政治•経済 パナマ運河を取り戻せと叫んだトランプに寄り添う米最大のファンドが香港のパナマ運営会社を巨額買収
パナマ運河を取り戻せと叫んだトランプに寄り添う米最大のファンドが香港のパナマ運営会社を巨額買収
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2025/03/17

どうなる、パナマ運河、トランプ大統領の執心でパナマ運河の命運は如何に?

(写真 Wikipediaより)

 米国のトランプ大統領は、太平洋と大西洋を結ぶ中米のパナマ運河について「取り戻す」と就任演説から繰り返し発言している。マルコ・ルビオ国務長官も初の外遊先としてパナマを訪問し、パナマ運河への中国の影響を減らすよう要求した。

 パナマ運河は、20世紀初頭に米国が建設し、1999年にパナマに引き渡された運河だが、米国籍船舶に対し「法外な料金」と同運河周辺における中国の影響力拡大への懸念を理由に、同運河の管理権を取り戻すと繰り返し主張してきた。

 なぜ、トランプやルビオはパナマ運河を取り戻すかと言えば、パナマ運河の5つの港のうち2つを運営するハッチソン・ポート・ホールディングス・リミテッド(ハチソン・ポーツ:和記港口集團有限公司) という香港企業の存在がある。2020年に制定された香港国家安全維持法(国安法)によって1国2制度が崩壊した影響が“中国領香港”から遠く離れたパナマで中国が支配権を行使する形となっているからだ。そこに「白馬の騎士」が現れた。米国最大のファンド「ブラックロック」が、ハチソンの株式90%を購入すると発表したのである。買収額は228億ドル(邦貨換算3兆4000億円)の超大型買収だ。株式購入合意は、ブラックロックと子会社グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ、スイスのターミナル・インベストメント、メディテラニアン・シッピング社などで構成される。ハチソンは香港最大財閥、李嘉誠が率いるコングロマリットで、英、独、豪、韓、メキシコ、アルゼンチンを含む23カ国で43の港を運営しており、パナマ運河の太平洋側と大西洋側にあるバルボア港とクリストバル港を2047年まで運営する契約を保有している。同社はブラックロック買収のニュースで株価が22%も暴騰した。ざっと俯瞰したところハチソンの「売り逃げ」とも言えるが、長期的に見れば米中対立のあらゆる利害関係の将来像を予見させる出来事としてとらえられるという見方をする向きもある。

 当事者であるパナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領は、「奪回などは論外、主権国家の尊厳を侮辱するもの」だとトランプを批判したが、中国との「一帯一路」協定は更新を拒否するとの声明も同時に出した。アメリカに付くか、中南米に覇権を広げる中国に寄るか。パナマの明日はどっちだ。

 

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