高市政権の外国人政策強化
2025/10/23
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「予約なしでも入れるパビリオンは沢山ありますよ」 予約抽選に外れて愕然としていた俺と母に、係員の方から吉報が舞い込んだ。 「見て!アラブ首長国連邦館が30分待ちやで!」 お目当てではなかったが、ともかくパビリオンに入れる喜びは大きい。 早速並ぶと、10分も経たない内に中に入れることになった。 「なんじゃこりゃ~」 懐かしい松田優作のモノマネで興奮する母であるが、それもそのはず、アラブ首長国連邦館は見渡す限り巨大なナツメヤシの樹で埋め尽くされている。 「大きい!大きい!大きい!」 と、今度は懐かしい淀川長治のモノマネで俺も興奮した。 続いてカタール館、ベトナム館にも10分ほどで入館し、俺と母は子供の頃の社会科見学のように盛り上がった。 「大屋根リング行くで!」 休憩する間もなく母が言った。 そうだ、大屋根リングは外せない!世界最大の木造建築に認定された万博の目玉だ。 「明るい内に登るで!」 母が俺より早足で歩き出した。 (つづく)
2025.06.05
野球評論家の佐野慈紀氏が阪神の守護神・岩崎優(いわざき・すぐる)投手の〝調整術〟に注目している。 阪神は交流戦を前に首位でフィニッシュ。投打のバランスの良さが光っている。 佐野氏は現役時代、中継ぎ投手として活躍。その経験を元に「リリーバーっていうのは6月の頭が1つの鍵なんです。開幕から飛ばしていると、この時期で息切れしてしまって、そのままダメになるケースも多い。ここを乗り切れるかが大事」と話す。 岩崎は4月の防御率3.72、5月は1.69と尻上がりに調子を上げているが「ベテランなんで調整の仕方が分かっている。僕も現役の時は6月はランニングの量を減らすなど、スタミナを維持することを心がけてました」と評価した。 かつて佐野氏は岩崎のストッパー適性を見抜き、岩崎のストッパー転向を決めた金本監督(当時)に意見を求められた際には「絶対にストッパーが合っていると話しました」(佐野氏)と進言したこともあるという。 今後も注目だ。
2025.06.04
4月、トランプ大統領が導入した「相互関税」政策は、世界経済に大きな波紋を広げている。この政策は、すべての輸入品に一律10%の関税を課し、日本には24%、中国には104%(後に125%に引き上げ)など、貿易相手国ごとに異なる高関税を上乗せするものだ。これにより、国際貿易秩序は第二次世界大戦後最大の転換点を迎え、報復関税や経済的混乱が各国で懸念されている。なぜトランプ大統領はここまで関税にこだわるのか。その背景と理由を、経済的・政治的・外交的観点から簡単に整理してみたい。 関税政策の核心 貿易赤字の削減と国内産業の保護 トランプ大統領が関税を重視する最大の理由は、アメリカの巨額な貿易赤字の是正と国内製造業の復活にある。アメリカの貿易赤字は巨額に膨れ上がり、特に中国や日本、EUとの間で大きな不均衡が生じている。トランプ氏は、これを「アメリカが他国に食い物にされている」状態と捉え、関税を課すことで輸入品の価格を上げ、国内生産を競争力のあるものにしようとしている。理論的には、輸入品が高価格になれば、企業はアメリカ国内での生産を増やし、雇用創出や経済成長につながると考えられている。 例えば、日本からの自動車輸出はアメリカへの輸出総額の約3割を占めるが、24%の関税により価格競争力が低下する。これにより、アメリカ国内での自動車生産が増え、製造業の雇用が回復する可能性がある 外交ツールとしての関税:交渉の「武器」 トランプ関税のもう一つの特徴は、貿易政策を超えた外交ツールとしての活用だ。関税は単なる経済政策ではなく、相手国に政策変更を迫る「強制の武器」として機能している。例えば、フェンタニルなど違法薬物の流入阻止や不法移民対策を理由に、メキシコやカナダ、中国に対して関税をちらつかせ、譲歩を引き出そうとしている。このアプローチは、トランプ氏が「ディール(取引)の達人」として自負する交渉スタイルを反映している。 実際に、2025年4月に発動した相互関税は、報復措置を取らない国に対して90日間の猶予を与えるなど、交渉の余地を残している。日本とは石破首相とトランプ氏の電話会談後、閣僚レベルでの協議が始まり、関税率の引き下げや適用除外を目指す動きが見られる。このように、関税は相手国との交渉を有利に進めるための圧力手段として、トランプ政権の外交戦略の中核を担っている。 政治的パフォーマンスと支持基盤へのアピール トランプ氏の関税政策は、経済的合理性だけでなく、国内の政治的アピールも強く意識されている。彼の支持基盤であるブルーカラー層や保守派は、グローバル化による製造業の衰退や雇用の海外流出に不満を抱いている。関税は「アメリカ・ファースト」を体現する政策として、こうした有権者に直接訴えかける。2024年の大統領選で掲げた公約の一つが、関税によるアメリカの再強化であり、選挙戦での強いメッセージが政策に反映されている。ただし、関税による物価上昇がアメリカ市民の生活を圧迫し、支持率が低下する兆しも見られるため、政策の一貫性や調整が今後の焦点となる。 トランプ関税の今後の展望 トランプ関税の背景には、貿易赤字削減、国内産業保護、外交的圧力、そして政治的アピールという多層的な狙いがある。しかし、関税戦争の激化や金融市場の混乱を受け、トランプ氏は一部関税の90日間停止を発表するなど、柔軟な対応も見せている。今後は、日本を含む同盟国との交渉や、品目別関税(半導体や医薬品など)の拡大が焦点となるだろう。 日本としては、閣僚間協議を通じて関税の軽減を目指しつつ、EUや東南アジアとの連携を強化し、自由貿易体制の維持に努める必要がある。トランプ関税は世界経済の不確実性を高めるが、その真意を理解し、戦略的な対応を講じることが求められている。 中国が日本産水産物輸入を一部再開:その政治的狙い 5月30日、日本政府は中国との間で、日本産水産物の輸入再開に関する技術的な要件で合意に達したと発表した。この合意は、2023年8月に東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出開始に伴い、中国が日本産水産物の輸入を全面停止して以来、約2年ぶりの進展となる。今後、輸出関連施設の再登録手続きが完了次第、日本産水産物の対中輸出が再開される見通しだ。この動きは、単なる経済的合理性を超えた中国の政治的戦略の一環として注目される。なぜこのタイミングで中国は輸入再開に踏み切ったのか。その背景には、国際政治の力学、特にトランプ政権の保護主義的姿勢と日米関係への影響を巧みに利用する狙いがある。 トランプ政権の保護主義と日米関係への影響 トランプ米大統領の再選後、米国は再び保護主義的な経済政策を加速させている。トランプ政権は「アメリカ・ファースト」を掲げ、諸外国に対する高関税政策、いわゆる「トランプ関税」を推進。これにより、欧州やアジアの同盟国を含む多くの国が経済的混乱に直面している。特に日本に対しては、自動車や工業製品に対する関税引き上げや、相互関税の導入をちらつかせ、日米間の経済的緊張が高まっている。トランプ氏は、日本の対米貿易黒字を問題視し、さらなる譲歩を求める姿勢を明確にしており、日米関係の経済的基盤に揺らぎが生じつつある。 こうした状況は、中国にとって対日接近の好機を提供する。中国は、米国との対立が続く中、日米同盟の結束を弱体化させることで、対中国抑止の枠組みを揺さぶりたいと考えている。日本産水産物の輸入再開は、経済的な恩恵を日本に与えることで、両国間の関係改善を演出し、日本を米国から引き離す一歩となり得る。中国はこれまでも、経済的インセンティブを外交カードとして活用してきた歴史があり、今回の動きもその延長線上にある。 中国の狙い 日米分断と地域的影響力の拡大 中国の狙いは、日米による対中抑止の枠組みを脆弱化させることにある。日米同盟は、アジア太平洋地域における中国の影響力拡大を牽制する要として機能してきた。しかし、トランプ政権の保護主義的圧力が日本に及ぶ中、中国は日本との関係強化を通じて、この同盟に亀裂を生じさせようとしている。輸入再開は、日本にとって経済的メリットが大きく、特に水産業界や地方経済への恩恵が期待される。これにより、一部で対中関係改善を求める声が高まることも考えられよう。 さらに、中国は東アジアにおける地域的影響力の拡大も視野に入れている。日本産水産物の輸入再開は、ASEAN諸国や韓国など、他のアジア諸国に対するメッセージにもなる。中国が日本との経済協力を深める姿勢を示すことで、地域内の対中包囲網を緩和し、経済的結びつきを強化する狙いがある。これは、米国が推進するインド太平洋戦略への対抗策としても機能する。 日本側の対応と今後の展望 日本政府は、今回の合意を経済外交の成果として歓迎する一方で、中国の政治的意図を慎重に見極める必要がある。輸入再開は日本の水産業界にとって朗報だが、過度な対中依存は、将来的な外交リスクを伴う。 繰り返しになるが、中国が日本産水産物の輸入を一部再開する背景には、トランプ政権の保護主義による日米間の亀裂を突き、日米同盟の結束を弱体化させる戦略がある。経済的インセンティブを通じて日本に接近し、地域での影響力を拡大する狙いは、中国の長期的な地政学的目標と一致する。日本としては、経済的利益を確保しつつ、中国の意図を冷静に分析していく必要がある。
2025.06.03
福島県のいわき信用組合(いわき市)で持ち上がった「架空融資問題」。5月30日に第三者委員会が調査報告書を公開したが、全243ページある中、「虚偽」という言葉が82回、「隠蔽」が104回という、中身的には真っ黒々というもので、SNSでは「半沢直樹の世界も真っ青」とネタにすらなっている。 不正融資は04年3月から昨年10月まで約20年、江尻次郎元会長ら幹部の主導によって行われたというだけあって、少なくとも1293件、総額247億7178万円が実行されたという。06年12月末時点の正規融資が約52億円だったというからその大規模ぶり分かるが、昨年秋の公表時点では「10億円超」ということだったので、その「隠蔽」体質の悪質さも伺える。 だから報告書での書かれっぷりもそうとうなもので、 「当組合の対応は、自ら積極的に事実関係を明らかにしようとするものとは真逆であり、意図して全体像を隠そうとしていると疑わざるを得ないおのである。」 などと、委員会も激をこだ。またその「隠蔽」ぶりを別に表すものとして、10編からなる調査報告書のうちの第3編は「調査中に発生又は発覚した調査遂行上の問題」とあり、つまりは調査の妨害や誤魔化しなのだが、これだけで38~56ページまでを要している。 さらにその中でも、一連の不祥事が発覚した24年10月末以後、不正を示すデータが入っているノートパソコンを持っているのが怖くなって自宅で「ハンマーにより破壊して処分」したといった件に至るや、SNSでは「気合が入っているな」と、これもやはりネタに。 また不正が明るみになるきっかけは、24年10月2日に「元信用組合職員」を名乗る投稿者が不正事案についての暴露を始めたため、というのもまた事実は小説より奇なりを地でいくサスペンスぶり。 一方で救いがないのが、12年の東日本大震災で同組合には公的資金175億円がつぎ込まれたことで、それで調子に乗って不正を続けた節が強いことだ。だがそれも退いて見れば、震災がもたらした1つの惨禍ということなのかもしれない。
酒井抱一は江戸初期の俵屋宗達、尾形光琳に連なる、いわゆる「琳派」の巨頭の1人。琳派は金銀箔や鮮やかな色彩、花鳥風月をモチーフとしたデザイン性で知られる、日本美術史に残る一派である。 姫路藩の世嗣・酒井忠仰の第4子という名家出身の抱一は画家・文化人である一方で尻焼猿人(しりやけのさるんど)――真っ赤なケツの猿という狂名で活躍していた。 当時20代前半だったこの大物と、一回り近く年上の蔦重との厳密な接点は不明だが、江戸の酒井家藩邸を拠点に、他の大名子弟のボンボンたちと遊び回っていた抱一が吉原で蔦重と接点を持ち、蔦重が赤良・橘州と抱一が同席する宴席を設けたとしても違和感はない。 こうして狂歌の3巨頭を独占するに至った蔦重のプロデューサー的手腕は、恐らく当時の他の地本問屋の発想の外であったろう。 同じ1785(天明5)年冬に刊行した『夷歌百鬼夜狂』は、江戸・深川でこの3巨頭を含む15人ほどの狂歌師が集まり、妖怪やお化けを題材とした百首を収めた狂歌本。「百物語」よろしく100本のロウソクを灯し、一首よむごとに1本ずつ消しながらよんだという。 翌1786(天明6)年の『吾妻曲狂歌文庫』は、狂歌師50人の肖像画を北尾政演が1人1人色鮮やかに描き、そこへ個々がよんだ狂歌1首を赤良が書き込むという百人一首を模した大型の豪華本。高価にも関わらず大ヒットとなった。その後も狂歌師を100人に増やしたバージョンも刊行し同様の売れ行きを見せるなど、狂歌本は蔦重の独り勝ちとなった。(つづく)
2025.06.02
野球評論家の佐野慈紀氏が首位争いを続ける「日本ハムファイターズの強さ」について語った。 佐野氏は「選手がかなり自信を持って試合に臨んでいるのがありありと分かります」と切り出す。 「新庄監督はパフォーマンスが派手な部分が注目されてましたが、彼の野球観ってすごくシンプルです。バッティングも守備も『基本に忠実』。それを指導者として選手たちにぶつけています」 野球で1番大切なことは「細かくいうとチームプレー。先の先の先まで目を配らないといけない。こういう感覚を監督が持っているチームというのは強いです」と佐野氏。 さらに「新庄監督は選手のいいところを伸ばそうとしている。例えば万波選手、センターでもいいが、彼の肩はライトが一番生きる。時間はかかりましたが、清宮選手を覚醒させたのも監督とスタッフの手柄だと思います」と絶賛した。 今年は新庄監督の胴上げシーンが見れるか。
2025.06.01
狂歌ブーム元年となった1783(天明3)年当時、三大狂歌師と呼ばれていたのが四方赤良のほか唐衣橘州(からころもきっしゅう)、朱楽菅江(あけらかんこう)の3人。このうち四方と橘州がその作風の違いから厳しく対立していた。貴族風の温和で雅な作風の橘州は、江戸っ子らしい機智に富んだ赤良のそれを公然と批判した。 それはお互いの狂歌連というサロンどうしの対立にも波及する。赤良・菅江編『万載狂歌集』と並ぶ『若葉集』は橘州が編さんしているが、赤良は意図的に編者から外されている。対立の根はそれだけ深かったのだ。 この赤良・橘州の間を取り持ったのが、他ならぬ蔦重だった。 1785(天明5)年、蔦重は狂歌本を次々と世に出す。まず『故混馬鹿集』――無論、『古今和歌集』のパロディ――が先の『若葉集』『万載狂歌集』と並び称されるほどの大ヒットとなったが、重要なのは次の『狂歌評判/俳優風(わざおぎぶり)』だ。『俳優風』に掲載する狂歌の選者に菅江だけでなく犬猿の仲だった赤良、橘州の名がいっしょに並んでいるのである。 蔦重が赤良、橘州の仲介役として連れてきたのが、『俳優風』にピックアップされた狂歌師の最高位の称号を得た「尻焼猿人(しりやけのさるんど)」という狂名を持つ人物だった。 その正体は、何と日本美術史に残る「琳派」の大物、酒井抱一だった。(つづく) 主な参考資料:松木寛著『蔦屋重三郎 江戸芸術の演出者』日本経済新聞社 鈴木俊幸『蔦屋重三郎』平凡社
2025.05.30
野球評論家の佐野慈紀氏が「西武の復活」について語った。 佐野氏は昨季、歴史的な低迷から今季〝奇跡の復活〟を遂げているライオンズに「やっぱり、やっぱり、西武が強いんですよ! 去年、優勝候補に推して、さんざん周りに突っ込まれたんですけど!」と苦笑交じりに切り出す。 特に好調なのが投手陣だ。昨季、まさかの開幕11連敗を喫し、シーズン通して勝ち星がなかった高橋光成(こうな)も待望の勝ち星をあげた。 「光成投手も勝って、今井投手も無双状態。隅田投手もいい。投手陣が安定していて、打線がかみ合えば、いまの順位は決してブラフじゃないと思いますよ」 王者ソフトバンクがいまいち調子が上がってこない中で、西武にもチャンスがありそう。今シーズンは〝レオの乱〟から目が離せない!?
2025.05.30
親会社元副社長がインサイダー事件で有罪判決を受けた「アイ・アールジャパン(IRジャパン)」に対し、再び司法当局による捜査のメスが入った。証券取引等監視委員会が5月下旬、同社社員がインサイダー取引に関与したとして、金融商品取引法違反容疑の関係先として強制調査に乗り出したのだ。IRジャパンは上場企業の株主対応支援を手がける会社として知られるが、今回は、社員が未公表の重要事実を外部の知人に漏らし、不正な株取引に関わった疑いがあるという。知人は億単位の不正取引を行ったとされ、今後は監視委が刑事告発し、東京地検特捜部が立件する可能性が高い。 ▼証券取引等監視委が強制調査 関係者によると、IRジャパンの社員は、顧客が絡む公表前のIR(企業による投資家向け広報)情報を知人に漏えいするなどし、インサイダー取引に関わった疑いが持たれている。 IRジャパンは、東証プライム上場の「アイ・アールジャパンホールディングス」の子会社。上場企業の合併や買収、株式公開買い付けなどに関するコンサル業務にあたっている。 IRジャパンホールディングスを巡っては、元代表取締役副社長がインサイダー取引に関与していたことが判明。監視委の強制調査を受けた後、元副社長が東京地検特捜部に金商法違反(インサイダー取引推奨)容疑で逮捕・起訴され、23年10月に有罪判決が確定している。 IRジャパンは業務の性質上、社員や役員らが企業のM&Aなど未公表の機密情報に触れる機会が多いため、一般企業よりも高い倫理観が求められる。今回の疑惑は、顧客からすれば未公開情報が不正取引に悪用された形で、極めて悪質性は高い。 元副社長に有罪判決が下されて2年も経過していない中、社員による同種疑惑が浮上している現状は、会社としてガバナンスの欠如を浮き彫りにさせているともいえる。 元副社長の事件を踏まえ、効果的な再発防止策は打たれていなかったのか。今回の強制調査は、一社員による個人犯罪として実施されているが、会社グループ全体として重く受け止めるべきだろう。
2025.05.30
2020年から世界的に蔓延し、猛威を奮ってきた新型コロナウイルス。徐々に感染者数も減っていき、感染症法上の扱いが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行してから5月8日で2年が経過したが、いまだに新型コロナの「後遺症」に苦しむ人は多い。激しい倦怠感から通勤ができなくなった大人や不登校になってしまった子供たちも後を絶たず、深刻な影響が続いている。行政による支援の拡充は必須だ。 ▼WHO定義は「別病気では説明できない症状が2か月以上」 新型コロナ後遺症について、世界保健機関(WHO)は「感染から3か月時点で別の病気では説明できない症状があり、それが2か月以上続く」と定義している。ただ、分かりやすい明確な症状として定められていないこともあり、病院によって「新型コロナ後遺症」と判断するか否かの判断が割れているのが実情だ。このため、身体があまりにだるくて病院に行ったものの、原因不明と判断された患者が病院を転々とし、数件目に診てもらった病院でやっとこさ「新型コロナ後遺症」と診断されたケースも少なくない。 ▼中高生は「思春期特有問題」で片付けられがち 特に影響が甚大なのは、子供たちだ。新型コロナ後遺症については、先述の通り医師によって判断にばらつきが生じがちなこともあり、厚労省などがまとめた全国的な患者数のデータはない。だが、患者グループらによると、小中学生や高校生で、急に朝起きられなくなったり強い倦怠感に襲われたりと、コロナ後遺症の疑いのあるケースは少なくなく、半年~数年単位で学校に行けなくなるという子供もいるという。病院によっては「思春期特有の問題」として処理し、コロナ後遺症と判断されず、不登校期間が長期化するなど深刻な事態も起きている。 コロナ後遺症を適切に診断するため、医療体制の充実が不可欠ともいえる事態となっており、国は全国規模で後遺症の実態調査に乗り出すべきだろう。 後遺症が治らないまま、登校できなくなったり通勤できなくなったりする期間が長期化すれば、高額な治療費など経済面でも苦しむ恐れが高まってくる。 治療費の補助も含め、国や自治体が後遺症患者の支援策を拡充していく必要がある。新型コロナウイルスの猛威はまだまだ終わりそうにない。









