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アマゾンの配達員に「労災」 業務委託も「労働者」と判断
アマゾンの配達員に「労災」 業務委託も「労働者」と判断

 ネット通販大手「アマゾンジャパン」の商品配達業務中に負傷した個人事業主の男性(49)が、宮崎労働基準監督署から労災認定を受けていたことがわかった。男性は、アマゾンの配送を担う運送会社と業務委託契約を結んでいたが、同社の指示を受けて働いていた配達の実態から、同社の指揮系統にある「労働者」に当たると判断された。労基署による認定は2月28日。 ▼労災は2例目  アマゾンの配達員らから労働問題について相談を受けている「アマゾン労働者弁護団」が19日、宮崎県と東京都内の2か所で記者会見を開き、明らかにした。 会社と雇用関係のない個人事業主は、原則で労災の対象外となっている。同弁護団によると、アマゾン配達員を巡り、労災が認められるのは2023年9月の横須賀労基署のケースに続き2例目。配達員の労働環境や待遇面の改善に期待がかかる。  弁護団などによると、男性は2024年3月、宮崎県の集合住宅で配達中、階段で転倒して左上半身を強打。肋骨を折るなど全治約5か月の重傷を負い、約半年にわたり休業した。  男性はアマゾンが配布していたアプリを使って仕事に従事し、配送会社から勤務日時を指定されるなどしていたことから、運送会社の指揮監督を受けて配送業務にあたっていた実態を踏まえ、「労働基準法上の労働者に該当し、労災が認められるべき」として労災を申請。宮崎労基署が労働者にあたると判断し、負傷後の同年3月から6月まで102日分の休業補償について認めたという。  会見にオンラインで参加した男性は「同じような境遇の配達員の労働環境の改善につながればいい」などと話した。 ▼相談は50件  同弁護団は、横須賀労基署に続いて宮崎労基署でもアマゾン配達員の労災が認められたことについて、「普遍的な判断がなされた」 などと歓迎している。一方で、同弁護団にはアマゾン配達員から50件ほどの相談が寄せられているといい、労災認定が「2件」が少ないのも明らかで、全国の労働局が統一的な判断をしているかは不透明で、今後の動向が注目される。

ロシアの作曲家ムソルグスキーの「キエフの大門」が「キーウの大門」に変わった
ロシアの作曲家ムソルグスキーの「キエフの大門」が「キーウの大門」に変わった

ムソルグスキーと東郷平八郎の奇妙な共通点 名曲「キエフの大門」と「日本海海戦」 (写真 上:ムソルグスキー、下:東郷平八郎)  ロシアによるウクライナ侵攻がいまだに続くなか、ロシアの作曲家ムソルグスキー(1839~81年)の組曲「展覧会の絵」(作曲1874年)を構成する曲の1つである「キエフの大門」が注目されている。攻撃を受けるウクライナの首都の名が刻まれた楽曲には、ムソルグスキーが、前年に亡くなった友人で建築家のガルトマンが残したスケッチや水彩画などの遺作展に触発されて書き上げたといわれている。  この名作は、前奏や間奏の役割を果たす「プロムナード」と「古城」など10の標題を持つ曲で構成されるピアノ組曲だが、バレエ曲「ボレロ」などで知られる作曲家、ラベルのオーケストラ編曲でも有名である。その「展覧会の絵」が2025年3月9日のNHKのEテレで、N響第2026回定期公演(2024年12月5日サントリーホール)の収録画像として放送された。この録画放送は「ラベル版」で流されている。放送中の「キエフの大門」は「キーウの大門」と“改定”されていた。日本政府が、≪軍事侵攻している側のロシア語に基づき適切ではないという指摘があることも踏まえ、今後、各省庁が作成する資料などでは、ウクライナ語に沿った「キーウ」に改める≫と発表しており、NHKや読売新聞などは「キーウ」と表記しているから当然であろう。ただしこの放送はニュース番組ではない。この場合、現代に不適切な表現があったとしても「原作のオリジナリティーを尊重し…」というクレジットを入れるのが常だ。  ムソルグスキーはウクライナ人ではない。ウクライナを小ロシア、ベラルーシを白ロシアと呼称していた帝政ロシアの人だ。しかもロシア民謡の伝統に忠実な姿勢をとり、ロシアの史実や現実生活を題材とした歌劇や諷刺歌曲を書いている。この作風を尊重すれば「キエフの大門」としたうえで、「オリジナリティーを尊重して」のクレジットを入れるべきだったのではないか。  ところでその同じNHKで、司馬遼太郎の代表作の1つ「坂の上の雲」が再放送されていた。最終章は「日本海海戦」。この海戦で日本の連合艦隊の被害は水雷艇3隻だったのに対し、当時世界最強と謳われた帝政ロシアのバルチック艦隊はほぼ全滅した。英国の記者は、この歴史的大勝に、「白人1強の時代は終わった」とまで述べたが、日露戦争の部分だけでも在日ウクライナ難民の人に向けてウクライナ語で放送できなかったか。日本の若者は海外では広く知られる連合艦隊司令長官・東郷平八郎を知らない。日本の歴史教科書は、李氏朝鮮時代、朝鮮に侵攻した豊臣秀吉の水軍を破った「李舜臣」将軍に1ページを割くが、東郷平八郎はページ欄外に1行その名が出てくるだけだそうだ。日本的解釈では、世界的大提督である東郷も単なる「戦争屋」に過ぎないからだろう。  

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2025.03.22

女子をやめたワークマンはテレビCMもやめている
女子をやめたワークマンはテレビCMもやめている

時代の空気を読んでいるね、ワークマン (写真 ワークマン公式HPより)   ワークマンが5年前に始めた「#ワークマン女子」の看板を下ろした。同社は2024年夏に「来春までにワークマン女子30店を出店!!」と、拡大戦略を鮮明にしていたが、最近では、既存店の売上高が前年割れするようになり、代わりに展開し出したのが「ワークマンカラーズ」だ。ワークマン女子でも男性服は売っていたのだが、「女子」という看板の店に男性は入りにくい。実際、銀座の店舗では、ワークマン女子とほぼ品ぞろえが同じなのに「ワークマンカラーズ」に看板替えをした途端、男性客が来店するようになり、売上高が2割増になった。今後「カラーズ」を地方のロードサイド中心に出店し、今年11月までに53店舗、32年までに400店舗まで拡大させる方針だという。実はワークマンは4年前の21年3月にテレビCMからも完全撤退している。浮いたCM資金を活用する形で、SNSのインフルエンサーを活用した「アンバサダーマーケティング」採用や新商品の展示会予算を強化した。浜屋理沙さん、通称「サリーさん」(42)は、ワークマンが公式に選んだ「ワークマンアンバサダー」として活動している。自身のYouTubeチャンネルでワークマンの新商品を紹介するのだが、サリーさんは、ワークマンファンの世界では超が付くほどの有名人で、何と23年5月にはインフルエンサーとしては異例の同社社外取締役に就任した。ワークマンアンバサダーはサリーさんを含め現在約50人(3月7日時点)いる。各SNSでの総フォロワー数は約920万人にも上る。  フジテレビはスポンサーのCM離れで業績悪化が指摘されているが、CM離れは同局に限った話ではないようだ。  

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2025.03.21

“馬糞の川流れ”と化した「G20」すでに存在意義なし?
“馬糞の川流れ”と化した「G20」すでに存在意義なし?

なんともむなしい限り、G20 薄れるばかりの存在感    2月26日、南アフリカのケープタウンで開幕されたG20財務相・中央銀行総裁会議には、アメリカなど主要国閣僚が欠席した。すでにG7からオブザーバー格だったBRICSのロシアが外され、ついで中国も遠ざけられ、G7は観光を兼ねたような恒例行事になった。G20は米国、日本に加えて仏、英、独、伊、加のG7と欧州連合(EU)代表が入る。これに、新興11カ国、BRICSの5カ国=ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)とアルゼンチン、オーストラリア、インドネシア、メキシコ、韓国、サウジアラビア、トルコが加わり、1999年より20カ国によって地域財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されてきた。国際通貨基金や世界銀行、国際エネルギー機関、欧州中央銀行など、関係する国際機関も参加しているが、仲間を増やし、国連にかわる中核的機構に押し上げようとしてきたG20も、形骸化が激しく、とくにインド、トルコ、オーストラリアの間で意見がまとまるはずもない。  南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は開幕演説で、「世界的に不確実性が高まり、緊張が激化している今、G20の協力はこれまで以上に重要だ。多国間主義の衰退は世界的な成長と安定への脅威だ」と述べた。が、トランプ政権はDEI(包括性)撲滅路線だから、南アが黒人を優遇し、白人を差別したなどと批判を強めている。G20外相会合に続き、今回の財務相会合でも米国の閣僚は出席しなかった。日本も副大臣を派遣したもののカナダも閣僚の出席を見合わせ、EUも閣僚級は現地訪問をとりやめた。そればかりかインドや中国、ブラジル、メキシコなども閣僚を派遣しなかった。こうなるともはや「G20、馬糞の川流れ」になりつつあるのかもしれない。  

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2025.03.20

失業者増大の中国で、ロボット労働者がそれに追い打ち、職を奪う
失業者増大の中国で、ロボット労働者がそれに追い打ち、職を奪う

ああ、無情!AIロボットドクターによる診察を受ける〝失業者〟たち(涙) (写真 ハンギョレ新聞より引用)  世界一のロボット生産国の中国は、経済減速が避けられず、習近平政権は、労働力不足とコスト削減の切り札としてロボット化を急速に進めている。そしてついにロボット医師まで登場した。ダヴィンチのように人間の医師が操作するのではなく、患者と話し、診療行為をするロボットだ。その背景には、中国では人口減少と高齢化が急速に進んでおり、そのため個人消費にも陰りが見えてきたことが挙げられる。こうした状況を打開しようと、様々な業界でロボット化が進み始めているのである。例えば、世界最大の生産量を誇る電気自動車(EV)業界においても、コスト削減と効率アップの切り札として登場しているのがロボット作業員だ。これも日本でよく見かけるロボットアームではなく、自前で仕分けや組み立てを共同して行うロボット労働者が主役となっているのである。電気自動車工場より驚くのは、AIロボット医師が診療をする世界初のAI病院が稼働し、人気を博していることだ。このAI病院、何がすぐれているかというと、まず、患者に丁寧に向き合ってくれ、時間的制約もなく、診断も人間の医師より正確と評判を呼んでいることだ。中国では人間の出番は減少する一方で、ますます失業者を抱えることになるのではないか。  

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2025.03.19

疲労回復パジャマ 売れ行き上々
疲労回復パジャマ 売れ行き上々

独自の発想が功を奏した、疲労回復パジャマ、その名も「BAKUNE(バクネ)」 (写真 文中商品とは何の関係もありません)  2月28日、疲労回復パジャマ「BAKUNE(バクネ)」で知られるTENTIAL(テンシャル)が、東京証券取引所のグロース市場に上場した。テンシャル社は、「コンディショニングを日常生活に簡単に取り入れること」を目的とするブランド「テンシャル」を運営し、テンシャルブランドの商品を企画・開発・販売する「コンディショニングブランド事業」を行っている。同ブランドは、健康維持とコンディショニングにおいて重要とされる「休養(睡眠)」「運動」「食事」の中で、特に「休養(睡眠)」にフォーカスした商品開発とブランド認知度向上に努めており、2024年末時点で100を超える品目数(サイズ違い及び色違いを考慮しない集計)の商品を展開している。なかでも、着用時の睡眠の質を向上させることを目的とした機能性ナイトウェア「バクネ」が、24年第1シーズン売上高の8割超を占める主力商品となっている。従来、睡眠の質を向上させるというコンセプトの商品には枕や布団などが多かったが、パジャマをはじめとするナイトウェアに機能を持たせた点に独自性がある。「バクネ」のヒットの背景は大きく3つある。まず、自社EC(電子商取引)やECモール、直営店、卸売、その他の5種類の自社販売チャネルで売り上げの70%を販売していること。次にネットを通じて簡単に商品を購入できるようにすると同時に、リアル店舗において試着することにより、機能性や着用感を確認できる環境を提供するなど、いわゆるオムニチャネル展開を行っていること。このうちテンシャルが自ら販売を行うチャネルは自社ECと直営店で、合わせると24年第1シーズンで65.9%を占める。その結果、粗利率も約7割と付加価値の高い収益構造になっている。第3の要因は、顧客の声を分析してデータドリブンで改善を続けたことだ。自社のチャネルを通じて顧客の声を集め、その都度バクネは何十回も改良を重ねた。チクチクして気になるという意見からタグの位置を変えたり、着心地をより良くするためにウエスト周りのゴムを変えたり、素材や色のバリエーションを増やしたりしたのだ。テンシャル社は、川上から川下まで会社がしつこく関与することで、顧客の声を商品企画にすみやかに反映することを可能にした。これが同社の強みとなった。  

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2025.03.18

「インネパ」と「牛丼屋カレー」に挟撃される「ココイチ」
「インネパ」と「牛丼屋カレー」に挟撃される「ココイチ」

ココイチ包囲網、牛丼カレーとインネパによる挟撃作戦 まるでミッドウエイ海戦さながら 都会で勃発、カレー戦争 (写真 Wikipediaより)  カレーチェーンとして国内で最も多い店舗数を誇る専門チェーン「CoCo壱番屋」(ココイチ)に再び客離れの変調が到来した。運営会社の「壱番屋」の25年2月期第3四半期決算によれば、客数(9~11月)は前年同期比で4.9%の減少だった。壱番屋は、2022年6月と同年12月に段階的にメニュー価格の値上げを実施して、主力メニューの一つ「ポークカレー」を514円から591円に値上げしたが、その際大きく客数を減らすことはなかった。しかし24年8月に3度目の値上げを実施してポークカレーの価格を646円にすると、客入りが鈍り始める。壱番屋の担当者は「デリバリーの減少やテイクアウトの落ち込みなどが理由」と説明した上で、「価格改定の影響はないとは言い切れない」と価格改定の影響を認めている。カレー以外のトッピング50種類のうち45種類が平均13.5%の値上げとなり、トッピングとカレーを合わせるとさらに値段は高くなった。もはや貧乏人は“素カレー”を頼むしかない。「壱番屋」は24年2月期決算において前期比30.5%増の約47億円の営業利益を上げており、値上げの影響を比較的受けない企業だった。牛丼チェーンのカレーへの参入で群雄割拠の状態が続いているにもかかわらず、「値上げされても行く店」として消費者の評価は高かったのだ。  牛丼大手の松屋は1980年代からカレーメニューを始めているし、近年では別ブランドとして「マイカリー食堂」の数を増やしている。特に「松屋」や「とんかつの松のや」との複合型店舗の出店に意欲を見せており、1つの店舗に行けばカレーも牛丼も選べるというファミリー向けの店に変わりつつある、しかも「マイカリー食堂」のプレーンカレーは税込530円で、ココイチとは100円ほど安い。松屋だけでなく、すき家や吉野家もカレーはそれぞれ税込490円と税込465円。ココイチにとっては手強いライバルだ。  牛丼チェーン以上に追い討ちをかけるのが、いわゆる「インネパ」(主にネパール人が営むインドカレー屋の総称)だ。東京や大阪といった大都市圏だけでなく、地方のショッピングモールのフードコートなどでもインネパは増加しているが、その数の多さと圧倒的な安さで、単一チェーンではないもののあたかもチェーン店のように全国に増殖している。  このようにカレー業界はシビアな価格競争の真っただ中にあり、「ココイチ」は大衆的な店としてのポジションを取りづらくなっている。では高級店に移行するのか。実は「CoCo壱番屋」の決算説明会資料(25年2月期中間決算)には、マーケティング戦略の1つとして「高付加価値の商品提案」という文言が掲載されている。「インネパ」と「牛丼屋カレー」に挟撃される「ココイチ」は高級路線に舵を切るのか。その場合「ココイチファン」は値上げに耐えられるのか。注目である。  

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2025.03.17

違法なオンラインカジノ 経験者は337万人の集計 警察庁調査 借金きっかけも
違法なオンラインカジノ 経験者は337万人の集計 警察庁調査 借金きっかけも

 違法なオンラインカジノの経験者が国内で約337万人に上り、年間の賭け金は総額約1兆2400億円と推計されることが、警察庁の初の実態調査でわかった。経験者の大半が、安易に始めてしまったオンラインカジノをきっかけに借金に陥っており、深刻な依存症リスクも明らかになっている。 日本ではそもそも、金銭を賭ける行為は形式的には刑法の「賭博罪」にあたる。日本では、競輪や競馬など国が認めた公営ギャンブル以外での賭け事が禁じられているためだ。海外で合法的に運営されているカジノサイトでも、日本国内からアクセスして賭ければ罪に問われる可能性があり、「単純賭博罪」では50万円以下の罰金、賭け事を繰り返す「常習賭博罪」では3年以下の懲役が科される。 ただ、海外のサイトには、スマホやパソコンを通じて容易にアクセスできることもあり、違法と知らずに関わる人は後を絶たず、経験者の約4割は違法性を認識していなかったとされる。 ▼年間の賭け金は平均63万円 最近では、若者がオンラインカジノに手を染めて摘発されているほか、スポーツ選手やお笑い芸人ら有名人が活動自粛に追い込まれるケースも相次いで発覚した。オンラインカジノが国内で蔓延している深刻な事態を踏まえ、警察庁は昨年7月以降、全国の15~79歳を対象に初の実態調査に乗り出した。 調査の結果、回答した約2万7000人のうち、オンラインカジノの経験者は942人(約3・5%)で、現在の利用者は550人(約2%)に上った。人口比から推計した利用者数は約196万7000人で、経験者は約336万9000人とされた。  500人を抽出した調査では、年間の賭け金の平均額が約63万円で、賭け金総額は約1兆2423億円と推計された。  調査では、カジノが借金を招いている実態も浮き彫りになった。経験者のうち46%はカジノに絡む形で消費者金融や知人から借金をしたことがあったと回答。そのうち6割の人が「ギャンブル依存症」の自覚があったといい、特に10~30歳代で目立った。さらに、広告に登場する有名人らの影響でカジノを始めたという経験者は約2割に上ったため、警察当局は、海外の合法なサイトとはいえ、広告塔になっている著名人らを通じて注意を促したい考えだ。 ▼海外サイト遮断を オンラインカジノが国内で拡大している背景にあるのが、カジノ運営事業者と連携して賭け金の決裁を代行する国内業者が横行していることだ。警察当局は今後、代行業者の摘発も強化する方針だ。 ただ、いくら摘発を強化しても、安易にカジノサイトにアクセスできる現状を改善しないことには、根本的な解決にならないのは言うまでもない。日本国内から違法なサイトへのアクセスを遮断するため、政府には今後、海外当局にも働きかけて日本向けのサービスを停止させなど、厳格な対処が求められる。

3800億円で西友買収 九州の“コンピュータ付き川筋者”「トライアル」の東京侵攻作戦
3800億円で西友買収 九州の“コンピュータ付き川筋者”「トライアル」の東京侵攻作戦

地方が首都圏を飲み込んでいく。流通業界、下剋上の時代が始まった! (写真 トライアルホールディングHPより)  3月5日、ディスカウントストア「トライアル」を運営するトライアルホールディングス(HD)が、老舗総合スーパー「西友」を買収すると発表した。買収額は3826億円で、米投資ファンドKKRなどから7月1日までに西友の全株式を取得する予定だ。単純計算で両社の売上げは、1兆2000億円を超え、小売業では、セブン&アイHD、イオン、ファースト・リテイリング(ユニクロ)、パン・パシフィックHD(ドンキ)、ヤマダHDに次ぐ第6位に躍り出る。スーパー業態ではセブン、イオンに次ぐ第3位企業の誕生となる。  九州を中心に全国に店舗を拡大させてきたトライアルは、地方を中心に343店舗を構えるものの都内には1店舗もなく、首都圏の強化は喫緊の課題と言える。一方の西友は関東地方を中心に242店舗を構え、都心の主要駅など好立地の店舗が多い。立地的にはこの2社は補完関係にあり、特にトライアルからすれば首都圏進出の足がかりとなり、万々歳にみえるが、落ちぶれたとはいえ大店の娘が、福岡の“コンピュータ付き川筋者”に嫁ぐようなものだとの見方をする向きもある。  トライアルの発祥は、1974年に福岡市で創業したリサイクル店だ。80年代にPOSシステム開発などIT分野に進出し、そのシステムを武器にして1992年、現在HDの代表取締役会長である永田久男が小売業に参入した。永田会長が家業の小さな町の電器店を継ぎ、東証への上場(昨年3月)を果たすまで成長した巨大小売業を育て上げたことは、山口県の小さな洋品店を継ぎ、ユニクロ(ファーストリテイリング)に成長させた柳井正取締役会長兼社長の相似形といえるかもしれない。来店客層についても年齢層は、若年から高齢層まで幅広い。九州都市の中心部にある深夜営業店などでは、日本国内で就労する外国人の来店が多い。そのあたりはドンキ店と似ている。同社は永田会長が名付けた「リテールテック(流通情報企業)」で流通産業に革命を起こした先進企業として名高い。例えば、商品をかごに入れる際、会計に必要なバーコードを客が読み取るという「タブレット付き買い物カート(スマートカート)」はその代表例だ。このカートを使うことによって、単にレジ待ちがなくなるだけでなく、店内で何をどういう順番で買ったかといったデータが得られるほか、目の前のタブレットに店舗内の適切なタイミングで広告を流したり、クーポンを配布したりすることもできる。このシステムを開発したのが、永田会長の子息であり、HDの永田洋幸取締役だ。永田取締役は創業者の子息で、米コロラド州立大学を経て、2009年中国・北京にて小売企業向けコンサルティング会社や11年には米シリコンバレーにてビッグデータ分析会社を起業した。15年トライアルグループのCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)に従事し、シード投資や経営支援を実施した。18年より現職。九州大学工学部非常勤講師を務めるほどのIT専門家だ。 元バンカーが大ナタを振るった、その結果…  そしてもう一人、HDの代表取締役社長、亀田晃一は、富士銀行(現:みずほ銀行)から永田会長にスカウトされ08年にトライアルカンパニー(HD傘下の店舗展開、運営会社)に入社すると倒産が噂された同社の業績改善に尽力し、積極出店を続けるなかで、有利子負債のカットにも成功する。また自己資本も手厚くするなど財務の強化に加えて、売上高も伸び、倒産の二文字を打ち消した功労者だ。トライアルカンパニーは積極的にM&Aに打って出て、九州地盤の寿屋やニコニコ堂、オサダ、カウボーイの株式30%をゴールドマンサックス社から買収(2010年1月に吸収合併)するなど居抜き出店などを駆使して急伸した。ただ当時から離職率はかなり高く、ボーナスはないに等しく、残業代なし、昇給は少額で、売り上げノルマが未達成の店長には容赦ないなどブラック企業視される一面もある。各店の店長が若いことも特徴のひとつ。40歳以上の店長は皆無であり、35歳前後でエリアマネージャーやバイヤーになる。経験の浅い店長でも店舗運営ができるようオペレーションが整備されていることも大きいが、その分給料は安く、それを理由に転職希望者は多い。この企業体質が西友の経営風土と合うかどうかが、東京侵攻作戦のカギとなろう。同社およびグループ会社には、国内外の投資家からの資金誘導が不可欠であるために10年ごろから上場を視野に入れ動いてきたが、それが14年も経ってやっと上場に漕ぎつけたのはなぜか。上場の実質審査基準には、「企業の存続性」「健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立」「企業の信頼性」「企業内容等の開示の適性性」などが問われるが、どこかでクリアできない部分があったからだ。上場の障害になったのは10年4月に起きた万引き事件だ。1377円相当の商品を万引きした男性に、「お前がやった1年間の万引きの被害総額は109万円だ」などと迫って現金50万円を脅し取ったとして、岡山県警は、「スーパー・トライアル倉敷店」(岡山県倉敷市玉島)の店長や保安員ら3人を恐喝容疑で逮捕した。トライアルの定めた万引き防止・対処マニュアルには、過去の被害額を請求することは定められておらず3人はマニュアルを逸脱していたが、同県警は本社を家宅捜索している。その翌日、どの店舗にも事件の説明やお詫びの張り紙はなかった。しかも事件後しばらくしてこの倉敷店の事件の釈明文は同社のホームページから削除された。この辺りの同社のコンプラが上場基準に抵触したのかもしれない。  同社は首都圏攻略の青写真をどう描いているのだろうか。同社はイオンの「まいばすけっと」のような小型店「TRIAL GO」を擁している「GO」は都市部で展開する面積1000㎡以下の小型店で、顔認証などによる無人レジを始め、徹底的に自動化・省力化を図った店舗だ。近接する大型店から作り立ての総菜や弁当を「GO」に配送する方式を採っており、首都圏の西友の周辺に「GO」を出店する方針を明らかにしている。福岡では「GO」はコンビニキラーと呼ばれ、出店した近接のコンビニの売り上げが激減する事象も起きたという。西友はセゾングループ解体後、米ウォルマートや米投資ファンドKKRと楽天などが経営権を取得し再建に取り組んできたが、世界のウォルを以てしても再建はできなかった。西友は“コンピュータ付き川筋者”の気質に耐えられるか。  

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2025.03.16

再審制度見直し 実現するのか 28日に諮問へ
再審制度見直し 実現するのか 28日に諮問へ

 刑事裁判をやり直す再審制度は改正されるのか――。再審制度の見直しに向け、鈴木馨祐法務大臣が、刑事訴訟法の改正について3月28日開催の法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方針を決めた。14日の閣議後記者会見で表明した。法制審では、再審請求審における証拠開示のあり方や、再審開始決定に対する検察の不服申し立て制限、請求審での裁判官忌避申し立てが主な論点になる見通しだ。改正が実現すれば、1948年に制定された現行刑事訴訟法で、再審の関連規定が初めて見直されることになり、法曹関係者の関心は高まっている。 ▼審理長期化 再審制度では、審理の長期化がかねてから問題となっていた。 静岡県一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)を巡っては昨年10月、逮捕から58年と異例の長期間を経て再審無罪判決が確定している。重要な証拠の開示まで最初の再審請求から30年近くかかり、審理の長期化や規定の不備が顕在化し、証拠開示の義務化など法改正を求める意見が日本弁護士連合会から出ていた。 法務省は従来から、通常の裁判と異なる再審制度において、証拠開示の義務化を含めた改正に慎重な姿勢を貫いてきた。ある法務検察幹部は「1審地裁、2審高裁、最高裁と3段階の審査を踏んで有罪になったにも関わらず、再審でも証拠を全て開示せよというのは、実質的に3審制ではなく『4審制』にしろと言っているようなもので、非現実的だ」と拒否感をあらわにする。 だが、袴田さんのケースに加え、他の事件でも再審開始が決まり、見直しに慎重だった法務省も方針転換を余儀なくされ、法制審への諮問方針が決まった形だ。ただ、法務省は法改正ありきで議論するつもりではなく、改正の要否も含めた協議を想定しているとされる。 ▼超党派議連も議員立法で改正目指す 再審制度の見直し巡っては、超党派の国会議員連盟(会長=柴山昌彦衆院議員)も、議員立法による刑事訴訟法の改正案を検討中だ。議連は1月に刑事訴訟法改正案を公表後、2月には、冤罪被害者を法制審のメンバーに入れるよう鈴木法相に求めるなど活動を本格化。今国会に改正法の提出・成立を目指しているという。 議連が公表した改正案には、再審請求者側から開示請求が出た場合、裁判所が原則として検察に開示を命じるよう義務化。再審開始決定に対する検察側による不服申し立てを禁止する内容などが盛り込まれている。 法務省が所管法律の改正を検討する場合、まずは法制審に諮問した後の答申を踏まえて改正案を国会に提出し、国会議員が議論するのが通常の流れだ。今回は、議連も独自に刑訴法改正案を国会に出す方針という異例の展開をみせており、今後の行方が注目される。  再審を巡っては、100人以上いる確定死刑囚の大半が再審請求中だが、何度も同じ理由で再審請求を繰り返すなど死刑の執行逃れが目的とみられるケースも少なくない。法制審では、再審請求の現状についても検証し、本当に見直しが必要なのかも含めた丁寧な議論が求められる。

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