社会•事件 超高額、三田ガーデンヒルズとリビオタワー品川、都所有の晴海フラッグにみる異常な投資ゲーム
超高額、三田ガーデンヒルズとリビオタワー品川、都所有の晴海フラッグにみる異常な投資ゲーム
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2025/05/14

都心高級タワマンは住むために建てられているわけではない、という新常識 やれやれ、価格は上りに上がって〝5億ション〟だってよ!

(写真 HARUMI FLAG 晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業 Wikipediaより) 

 いまや「4億ション」「5億ション」がフツーの時代となり、新築マンションの高騰が止まらない。2023年に分譲された東京・港区三田にある「三田ガーデンヒルズ(以下:三田ガーデン)」は、敷地面積7636坪という広大な敷地に、総戸数1002戸、地上14階までの5棟のマンションが建つ。販売価格は坪単価で1300万円台~1400万円台という高額物件だ。超高額マンションにもかかわらず販売は好調で、多くの富裕層、国内外の投資家などで高倍率となり完売した。建物は今年3月に竣工し、すでに引き渡しが始まっているが即転売が目立つ。もはやマンションが住むための資産ではないことは明らかで、転売することで価格が倍になる、つまりキャピタルゲイン(譲渡益)狙いの完全な投資ゲームの場となった。不動産投資による利益には、売買によって期待される譲渡益と物件を賃貸することによって得られるインカムゲイン(運用益)の2つがある。

 物件に投資する投資家は、この2つを考えて行うが、不動産サイトを閲覧すると、三田ガーデンでは多数の賃貸物件が登場する。専門家がざっくり断じた運用益は、当面は素晴らしい投資商品だが、10年後には、10年物国債利回り(1.347%)程度と国債並みの利回りしか得られないという。

 一方、東京・品川区港南に建設されるリビオタワー品川の第1期1次の分譲が開始されている。 このマンションは地上34階建、総戸数815戸のタワーマンション。JR品川駅から徒歩13分の湾岸エリアに位置し、売主は日鉄興和不動産など5社。建物引渡しは26年10月上旬だ。販売競争率は3倍から139倍、平均で12.4倍という高倍率になった。販売価格は坪当たり650万円台から1350万円と三田ガーデンよりは安いものの高額物件であることに変わりはない。

 新築マンションの問題は建築費の高騰だ。東京・中野駅前にある中野サンプラザの建替え延期が話題となったが、原因は建設費の高騰。これが続く限り、新築マンション価格はコストプッシュによって下がらないというより、下げることができない。だから高額物件は当たり前となり続ける。

 であるならば今後も上がり続けるから、早く買わなければ手に入らなくなる。これが現状の新築マンション市場の現状だ。昨年3月末に全戸の引渡しを終えた東京五輪選手村跡地にできた晴海フラッグ(板状棟)のその後は、まさに狂乱バブルの再来状況だ。晴海フラッグはもともとは都有地だからマンション分譲にあたっては、通常一定期間の転売禁止、法人や団体による購入禁止、サブリース(転貸)の禁止などが定められるにもかかわらず、何らの規制もなく分譲された。

 さらに、販売価格が周辺相場より3割程度安いことが人気に火をつけた。その結果、板状棟では最高266倍という平成バブル時代を彷彿とさせる高倍率となった。NHKの調べによると、ある棟では所有者の4割が法人、ひとりの個人投資家がいくつもの住戸を所有しているなどの実態が明らかになっている。また今年3月には、中国系の貿易商社が約2億2000万円の脱税容疑で、所有していた晴海フラッグ6戸を差し押さえられていたことが発覚した。6戸とは中国系らしい強欲さだ。晴海フラッグの専門家の結論は、運用利回り(賃貸)を得ることは魅力がないそうだ。リビオタワー品川はどうか。賃料の上昇期待はともかく、キャピタルゲインが必ず実現できると多くの人が考えているのだろうが、上げ相場があれば下げ相場があるのが投資の世界である。見通しは不明。不動産投資も株式投資と同じく、当たるも八卦、当たらぬも八卦。懐が温かければ気にすることはないが…。

 

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