政治•経済 金与正の夫と金正恩の実兄はどこで何をしているのか
金与正の夫と金正恩の実兄はどこで何をしているのか
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2025/05/21

不気味この上ない話 一体、どこで何をしているのか、金正恩の兄弟たち

(写真 金与正 Wikipediaより) 

 謎に包まれる北朝鮮の金一族の中でも姿を捉えられないのは、金正恩総書記より4歳年上の実兄・金正哲(キム・ジョンチョル)氏と実妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長の夫だ。夫について韓国紙は、高位脱北者の証言を紹介した。目撃談の紹介はこれが初めてだ。証言した高位脱北者は、劉炳宇(リュ・ヒョンウ)元駐クウェート代理大使だ。平壌外国語大学でアラビア語を専攻し外交部に配属後、駐クウェート大使館に派遣され、大使解任後に臨時代理大使を務めていた2019年9月に韓国に亡命した。劉氏はただの一外交官ではない。彼は金日成、金正日親子の統治資金を管理して最高指導者の“金庫番”と称された全日春(チョン・イルチュン)元朝鮮労働党39号室長の嫁婿だ。劉氏は、義父の全氏と共に正哲、正恩、与正兄妹の実母・高容姫(コ・ヨンヒ)の平壌近郊の大成山の麓にある墓地を参拝した際、義父の紹介で与正氏らとあいさつを交わしたという極めて近い存在だから信憑性は高い。劉氏は、「与正氏の夫は軍服姿で、身長180センチほどの美男だった」と話し、その男子について、「義父が持っていた与正氏の結婚式の写真を以前に見たことがあったが、写真には正恩氏と李雪主(リ・ソルジュ)夫人を真ん中に、チマチョゴリを着た新婦の与正氏と新郎が両脇に立っていた。新郎は墓地で見た人物と同じ人だった」と話し裏も取れている。夫の身分について劉氏は、「2人は『金日成総合大学の特別班(6カ月コース)の同級生で恋愛結婚した』と語り、14年9月当時、「総政治局組織部軍団指導課副部長として勤務していた」と回想している。これまで出回っていた金日成大学物理学卒とか、外貨獲得の仕事をしていたとの情報については、「いずれも間違いである」と否定している。当時から11年も経過しており、今ではさらに高位に就いている可能性もある。

 さて正哲氏はどこで何をしているのか。正哲氏と正恩氏は子供のころから仲が良く、1996年頃、正哲氏がスイスのインターナショナルスクールに『Pak Cheol』(パク・チョル)の名で留学すると、正恩氏もその後を追うようにスイスに留学している。ただ、帰国してからの動静は一切明らかにされておらず、06年6月、ドイツを旅行中、その姿をフジテレビが捉えているが、目的は同地で開催されたエリック・クラプトンのコンサート観賞だった。11年2月にも、シンガポールのライブハウスで、クラプトンのライブを鑑賞する映像が韓国KBSで公開されたこともあり、金正恩体制後の15年5月にもイギリス・ロンドンで開催された公演を訪れる姿がメディアで報じられている。ただ、北朝鮮労働党で何らかの要職や役職に就いているのかなどの情報は皆無だ。さらに、同氏とロンドンなどへ同行した元駐英北朝鮮公使・太永浩氏が脱北後の会見で、「彼は政治に関心がなく、役職もない。音楽に関心があり、有能なギタリストだ」などと語っている。韓国の一部メディアは20年、正哲氏が朝鮮労働党の中央党組織指導部内に新設された行政指導課長を務め、その後、党中央委員会候補委員に選出されたと報じているが、表舞台に全く出てこないため、情報の信ぴょう性には疑問の声もある。

 今年4月4日、韓国のサンド研究所が運営する「サンドタイムズ」が、北朝鮮の歴史専門学術誌「歴史科学」(23年2月号)で「わが共和国を核保有国の地位に立たせた偉大な領導者金正日同志の不滅の業績」とのタイトルの寄稿文を書いた「キム・ジョンチョル」という人物は、正恩の兄・金正哲ではないのか、との記事を掲載。それが韓国メディアで大々的に報じられ、大きな話題になった。「歴史科学」の寄稿者23人のうち、このキム・ジョンチョルだけが役職や所属部署、肩書がない。これが金一族の根拠になっている。

 

 

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