2025/05/17
備蓄米放出で儲けた勝ち組は「国」
農林水産省は令和7年4月30日に備蓄米放出の3回目の入札を行い令和5年度産約10万トンが落札された。6事業者が入札に参加し60キロあたり2万302円(税抜き)で落札された。前回の落札額より420円安くなっている。備蓄米以外の米の仕入れ価格は下がってはいないので政府が備蓄米を放出しても米の市場価格全体が大きく下がることはない。落札価格が下がっても小売価格に反映できなければ意味が無い。そもそも市場価格を下げるという目的を含む政府備蓄米の放出に際して落札方式を採用することに違和感がある。また、落札には備蓄米の落札業者が1年後に政府に同じ量を戻さないといけないという条件がある。そのことがJA以外の業者が入札に参加するための大きな障壁となっていると考える。このような条件は開かれた入札を阻害する可能性があることから無くすべきではないか。
これから生産される令和7年産の国産米は既にその多くが高値で買い付けられているという。そのような状況を放置すると米価の高騰が長引く可能性がある。令和7年において政府備蓄米は既に放出されているので来年度以降においても同様に備蓄米を活用して米価
の調整を図ることは困難である。米価高騰が長引きスタグフレーションが収まらない場合、令和7年産の国産米の価格高騰対策についての施策を政府は用意できるのだろうか。
そもそも、政府にも農水省にも市場での米の供給状況や価格をリアルタイムに把握できる体制やシステムが構築されていない。そのことが備蓄米の放出するタイミングに繋がった。対応の遅れに対する言い訳ならばまだましだが、本当に米の供給状況や価格を把握することができないのならば問題は深刻だ。当事者意識が欠落する要因となる。
5月14日になって自民党小野寺五典政調会長は政府備蓄米の入札参加条件にある買い戻し条項が流通の足かせになっているとして、緩和すべきだとの考えを示した。与党が行った施策を与党が打ち消す。政府与党の政策運営など官僚のなすがまま。批判されないと気づかない。政府備蓄米の放出に伴う落札価格は政府の仕入れ値より高くなっている。米価高騰対策の備蓄米放出で設けているのは政府だけ、ということになりうる。政府与党や農水官僚には良心の欠片もないのか。「政府が国民をメシの種」とは笑えない。
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