政治•経済 積極財政だけでは、景気は良くならない
積極財政だけでは、景気は良くならない
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2025/10/06

自民党の総裁選挙が4日に投開票され、高市早苗前経済安全保障相(64)が選出された。初の女性総裁の誕生である。

他の候補者に比べて、景気対策にはっきりした口調で意見を述べていた明快さが、人気の理由で支持されたのだろう。

高市新総裁は、どうすれば経済を成長軌道に乗せ、失われた30年を取り戻せるのか、これまで日本中の誰にも分からなかった難問に立ち向かうことになる。

積極財政、即ち政府支出の増大による公共事業等で需要を増やし、景気を良くしようとするのは、景気対策として誰でも思いつく初歩的な対策だ。一方、高市新総裁は、金利については、「利上げはアホ」と発言しており、金利上昇は、景気に良くないという認識のようだ。

だが、インフレを抑制するには利上げは効果的なのだ。

筆者は、もしかしたら、高市氏は、「流動性の罠」英: liquidity trapという初歩的な経済用語を知らないのではないか?と思った。新総裁就任会見で、高市氏に景気対策を聞いた記者の質問にも出ていないので、マスコミも「流動性の罠」について認識していないようであり、彼らの取材源の財務官僚やエコノミストが問題にしなかったことを意味するのだろう。

流動性の罠とは、「景気刺激策として金融政策が行われる時、利子率が著しく低下している条件の下では、それ以上マネタリーベースを増やしても、もはや投資を増やす効果が得られないという状態のこと」

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)参照』であり、あまりにも金利が低いと金融緩和でお金を増やしても、投資に向かわず、投機にお金が流れていく状態であり、金融緩和や政府支出増大による景気刺激効果がなくなることを意味する。

日銀金利は、三重野康総裁の末期の93年に2%以下になって以降、今日まで2%を超えることは一度もなかった。これは世界の経済史においてかつてなかった実験的経済政策だった。そして、その頃から日本経済の成長は止まっているのである。

アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、リーマンショックやコロナ対策で、一時的に超低金利政策を取ることはあっても、ある程度の時期が過ぎると、2%以上の金利に戻している。トランプ米大統領はそれが不満で、FRBを脅して低金利を指示していたことが伝えられる。トランプ米大統領の経済対策も高市新総裁と同じレベルなのだろう。

(青山みつお)

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