大好評連載 椎野礼仁の『TANKA de 爺さん』 第9回
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2025/05/26
五郎丸(2015年ラグビーワールドカップ日本代表)その2
場内の悲鳴と歓声つんざいて駆けよウィング約束の地へ
残り2分13点差、悲しげな視線を交したのではないな
負けられぬ負けてはならぬ試合だったこれまでの日々を失わぬために
男にはもうできることはなにもない彼我の力の差をかみしめるしか
先週、ある歌人のラグビーの歌に出会って、打ちのめされたと書いた。その人とは寺山修司であり、歌はこれである。
ラグビーの頬傷は野で癒ゆるべし自由をすでに怖じぬわれらに
一体、他のだれが、ラグビー短歌の中に「自由を怖じぬ」などという言葉を入れ込むことができただろうか。しかもラグビーをやった男の密かな矜持を、この歌は見事に射抜いているのだ。ラガーだった俺の心根をどうして寺山が言い得るのか。歌人としての力、才能徹底的に感じさせられた。
そうだ、来週は、寺山修司について、少し書いてみよう。
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