2025/06/25
日本は深刻なドライバー不足に陥っており、モビリティ(移動手段)社会に大きな影を落としている。バス路線では、運行バス本数を減らす事態になっているほどで、その結果、高齢化社会における公共移動手段の確保が困難になっている。それだけでない。物流業界の人手不足など、多くの難題解決に自動運転車の1日も早い実現が待たれる。
ホンダは、2021年3月に世界初のレベル3自動運転車「レジェンド」を発売した。この車は、「トラフィックジャムパイロット」という機能を搭載し、高速道路の渋滞時において一定条件下で自動運転を可能にする。
ただし、レジェンドは限定販売であり、普及率が高くないため、一般的な認知度や市場での影響力は限定的だ。
レベル5(全自動運転車)のキーマンは、国策半導体企業ラピダスだ。
現在ラピダスは、「エッジAI半導体」の試作品を発表する段取りをつけている。この半導体は、端末(エッジ)でAI(人工知能)機能を発揮するものだ。これが全自動運転車に欠かせない「即断即決」機能(推論型AI)を果たす。推論型AIは、学習型AIでないので、状況次第で自ら判断する機能を持つ。
推論型AIを採用することで、以下の点で日本車は優位に立つ。
(1)未知の環境への適応能力
新しい地域や未経験の交通条件にも対応可能で、国際展開がしやすくなる。
(2)安全性の向上
リアルタイムでの判断能力が高まるため、事故リスクが減少し、利用者の信頼を得やすくなる。
(3)国際基準への対応
世界各国が異なる規制を設ける中で、柔軟な推論能力を持つAIシステムは、法規制の違いにも迅速に対応できる。
日本はこの技術で、最先端技術分野に「カムバック」できる足がかりを得た。ただ日本の多くは無関心だ。政府は、中国に配慮し詳細な情報を公開しない「潜行型」を選んでいる。他国を刺戟しないという配慮なのか。
ホンダが、トヨタに先行してレベル5に取り組んでいることは、日本の技術水準の高さを証明するものだ。
政府が、挙げた国家戦略による国際規格8業種中、デジタル・AI、モビリティ、量子技術の3業種に深く関わっている技術が、ラピダスの「2ナノ」最先端半導体である。すでに、「1.4ナノ」も製造可能になっている。
ラピダスは27年、1.4ナノ量産化に向けて、海外から500人以上のスタッフ派遣を受け入れる契約も結んだ。現有500人の社員と合せ、1000人体制で本格操業に入る。
さて、ホンダの三部敏宏社長は5月20日、EV(電気自動車)戦略を大きく見直すと発表した。30年度までにEV関連に10兆円投資する目標を7兆円に引き下げ、同時に30年度のEV販売目標計画を200万台から約75万台に落とすという。
それでもホンダが目指す全自動運転車のシステムはEVとは相性がいい。EVシフトの流れが止まることはないだろう。
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