社会•事件 「3食・風呂付き」「孤独からの開放」“刑務所良いとこ1度はおいで”に潜む日本の闇
「3食・風呂付き」「孤独からの開放」“刑務所良いとこ1度はおいで”に潜む日本の闇
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2025/02/27

日本の刑務所はオアシス?

 1人の女性囚人が「自分は今、家にいる」と語った。その女性囚人の言葉、「Ich bin zu Hause」が、このルポのタイトルになっている。

 ドイツのトップ週刊誌シュピーゲル(2025年2月1日号)に「日本の刑務所で高齢者の女性囚人が増えている」という内容のルポ記事が掲載された。同誌記者は、栃木と岩国の女性刑務所を訪問して、「なぜ高齢の女性がそれも貧困からやむを得ずといった理由でもなく、万引きなどの犯罪をするのだろうか」というテーマで3ページ余を割いている。取材に応じた女性囚人は、「刑務所では3食付きでフロも定期的に入れる。話し相手には事欠かない」と、囚人という暗さや罪の意識は微塵もない心情を吐露した。女性囚人をケアする刑務所の係員も「ここは高齢者ホームのようだ」と言い、「自分は囚人を監視する警備員というより、高齢者の女性を世話する看護人のようだ」と記者に説明した。

 女性囚人の犯罪のほとんどは万引きで、その多くが、自宅で独り住まい。誰とも話さない日々が続いたという。その孤独が彼女たちを万引きに追い込み、刑務所では「生き生きとした日々」を送ることができるようになったということだ。また女性囚人の3人に1人は年金受給年齢層だ。20年前はその割合は10%に過ぎなかったという。岩国刑務所では最年長者の女性囚人は95歳だ。独誌のルポから、少子高齢化、家庭の崩壊、高齢者の孤独といった日本社会の現実が浮かび上がる。高齢の女性囚人の増加現象については、先進諸国の中でも日本は特異な存在だとシュピーゲル誌は指摘している。

 

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