政治•経済 高市外交を台湾はどう見るか:歓迎と懸念の交錯
高市外交を台湾はどう見るか:歓迎と懸念の交錯
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2025/10/14

日本の自民党新総裁に高市早苗氏が選出されたことに、台湾は基本的には歓迎をもって受け止められている。頼清徳総統をはじめとする与党・民進党からは、高市氏を「台湾の揺るぎない友人」とし、日台関係のさらなる強化への強い期待が示されている。
この歓迎ムードの背景には、高市氏がこれまで明確にしてきた日米同盟強化と台湾重視の姿勢がある。高市氏は安全保障政策において、台湾海峡の平和と安定の重要性を繰り返し強調し、訪台経験も豊富で、台湾の指導者層とも緊密な関係を築いている。特に、経済安全保障分野での「脱中国サプライチェーン」構築など、実務的な協力関係の深化にも積極的であり、これは中国の圧力に直面する台湾にとって心強い味方と映る。台湾の専門家からも、台日関係の発展に「楽観的」な見方が示されている状況である。
しかしながら、台湾側の高市氏に対する見方には、期待一辺倒ではない、少なからぬ懸念も存在する。それは、高市氏の保守的で強硬な政治信念が、日中間の緊張悪化に繋がるのではないかという点だ
高市氏が掲げる安全保障政策や靖国神社参拝などの歴史認識は、中国からすれば「右派の象徴」と受け止められ、強い警戒感を持って迎えられている。実際、中国外務省は、高市氏選出に際し、台湾問題に関する日中間の約束を「履行」するよう日本側に求めており、牽制を強めている。
台湾にとって、日米同盟の強化や日本からの支持は不可欠だが、それが過度な地域的緊張を生み出し、台湾海峡の現状を一層不安定化させる事態は避けたいというのが本音である。中国の軍事的・経済的圧力がすでに高いレベルにある中で、日本が対中強硬姿勢を強めることが、台湾に対する直接的な反発や威嚇に繋がる可能性も危惧されている。
したがって、台湾は高市氏に対し、日台関係強化という「追い風」を期待しつつも、その保守的信念が東アジア全体の安定を損なう「逆風」とならないか、慎重に見極めているのが現状だと言えるだろう。

(ジョワキン)

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