2025/04/01
ロボット開発競争、これに勝利する者(国)、世界を制す。目下、中国リード
(写真 ヒューマノイドロボット イメージ 中央フォトより)
まずは申し込みが殺到している「Manus(マヌス)」だ。中国のスタートアップ「Monica」が発表した世界初の汎用AIエージェントで、SNSで「衝撃的だ」と話題沸騰中だ。現在は招待コードを持つ人のみ利用可能だが、3月5日の発表から数日で、世界中から200万人以上がウェイトリストに申し込みがあった。マヌスに指示すれば、営業アタックリスト作成から営業メール作成・送付も全自動で実行してくれ、マーケティング戦略から考えて予算がありそうな企業をリスト化しつつ、倫理的な営業ガイドラインまで提示してくれる。こうなると社員はいらなくなる。中国の失業率が高いわけだ。世界中に急拡大している越境ECサービス「Temu」を運営するPDDホールディングスは、3月20日に通期決算を発表した。それによると営業利益は1084億元(2兆2436億円)と前期比85%増を記録し、時価総額は驚愕の25兆円に達した。
同業他社を売上高の成長率で見るとアマゾンがギリ2桁台、アリババやJDなどの中国系ECも1桁台にとどまっているのに対し、PDDは59%とダントツだ。ただし「トランプ関税」が発動されると「Temu」や「SHEIN」など中国から世界に飛躍したEC企業は影響を受ける可能性が高く、総じて中国ECサービス企業は今後の成長に「不透明さ」が増すだろう。3月12日、ペットのようにかわいらしいお掃除ロボット「ルンバ」を製造する米アイロボットが事業継続困難を表明した。ルンバを駆逐したのが中国メーカーの台頭だ。価格ドットコムの調べでは、現在「満足度が高いロボット掃除機ランキング」を1位から10位まで中国メーカーが独占しており、ルンバが登場するのは11位以降。特にロボロックの勢いはすさまじく、24年には、23年第1〜3四半期におけるロボット掃除機の販売が世界第1位になっている。
中国はロボロックなどロボット開発競争で世界を大きくリードしている。中国の習近平国家主席は1月、華為技術(ファーウェイ)の創業者である任正非氏やアリババの共同創業者の馬雲氏ら国内最有力の企業トップを集めた会議を大々的に開催した。その中に未知のロボット新興企業、宇樹科技(ユニトリー・ロボティクス)の35歳のCEO(最高経営責任者)である王興興氏の姿もあった。各国がロボットに注目するのは、人口動態の変化に直面しているからだ。中国における2021年の公式予想では25年までに製造業労働者が3000万人近く不足するとみられている。さらに45年までに約6億4500万人に減少し、総人口の半分以下になる見通しだ。中国経済は輸出に依存しているだけに、このジリ貧傾向が続けば、35年までに1人当たり国内総生産(GDP)を20年の水準から倍増するという習近平氏の目標達成が阻まれかねない。ロボット開発競争に勝つか負けるかで中国の生死が決まるのである。
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