政治•経済 社会•事件 再審制度見直し 実現するのか 28日に諮問へ
再審制度見直し 実現するのか 28日に諮問へ
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2025/03/16

 刑事裁判をやり直す再審制度は改正されるのか――。再審制度の見直しに向け、鈴木馨祐法務大臣が刑事訴訟法の改正について3月28日開催の法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方針を決めた。14日の閣議後記者会見で表明した。法制審では、再審請求審における証拠開示のあり方や、再審開始決定に対する検察の不服申し立て制限、請求審での裁判官忌避申し立てが主な論点になる見通しだ。改正が実現すれば、1948年に制定された現行刑事訴訟法で、再審の関連規定が初めて見直されることになり、法曹関係者の関心は高まっている

▼審理長期化

再審制度では、審理の長期化がかねてから問題となってい

静岡県一家4人殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)を巡っては昨年10月、逮捕から58年と異例の長期間を経て再審無罪判決が確定している。重要な証拠の開示まで最初の再審請求から30年近くかかり、審理の長期化や規定の不備が顕在化し、証拠開示の義務化など法改正を求める意見が日本弁護士連合会から出ていた。

法務省は従来から、通常の裁判と異なる再審制度において、証拠開示の義務化を含めた改正に慎重な姿勢を貫いてきた。ある法務検察幹部は「1審地裁、2審高裁、最高裁と3段階の審査を踏んで有罪になったにも関わらず、再審でも証拠を全て開示せよというのは、実質的に3審制ではなく『4審制』にしろと言っているようなもので、非現実的だ拒否感をあらわにする

だが、袴田さんのケースに加え、他の事件でも再審開始が決まり、見直しに慎重だった法務省も方針転換を余儀なくされ、法制審への諮問方針が決まった形だただ、法務省は法改正ありきで議論するつもりではなく改正の要否も含めた協議を想定しているとされる。

▼超党派議連も議員立法で改正目指す

再審制度の見直し巡っては、超党派の国会議員連盟(会長=柴山昌彦衆院議員)も、議員立法による刑事訴訟法の改正案を検討中だ。議連は1月に刑事訴訟法改正案を公表後、2月には、冤罪被害者を法制審のメンバーに入れるよう鈴木法相に求めるなど活動を本格化。今国会に改正法の提出・成立を目指しているという。

議連が公表した改正案には再審請求者側から開示請求が出た場合、裁判所が原則として検察に開示を命じるよう義務化。再審開始決定に対する検察側による不服申し立てを禁止する内容などが盛り込まれている。

法務省が所管法律の改正を検討する場合、まずは法制審に諮問した後の答申を踏まえ改正案を国会に提出し、国会議員が議論するのが通常の流れだ。今回は、議連も独自に刑訴法改正案を国会に出す方針という異例の展開をみせており、今後の行方が注目される。
 再審を巡っては、100人以上いる確定死刑囚の大半が再審請求中だが、何度も同じ理由で再審請求を繰り返すなど死刑の執行逃れが目的とみられるケースも少なくない。法制審では、再審請求の現状についても検証し、本当に見直しが必要なのかも含めた丁寧な議論が求められる。

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