政治•経済 自民党派閥政治資金パーティー裏金 政倫審で「知らない」国会議員の言い訳目立つ
自民党派閥政治資金パーティー裏金 政倫審で「知らない」国会議員の言い訳目立つ
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2024/12/23

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題を受け、今月に開かれた衆参両院の政治倫理審査会で、萩生田光一元政調会長ら安倍派と二階派の国会議員が、「裏金化システム」の運用を「知らなかった」と相次いで釈明している。「裏金議員」の事務所では、派閥パーティー券の販売ノルマ超過分を派閥からキックバック(還付)された際、政治団体の収支報告書に記載しない方法で裏金を捻出した形になっていたが、議員は会計処理を事務所の秘書らに一任していたと強調し、自身の責任を放棄しているのだ。

▼政治資金規正法でも連座制導入

政治とカネの問題を巡っては、これまでも問題が発覚する度に「秘書に任せていて知らなかった」と釈明し、何の責任も取らない議員が後を絶たない。ただ、政治家にとって秘書は極めて重要な存在であり、その秘書が刑事罰や道義的責任に問われているのにもかかわらず、政治家自身は責任を逃れて「無傷」のままその地位に居座っていることに多くの国民は憤っているだろう。政治資金規正法においても、公職選挙法と同様、秘書ら議員に近い者が罪に問われれば議員も失職する「連座制」の導入が迫られている。

自民党派閥の政治資金パーティーでは、2000年代から安倍派を中心に派閥からのノルマ超過分の還付金について裏金化していた実態が続いており、昨年12月に報道で明らかになった。東京地検特捜部が捜査に乗り出し、派閥の会計責任者や国会議員数人を政治資金規正法違反(虚偽記入、不記載)で起訴・在宅起訴した。すでに一部の会計責任者の有罪判決も出ている。

ただ、立件された政治家は、還付金の不記載額が5000万円前後と高額に及んだケースのみだ。不記載額が数百万円~3000万円近くの国会議員は数十人に上ったものの、いずれも立件を免れたため、市民団体などによる刑事告発が次々となされている。さらに、裏金所得の無申告による「脱税」との指摘も根強く、批判がやむ気配はないのが現状だ。自民党安倍派のベテラン議員秘書も「刑事告発については、不起訴になっても検察審査会に申し立てなされるので、事態が沈静化するのはまだまだ先だ。重鎮議員が引責辞職するなどしない限り、事態は決着しないし、国民は納得しないだろう」と嘆いている。

知らぬ存ぜぬ

こうした中、自民党への批判に拍車をかけているのが、今月の政治倫理審査会に出席した国会議員らの説明内容だ。

安倍派では、2728万円もの還付金を不記載としていた萩生田氏は、「パーティーの運営や会計に関与する立場にも、知る立場にも、伝える立場にもなかった」と完全に開き直った様子。鈴木英敬衆院議員は「報道を受けて秘書に確認し、記載していないことを知った」、松川るい参院議員は「報道されるまで本当に全く知らなかった」と発言するなど、もはや「知らぬ存ぜぬ」の姿勢が顕著と言わざるをえない議員が続出している。

二階派の平沢勝栄元復興大臣も「経理については担当秘書に全て任せていた」と説明しており、自民党国会議員は派閥に関係なく、「秘書のせいにする」という悪しき慣習がいまだ払拭されていない実態を浮き彫りにした。今回の政治倫理審査会は、なんだか議員の単なる言い訳の場にしか映らなかったのではないか。

もちろん、法治国家において、人の罪が問われる刑事罰は極めて重いもので、いい加減な証拠や証言で政治家を立件するのは適切ではない。ただ、東京地検特捜部は数十人の国会議員から聴取しながらも、立件にこぎつけた議員はたったの3人。立件人数が少ないのは、収支報告書に不記載となった裏金額が「3000万円」を超えているかどうかが「基準」とされたためだが、この3000万円という金額の壁は、法務・検察内でも幹部によって意見が割れており、国会議員に甘い結論になったとの批判は当然だろう。

自民党派閥全体でみれば、10億円規模の不記載が発覚した今回の裏金問題。実態解明が期待されたはずの政治倫理審査会は、改めて国民の不信感を高めたともいえ、今後は政治家に厳しい抜本的な政治改革が必須となる。政治家が自身の責任を厳格に問われうるよう、国会は連座制の早期導入に向け、本格的な改正議論を進めるべきだ。

 

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