社会•事件 首都圏への本社移転、過去10年で最多 有名大企業は「先祖返り」や「原点回帰」
首都圏への本社移転、過去10年で最多 有名大企業は「先祖返り」や「原点回帰」
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2025/10/07

2025年1~6月に約200社もの企業が本社機能を地方から首都圏に移転した。この数字は過去10年で最も多く、その一方で同期間における首都圏からの転出企業は150社で、前年から17社減少した。コロナ禍により首都圏外への転出が増加した21年以降では最少となった。

 首都圏へ転入した企業の業種では「サービス業」(80社)が最も多く、中でも「受託開発ソフトウェア業」(14社)が最も多かった。「卸売業」(32社)、「小売業」(29社)と続く。

 首都圏から地方へ転出した企業の業種でも、「サービス業」が50社で最も多かった。災害に備えた首都圏以外への本社機能の分散やバックアップ拠点の確保といった動きと見られる。

こうした首都圏への移転増加の一方で、先祖返りや原点回帰とも見られる本社移転も目に付く。リモートワークの普及で一等地にオフィスを構える必要性が薄れたことに加え、研究開発や製造の現場と経営企画部門の距離を縮め連携を強化することに狙いがあると見られる。

 東芝は約40年間入居していた東京・芝浦の「浜松町ビルディング」から川崎市内の「スマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)に引っ越した。

8月1日付で本店登記も川崎へ変更した。芝浦は社名の由来となった地だが、川崎もかつて白熱電球の工場があったゆかりの地だ。

ニコンは昨年、約100年前に拠点を設けた東京・西大井の閑静な住宅街に自社ビルを新築し、品川駅前の大型オフィスビルから引っ越した。

富士通も昨年、東京・汐留にあった本社機能や点在していた研究開発部門を創業の地である川崎に集約した。創立当初からの主要拠点だった川崎工場は「テクノロジーパーク」に改称し、最先端技術の実証実験が可能な施設へと再開発を進める。

一方、経営危機に陥ったシャープは、これを受けて16年に大阪市から堺市に本社を移したが、26年に再び大阪市内に戻す計画だ。利便性が高い大阪の中心部に移すことで、優秀な人材の採用や取引先との接点拡大につなげたい考えからだ。 

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