政治•経済 社会•事件 ローンオフェンダー包囲網 警視庁に新公安3課
ローンオフェンダー包囲網 警視庁に新公安3課
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2025/04/15

 単独でテロ犯罪に走る「ローンオフェンダー(LO)」を巡り、警視庁は今年度、公安部に「公安3課」を発足させた。LOを集中的に捜査対象とし、対策強化を図る姿勢を鮮明にした形だ。2022年に演説中だった安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件や、2023年に岸田文雄前首相が手製爆弾で襲撃される事件など、LOによる犯罪が頻発していることが背景にある。

 LOの特徴は、計画的な逃亡計画を設定する組織犯罪とは異なり、逃亡を図っておらず、犯行後は周囲に取り押さえられ、現行犯逮捕されることだ。

元々、人間付き合いも希薄で、前科もないまま犯罪の前兆をつかむことも難しい。このため、全国警察は、大物政治家らの選挙演説時は警備態勢を強化するなど対策を進めてきたものの、抜本的な対策は打てずに苦慮してきた経緯がある。

 警視庁が今回、新たな組織を新設したのは、こうした状況を打破するためだ。全国警察の中で唯一「公安部」がある警視庁としては、その威信にかけて、公安警察の実力をしっかり発揮しなければならない。

警視庁公安部はこれまでも、時代の変遷に伴う犯罪形態の変化に応じ、組織改編を重ねてきた。今回はLO対策に向けた具体的取り組みとして、人工知能(AI)も積極的に活用してネット空間における悪意を察知するなど、新たな捜査手法の確立も欠かせないだろう。

LO捜査のノウハウが確立していけば、個人で巻き込まれる闇バイト犯罪などへの応用も期待できるはずだ。警視庁公安部公安3課においては、LO捜査の実績を積み上げ、新たな時代の犯罪の防波堤となることが求められる。

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