政治•経済 社会•事件 戦後80年 記憶の継承が課題 政府主催の戦没者追悼式は配偶者初めてゼロ
戦後80年 記憶の継承が課題 政府主催の戦没者追悼式は配偶者初めてゼロ
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2025/08/24

 戦後80年の今年は各地で追悼行事が開かれたが、戦争を知らない世代に惨禍の記憶をどう継承していくかが課題となっている。80回目の終戦の日となった8月15日に東京・日本武道館で行われた政府主催の全国戦没者追悼式には、3358人の遺族が参列。戦没者の父母は15年連続で一人もおらず、配偶者も新型コロナ禍で人数制限のあった2021年を除くと初めてゼロ人となった。

■最高齢は98歳、最年少は3歳

厚生労働省によると、全国戦没者追悼式に参列した遺族のうち戦後生まれの割合は53・2%(1826人)で初めて半数を超え、過去最高となった。

軍人・軍属の遺族がほとんどを占め、原爆死没者と一般戦災者の遺族はごく一部だった。最高齢は戦没者の弟の98歳男性最年少は戦没者の玄孫の3歳で、曽祖母ら家族4世代で参列した。

戦後80年の節目の今年、注目されたのが天皇陛下のお言葉だ。追悼式で述べるお言葉は、毎年ほぼ同じ内容だが、今年は「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ」と記憶の継承の重要性に初めて言及された。

遺族の高齢化が進み、各地の遺族会の活動も縮小を強いられる中、戦争の記憶を語り継ぐ重要性は年々増している。陛下は全国戦没者追悼式で触れることで、国民に語り継ぐ担い手を育成することの必要性を訴えた形となった。

■遺族会の活動支援を

追悼式では、石破首相も式辞で「悲痛な戦争の記憶と不戦に対する決然たる誓いを世代を超えて継承し、恒久平和への行動を貫いてまいります」と述べ、継承について言及した。

追悼式の運営を担った厚労省も、記憶の継承を重視。若い世代につなぐため、2016年に導入されていた献花補助者について、コロナ禍で中断した20年以降、6年ぶりに再開した。当日は、8~17歳の戦没者のひ孫ら14人が務め、献花者に黄色い菊を手渡した。

若い世代が惨禍の記憶をつないでいく上で、語り部活動など遺族会の活動は極めて重要だ。若い世代の重みも増しており、国や都道府県による支援策の拡充が求められる。

 

 

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