2025/01/27
困難を抱える女性を支援する団体に対する嫌がらせが横行している。嫌がらせする側はネットの広告収入で経済的利益を得るケースも多く、インターネット上の誹謗中傷で活動縮小などの影響を受ける団体も少なくない。背景には、一部の男性による『ミソジニー』(女性嫌悪)の激化があるとみられ、差別的な投稿を制限するような対策強化が必須だ。
▼名誉毀損で賠償命令
昨年7月、若年女性支援にあたっている一般社団法人「Colabo(コラボ)」(東京)に対し、インターネットで名誉を毀損したとして、東京地方裁判所(西村康一郎裁判長)が「暇空茜」のアカウント名を名乗る男性に計220万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
判決や関係者の話によると、男性は2022年以降、コラボについて、「女の子をタコ部屋に住まわせている」「生活保護ビジネス」などと説明する内容を動画投稿サイトやブログに投稿。触発されたユーチューバーらがコラボの活動現場に押しかけたり、女性を保護するシェルターの場所をネット上でさらしたりしたことで、複数拠点が閉鎖に追い込まれたという。
男性が誹謗中傷を始めたことで、コラボに対する嫌がらせの件数は100件以上に急増。コラボ側は男性による根拠のない中傷によって社会的信用が落ちたとして、計1100万円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴。懲りない男性は、「戦いへのカンパ」と称してX(旧ツイッター)などで裁判費用を募り、徹底抗戦した。
判決は、男性が「直接の事実確認を行っていない」として、投稿の信用性を否定。コラボ勝訴となったものの、未だにデマを信じてコラボへの相談をためらう人は少なくないといい、事態は深刻化しているようだ。
▼プラットフォームは規制強化を
コラボのほかにも、少女の居場所作りなどをしたり性被害相談に乗ったりしている別のNPO法人なども同様の被害を受けている。拠点がネットで拡散され、事務所にユーチューバーらが押しかけるトラブルは後を絶たず、活動に支障が出ているという。
そもそも、ネット上の誹謗中傷で利益を上げられるスキームが許されていることが大きな問題だ。動画投稿サイトで差別的な発言をした場合は、有無を言わさず投稿を削除するなど、プラットフォーム側の強い規制も求められる。
ネット上の誹謗中傷を理由に自殺する人も後を絶たない。「表現の自由」をうたった不当な攻撃が許されるはずはなく、厳格な取り締まりも不可欠だ。
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