社会•事件 IRジャパンで再びインサイダー疑惑浮上 組織的なガバナンス欠如が明白
IRジャパンで再びインサイダー疑惑浮上 組織的なガバナンス欠如が明白
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2025/05/30

親会社元副社長がインサイダー事件で有罪判決を受けた「アイ・アールジャパン(IRジャパン)」に対し、再び司法当局による捜査のメスが入った。証券取引等監視委員会が5月下旬、同社社員がインサイダー取引に関与したとして、金融商品取引法違反容疑の関係先として強制調査に乗り出したのだ。IRジャパンは上場企業の株主対応支援を手がける会社として知られるが、今回は、社員が未公表の重要事実を外部の知人に漏らし、不正な株取引に関わった疑いがあるという。知人は億単位の不正取引を行ったとされ、今後は監視委が刑事告発し、東京地検特捜部が立件する可能性が高い。

▼証券取引等監視委が強制調査

 関係者によると、IRジャパンの社員は、顧客が絡む公表前のIR(企業による投資家向け広報)情報を知人に漏えいするなどし、インサイダー取引に関わった疑いが持たれている。

IRジャパンは、東証プライム上場の「アイ・アールジャパンホールディングス」の子会社。上場企業の合併や買収、株式公開買い付けなどに関するコンサル業務にあたっている。

 IRジャパンホールディングスを巡っては、元代表取締役副社長がインサイダー取引に関与していたことが判明。監視委の強制調査を受けた後、元副社長が東京地検特捜部に金商法違反(インサイダー取引推奨)容疑で逮捕・起訴され、23年10月に有罪判決が確定している。

IRジャパンは業務の性質上、社員や役員らが企業のM&Aなど未公表の機密情報に触れる機会が多いため、一般企業よりも高い倫理観が求められる。今回の疑惑は、顧客からすれば未公開情報が不正取引に悪用された形で、極めて悪質性は高い。

元副社長に有罪判決が下されて2年も経過していない中、社員による同種疑惑が浮上している現状は、会社としてガバナンスの欠如を浮き彫りにさせているともいえる。

元副社長の事件を踏まえ、効果的な再発防止策は打たれていなかったのか。今回の強制調査は、一社員による個人犯罪として実施されているが、会社グループ全体として重く受け止めるべきだろう。

 

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