2025/01/06
外国人労働者が日本で就職・転職する際にハローワークによる職業紹介を利用しているのは、わずか4%にとどまることが、厚生労働省の初の実態調査でわかった。国内で働く外国人の43%は、SNSを含む「知人、友人」を介して職を得ているが、トラブルも増えており、厚労省は外国人に対してハローワークの存在を周知するとともに、相談支援態勢の強化を図ることが求められる。
■初の実態調査
厚労省は2024年12月26日、国内の外国人労働者の就職・転職状況や賃金水準など労働実態に関する初の調査結果を公表した。この調査は、日本で働く外国人が増加し続ける中で、その労働実態を広範に把握し、政策立案などに生かすのが狙いだ。
2023年10~11月に実施され、外国人を雇用する3534事業所と外国人労働者1万1629人が回答しており、こうした外国人労働者の実態を反映した統計は史上初めてのものとなった。
日本に住む外国人の就職・転職の方法では、SNSを含む「知人、友人」の43%が最多で、求人広告が19・3%、民間紹介会社が9・9%で続いた。ハローワークを利用したのは、3・9%だった。
技能実習制度に代わり、2027年までに新たに始まる外国人材受け入れのための「育成就労制度」では、それまでは禁じられていた国内での転職が認められる。このため、悪質なブローカー排除に向け、就職・転職手続きの仲介はハローワークなど公的機関に限定されることになる。そうした事態が迫っているにもかかわらず、外国人のハローワークの利用が極端に低い現状は深刻な問題だ。厚労省は今後、各地の自治体との連携も強め、周知を徹底する必要がある。
■トラブルは14%
今回の初の調査では、外国人労働者で就労上のトラブルを抱えている人は14・4%に上った。トラブルの内容別(複数回答)では「紹介会社(送り出し機関含む)の費用が高い」が19・6%で最多。 「説明以上に高い日本語能力を求められた」(13・6%)、「仕事内容について説明がなかった」(7・3%)など、事業所側の説明の不備が理由の回答も目立った。
事業所が外国人を雇う理由(複数回答)は「労働力不足の解消・緩和」が64・8%と最も多く、雇用上の課題では、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が44・8%と突出していた。
外国人労働者を巡っては、在留資格別の人数を把握できる統計などはこれまでにもあったが、サンプル数も少なく、労働実態が適切に把握できていないとして、今回の初調査が行われた。厚労省は今後も毎年1回、調査を続ける方針だ。
ただ、調査結果を政策にしっかりと反映させ、外国人労働者を手厚く保護しなければ、「お飾り調査」に終わってしまいかねない。新たな「育成就労制度」が始まる際、海外から「選ばれる国」にはなるためにも、政府の今後の政策が注目される。
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