政治•経済 社会•事件 カスハラ 自治体職員で深刻 35%が被害 総務省調査
カスハラ 自治体職員で深刻 35%が被害 総務省調査
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2025/05/12

 顧客らから暴言や理不尽な要求などを受ける「カスタマーハラスメント」(カスハラ)を巡り、被害を受けたとする自治体職員が35%に上ることが、総務省の初の実態調査で分かった。民間企業を対象とした国の調査結果と比較し、約3倍の高い水準。自治体職員ら公務員は、憲法上で「全体の奉仕者」と定められ、過度な要求を受けやすいことが背景にあるとみられる。

 一般的に、民間企業などの場合は、提供する商品やサービスなどに応じてターゲットとなる顧客が限られ、その中でカスハラが起きているため、割合はそこまで高くない。ただ、自治体職員は、全住民に行政サービスを提供さらには納税を受ける立場でもあるため、カスハラが起きやすいようだ。調査結果によると、主に住民や業者らなどからカスハラ被害を受けていた。

総務省の調査は2024年11~12月、全国の都道府県や政令指定都市など計約400自治体を対象に実施。教職員らを除き、一般住民と接点のある行政部門の約1万1500人からの回答結果をまとめた。

過去3年間カスハラを受けた経験があるかの質問には、35%が「ある」と回答。所属部門別でみると、各種年金保険関係と福祉事務所が、いずれも61・5%でカスハラを経験したとし、高い水準を示した。年代別では。30歳代が44・6%と最も高く、20歳代が40・0%。40歳代が37・4%と続き。比較的若い世代で被害に遭っている実態が浮かんだ。

カスハラを受けたきっかけ(複数回答)では、「行政サービスの利用者・取引先の不満のはけ口、嫌がらせ」が72・5%とダントツ高く、「行政サービスの利用者・取引先の誤認などが一因」が57・1%と続いた。

一方で、厚労省が2023年度に民間企業を対象に行った同種調査では、カスハラを受けたと回答したのは10・8%だった。今回の総務省の調査では、自治体職員がカスハラを受けやすい土壌にあることが鮮明となった形だ。

確かに一般住民は税金を払っており、行政サービスを受ける権利あるのは当然だ。だが、お世辞にも高給取りとはいえない公務員ら自治体職員が汗を流しているおかげで行政サービスが受けられているということも、決しては忘れてはなるまい。

自治体職員がカスハラを理由に心身に不調をきたせば、住民サービスの低下につながりかねない。国や各自治体は、職員をカスハラから守るため、加害者側への対応のマニュアル化や個人情報の保護も含め、具体的な対策を強化していく必要がある

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