利組織(NPO)エコ・ヘルス・アライアンス会長のペーター・ダザックらだ。 彼らは過去、WIVと接触があり、中国人ウイルス学者で、通称「コウモリ女」と呼ばれるWIVの石正麗と一緒に研究してきた専門家たちだ。バリック教授らは米国の税金でWIVのコウモリ研究を支援してきた。その意味で、米国の科学者の落ち度も追及されなければならない。なお当時のバイデン大統領は1月20日、退任直前にトランプ現大統領の政敵と見られる人物に対して予防的恩赦を与えたが、その中に元アメリカ国立アレルギー感染症研究所所長アンソニー・ファウチ博士の名前があった。ファウチ博士は「自然発生説を主張し、米国民を誤導する役割を果たした」と厳しく批判されてきた人物だ。バイデンはなぜファウチに恩赦を与えたのか。理由はファウチ博士が、WIVや米中間の科学者交流内容を熟知しているからだ。トランプ政権がファウチを改めて公聴会などに呼びだす可能性を葬り去るためだ。  一方ドイツの情報機関BNDは、20年初めにコロナパンデミックの起源に関する機密資料を入手していた。それらの情報に基づいて、BNDはWIVでの事故が世界的なコロナパンデミックの原因である可能性が高いとの結論を下した。BNDは、武漢ウイルスの起源は「80%から95%の確率でWIV発生説が正しい」と主張した。BNDが20年に入手したWIH関連の機密情報の存在について明らかにした時、中国外務省の毛寧報道局長は「新型コロナウイルスに関する問題で、中国はいかなる形の政治的操作も断固として拒否する」と強調し、BNDのWIV流出説を一蹴している。ドイツの著名なウイルス学者クリスティアン・ドロステン教授(シャリテ・ベルリン医科大学ウイルス研究所所長)は、南ドイツ新聞(SZ)とのインタビュー(2022年2月9日)で、≪武漢ウイルスの解明を阻止しているのは中国側の隠蔽姿勢にあると明確に指摘したうえで、実験を知っていた米国の科学者たちの責任もある≫と発言している。  

政治•経済

2025.04.25

好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』⑧ 『電子書籍は羊を数える前に夢を見るか』
好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』⑧ 『電子書籍は羊を数える前に夢を見るか』

『電子書籍は羊を数える前に夢を見るか』  電子書籍を初めて知った時、これで本を持ち運ばずにすむから荷物が軽くなる!と俺は大喜びして電車に乗った。だが、いざ読み始めると、いつもスマホを見ている状態と変わらずがっかりした。重さや質感などの違いは勿論だが、最大の違いは・・・読書のムードがない! 試しに太宰治を読んでみたら、人生に弱音を吐く知らないおっさんのブログに見えてしまった。  一体、電子のメリットは?と考えたら、一点あった・・・暗闇でも読める!早速その夜、俺は寝床で実行することにした。ネットを見ていたら『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のサンプルがあったので俺は暗闇のなか読み始めた。予想以上にいい!ぼんやり光る画面は作品に没入できてムード満載である。これからは夜は電子だ!そう思ったら、いつの間にか寝落ちしていた。本は明るい所で読むべきだ。まだ紙の方が俺にはよい。  最終的には『電子書籍は羊を数える前に夢を見る』になってしまったのだった。

連載•小説

2025.04.25

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