社会•事件 同性婚 最高裁が判断へ 高裁はいずれも不利益を考慮して「違憲」
同性婚 最高裁が判断へ 高裁はいずれも不利益を考慮して「違憲」
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2025/05/18

 同性婚を認めない民法と戸籍法の規定が憲法違反だとして、複数の同性婚カップルが国に損害賠償を求めた訴訟を巡り、東京や福岡など5つの高裁がそろって「違憲」の判決を出している。いずれの高裁も請求自体は棄却したものの、同性カップルが被る社会保障上などの不利益は看過できないとの判断を示した形だ。最高裁が今後どういった見解を示すのかに注目が集まる。

同性婚については、2019年以降、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5地裁に計6件の訴訟が起こされた。1審の地裁判決は合憲1件、違憲状態3件、違憲2件と判断が分かれたが2024年3月~25年3月にあった5件の高裁判決はすべて違憲と結論付けた。東京高裁ではまだ1件の審理が継続中だ
 各高裁が現行法上の規定を巡って問題視したのは、同性カップルが受ける不利益で、法律婚ではない場合は社会生活上の制度保障がない点などについてだ。具体的な高裁判決の指摘内容は、「異性カップルと比べ、差別的な取り扱いだ」(福岡高裁)、「アイデンティティーの喪失感も招き、個人の尊厳をなす人格が損なわれる事態になっている」(札幌高裁)などで、いずれの高裁もこうした不利益について言及した。

一方で、国が同性婚を認める立法措置を講じていない点は違法とまでは言えないとして、「違憲」との判断にとどめ、原告側の賠償請求を棄却した。ただ、いずれの原告も上告しているため、最高裁がさらに踏み込んで「違憲」と判断すれば、国会は同性婚を認めるための法制度設計に向けた具体的検討を迫られる可能性が高い。最高裁の統一判断は、係争中の東京高裁の判決も踏まえ、来年中には出る見通しだ。
 だが、日本において同性カップルの法的保護に関する議論が深まっているとは言い難い。最高裁の今崎幸彦長官も5月3日の憲法記念日を前にした記者会見で同性婚などについて、「背景にある社会の実態への理解が欠かせない。裁判官には自立的に識見を高めることが求められる」と述べるにとどまっており、最高裁は慎重に判断するとみられる。家族のあり方に関する重要な問題だけに、社会全体で広く考える必要がある。

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