2024/11/22
代替ルートで国土強靭化
しかし、これにはかなり誤解もあります。まず北陸新幹線の目的は何かというと、京都・大阪のために、または北陸のためにあるのではないということ。その目的は、東京・大阪間は東海道新幹線でつながっていますが、その東海道新幹線が何かの事情で使えなくなった場合に備えて、もう一本の日本海側を廻るルート必用だからです。
この前、津波騒動もありましたけれども、台風が来たりして、太平洋側の新幹線が動けなくても、日本海側から廻れば行けるわけです。あるいは将来、大きな地震や富士山の噴火などによって、東海道新幹線が長期間にわたって、運行できないという事態が生じる可能性は大いにあります。で、その時に代替の北陸新幹線があると、時間はちょっとかかっても、確実に東京・大阪間の経済交流ができますからね。日本の経済力は落ちることはないですよ。ところが、もしそれがなかったら、復興するための経済力もなくなってしまうぐらい大打撃を受けますね。
そういうことにならないようにするために作るのが、北陸新幹線はじめ他の新幹線の意味なんですよ。要するに、太平洋側には新幹線はできたけれど、日本海側には新幹線ができていない。四国にもつながっていない。だからそういう、まぁ北海道もそうですけれど、北海道、いま角館までは行きましたけれども、そういう今までつながっていないところとつなげるのは、経済的な便益が増えるというだけじゃなくて、そもそも国土強靭化、それが大きな目的なんです。ということは地方の便益がどれだけあるとか、便益があるから地方も負担を、という論法で地方に負担を求めるのではなくて、国家政策、国策として、国土強靭化して、いついかなる事態が起きても、日本の経済、それぞれの都市のつながりを途切れさせない。そのためのものですから、負担は当然国が出すべきなんです。
ところが今までは東京につなぐ新幹線ばかりでした。これから先の新幹線は、北陸新幹線の敦賀から大阪までがそうだし、それから山陰新幹線とか四国新幹線とか、これは別に東京につながる新幹線じゃないですね。しかもその沿線というのはかなり過疎化してしまっている地域が多いですから、地元に負担を求めるといってもそれだけの財力はありませんよ。
そしてまた便益だけで言ったら、大した便益、BYC(費用対効果Benefit by Cost)が十分あるという数値も出てこない可能性があります。しかし、問題はそれでは財政力のないところとかBYCでいい数値が出てこないところには新幹線を引かない、国土強靭化の政策はしないということで見捨てることになってしまいます。そこのところを考えなければなりません。当然、見捨てることなんてできないでしょう。
もともとは、いま新幹線が通っていない北陸地方とか山陰地方など、日本の文化の発祥の地にあたるところはたくさんあります。特に昔は、例えば新潟なんかそうだけれど、お米どころですからね。いわゆる国民所得は、東京の人よりも多いぐらいだったんですよ。お米をたくさん作っているから、その生産量、それを金額に直していくとね。東京の場合、モノを作っていないので、消費するだけ。それを考えると、東京よりも新潟の方が、ある意味、生産力、経済力があるというぐらいの地域だったんですよ。
TIMES
政治•経済



