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女性支援団体への嫌がらせが横行
女性支援団体への嫌がらせが横行

 困難を抱える女性を支援する団体に対する嫌がらせが横行している。嫌がらせする側はネットの広告収入で経済的利益を得るケースも多く、インターネット上の誹謗中傷で活動縮小などの影響を受ける団体も少なくない。背景には、一部の男性による『ミソジニー』(女性嫌悪)の激化があるとみられ、差別的な投稿を制限するような対策強化が必須だ。  ▼名誉毀損で賠償命令  昨年7月、若年女性支援にあたっている一般社団法人「Colabo(コラボ)」(東京)に対し、インターネットで名誉を毀損したとして、東京地方裁判所(西村康一郎裁判長)が「暇空茜」のアカウント名を名乗る男性に計220万円の賠償を命じる判決を言い渡した。  判決や関係者の話によると、男性は2022年以降、コラボについて、「女の子をタコ部屋に住まわせている」「生活保護ビジネス」などと説明する内容を動画投稿サイトやブログに投稿。触発されたユーチューバーらがコラボの活動現場に押しかけたり、女性を保護するシェルターの場所をネット上でさらしたりしたことで、複数拠点が閉鎖に追い込まれたという。  男性が誹謗中傷を始めたことで、コラボに対する嫌がらせの件数は100件以上に急増。コラボ側は男性による根拠のない中傷によって社会的信用が落ちたとして、計1100万円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴。懲りない男性は、「戦いへのカンパ」と称してX(旧ツイッター)などで裁判費用を募り、徹底抗戦した。  判決は、男性が「直接の事実確認を行っていない」として、投稿の信用性を否定。コラボ勝訴となったものの、未だにデマを信じてコラボへの相談をためらう人は少なくないといい、事態は深刻化しているようだ。 ▼プラットフォームは規制強化を コラボのほかにも、少女の居場所作りなどをしたり性被害相談に乗ったりしている別のNPO法人なども同様の被害を受けている。拠点がネットで拡散され、事務所にユーチューバーらが押しかけるトラブルは後を絶たず、活動に支障が出ているという。 そもそも、ネット上の誹謗中傷で利益を上げられるスキームが許されていることが大きな問題だ。動画投稿サイトで差別的な発言をした場合は、有無を言わさず投稿を削除するなど、プラットフォーム側の強い規制も求められる。 ネット上の誹謗中傷を理由に自殺する人も後を絶たない。「表現の自由」をうたった不当な攻撃が許されるはずはなく、厳格な取り締まりも不可欠だ。  

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2025.01.27

国民民主党代表玉木雄一郎の実弟が投資詐欺か  兄の雄一郎氏は事実を把握しながら知らん顔 UAEを拠点に王族も利用?第1回 山岡 俊介●ジャーナリスト
国民民主党代表玉木雄一郎の実弟が投資詐欺か 兄の雄一郎氏は事実を把握しながら知らん顔 UAEを拠点に王族も利用?第1回 山岡 俊介●ジャーナリスト

(写真 玉木雄一郎 gooニュースより引用) 銀行の残高証明偽造疑惑も  この原稿を書いているのは、衆院選の投開票日(10月27日)の前日夜。事前予想によれば、国民民主党は3から大幅に議席を増やすと見られる。  筆者は本誌月刊タイムスの2024年8月号で、「玉木雄一郎の実弟が投資詐欺か」とのタイトル記事を4ページにわたって書いた。大幅増の予想を見ると、実弟のこの疑惑報道による悪影響はまったくなかったということだろう。  だが、前回記事から4ヵ月近くの間に判明した新たな事実によれば、この件は疑惑というより事実と言っていいし、その悪質さは他の投資詐欺の比ではない。しかも、実兄・玉木雄一郎氏自身、知るところになったものの、被害対策にまともに取り組んでこなかった模様だから、その件を大手マスコミが報じれば国民民主は大打撃を受けていたはずだ。  詳細は2024年8月号記事をご覧いただきたいが、国民民主・玉木代表の実弟・玉木秀樹氏(54)に出ている投資詐欺とは、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイを舞台に、地元有力王子と共同事業をやるからと言って投資を募ったものの、返済期日を過ぎても元金の返済さえ一切ないというもの。   記事執筆後、新たなに判明したまず1つは、共同事業の相手は地元の最有力王族アブダビのナヒヤーン王子との触れ込みだったが、実際は「ナヒヤーンを名乗る王族は500人もいて、その末端の者」との証言が、実弟とドバイで一緒に仕事をしていた元パートナーA氏から飛び出したのだった。  しかも、このA氏はさらなる重大証言をしてくれた。 ①王子と共同事業をやるため、ドバイ国際金融センター(DIFC)に会社登記するためには自己資金が100万ドル(約1・5億円)なければならないが、実弟はそれを証明するみずほ銀行の残高証明書を偽造した疑いが濃厚である。 ②A氏はこの会社登記、それに共同事業の「投資目論見書」作成を、報酬約800万円で頼まれたが一銭も払ってもらっていない。 ③カネがなくて払えないというから、やむなくA氏と実弟は、その一部を月々50万円×12回で支払う「債務確認書」を交わしたが、その1回目から実弟は支払いをしなかった。 ④そのためA氏は近々UAEに飛び、①の公文書偽造容疑を告発する。UAEで公文書偽造は重大犯罪で、最高懲役は20年である。 ⑤前回記事でドバイでの具体的事業としてガラスコーティング溶剤の独占販売、OEMによる電気自動車販売があるとしたが、ガラスコーティング溶剤は優れた品質ではないことを前回記事で述べたが、電機自動車販売も、報酬未払いのためA氏が顧客紹介を止めたので稼働していないはず。  以上のように、実弟は自分の投資が優れていると謳い、その根拠としてドバイを舞台にあれこれ言っていたが、ほとんど実態はなく、逆に言えば遠方の外国故、バレないだろうと、最初から確信犯的に虚偽を並べ立てていた可能性さえある。(つづく)    

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2025.01.27

伊豆大島でバラバラ殺人事件 痴情のもつれが原因か 被害女性の元交際相手45歳男逮捕
伊豆大島でバラバラ殺人事件 痴情のもつれが原因か 被害女性の元交際相手45歳男逮捕

人口6500人ほどの小さな島でバラバラ殺人事件が起きていたことが判明し、社会に衝撃を与えている。東京都の伊豆大島で昨年10月、女性(37)の白骨遺体の一部が見つかっていたことが分かり、警視庁捜査1課は1月24日、元交際相手の畳店経営、柳瀬宗達容疑者(45)(東京都大島町元町)を女性の死体損壊と死体遺棄の両容疑の疑いで逮捕した。警視庁は、柳瀬容疑者が女性を殺害したとみており、まずは死体損壊、遺棄の両容疑で調べを進めた上で、殺人容疑でも再逮捕する方針だ。 ■被害者は37歳女性 24日の逮捕容疑は、昨年9月9日から同10月23日にかけて静岡県下田市の飲食店アルバイト従業員、高瀬静香さん(37)の遺体を島内で損壊し、遺棄したというもの。警視庁によると、白骨化した遺体の一部が昨年10月23日に大島町の海岸で発見された。 遺体の状況から、切断されたり焼かれたりした可能性が高く、警視庁は事件性が高いと判断。身元を高瀬さんと特定した上で、過去に高瀬さんと交際していた柳瀬容疑者の逮捕に踏み切った。 警視庁の発表などによると、高瀬さんは令和元年から5年まで大島町に在住。当時はスナックに勤めており、客として足繁く通っていた柳瀬容疑者と交際するようになったという。高瀬さんは令和5年には島を出ていたが、昨年9月上旬、「大島町の彼氏に会いに行く」と周囲に話した上で島を再訪していた。間もなく消息が途絶え、最後に携帯電話の発信が確認された地点が柳瀬容疑者の自宅だったことなどから、警視庁は柳瀬容疑者が事情を知っているとみて周辺捜査を進め、容疑を固めていた。 柳瀬容疑者は警視庁の取り調べに対し、逮捕容疑を認めた上で、「(高瀬さんの)スマホと荷物を捨てた」「遺体が見つかれば、島で生きていけないと思った」と動機を説明。「遺体は空き地で燃やして解体し、袋に入れて海に捨てた」などと供述しているという。 ■遺族の心のケアを 男女間でトラブルはつきものだ。ただ、かつて愛した女性を殺害し、バラバラにしていくその心境はいかに。柳瀬容疑者は今後、詳細に動機や殺害の経緯も明かし、罪を償うべきであるのは当然だ。男女間のトラブルからバラバラ殺人事件に発展した今回の事件。ネット上では様々な臆測も広がっているが、死者の尊厳を傷つけるようなSNS上の書き込みは到底許されない。警視庁や検察、裁判所は、残忍な方法で殺害された高瀬さんの遺族にしっかり寄り添い、心のケアに努める必要がある。

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2025.01.26

就活セクハラが深刻化 厚労省が法改正で対策強化へ
就活セクハラが深刻化 厚労省が法改正で対策強化へ

 就職活動中の学生らが社会人から性的嫌がらせを受ける「就活セクハラ」が深刻化している。厚生労働省は企業に防止対策を義務づける方針を固めており、今年の通常国会で男女雇用機会均等法の改正を目指すが、大手企業の職員が逮捕されるケースも後を絶たず、抜本的な対策強化が必至だ。 職場におけるセクハラを巡っては、同法に基づき、防止措置を実施することが以前から企業に義務化されているが、雇用関係にない就活生は対象外となっている。だが、厚労省の昨年の調査では、インターンシップ中に受け入れ先の社員らからセクハラを受けた就活生の割合は30・1%と高水準に上り、被害が相次ぐ実態が浮かんだ。 被害の内容としては、「性的な冗談やからかい」「デートへの執拗な誘い」が目立ち、セクハラによって受けた影響については、「眠れなくなった」「就活への意欲の減退」などが挙げられた。 ▼逮捕者後を絶たず 近年は、「就職の相談に乗る」と言ってインターンシップ中や就職活動中の女子大学生を誘い、わいせつ行為に及んだ大手企業の社員が逮捕されるケースも相次いでおり、今年になってからも大手メーカーNECの社員が逮捕される事件も起きた。 厚労省はこれまで、同法に基づく指針を定め、企業に就活セクハラ対策を求めてきたが、学生らの保護が不十分だとして、各大学などから国へ対策強化を求める声が強まっていた。このため同省は今後、就活生を従業員に準ずる存在と位置付け、面談時のルール策定や相談窓口の設置などを企業に義務化したい考えだ。 具体的には、OB・OG訪問時の場所や時間などについてのルールを事前に設定することや、相談窓口を整備して就活生に周知することなどを企業に求める方針。厚労省はすでにこうした内容を盛り込んだ男女雇用機会均等法の改正方針について、昨年12月の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で示し、了承を得た。今国会に同法改正案を提出し、早期の法改正による対策強化を図る。 立場の弱い就活生に対するセクハラは言語道断で、社員が逮捕される事態にまで発展すれば、企業の社会的信用が一気に下がるのは言うまでもない。企業は恥ずかしい「わいせつ社員」を出さないよう、社内研修の強化など防止措置を講じる必要がある。

「ストレスチェック」全企業に義務化へ 今国会で法改正方針
「ストレスチェック」全企業に義務化へ 今国会で法改正方針

 働き手の精神的安定を図ることが企業の重要な責務となっている。労働者の心理的負担を検査する「ストレスチェック」について、厚生労働省は全ての会社に実施を義務づける方針を固めた。ストレスチェックは現、は従業員50人以上の事業所に年1回の実施が義務づけられているが、厚労省は今年の通常国会で労働安全衛生法を改正し、義務化の対象を従業員50人未満の小規模事業所にも広げ、対策強化を図る考えだ。仕事上のストレスが原因で精神疾患を発症する人が増えている現状を踏まえた措置で、労働者のメンタル面の保護を強化し、生産性が高まることが期待されている。 ◆2015年から50人以上で義務化  ストレスチェックは、働き手の精神不調を防ぐため、2015年から従業員50人以上の事業所に年1回の実施が義務づけられている。仕事量や職場の人間関係、食欲などについて回答してもらい、ストレスの度合いを数値化する仕組みだ。指標によって「高ストレス」と判定された人は、医師との面接を勧められることになる。  国による調査では、受検者の7割以上が「有効だった」と回答するなど一定の成果を上げてきた一方で、近年は長時間労働などが原因で心の健康を崩す労働者は相次いでいる。2023年度にうつ病などの精神疾患を発症し、労災認定を受けた人は過去最多の883人に上った。  対策強化が急務となる中、労使の代表者や医師、大学教授らでつくる厚労省の有識者検討会が昨年に発足し、改善に向けた議論が進められてきた。議論を踏まえ、厚労省の事務局は昨年10月、義務化の対象を従業員50人未満の事業所にも広げる案を検討会に示し、了承を得た。 ◆300万人近い働き手のメンタルケアへ  厚労省は今後、今国会に改正労働安全衛生法案を提出し、早期の法改正を目指す。ただ、全企業に実施の義務付けとなると、零細企業にとっては業務負担の増加が危惧されることなどもあり、実際の義務化拡大は数年後になる見通しだ。 国の統計によると、従業員50人未満の事業所は全国に30万か所以上あり、その事業所で働く労働者は300万人に上る。義務化の拡大により、精神面をケアされる労働者が一気に増えることにはなるが、ストレスチェックの実施に伴う事務手続きが企業の負担になり、「ストレス」につながってしまっては、本末転倒だ。 国や自治体は、ストレスチェックの全事業所での実施に向け、マニュアルの充実化を図るなど、企業の取り組みをバックアップするきめ細やかな態勢整備を進めていくべきだ。

障害者虐待が相次ぐ 2023年度は過去最多の3477件
障害者虐待が相次ぐ 2023年度は過去最多の3477件

 全国の自治体が2023年度に受けた障害者虐待に関する通報・相談件数が、過去最多の1万5590件(前年度比2836件増)に上ることが、厚生労働省のまとめで分かった。実際に虐待があったと認定されたケースも過去最多の3477件(同398件増)で、障害者の虐待が後を絶たず、深刻化している実態が浮かんでいる。 ▼2012年から通報義務 障害者の虐待防止や家族ら養護者への支援などの施策を促進するため、2012年10月に施行された障害者虐待防止法により、虐待を受けている可能性がある障害者を発見した人には、自治体に通報することが義務づけられた。厚労省は、自治体への通報・相談件数をまとめ、毎年公表している。 通報・相談件数や虐待認定されるケースは年々増加しているが、2023年度に過去最多に伸びたのは、障害者向けグループホーム運営会社「恵」による組織的な食材費の過大徴収問題の影響が強かったとみられている。  通報・相談件数のうち、加害者別でみると、家族ら養護者が9972件、施設職員が5618件だった。虐待の類型では、殴る蹴るなどの「身体的虐待」が2162件と最多で、怒鳴る無視するなどの「心理的虐待」は1302件、必要な金銭を渡さないなどの「経済的虐待」は473件、食事を与えないなど世話を放棄する「放棄・放置(ネグレクト)」は337件、性的な行為を強要するなどの「性的虐待」は183件と続いた。被害者とされたのは4641人で、このうち男性2人は、父親による身体的虐待や、施設でのネグレクトによって亡くなったという。 ▼虐待で死亡も厚労省は詳細明かさず 一方で、虐待により死亡に至った2人について、厚労省は「障害者虐待防止法は、件数を公表するよう規定しているが、個別の施設名や詳細を公表することは定められていない」(厚労省関係者)として、施設名や自治体を含む詳細を明らかにしていない。  ただ、虐待で死亡するということは、事件性が高いのは明らかだ。さらに、同じ施設で過去にも死亡事例がないかなどを検証する上で、施設名など詳細な情報公開が重要なのは言うまでもない。「法律」を壁にし、詳細を明かさない厚労省の姿勢は不誠実ではないか。そもそも、公表することが定められていないとはいえ、「公表してはならない」とも定められていないわけで、公益性公共性の高い情報を発信するのが行政省庁の務めのはずだ。  障害者虐待は相次いでおり、深刻な社会問題だ。再発防止に向け、施設名の公表による牽制や啓発の必要性を求める声も根強くある。単純に件数を公表しても、社会の関心を集めにくく、施設や養護者側に対する意識改革にもつながりにくい。厚労省はせめて死亡事例については詳細を説明するなどし、福祉行政を担うその責務を果たすべきだろう。  

過労死防止推進法 10年経過 悲劇後絶たず 遺族は対策見直し願う
過労死防止推進法 10年経過 悲劇後絶たず 遺族は対策見直し願う

「過労死等防止対策推進法」の施行から10年が過ぎた。防止策を国の責務と定め、法律で「過労死」という単語を初めて使った同法。2014年11月に施行されて以降、長時間労働の規制など労働環境の改善化は進みつつあるが、激務による悲劇は後を絶たない。実効性のある対策強化が必至で、遺族も過労死の撲滅を訴えている。 ■過労での精神疾患が増加 「今年は過労死防止法が施行されて10年になりました。娘が亡くなる前年の2014年11月1日、大切な家族を過労で失くした遺族の方々のたゆまぬ努力によって過労死防止法が施行されました。その後、働き方改革が叫ばれる中、残業時間の上限が定められ、労働環境の改善が進んだかのように言われますが、今でも仕事が原因で病気になる人や、過労死する人がいます」 昨年12月25日、大手広告会社・電通の新入社員だった高橋まつりさんが24歳で過労自殺してから9年となったことを受け、母親の幸美さん(61)は公表した手記でこう思いをつづった。幸美さんは最愛の娘を亡くしながら、過労死の撲滅を願い、対策を議論する国の協議会委員も務め、各地で啓発に向けた講演会も開いている。 国の対策は進むものの、過労によるストレスなどで精神疾患を発症する人は後を絶たず、2023年度は過去最多の883人(うち自殺・自殺未遂が79人)が労災認定を受けているという。 幸美さんは手記でこうした実態にも触れ、「特に精神疾患の労災請求は毎年増えて、娘が亡くなった年の2倍以上になっています。国は過労死対策に何がたりないのか。どうしたら過労死がなくせるのか。私たち遺族の意見を本気で聞いて、対策を見直してほしいです」と強調した。 ■生きていれば「入社10年目」の高橋まつりさん  24歳という若さでこの世を去ったまつりさん。生きていれば、今年度は「入社10年目」だったという。幸美さんは手記で愛娘への思いを巡らせ、こう述べた。 「同期入社のみんなは『入社10周年同期会』をしたそうです。在職中の人も退職した人も一緒でした。 もしまつりが生きていたら、参加していたかもしれません。10年目の社員として、後輩社員のロールモデルになれるように頑張っていたかもしれません。やりがいをもって生き生きと働いて、休日には大好きな人たちと過ごして、充実した人生を生き、将来に夢を描いていたかもしれません。『あんなに頑張って生きていたんだから、絶対に幸せになってほしかった』そう思うと悔しくてたまりません」  何年経過しようが、遺族の悲しみや悔しさは晴れることがない。企業や国、自治体は、効果的な対策を推進していき、国民の意識改革も図っていく必要がある。 「まつりと同じように苦しんで亡くなる若者がいなくなるように。働く人のいのち。若者のいのち。未来の子どもたちを守りたい。それが今の私の願いです。まつりのいない9年もまつりと共に歩んだ9年でした。誰もが安心して働き、誰もが希望を持って人生をおくれる国になるように願い、まつりと共に力を尽くして参りたいと思います」 幸美さんの切実な思いだ。悲劇を繰り返してはならない。  

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2025.01.15

JICAが懲戒処分を1年以上「隠蔽」ODA情報漏えい職員
JICAが懲戒処分を1年以上「隠蔽」ODA情報漏えい職員

 2025年元旦早々、日本が世界的に高い実績を誇る政府開発援助(ODA)事業での大不祥事が発覚した。昨年にODAの実施機関である独立行政法人「国際協力機構(JICA)」の職員が、フィリピンでの改修事業を巡る入札で業務の見積額など秘密情報を漏えいしたとして停職1か月の懲戒処分を受けていたことが読売新聞のスクープで発覚したが、実はJICAがこの処分を1年2か月にわたり公表していなかったというのだ。秘密情報の漏えいに続き、処分の長期間にわたる「隠蔽」が、再び読売新聞の元旦スクープで明らかになったが、JICAに反省の姿勢はみられない。 ▼行政省庁は処分をその都度公表 読売の報道や外務省関係者によると、日本の円借款で実施されたマニラ首都圏内の都市鉄道「MRT3号線」の改修工事事業を巡り、JICAの男性職員が2018年、業務の見積額などの秘密情報を東京都内の建設コンサルティング会社の社員に漏らした。漏えいの疑いについて調査を進めていたJICAは、職員による情報漏えい行為が、JICAの就業規則違反にあたると認定。2023年5月には、この職員を 停職1か月の懲戒処分とした。 だが、JICAがこの処分を公表したのは、それから1年2か月近く経過した2024年7月8日。一般的に行政省庁は停職以上の懲戒処分があれば、処分日に随時公表しており、JICAもJICAはみなし公務員である職員の懲戒処分について、就業規則で「原則として、処分の都度、公表する」と規定している。 JICAは①処分時は漏えい先企業への照会が完了していなかった②調査内容の取りまとめや外務省への報告などに時間を要した――と釈明しているようだが、そもそも民間企業への照会や、調査内容の取りまとめなどに「1年2か月」もの期間を要するのには大きな疑問で、一体どんな調査をしていたのかも不透明なままだ。 ODA事業に参入しているある都内のコンサルタント会社幹部は「ODAで秘密情報の漏えいは前代未聞。日本で言えば官製談合のようなものであり、JICAとしては、処分を公にしたくなかっただけではないか」と指摘する。 さらに、「漏えい先企業への照会が完了していない」ということは、まだ漏えい問題に関する調査が継続中であり、その時点で処分したJICAの対応も不可解だ。 ▼説明責任果たせ そもそも、JICAは昨年7月8日に処分を公表はしたものの、職員の所属部署や年齢、性別すらも明かさず、ホームページ上で短く「調達手続きに関する秘密情報を漏えいした」と説明するのみにとどまり、情報公開に後ろ向きな姿勢が顕著だ。 JICAのホームページをまめにチェックしているメディアもないのか、この処分は報じられないまま、昨年10月に読売の報道でフィリピンのODA事業を巡る漏えいだったことなど詳細が明らかとなり、政府は釈明会見に追われた。 JICAはこれだけお粗末な対応を続きながら、1年2か月にもわたる処分の「隠蔽」疑惑についても一切詳細な説明をせず、苦しい言い訳に終始している。発展途上国の支援が目的で、日本が参入してから昨年で70年の節目を迎えたODA。実施機関であるJICAは、改めてその責務を自覚し、理事長自ら表に出て謝罪会見を開くなど説明責任を果たすべきだ。  

日本の外国人労働者 就職・転職でハローワーク利用は4%と低調
日本の外国人労働者 就職・転職でハローワーク利用は4%と低調

 外国人労働者が日本で就職・転職する際にハローワークによる職業紹介を利用しているのは、わずか4%にとどまることが、厚生労働省の初の実態調査でわかった。国内で働く外国人の43%は、SNSを含む「知人、友人」を介して職を得ているが、トラブルも増えており、厚労省は外国人に対してハローワークの存在を周知するとともに、相談支援態勢の強化を図ることが求められる。 ■初の実態調査 厚労省は2024年12月26日、国内の外国人労働者の就職・転職状況や賃金水準など労働実態に関する初の調査結果を公表した。この調査は、日本で働く外国人が増加し続ける中で、その労働実態を広範に把握し、政策立案などに生かすのが狙いだ。 2023年10~11月に実施され、外国人を雇用する3534事業所と外国人労働者1万1629人が回答しており、こうした外国人労働者の実態を反映した統計は史上初めてのものとなった。  日本に住む外国人の就職・転職の方法では、SNSを含む「知人、友人」の43%が最多で、求人広告が19・3%、民間紹介会社が9・9%で続いた。ハローワークを利用したのは、3・9%だった。  技能実習制度に代わり、2027年までに新たに始まる外国人材受け入れのための「育成就労制度」では、それまでは禁じられていた国内での転職が認められる。このため、悪質なブローカー排除に向け、就職・転職手続きの仲介はハローワークなど公的機関に限定されることになる。そうした事態が迫っているにもかかわらず、外国人のハローワークの利用が極端に低い現状は深刻な問題だ。厚労省は今後、各地の自治体との連携も強め、周知を徹底する必要がある。 ■トラブルは14%  今回の初の調査では、外国人労働者で就労上のトラブルを抱えている人は14・4%に上った。トラブルの内容別(複数回答)では「紹介会社(送り出し機関含む)の費用が高い」が19・6%で最多。 「説明以上に高い日本語能力を求められた」(13・6%)、「仕事内容について説明がなかった」(7・3%)など、事業所側の説明の不備が理由の回答も目立った。  事業所が外国人を雇う理由(複数回答)は「労働力不足の解消・緩和」が64・8%と最も多く、雇用上の課題では、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が44・8%と突出していた。  外国人労働者を巡っては、在留資格別の人数を把握できる統計などはこれまでにもあったが、サンプル数も少なく、労働実態が適切に把握できていないとして、今回の初調査が行われた。厚労省は今後も毎年1回、調査を続ける方針だ。 ただ、調査結果を政策にしっかりと反映させ、外国人労働者を手厚く保護しなければ、「お飾り調査」に終わってしまいかねない。新たな「育成就労制度」が始まる際、海外から「選ばれる国」にはなるためにも、政府の今後の政策が注目される。

北九州小倉の中学生殺傷事件 平原容疑者逮捕も精神鑑定で実態解明は長期化か
北九州小倉の中学生殺傷事件 平原容疑者逮捕も精神鑑定で実態解明は長期化か

 北九州小倉南区のファーストフード店で中学生の男女2人が殺傷された事件で、男子生徒への殺人未遂容疑で無職平原政徳容疑者(43)が逮捕されてから10日が過ぎた。同容疑者は「その行為をした」と容疑を認めているものの、2人との接点は見つかっておらず、動機は明らかになっていない。県警は2025年の新年早々、20日勾留満期をめどに女子生徒への殺人容疑で再逮捕に踏み切る方針だが、起訴に向けては鑑定留置の実施が濃厚とみられ、動機や犯行経緯の解明は長期化の様相を呈している。 ▼騒音で苦情  2024年12月14日夜、平穏なはずのファーストフード店で女子生徒の命が絶たれ、男子生徒が重傷を負った前代未聞の凶悪事件。 平原容疑者は現場近くの一軒家に住んでおり、近隣住民が騒音などで警察に複数回にわたり苦情を訴えていたことや、大量の刃物を所持していたことが判明している。奇行も発覚し、これだけの刃物を所持していたのだから、本来は警察が自傷や他害行為の恐れがあるとして、精神保健福祉法に基づき、保健所に通報していてもおかしくはないレベルだ。 福岡県警小倉南署に設置された捜査本部の発表などによると、平原容疑者が騒音トラブルなどで警察に通報されたのは、同年5月と10月と2回あった。平原容疑者の大声を注意した住民が怒鳴り返されるなどしており、警察の当時の対応が適切だったかの検証も今後は必要になるだろう。 ▼取り調べで激昂  福岡県警は防犯カメラの追跡捜査などを重ね、事件発生から5日後の19日に平原容疑者の逮捕に踏み切った。捜査関係者らによると、調べに対し、犯行自体は認めているものの、動機や経緯に関する追及には激昂するなど、膠着状態が続いているという。  捜査本部は現時点では無差別殺傷事件とみているが、過去に無差別殺傷事件で逮捕・起訴された犯罪者のケースを考えると、精神鑑定を行うために鑑定留置となる可能性が高い。  鑑定留置は3か月から1年近い期間を要する恐れもあるため、起訴して公開の法廷で裁かれるまでには、年単位の期間がかかるとみられる。裁判員裁判で裁かれることもあり、検察も慎重な対応を取らざるをえないため、鑑定留置の実施はやむをえないだろう。 ▼被害者遺族に寄り添って ただ、何の落ち度もないのに、突如明るい未来が絶たれた女子生徒や重傷を負った男子生徒を思うと、実態解明や厳罰が下される時期は早いに越したことはないはずだ。さらに、起訴にこぎつけたとしても、平原容疑者側が裁判で心神耗弱や心神喪失を訴え、減刑や無罪を主張する可能性もある。警察・検察には、厳格な姿勢で捜査や裁判に臨み、被害者遺族にも寄り添った対応が必至となる。

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2025.01.05

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