2025/04/18
やるねェ、したたか北朝鮮、国連からの制裁もリモート使って体をかわす
(写真 北朝鮮なりすまし人材の構図 アメリカ財務省HPより)
国連安保理から制裁を受けている北朝鮮は、合法的に輸出できる製品はごくわずかだが、抜け道を使って世界中に流通している。こうした密貿易の問題は、強制労働という倫理的問題にとどまらない。密輸出は朝鮮労働党幹部のぜいたくな暮らしや、独裁者金正恩総書記が進める核・ミサイル開発計画の資金に化ける。だから北朝鮮は制裁をかわして国際供給網の中に潜り込む術を模索し続けている。
金正恩政権の利益の上げ方を見てみよう。海産物の場合、中国の漁業会社は、乱獲規制のある中国領海を避けるため、北朝鮮の会社から漁獲権を買い取って操業する。国際的な非営利監視団体、グローバル・フィッシング・ウオッチ(GFW)が2020年に実施した調査によると、中国の遠洋漁船の約3分の1が北朝鮮領海内で操業していた。北朝鮮の沿岸で取れた魚介の多くは、北朝鮮国境に接する中国遼寧省丹東などの漁業基地に運ばれ加工される。そこでは何千人もの北朝鮮人女性が低温の倉庫の中で魚介を洗い、さばき、包装する長時間労働に従事している。その製品が中国製として日本および世界中に出荷されている。最近は世界的なリモートワークの拡大で、優秀なIT技術者不足の盲点を突き、身分を偽った北朝鮮のIT技術者(以下:偽装IT技術者)を雇ってしまう企業が相次いでいる。24年7月には米国のセキュリティ企業が、偽装IT技術者を雇ってしまったことを公表した。偽装IT技術者は北朝鮮政府のダミー会社や組織により海外企業に就職させられる。主な目的は核・ミサイル部品を調達するためのドルや円など外貨獲得だ。偽装IT技術者の多くは、北朝鮮の大学で訓練を受けた熟練のIT技術者だが、劣悪な環境に置かれ、賃金のほとんどを搾取される。それでも文句の一つも言わない。賃金は資金洗浄された後、北朝鮮の指示役に送られていると見られる。また、雇用主企業のシステムにマルウエアを感染させたり、機密情報を盗んだりするサイバー攻撃につなげる狙いもある。偽装IT技術者は北朝鮮以外の国籍を名乗り、リモートワーカーとして就職する。顔写真もアジア系の顔を中東系、インド系、黒人・白人系に偽装すれば身分証は一丁上がりだ。雇用主から郵送された業務パソコンを受け取るために雇用主と同じ国・地域に居住する仲介役が存在するが、こうした仲介役は、郵送された業務パソコンを自宅やレンタルスペースなどに設置する。同様の業務パソコンが複数設置されていることから、その場所は「ラップトップファーム」と呼ばれる。偽装IT技術者は、ラップトップファームに置かれた業務パソコンを経由して雇用主のシステムにリモートアクセスし業務を行う。日本でも同様の事件が確認され、外務省や警察庁などが注意喚起しており対岸の火事ではない。技術者、特にリモートワーカーを雇用する際には十分注意する必要がある。
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