2025/11/08
米国では、生まれてくる前の赤ん坊(胚)の遺伝子検査サービスの是非が議論されている。親が自分が好む子どもの遺伝子をどう選ぶかが可能になるというのだ。
ニューヨーク・マンハッタンにあるバイオテクノロジースタートアップ企業「ニュークレアス・ゲノミクス」は、遺伝的「最適化」のためのツールとしてのソフトウエア「ニュークレアス・エンブリョー」を販売している。
料金は、最低5999ドル。ザックリ90万円払えば、親は「ポリジェニックリスクスコア」を受け取ることができ、これを見れば、将来子供が、アルツハイマー病や糖尿病を発症する可能性や、高いIQ、低いBMI(肥満)、不安耐性、特定の目の色などの特性を有するかどうかを推定できるというものだ。
ただし同社の「スコア」は、医療界では受け入れられていない。
コーネル大学の2024年の研究では、同スコアには統計的に大きな不確実性があり、ばらつきを過小評価し、信頼性の低い予測をもたらすと公表した。
コロンビア大学の生命倫理学者は、「人が病気にかかるかどうかには、非常に多くの要因が関わっている。同社が実施しているような検査が、必ずしも臨床的に有効で信頼性があるとは限らない」と批判している。
一般的なアカデミズムの世界もこのような選別システムが、バイオテクノロジー界を間違った方向へ導いていると批判している。
米国ナショナル・カトリック・バイオエシックス・センターの上級倫理学者である高名な神父は、子供の質を測定しようとする試みは、どのような方法であれ、道徳的に許されないと述べている。
多くの科学者、倫理学者、宗教指導者らは、この技術は親を消費者、子供を商品に変えてしまうと主張しているわけだ。
一方でこうしたオンラインで使える遺伝子検査サービスが普及したことにより、深刻な家族問題も浮上した。
それは生物学的な父親が別にいることが発覚する「NPE=Non Paternity event」問題だ。母親が別のパートナーにより妊娠した子どもだということを本人に隠しているケースが多く、これに該当する人たちは、アメリカで潜在的に100万人を超えると推測されている。
こうした遺伝子検査サービスが日本に上陸する日もそう遠くはない?
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