蔦重も驚嘆!狂歌絵本の挿絵となった歌麿の超細密画
連載•小説
2025/09/25
蔦重は1786(天明6)年の『絵本江戸爵』を端緒に、歌麿の挿絵を盛り込んだ狂歌絵本を続々とリリースしていく。翌1787(天明7)年から後は、蔦重は北尾重政に代わって歌麿を多色摺りの挿絵の中心に据えている。
貝の超細密画がずらり並んだ『潮干のつと』はその1作目。36人の狂歌師が詠んだそれぞれの貝に絡めた狂歌が、おのおのの貝の挿絵に添えてある。無論、三十六歌仙のパロディである。
歌麿の絵の魅力が本格的に世に知られたのは、1788(天明8)年正月にリリースされた『画本虫撰(がほんむしえらび)』だろう。大河『べらぼう』劇中で「生きてるみてえだ」と蔦重が驚嘆した、トンボや蝶などの昆虫や植物の超細密画が添えられた豪華本。前年から質素倹約を掲げて始まった寛政の改革とは、方向性が真逆だったのは確かだ。
狂歌は前年夏に隅田川の川べりで開かれた狂歌会で詠まれたものを載せている(虫に引っかけたギャクネタ、エロネタ多数)。
歌麿はその後も1790(寛政2)年までに14もの狂歌絵本に、170以上の挿絵を描いた。これだけ継続したことじたいが、そのまま歌麿の挿絵に対する世間の評価と見てよかろう。(つづく)
TIMES
連載•小説








