2025/07/12
まさに本当の勝負はこれから、といったところだろう。7月10日、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)が、旧村上ファンドの野村絢氏らが20%以上の株を買い増した場合、既存株主に新株予約権を無償で割当ててこれに対抗する「ポイズン・ピル」も辞さない対抗策を取ることを取締役会で決議したと発表したことだ。
「6月25日の定時株主総会は、取り立てて波風が立つことなく、12人の取締役選任を求めたダルトン・インベストメントの株主提案をいとも簡単に蹴散らしてFMHが圧勝。かたや旧村上ファンドは等閑視。さらに株を買い増して、本当の勝負の場所として次の臨時取締役会に絞っていたことは衆目の一致するところでしたから」(経済部記者)
事実、6月27日には旧村上ファンド側が14.35%まで買い増していることが判明。両者にらみ合ったところで、「20%以上はダメよ」と、FMHが機先を制そうというわけだ。
「中居問題でフジテレビ社長に急浮上し、FMHの社長にまで駆け上がった清水賢治氏に、周囲はそれほど着目してきませんでした。清水氏はアニメ部門上がり。バラエティとドラマで一世を風靡したフジテレビにあっては、傍流の人でしたから」(同)
ところが清水氏は、アクティビストが望む自己株取得を打ち出し黙らせた。自己株取得で株価が上がれば、アクティビストも高値で株を売れるからだ。そして事業立て直しに、自らの得意分野であるIP(知的財産)の収入増を目標に掲げた。従来のCM収入頼みのビジネスモデルの脱却は、誰もが批判の口実に上げるところだからだ。
不自然な形で日経新聞に登場
敵失もあった。ダルトンは放送法で禁止されている、外国人を取締役候補に立てて、失笑を買った。またその中の1人で相変わらずの「俺様ぶり」を発揮したうるさ方で74歳の北尾吉孝・SBI社長兼会長は、65歳定年制が導入されたことで敢え無く表舞台から消えた。
そのFMHが定時株主総会を開催した同じ日、日経新聞には野村絢氏のインタビューが掲載された。内容はFMHとは全く関係のない、投資環境について。なんとも思わせぶりな登場だ。
闘争の第2ラウンドに向けて、両者の水面下の戦いは続く。
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