2025/09/29
外国人労働者や移民問題は、この国の将来に深く関わる問題ではあるが、外
国人労働者排斥や移民反対を叫ぶ側も、また排外主義を危惧する側も、問題の
本質がどこにあるのか理解していないように思われる。
移民問題で先行している欧米社会の例を見れば分かるのだ。ヨーロッパでも
最初から外国人労働者を移民として受け入れた訳ではない。1950年代のドイツ
では、トルコ等から来る外国人労働者をゲストアルバイターと呼んだ。一時的
な出稼ぎと考えたのだ。ところが、入国した外国人労働者は母国に帰らない者
が多い。とは言え、企業は、低賃金の労働力を必要としていた。そこでメディ
アや政治家は、「多文化共生」に基づく共生社会を喧伝した。
国民の側も、外国人が本国人の嫌がる単純労働をしてくれることにより、自
分たちの快適な生活が維持されているという現実から、当初は批判の声はあが
らなかった。しかし、治安の悪化や文化摩擦など、移民の増加による負の側面
が顕著になると、移民や外国人排斥を叫ぶ極右が支持されるようになる。
つまり受け入れ国が外国人労働者を使うのは、その方が儲かるからだ。
外国人労働者に日本人のやりたがらない低賃金の単純作業をやらせ、彼らを
容易く解雇できる安価な労働力と見る限り、外国人労働者の流入は止まるはず
がないし、不法滞在者は増える一方だろう。幾ら取り締まりを厳しくしても、
入国する外国人が増え続ければ、たいした効果はない。これ以上の外国人労働
者の増加を食い止める唯一の効果的な方策は、外国人を雇ってもあまり儲から
ない仕組みを作るしかない。
予め決められた一定の就業期間は、必要がなくなっても、雇用主は賃金を保
証しなくてはならないとか。派遣業者は一定限度以上のマージンを外国人から
取ってはいけないとか。そうすれば、当然ながら日本人から不満の声が出てく
るだろう。日本人を雇用する派遣業者のマージンには、外国人労働者のように
上限が設定されていないのは不公平じゃないか、と。
それで、日本人の雇用条件も改善されるとすれば、良いことではないか。
TIMES
政治•経済



