2024/11/30
二人の明暗を分けたものとは
現状において大谷翔平が明であれば佐々木朗希は暗と言える。二人の明暗を分けたのは活躍の度合いとキャラクター、そして話題性。日本ハムファイターズを優勝に導いた大谷翔平とリーグ優勝の経験できなかった佐々木朗希。5シーズンで42勝の大谷と4シーズンで29勝の佐々木。親会社の日本ハムのCMを筆頭に大手企業の広告起用に引っ張りだこの大谷翔平とJA岩手のCMくらいしか起用されていない佐々木朗希。国民ウケもマーケティング業界の評価も天と地の差がある。佐々木朗希は日本人最速タイの165キロを2023年のWBCの中日ドラゴンズ相手の壮行試合で投じている。大谷翔平は打者との二刀流を続けながら165キロの投球を2016年に既に記録していた。MLBで165キロ以上の速球を投げる投手は少なくとも10人以上はいる。大谷翔平が世界一の選手と称されるのは投打においてトップクラスの成績を叩き出しているからだ。大谷翔平と比較することは佐々木朗希には酷かもしれないが実力的にも大きな開きがある。ましてや話題性で二刀流を上回ることは難しい。オフシーズンにアメフトやバスケをするか、トップアーティストと結婚するか、サイヤングの511勝以上の勝ち星を挙げるか、、、。大谷翔平という巨星が同時代の先輩として存在している以上、佐々木朗希がどうしても陰ってしまうのは避けられない事である。だからと言って佐々木朗希にダーティーなイメージがつくことは本来はないはずだ。ではなぜ佐々木朗希に悪い印象が定着してしまったのか。昨年オフの契約更改時にポスティングでのMLB移籍を球団に要求したこと、そして、その契約更改交渉に佐々木朗希の母親も登場してもつれにもつれたこと、さらにその間の報道で佐々木朗希がプロ野球選手会を脱会していたことが判明したことなどが報道されたことによる。プロ野球選手会は労組の役割も果たし球団側との地道な交渉でフリーエージェント制度やポスティング制度など、選手側の権利を獲得してきた歴史がある。その選手会を脱退し、会費も支払わずにポスティング制度を利用するフリーライドともとれる行為を佐々木朗希がしたことからダーティーなイメージが更に強まったのかもしれない。そして、今回、千葉ロッテマリーンズは佐々木朗希のポスティングを容認したことが、世間から佐々木朗希の「ごね得」と受け取られ更にイメージを悪化させた。あまりにも不可解なロッテ球団の決定に対して入団時に密約があったのではという声が上がった。ロッテ球団の松本球団本部長は「本当にない。5年間を総合的に判断して容認した」と明確に否定している。明確に否定したことによって佐々木朗希のごね得という批判が益々強まることになった。
厳しい非難を受けているロッテ球団と佐々木朗希が何かの規則に違反したわけではない。ただ、この判断が「誰得」なのかということが疑問視されている。球団の戦力ダウンは明らかなことからファンはがっかりする。佐々木朗希が希望したことではあるが25歳未満であるから大型契約は望めない。ロッテ球団にとっても大型契約が望めない以上、譲渡金は低く抑えられてしまう。佐々木朗希は希望は叶うもののマイナーでのスタートを余儀なくされる。ロッテ球団はあと2年待てば獲得できたかもしれない多額の譲渡金を放棄してまで放出することになる。ファンにとってもエース級のスター候補がいなくなるのは残念無念であろう。いかにも理解に苦しむロッテ球団の決定である。
球界関係者の間でもロッテの判断に対する批判は多い。NPBがメジャーの3Aと化する、球団によってメジャーに行くまでの年数が違う、ポスティング希望者が増加する、米国移籍希望をマスコミを使って圧をかける、優勝を目指さない球団が出てくる、など多くの批判や不安の声が聞かれる。
米国では佐々木の移籍を歓迎している
アメリカでの佐々木朗希のポスティングに対する報道はどうなのか。概ね歓迎ムードの報道が目に付く。25歳以下のマイナー契約で佐々木朗希を獲得できるとあって資金力のないチームも獲得競争に参入できる。格安で獲得可能なこのタイミングでのポスティング制度の利用に対してMLB球団のメリットは大きい。昨年、佐々木朗希がポスティングによるMLB移籍を断念した際にはアメリカメディナがロッテ球団をまるで若者の希望を一方的に遮断する悪者の如く報じていた。ロッテ球団が佐々木朗希の夢の実現を邪魔しているかのような扱いだ。ちょうど、今の日本の佐々木朗希に対する世論のようだ。佐々木朗希に対しては日本のプロ野球の慣習を壊した、わがままを押し通したなどと思われてしまっても仕方がない報道がなされていることは否めない。送り出す方と受け入れる方の反応が双方に逆転した状態になっている。ロッテ球団は昨年の経緯から親会社のロッテが巨大市場のアメリカで製菓期業として悪い印象を持たれることを避けるために佐々木朗希のポスティングを容認することにしたのかもしれない。そうであるならば収益企業の経済合理性からみて妥当な判断と言える。
今回の佐々木朗希の騒動を経てポスティング制度の大きな問題点が周知された。25歳という壁が若い選手にも所属球団にも障壁となっているということだ。NPBはこの25歳の壁の解消に尽力するべきである。もしくは25歳以下の移籍に関してサッカー界のようなレンタル移籍期間を設定できるようにすることも検討に値する。今の条件はメジャーに有利となっている。NPBにとっては25歳の壁の解消が必須と言えよう。
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