第26回 椎野礼仁のTANKA de 爺さん 『ピョンヤンに遊ぶ』
連載•小説
2025/09/29
肉、野菜、衣類に雑貨、金切声 自由市場には何でもありだ
オロナミンCの10本パックが鎮座するスーパーの棚 ここがピョンヤン?
絶叫マシンに並ぶ市民を差し置いて外国人枠で乗り込む俺ら
「俺たちも並んで待つよ」「いいえだめ、外国人は有料なので」
統一駅、栄光駅を通り過ぎ復興駅まで地下鉄に乗る
「ピョンヤンで会いましょう」なるTシャツを買ったはいいがどこで着るんだ
ピョンヤンからペキンを乗り換え降り立てば腿のかっ歩する街トウキョウ
拍子抜けするくらいピョンヤンは普通の街だった。もちろん外国人にどれほどのものが見られるかと問えば、どれほどのものも見られないだろう。それでも印象的だったのが、上に詠ったことどもだ。自由市場はいわば闇市なのだが、小学校の体育館くらいの建物が与えられていて、客がまばらなデパートやスーパーに対して、夕方などはまるで暮れのアメ横のように人があふれ、見物気分で歩いていると殺気だった人々に背中が小突かれそうになる。
ドイツから導入したという絶叫マシンが並ぶ遊園地。物珍しさ(10年あまり前)から客が長蛇の列。ところが僕らが行くと列の最先頭に割り込まされる。「我々も並ぶから」と通訳に申し出たら、「いいんです、外国の方からはお金をいただいているので」と。そうか“北朝鮮の人民”は無料なのか。
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