2025/02/12
企業や団体などの「管理職」を巡り、「なりたくない」と考える人が増えている。組織運営の中核を担う重要なポストながら、待遇面や業務内容への不満もあり、嫌悪されているようだ。
管理職は通常、部長や課長の役職にある人を指す。法的には、1947年に制定された労働基準法上の「管理監督者」として扱われるのが一般的とされる。管理監督者は法律上、残業代の支払い対象から外れ、労働時間や休日の規制も受けなくなる。
このため、管理職になると、何時間働こうが、残業手当の出ない、いわゆる「サービス残業」を強いられるのが常だ。
高度経済成長の昭和時代、出世や昇進が重視される価値観が優勢だったこともあり、管理職は誰もが目指す憧れのポストとされていた。会社で出世していく上で、管理職は避けて通れない道だったとも言えるだろう。
▼日本で管理職「なりたい」は2割のみ
ただ、近年は管理職に対する世間のイメージが大幅に変わっている。
パーソル総合研究所の2022年の調査では、18か国・地域で管理職になりたい会社員は、日本が全体平均の58・6%を大きく下回る19・8%で、国・地域別で最下位だった。管理職に対する拒否反応の高さが、データからも浮き彫りになっている。
管理職になりたくない人の中で、主な理由としてあげられるのが、重い業務負担だ。人手不足が深刻化する中、2019年から推進されている「働き方改革」の強い影響もあり、管理職が部下の業務負担の軽減分を肩代わりするケースが相次いでいる。管理職でありながら、自ら現場にも出て働く「プレイヤー」業務を兼ねる課長は99・5%にも上るとの調査結果もある。
それでいて、サービス残業は後を絶たず、部下からの嫌われ役も担わざるをえない。さらに、ハラスメントを含めたコンプライアンス意識の向上も拍車をかけ、部下に気を遣いすぎるあまり、精神的に病む管理職も少なくない。
▼管理職目指す人材育成が重要
働き方改革は、長時間労働の是正を図るのが目的だったはずだが、管理職は守られていないのだ。管理職として働くことが今や、「罰ゲーム」と揶揄されるほどになっている。
一方、組織運営で重要な役割を担う管理職は、業務の決定権も含め、裁量が大きいのも事実だ。企業によっては、若手でも管理職になれるよう社内公募をしたり、管理職の手当を上げたりと、その魅力を高めようとあの手この手で模索している。
誰もがプレイヤーとして、好き勝手に動くだけでは組織運営は成り立たない。組織を適正に統括できる優秀な管理職は、企業にとって大きな存在だ。日本の経済を発展させていく上で、「管理職になりたい」という人材をいかに増やせるか。各企業が真剣に向き合うべき課題になっている。
TIMES
社会•事件


