2025/05/24
ネズミソ事件も跳ね返しちまった!「すき家」はいまや我が国のインフラ!?
(写真 すき家の店舗(関目店)Wikipediaより)
「ネズミの死骸入り味噌汁で会社は潰れるだろう」。ゼンショーホールディングス(以下:HD)傘下のすき家は、1月に起きた「ネズミソ汁」騒動の余波が長引き、ほぼ全店を数日間閉鎖したり、24時間営業を廃止して店の清掃を行うなどの対策を取った。店舗の閉鎖に営業時間を短縮すれば、当然「売上減」に直結するはずだったが、5月13日、HDが発表した2025年3月期の連結決算は、売上高1兆円を突破して、日本の外食産業で初の大台超えを果たした。メディアはすき家の事件で「2割の大減少」と報じたが、蓋を開けてみれば大方の予想は大きく外れ、すき家の4月全店売上高はわずか2割減で済んだ。実際はかなり「軽傷」だったわけだ。今や世界中に店舗を持つHDが、国内における「すき家業態」のみであれば、今回の混入騒動のダメージはもっと大きなものになっていたはずだ。ちなみにHDの予測によれば、2026年3月期の上期は減益予想の見通しだが、下期では再度増収予想だとしている。上期の減益はネズミ混入事件の余波だろうが、その復活もすでに見込んでいるわけだ。
売上高1兆円を突破できた大きな要因はM&Aによる事業拡大だ。なか卯やロッテリアなどのほか、23年には北米・英国で持ち帰り寿司チェーンを展開するスノーフォックス・トップコの全株式を取得した。こうした事件以前からの好調ぶりもあって、予想よりも軽微な影響で済んだのだろう。見逃せないのはすき家の立ち位置だ。その強さの1つに立地がある。同業ライバル他社の吉野家や松屋と比べた場合、すき家は地方や郊外に店舗が多い。実際、店舗数の分布を見てみると、松屋は全店舗のうち約半数近くが関東圏に集中している。吉野家は松屋よりは全国に分布しているものの、例えば四国の全店舗数は28店舗であり、すき家の60店舗に対して展開力が弱い。他の地方でも往々にしてすき家の方が圧倒的な店舗数を誇っている。
これは、すき家が吉野家や松屋への差別戦略として、郊外のファミリー層をターゲットにして店舗展開を行ってきた歴史があるからだ。地方には「すき家しかない」という地域さえある。そうなるともはや「すき家」は日本のインフラとして機能しているといえる。「インフラ」に好きも嫌いもない。「すき家」しかないから行くだけの話だ。すき家は1982年の創業以来初となる社長交代も発表した。スノーフォックス・トップコ買収など、グループの海外展開をけん引してきた実績を持つ小川洋平副社長が社長に昇格する。ネズミは完全に除去された。
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