2025/06/10
組織の不正や違法行為を正義感から内部告発した人は、当然に守られるべきだ。不正を告発した内部通報者を解雇や懲戒処分とした場合、組織と個人双方に刑事罰を科すことなどが盛り込まれた改正公益通報者保護法が6月4日、参院本会議で可決・:成立した。企業や地方自治体は、新たに罰則が設けられたことを重く受け止め、内部通報に適切に対応できる体制整備を進めていく必要がある。
■法人は3000万円以下の罰金、個人は6か月以下の拘禁刑か30万円以下の罰金
公益通報者保護法は、事業者や自治体などが、組織内の違法行為や不正を組織の相談窓口や報道機関などに通報した人について、不利益な取り扱いをすることを禁止している。ただ、これまでは罰則が設けられていなかったため、特に中小企業などでは通報窓口の整備が進まず、内部通報者を適切に保護する観点ではかねて課題が指摘されていた。
このため、今回の改正により、内部告発を理由に通報者を懲戒処分または解雇とした法人に対し、3000万円以下の罰金が科される。個人についても罰則が設けられ、通報者の処分を決めた人には6か月以下の拘禁刑が30万円以下の罰金が科されることになる。
忸怩たる思いで組織の不正や違法行為を止めようと声を上げた人が、不利益を被ることは決してあってはならない。告発者が不当な圧力を受けないようにする上でも、今回の罰則規定が設けられた意義は大きいだろう。
■来年中には改正法が施行
改正法はさらに、事業者が正当な理由なく内部通報者を特定しようとしたり、通報を妨げたりしたりすることも禁じた。また、従業員が300人を超える事業者の場合、内部通報者の窓口担当者を配置しなければ、国が立ち入り検査を行えるとし、命令などに従わなければ30万円以下の罰金が科される。
改正法は2026年中にも施行されるため、事業者や自治体は早期の体制整備を図り、通報者を守る仕組みを強化していくべきだ。内部告発者が不当な扱いを受けることは許されない。
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