2024/12/24
巨額献金で法人税引き下げ
巨額献金の見返りが第一に法人税の引き下げだが、自民党はその代わりに、財務省による消費税の引き上げを呑んで来た。その結果、国の歳入構造はきわめてイビツなものとなっている。
1989年に消費税3%が導入された時、法人税(国税)の基本税率は40%だった。その後、消費税増税が繰り返されて10%まで引き上げられた一方で、法人税は引き下げが繰り返され、現在は当時のほぼ半分の23・2%まで下がった。しかもこれは名目上の税率であり、実際は自民党税制調査会が毎年末に策定する租税特別措置により、大企業ほど優遇されている。
実際の法人税負担率を企業規模別に見れば、資本金1000万円以下の企業の負担率は14・6%、1億円~10億円の企業は19・8%だが、資本金100億円超の大企業の負担率は、わずか12・8%だ(財務省資料より)。今年度の当初予算では、歳入総額113兆円のうち、租税収入は約70兆円。このうち基幹3税の税収は、法人税17兆円、所得税18兆円、消費税24兆円と、消費税の税収が最も多いのである。
近年、企業が内部留保(利益剰余金)を積み上げて問題となっているが、その額は実に600兆円を超えた。一方で、庶民ほど重税感が高まる消費税は、増税のたびに景気が失速している。石破氏が掲げた「税の応能負担の原則」にしたがえば、法人税引き上げは必須だが、自民党は引き上げるつもりはさらさらない。「近年は世界で法人税引き下げ競争が起きて、日本でも、法人税を引き下げなければ国際競争に負けてしまうという理屈が通用してきました。しかし米英はじめ各国は、コロナ対策による財政悪化を埋めるために、すでに法人税引き上げに舵を切りました。しかし、岸田前首相は最後まで引き下げに否定的でした」(経済誌記者)。
最近は、法人税引き上げは「賃上げの足を引っ張る」という論調が出てきた。しかし法人税が低いため企業は利益を溜めこむのであり、法人税を引き上げれば、賃上げなり、設備投資なり、海外企業買収なりが加速する。少なくとも賃上げの足を引っ張ることはない。「要するに、自民党政権の目的は法人税引き下げそのものにあり、そのための理屈は常に都合よく作られ、時に経済学を捻じ曲げてきたのです」(同)。
大企業への法人税を引き下げ、消費税増税を許容して来た自民党の姿勢は、庶民軽視を雄弁に語る。それ以上に、「目的は大企業優遇」という政策は、経済成長に資するものだったかという疑問が改めて出ている。
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