2025/04/16
健康のために飲み続けていたサプリメントが、不衛生な環境下で製造されていたとなれば、たまったものではない。小林製薬(本社・大阪)が製造した機能性食品の紅麹成分入りサプリを接種した人が心臓病などの健康被害を引き起こした問題を巡り、同社の工場でのずさんな衛生管理が健康被害を招いたことが3月、大阪市が国に提出した報告書で明らかになった。消費者の安全を軽視していたともいえる小林製薬の姿勢に批判が集まっている。
■大阪市が報告書 青カビが混入
大阪市が工場への立ち入り検査や関係者への聞き取り調査結果をまとめた報告書によると、健康被害をもたらした青カビは、亀裂が生じた紅麹菌の培養タンクから混入した可能性があるという。小林製薬は、青カビが混入するリスクを十分に認識しておらず、それが重大な被害を引き起こしたと疑いが極めて高い。
小林製薬の問題では、摂取との因果関係は不明だが、関連が疑われる死亡者は100人を超えるなど被害が拡大した。同社は昨年1月に健康被害を把握しながら、行政への報告や公表をしたのは約2か月後で、対応の遅れが被害を広げる結果となったことはほぼ間違いない。小林製薬は「隠蔽」ともいえる企業体質を改善するのは当然だが、被害者の医療費の負担はもちろん、補償にも誠意をもって臨むべきだ。
■健康被害の報告義務化
小林製薬の問題を受け、業者が機能性表示食品について健康被害を把握した場合、行政への報告が義務化され、重篤事例の場合は15日以内に報告することが義務付けられた。
違反した業者には、営業や販売を禁止する罰則も設けられ、対策は強化された形だ。ただ、特定成分を濃縮して錠剤状にしたサプリは、手軽に摂取できるため繰り返し飲むのが一般的とされるため、ひとたび健康被害が起きれば影響は小さくない。
サプリはそもそも、薬のように持病を根本から治すのが目的ではなく、健康を補う食品にすぎない。製造・販売業者によるさらなる安全対策の強化が必須なのは言うまでもないが、消費者側も気を付けて摂取するよう意識改革を図る必要があるだろう。
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