社会•事件 北九州小倉の中学生殺傷事件 平原容疑者逮捕も精神鑑定で実態解明は長期化か
北九州小倉の中学生殺傷事件 平原容疑者逮捕も精神鑑定で実態解明は長期化か
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2025/01/05

 北九州小倉南区のファーストフード店で中学生の男女2人が殺傷された事件で、男子生徒への殺人未遂容疑で無職平原政徳容疑者(43)が逮捕されてから10日が過ぎた。同容疑者は「その行為をした」と容疑を認めているものの、2人との接点は見つかっておらず、動機は明らかになっていない。県警は2025年の新年早々、20日勾留満期をめどに女子生徒への殺人容疑で再逮捕に踏み切る方針だが、起訴に向けては鑑定留置の実施が濃厚とみられ、動機や犯行経緯の解明は長期化の様相を呈している。

騒音で苦情

 2024年12月14日夜、平穏なはずのファーストフード店で女子生徒の命が絶たれ、男子生徒が重傷を負った前代未聞の凶悪事件。

平原容疑者は現場近くの一軒家に住んでおり、近隣住民が騒音などで警察に複数回にわたり苦情を訴えていたことや、大量の刃物を所持していたことが判明している。奇行も発覚し、これだけの刃物を所持していたのだから、本来は警察が自傷や他害行為の恐れがあるとして、精神保健福祉法に基づき、保健所に通報していてもおかしくはないレベルだ。

福岡県警小倉南署に設置された捜査本部の発表などによると、平原容疑者が騒音トラブルなどで警察に通報されたのは、同年5月と10月と2回あった。平原容疑者の大声を注意した住民が怒鳴り返されるなどしており、警察の当時の対応が適切だったかの検証も今後は必要になるだろう。

取り調べで激昂

 福岡県警は防犯カメラの追跡捜査などを重ね、事件発生から5日後の19日に平原容疑者の逮捕に踏み切った。捜査関係者らによると、調べに対し、犯行自体は認めているものの、動機や経緯に関する追及には激昂するなど、膠着状態が続いているという。

 捜査本部は現時点では無差別殺傷事件とみているが、過去に無差別殺傷事件で逮捕・起訴された犯罪者のケースを考えると、精神鑑定を行うために鑑定留置となる可能性が高い。

 鑑定留置は3か月から1年近い期間を要する恐れもあるため、起訴して公開の法廷で裁かれるまでには、年単位の期間がかかるとみられる。裁判員裁判で裁かれることもあり、検察も慎重な対応を取らざるをえないため、鑑定留置の実施はやむをえないだろう。

▼被害者遺族に寄り添って

ただ、何の落ち度もないのに、突如明るい未来が絶たれた女子生徒や重傷を負った男子生徒を思うと、実態解明や厳罰が下される時期は早いに越したことはないはずだ。さらに、起訴にこぎつけたとしても、平原容疑者側が裁判で心神耗弱や心神喪失を訴え、減刑や無罪を主張する可能性もある。警察・検察には、厳格な姿勢で捜査や裁判に臨み、被害者遺族にも寄り添った対応が必至となる。

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