社会•事件 選挙のモラルの崩壊(4) SNSを使った大衆を扇動
選挙のモラルの崩壊(4) SNSを使った大衆を扇動
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2025/02/21

当選を目的にせず対立候補を応援する為に出馬した立花孝志氏

 近年、日本へのインバウンド観光客が急速に増えている。日本へのツアーが任期なのは安さと安全性によるところが大きい。実際、外国人観光客が増えても治安に関しては大きな変化はない、一部を除いては。一部とは勿論、選挙に関してのことである。治安の良さは日本人の真面目さや勤勉さや誠実さに支えられてきた。選挙は民主主義の根幹を為す神聖なものだ。その選挙のモラルをぶっ壊す御仁が現れた。

 NHK党率いる立花孝志氏である。東京都知事選では30名もの立候補者を擁立し選挙ポスターの掲示板や選挙公報を乗っ取った。それ以前にも東京第15区衆院補選では元NHK党の幹事長である黒川敦彦氏が他候補の演説を妨害したり、他候補の選挙カーを追い回したり、他候補の選挙事務所に突撃して騒いだりするなどの暴挙によって公選法違反などで逮捕されている。東京都知事選で立花氏は悪ふざけともとれる行為や選挙運動を行ったが警察は動かなかった。おそらく多くの苦情や訴えは警察や選挙管理委員会に殺到していただろうが、黒川氏の時と違い警察が立花氏を逮捕することはなかった。テレビのワイドショーでは連日立花氏の行為を非難する内容を放映していたが警察だけは立花氏を聴取することも拘束することもなかった。

 警察が動かないことで勢いづいた立花孝志氏の新たなターゲットが兵庫県知事選である。兵庫県の斎藤元彦知事に纏わる告発状を作成し配布した元県民局長が自死したことで、元県民局長を処分した斎藤知事に批判が殺到した。テレビやマスコミは連日斎藤知事のパワハラの疑いや公営通報義務違反の疑いついて追及し批判的に報道した。告発文書の真偽を究明する為に百条委員会が設置されて審議が行われる中、県議会において斎藤知事の不信任案が提出され全会一致で可決された。このことを受けて斎藤知事は辞職し出直し選挙に挑んだ。出直し選挙で圧倒的に不利な状況にあった斎藤知事を応援する為に立候補したのが選挙のモラルと治安をぶっ壊し続けてきたNHK党の立花氏である。立花氏は、県民局長は10名もの職員と不倫しており不同意性交罪の疑いがあり、それが明らかになることを恐れて自死したのであり、斎藤知事に纏わる告発文の内容は全てデマであると主張した。それどころか立花氏は元県民局長は斎藤知事に纏わるデマの告発文を配布して斎藤知事の名誉を棄損した犯罪者であるとまで宣った。立花氏は県幹部から情報提供を受けているとし、演説やYouTube動画等で斎藤知事を擁護し元県民局長を批判する情報発信を続けた。立花氏の主張はスキャンダラスに報じられ現実味を帯びて広く拡散した。勢いを増した立花氏は斎藤知事を追及する百条委員会委員長の奥谷謙一県議の事務所兼自宅前に聴衆を引き連れて現れ演説を行い口撃した。さらに同じく百条委員会のメンバーで斎藤知事のパワハラなどを追及していた竹内英明県議や丸尾まき県議にも奥谷県議と同様のことを仕掛けると予告した。元県民局長の告発文は完全なデマだとし不倫を苦に自死したという立花氏の主張はネット上でかつてない広がりを見せ、最終的には圧倒的に不利であった斎藤知事が勝利し知事に返り咲いた。立花氏はオールドメディアの敗北であり、ネット選挙の勝利だと肯定した。その後、元県民局長が10人と不倫していたという事実はないことがほぼ明らかにされ、不同意性交の疑いもほぼない、告発文が全てデマだとは確定しておらず、元県民局長が斎藤知事を名誉棄損した犯罪者だということも不明、情報源が片山元知事だと話したことは虚偽、自分への情報漏洩者が維新岸口県議だと暴露するなど選挙後には立花説の信憑性は崩壊している。立花氏は一部を認め謝罪し訂正しているが悪びれることなく斎藤知事の対抗馬であった稲村元尼崎市長の応援に回った県内22市の市長たちの選挙区で出馬する表明を行うなど留まることなく加勢している。

 斎藤知事の再選後に百条委員会のメンバーで斎藤知事を追及していた竹内英明県議が辞職した。辞職理由は自身への口撃や誹謗中傷によって恐怖を覚えている家族を守る為としている。その約2か月後の1月中旬に竹内氏が自宅で自死しているのが見つかった。竹内氏の自死を受けて批判の矛先となったのが立花氏である。それを受けて立花氏はYouTube動画にて竹内氏が自死した翌日に兵庫県警が逮捕する予定であったと言い、逮捕前に自死したのだと主張。立花氏は竹内氏の生前、竹内氏が私文書偽造で警察の取り調べを受けており近く逮捕される可能性があることを発信していた。立花氏の発信を受けて兵庫県警トップが竹内氏の逮捕の予定はないこと、竹内氏への事情聴取などは一切行っていないことを公言した。その後、立花氏は同じくYouTube動画で自身の発言を撤回し謝罪した。兵庫県警は立花氏に対して名誉棄損や脅迫などの容疑で捜査に着手しているが2月上旬の現在において進展は見られない。(つづく)

世良 直

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