2025/10/04
8月に電通グループとして海外従業員の8%にあたる約3400人の削減を発表した日本最大の広告会社、電通。その後、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が、4海外事業の売却を検討しているとまで報じた。
FTの報道には納得する部分もある。2025年上期の決算を見ると、24年下期に引き続き、海外事業の不振により、のれん減損860億円を計上し、当期純利益は736億円という大赤字に転落しているからだ。
地域別のオーガニック売上成長率を見ても、日本以外はすべてマイナス成長となっている。北南米マイナス3.4%、欧州・中東・アフリカは同2.4%、日本を除くAPAC(アジア太平洋)は同8.9%と、いずれも総スカンされていると言ってもいい数字だ。
ところで「電通化」することにより電通とは逆に赤字からV字回復を果たしたのが「ぴあ」だ。同社は5年前には過去最大の赤字を計上し、かつて栄華を誇った企業が、昭和のビジネスとして過去を背負い消えていくのかと心配されたが、過去最高益を叩き出している。
背景には、出版やチケット販売にとどまらない業態変化がある。多様な領域で存在感を強めることが、ぴあ復活の鍵となった。
具体的にはイベントの企画・制作、各媒体での販促、チケット販売、グッズ製作、施設運営を一貫して行う「電通モデル」へのシフトが業績を押し上げたのだ。
業績好調の要因は2つ。まずチケット取扱量や主催の興行が増加していること。さらに公演の先行予約ができる「ぴあカード」の会員数が伸びたことだ。
大阪万博のチケットやムック本もヒットし、施設事業や朝日新聞社と合弁で展開するネット広告など新規事業も成長している。
栄枯盛衰は世の常とはいえるが…。
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