政治•経済 高市新総理誕生と日米関係の行方
高市新総理誕生と日米関係の行方
政治•経済

2025/10/07

高市早苗氏が日本の歴史上初めて女性総理に就任したことは、内政のみならず、日本の外交政策、特に最も重要な同盟国である米国との関係に新たなダイナミズムをもたらす可能性を秘めている。高市氏のこれまでの言動や政治的スタンスから見て、日米関係は安全保障の深化と経済・技術面での協調拡大を軸に、より強固な方向へと進む公算が大きい。

まず安全保障分野では、高市氏の「対中強硬派」としての姿勢が、米国が最も重視する「インド太平洋戦略」における日本の役割を一層拡大させるだろう。米国は中国を最大の競争相手と位置づけており、その戦略的抑止において日米同盟を中核と見なしている。高市氏は、防衛費の増額や、敵基地攻撃能力(反撃能力)を含む防衛力の強化を一貫して主張しており、この路線は、自国の防衛責任拡大を求める米国側の期待と完全に一致する。結果として、日米間での軍事的な情報共有、共同訓練の頻度と範囲の拡大、さらには先端防衛技術の共同開発・生産など、より実戦的な協力が加速する可能性が高い。台湾情勢の緊迫化を背景に、日米同盟の「抑止力と対処力」の強化は、高市政権の最優先課題の一つとなるだろう。

一方で、高市氏の歴史認識や保守的な価値観を巡っては、米国の一部リベラル層やメディアから懸念も聞かれる。米国内ではジェンダー平等への関心が高く、高市氏の女性としてのリーダーシップは歓迎されるものの、過去の靖国神社参拝などの言動が、日韓・日中関係の緊張を高め、結果として米国の地域戦略に影響を及ぼすことを懸念する声は根強く存在する。高市新総理は、強固な日米関係の基盤を揺るがさないよう、同盟国としての信頼維持と、歴史問題への慎重な対応という難しいバランスを求められることになる。

経済・技術分野では、高市氏が前経済安全保障担当大臣として推進してきた「経済安全保障」の視点が、日米協調の新たな柱となる。半導体や重要鉱物資源、AIなどの先端技術サプライチェーンの強靭化は、米国の対中技術競争戦略と完全に軌を一にする。高市政権は、日本国内での技術流出防止や重要技術への投資を強化し、米国との間で機密性の高い技術情報やノウハウの連携を密にするだろう。これは、両国が連携して「技術覇権」を中国に渡さないという共通の目標に基づくものであり、経済と安全保障が不可分な時代において、日米の結びつきを一層不可逆なものにする。

結論として、高市氏の総理就任は、日米関係を安全保障面で質・量ともに「深化」させる方向へと導く可能性が極めて高い。米側は高市氏を「信頼できるタフなパートナー」と見なし、特に中国抑止と経済安全保障において強力な連携を期待する。高市新政権が、この期待に応えつつ、日米同盟をアジア太平洋地域の平和と安定の要石として機能させられるかどうかが、今後の外交手腕の鍵となる。

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