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タイミーvsメルカリ 2社はズブズブの関係
タイミーvsメルカリ 2社はズブズブの関係

出来レースか、談合か、はたまたなれ合いか、何でもありのスキマバイトもといスポットワーク業界は奇々怪々 (写真 本社が入居する汐留シティセンター Wikipediaより)  タイミーにメルカリハロ、シェアフルにスポットバイトルなど、スキマバイト(スポットワーク)を巡る競争が過熱ぎみだ。なかでもタイミーvsメルカリは2強と言えるライバルだが、実は人脈が丸かぶりの間柄だ。  2月26日メルカリが展開するスキマバイト「メルカリ ハロ」は、登録者数が1000万人を突破したと発表した。業界最大手のタイミーは一足早く24年1月に累計登録ワーカー数1000万人突破を発表している。2016年にサービスを開始したタイミーに対して、「メルカリ ハロ」は24年3月のサービス開始から約1年という早さで1000万人を獲得したことになる。「メルカリ ハロ」の強みは、メルカリの会員であれば、簡単にユーザー登録できるため会員が利用するケースは多いと推測される(具体的な人数は開示していない)ことだ。  ところで競合する両方の社外取締役に、元マッキンゼーでDeNA創業者の1人である渡辺雅之氏が、同時就任していた利益相反の疑惑が発覚したことがある。「メルカリ ハロ」のローンチ発表が23年11月のことで、渡辺氏のメルカリ社外取締役の就任が22年9月の総会。再任が23年の9月だ。タイミーの社外取締役への就任は、21年の8月。競合事業のプランがあると渡辺氏が知らないうちに就任して、その後、急遽、新規事業として持ち上がったとすれば、ギリギリ辻褄は合うが、杜撰な社外取締役の人事であることに異論を差し挟む余地はなく、両社には「会社法違反」疑惑がくすぶっていた。結局渡辺氏はメルカリ社の社外取は退任し、タイミーは24年6月21日付で東証グロース市場への上場が承認された。つまりこの問題は不問に付された格好だが、渡辺氏が両者の社外取締役に就いた舞台裏を覗いてみよう。  渡辺氏と南場智子氏とは、DeNAの共同創業者として、いまも深い関係が保たれている。DeNA関係者によれば、南場氏から渡辺氏に、「タイミーというスタートアップ企業の小川嶺(りょう)と仲が良いのだが、社外取締役になってほしいと懇願されたもののまだ現役の経営者だから直接手伝うわけにはいかない。だから『ナベが行け』と言われ、渡辺氏は、『わかりました』と二つ返事でタイミーの社外取締役を引き受けた。その後、小川社長に会いに行き、『さすが南場の見込んだ人物だ』と感心しタイミーへの経営参加を決めた」というのが、タイミー社外取就任のいきさつだ。  その一方で渡辺氏は、メルカリ創業者で現代表の山田進太郎CEOとも親しい。そもそもの出会いは、山田氏が「Zynga Japan」を辞めた12年に世界一周をしていたときに、ロンドンでDeNA創業者の一人川田尚吾氏から紹介してもらい、無理やり会わされたのがきっかけだ。以来、何度か飲みに行き仲良くなって、渡辺氏は山田氏に『Quipper』入社を誘ったが断られた。「現在も2人の関係は続いている。当時の渡辺氏は、タイミーとメルカリでは業種も被らないし、両社には地道にマーケットを創り上げていくという共通点もある」と判断したから両社の社外取就任を承諾した」(前出・DeNA関係者)ついでに言えば、タイミーは21年10月、DeNAの守安功前社長兼CEOを取締役COOとして招聘すると発表し業界内外を驚かせた。これもDeNA創業当時からの盟友である渡辺氏の紹介からだ。だが、守安COOは22年3月31日、コンプライアンス規定違反を理由に解任された。解任理由は、タイミー女性社員へのセクハラ行為だったことが週刊誌の取材で判明している。3月24日、リクルートは24年秋に開始予定としていたスポットワークサービス「タウンワークスキマ(仮称)」について開発を中止すると発表した。なぜだろうか。かつて隆盛を誇った「日雇い派遣」は、12年の労働者派遣法改正によって原則禁止となった。同じようなサービスなのにスキマバイトと日雇い派遣とでは一体何がどう異なるのかというと大きく2つある。1つは雇用主が誰か。もう1つは規制を受ける法令で、グッドウィルは法令違反が問題視され潰された。  日雇いは禁止されたのに、なぜスキマバイトやスポットワークだとОKなのか? それは横文字だからは冗談だが、「就業先で直接雇用する職業紹介は問題ない」という見解がお上から示されたためだ。事業が生きるか死ぬかは、お上の胸三寸…リクルートのDNAは、それを恐れたのかも知れない。

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2025.03.30

ヨーカ堂撤退に地元は怨嗟の声“反社?”と化したセブン&アイに明日は来るのか
ヨーカ堂撤退に地元は怨嗟の声“反社?”と化したセブン&アイに明日は来るのか

いまや〝反社〟あつかいとなってしまった、イトーヨーカ堂、そして、セブン&アイ 今そこにある危機をどのように乗り越えるか (写真 アリマンタシォン・クシュタール社 Wikipediaより)  カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール(ACT)」からの買収提案(24年8月)に揺れるセブン&アイホールディングス(以下:セブン)は3月6日、井阪隆一社長が退任し、後任にスティーブン・デイカス氏が就任すると発表した。セブンは、米国のコンビニ事業の大幅減益などを受け、2024年8月初旬に株価は一時1600円台まで急落した。こうした中1株あたり18.19ドル(約2700円)、総額7兆円規模の買収提案を持ちかけたのがACT社だったが、この買収提案に対抗するため、井阪氏はセブンの大株主である創業家と連携してMBO(経営陣等による自社買収)による非公開化を模索した。総額8~9兆円規模になる日本最大のM&A案だったが、2月末にMBOへの約1兆円の出資を検討していた伊藤忠商事が中止を表明し、これを合図に構想は瓦解した。デイカス次期社長は、ファーストリテイリングやウォルマートを経て、西友のCEOを務めてきた“プロ経営者”。海外事業の経営や財務に詳しいデイカス氏を社長に据えたことで、セブンの将来は海外展開の強化を図るという構図が見えてくる。ただし新社長となるデイカス氏は、指名委員会(セブン取締役会の諮問機関、委員長および過半数の委員を独立社外取締役としている)委員長から退いたものの委員会のメンバーとして残った。これは経産省が23年に公表した「М&Aのガイドラインの趣旨から逸脱している」との指摘も出ており、ACT社や5月の株主総会で問題視される可能性がある。  ACT社は日本でも馴染みがあった「サークルK」や「クシュタール」などを展開し、29カ国に約1万7000店舗を持つグローバル企業だが、店舗の7割以上がガソリンスタンド併設型で、売上の大部分も燃料関連が占めるという日本のコンビニとは似て非なる存在だ。したがって日本のコンビニの持つ“社会インフラ”としての機能が棄損されないかという疑問やまた店ごとにオーナーがおり、店ごとの雇用・生活が守られるのかという問題も残る。3月6日の社長交代会見では、セブンの企業価値を高めるための新たな施策も発表された。そのポイントは3つ。まずコンビニ事業を強化するため、事業の整理を行う方針が示された。北米でセブンイレブンを運営する「セブン-イレブン・インク」を26年下半期までに米国の株式市場に上場させること。その場合、少なくとも兆円単位の資金調達が可能ともいわれている。ただし米セブン社長のジョゼフ・デピント氏がセブンの取締役を突如、辞任し、「ACT社に寝返るのではないか」という衝撃も走っている。また日米をまたぐ親子上場を米金融当局がすんなりと認めるかどうか。  次に傘下のイトーヨーカ堂やデニーズ、ロフトなどの事業を束ねる中間持ち株会社「ヨーク・ホールディングス」の株式を米国の投資ファンド「ベインキャピタル」に約8000億円で売却することも発表された。さらにセブン銀行も、株式の保有比率を40%未満に引き下げるなどコンビニ事業へ集中する姿勢を明確にした。問題は米国ではセブンイレブンとクシュタールが、コンビニ店舗数1位と2位企業であり、もし両社が統合すれば日本の独占禁止法にあたる「反トラスト法」に抵触する可能性が高い。「セブン-イレブン・インク」の上場と同じく米金融当局が認めるかどうか。ACT社は売上や利益はセブンと同規模ながら時価総額はセブンを上回る。すでに一部報道では、セブンがACT社ら買い手候補と秘密保持契約(NDA)を締結したとも伝えられている。ただし、広報担当者は「M&Aを受け入れたわけではない」として、協議の余地を示しているとしている。  すでにイトーヨーカ堂が突如撤退した地域では、消費者から「反社会的行為だ」だとの怨嗟の声が上がっており、姿を消した場所や近隣にイオンが消費者の“白馬の騎士”として登場した地域がいくつかある。またローソンがコンビニ王者、セブンイレブンに迫っており、セブンの前途は洋々とはいかないようだ。  

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2025.03.29

パリは燃えているか=ヒトラー テスラは燃えているか=アンティファ(ファシズムに反対)のテスラ販売店への火炎瓶攻撃
パリは燃えているか=ヒトラー テスラは燃えているか=アンティファ(ファシズムに反対)のテスラ販売店への火炎瓶攻撃

なんともはや、テスラへの攻撃でまくれてしまった中国と同等レベルの民度、USA (涙目) (写真 アンティファ 2021年 ロイター/Leah Millis)  イーロン・マスク氏がCEOを務めるテスラ社の車への破壊行為が相次いでいることを受け、FBI(連邦捜査局)が緊急対策チームを立ち上げて捜査に乗り出した。アメリカでは、連邦政府の人員や予算の大幅削減に大ナタを振るうマスク氏に対する反発が広がっており、米大手メディアNBCによるとテスラ車や充電ステーションへの破壊行為が今年に入って少なくとも80件報告されている。米司法省は3月15日、サウスカロライナ州のテスラの充電ステーションに5つの火炎瓶を投げ込んだとして男を放火の罪で起訴した。トランプ大統領が就任してから9日後には、トランスジェンダーの活動家がコロラド州のテスラ販売店に火炎瓶を投げ込みマスク氏への批判声明をスプレーで書いたとされている。FBI長官はXに「これは国内テロである。責任者は追跡され、逮捕され、法の裁きを受けることになる」と投稿した。テスラ販売店を襲撃し、火炎瓶を投げて放火する暴力行為の犯行グループは「デヴィジブル」と呼ばれる極左集団やプロの活動家たちで、主に5団体の組織動員だ。マスク氏は、この暴力活動安楽的なの背後に5団体の1つACTBLUE(左派の政治資金結社)という左派の政治資金結社だと証言している。彼らの資金源はACTBLUEやUSAID(米国際開発局)からの迂回資金などで、資金供給者の一人がジョージ・ソロスのオープンソサイティで、800万ドルを寄付していたことが分かった。だからといってソロス=黒幕という短絡的な構図にはならないが、プロ左翼活動家の執拗な反トランプ運動が依然として力を保持していることを示している。左翼は、異端者である南アフリカ共和国出身のマスク氏などアフリカ系米国人の起業家を決して許していない。したがって組織的な抗議活動や激しい攻撃は、テスラの株価を下落させることを意図している。トランプ氏の大統領就任以来、株価は40%ほど下落している。だが彼らの暴力は、トランプ氏が、やはり5団体の1つアンティファ(ファシズムに反対)などの暴徒を見逃さなくなった今岐路に差し掛かっている。マスク氏はかつて、トランスジェンダーや過激な環境主義者にとっては英雄だった。マスク氏が実用的な電気自動車を大量生産する方法を見つけた時、ハリウッドのセレブたちは、ベントレーやランボルギーニを手放し、10万㌦を超える価格のモデルSを自慢げに購入した。先頃、デンバーで開催された「反トランプ集会」は、主催者の1人バニー・サンダース上院議員によれば3.4万人が結集し、未曾有の大動員となったと宣伝された。GPSの追跡調査で、バスが動員に使われ、参加したのは主にDEI(多様性、公平性、包括性)活動で知られるアンティファ、BLM(人種差別抗議活動家)、ハマス支援集団などの組織動員だった。やはりGPS追跡で、参加者の84%が、民主党の大統領候補カマラ・ハリス応援集会に参集した活動家、そのうちの90%がプロ活動家であることが分かった。つまり組織動員による反トランプの政治演出である。  日本大使館に生卵を投げて、日本料亭や日本企業に放火し、走行中の日本車を破壊したあの中国の反日破壊活動とアメリカの民度が同レベルだったことは驚きだ。  

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2025.03.29

再生医療でトラブル後を絶たず 行政は監視強化を
再生医療でトラブル後を絶たず 行政は監視強化を

 体の細胞を患者の脂肪などから採取し、点滴や注射器を使って患者の体内に戻す「再生医療」。病気やけがで損なわれた組織や臓器を修復する治療で、糖尿病や腎臓病などの病気改善のほか、健康や美容に効果があるとされている。難病治療にも期待が寄せられている再生医療だが、最近は自由診療で行われていることもあってか、トブルが後を絶たない。行政による監視強化が不可欠となっている。 ◆2014年に再生医療安全性確保法が施行  大学病院の臨床研究などで行われる再生医療の場合、一定程度の安全性が担保されている。一方で、保険外の自由診療を行う民間クリニックなどでは、安全性や有効性に疑問を抱かざるをえないような「えせ再生医療」が目立ち、患者に副作用が出たり高額代金を請求されたりするなどのトラブルは前々から相次いでいた。  政府は対策に向け、再生医療を行う全医療機関に対し、治療計画を策定して国に届け出ることを義務づけた再生医療安全性確保法を2014年に施行。医療機関は、国が認定する有識者委員会で計画の安全性について審査を受けなければならないとも規定している。  だが、最近でもトラブルが続き、患者が重症になるなど深刻なケースも少なくない。昨秋には東京都内のクリニックで、がん予防を目的に細胞の投与を受けた2人の患者が重い感染症にかかり、緊急搬送されたケースも発生。厚生労働省がクリニックの運営法人に行政処分を下す事態にまで発展した。 ◆安全性の根拠が乏しいケースも 再生医療安全性確保法に基づき、医療機関には治療計画の届け出が義務づけられているものの、治療計画そのものの安全性に根拠が乏しいケースも少なくないようだ。国立がん研究センターなどが、国に届け出のあっ治療計画を調べたところ、安全性の根拠が疑わしいケースが25%も締めていたという。 ただ、そもそも治療計画は、有識者委員会の審査を経ているものであるため、いい加減な甘い審査が横行していることの裏返しともいえる。現在の有識者委員会の人選や審査の在り方に問題がないのか、改めて見直すべきではないか。 再生医療を展開する医療機関で安全性を担保していくためには、行政が厳格にチェックする仕組みを構築する必要があるだろう。有識者委員会によるずさんな審査を許し、問題のある再生医療を放置することは許されない。

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2025.03.28

“赤海亀”に席巻される日米の最高学府
“赤海亀”に席巻される日米の最高学府

東京大学はもう以前から、ハーバード大学もブラウン大学も、はたまたボストン大学だっていまや中国人留学生に席巻されているという現実  (写真 アカウミガメ Wikipediaより)  3月24日の参院外交防衛委員会で、自民党の有村治子参院議員の「優秀な博士課程の学生に生活費や研究費を支給する国の支援制度」を巡る質問に、文科省は2024年度の受給者の約3割が中国籍の留学生だったことを認めた。有村氏は、経済安全保障の観点から過度な留学生依存は避けるべきだと指摘し、「日本の学生を支援する原則を明確に打ち出さなければ、国民の理解は得られない」と述べた。まったくその通りだ。中国では海外から帰国する留学生のことを「海亀(ウミガメ)族」と呼ぶ。中国語で海外から帰ってくるという意味の「海帰」と「海亀」の発音(いずれも haigui) が似ていることがその由来だ。ウミガメは海外で修得した技術などを中国に持って帰る。中には技術窃盗で逮捕される「信義に厚い」ウミガメもいる。  米国では「中国人と見たらスパイと思え」が合い言葉となった。5年ほど前から居づらくなった博士クラスが大挙中国へ帰国し、学部学生の留学生となると卒業後80%が中国へウミガメとして帰国する。ボストン大学でロボット工学をマスターしたイエ・ヤンジンは中国人民解放軍の幹部で、ブラウン大学でバイオ研究30年の曹浩乃は精華大学教授として帰国した。在米20年のホー・イクイエンは北京大学教授になった。米国で最新の科学や医学、化学などを学び、マスターしアメリカの資金で研究を極めた中国人学者が中国へ帰る。米国の巨額投資の成果はみすみす中国に渡る。前述した3割の中国人博士課程留学者には1人あたり年間最大290万円が支給される。そして日本でタダ同然で得た知識を持って中国に帰り、日本の安全保障を脅かすというサイクルだ。  楊振寧というノーベル賞受賞者のケースでは、彼の父親も世界的な数学者で安徽省生まれ(当時は蒋介石の中華民国)。米国へ渡り、同じく中国人の李政道と一緒に素粒子の研究に励みノーベル賞に輝いた。そして中国へ凱旋した。逆に中国の高給とふんだんな研究費、助成金に釣られた米国人学者が中国と協力するケースもある。典型はハーバード大学化学部長だったチャール・ズリーバーで、米国予算からの助成金を受けながら同時に中国から2億円の研究補助を受けていた。英国でも同じ現象が起きている。これは「千人計画」の一環で、日本学術会議の取り込みもこの国家計画の一環だ。政治的判断の出来ない日本人研究者も多数が中国の高給と研究環境、待遇などの好条件に魅かれ中国へ渡った。日本における中国人留学生は10万人を超え、東京大学の大学院生では5人に1人が中国人留学生だ。しかも学費はタダ同然、国賓待遇だ。留学生が増えた結果、ゼミや大学内の授業でも中国政府の公式見解(例えば尖閣列島は中国領)を信じる学生の声が多数になりつつある。それはそれでいいのだが、「あの教授が尖閣列島は日本の領土だと教えている」と、留学生が大学の執行部や事務方に苦情を訴えるケースもある。とある私立大学では、事務方から「大切な留学生の意向に沿うような授業にして欲しい」と指導された教員がいるという話もある。  中国人留学生が押し寄せている米国では、中国系アメリカ人教授が、中国人留学生から「先生も中国人なのだから、中国語で授業をしてくれ」と要求された。教授は「ここはアメリカの大学である」と断ったそうだが、東大にいる中国系教授も他人事ではない。  

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2025.03.28

世界最速W杯出場!日韓サッカーの違いから見える政治空白
世界最速W杯出場!日韓サッカーの違いから見える政治空白

 昨年末に尹錫悦大統領が「非常戒厳」を発して以来、韓国政界はカオス状態が続く。首相で大統領代行の韓悳洙(ハン・ドクス)氏にかけられた「非常戒厳幇助」の疑いは、憲法裁判所で棄却されたものの、尹大統領の「内乱首謀罪」の審議はまだ先。世の中ではトランプ・ストームが吹き荒れる中、全く持って蚊帳の外に置いて行かれた状態だ。  話しは急に変わるが、こちらもなんともカオス状態にあるのが、サッカー韓国代表だ。日本はもちろん世界最速でワールドカップ本大会出場を決めて、「目指すはW杯優勝」などと沸く一方、「このままではW杯に行けない」(3月26日付『中央日報』)と、悲壮感が漂い、まさに天国と地獄の瀬戸際状態なのだ。  日本代表が事実上の消化ゲームのサウジアラビア戦を3月25日に行ったのと同時に、日本とは別のB組首位の韓国はホームで2位のヨルダンと首位対決を行ったのだが、結果は1-1のドローで、本大会出場は持ち越された。だがこれで韓国代表は3戦勝ち無し。「赤信号が点った」(同前)などとも言われている。 「結果を受け、洪明甫(ホン・ミョンボ)監督は『自らの責任』とファンに頭を下げましたが、このところの韓国サッカー界のゴタゴタを考えれば、とても監督だけの責任とは思えません。まずは24年1~2月に開催されたアジアカップの準決勝で敗退したのが国際大会でのミソの付け始め。結果、選手としてW杯優勝経験もあるドイツの英雄のユルゲン・クリンスマン監督を、就任から1年足らずで解任しました。すると昨年4月には、Uー23(23歳以下)の代表がパリ五輪出場を逃し、88年のソウル五輪以来の9回で連続出場が絶えました。この時、韓国サッカー協会は短い謝罪文を出しただけ。フル代表もこの間、クリンスマン監督の後任に臨時監督を立てるだけに終始したことで、ファンはもちろん歴代のスター選手から協会の無力に批判的な声が上がったほどです」(スポーツライター) 未だ指揮体制定まらず  そしてようやく24年7月に、現監督でW杯4回出場、韓国代表史上最多のキャップ数を誇る大スターのホン・ミョンボを正式な監督に据えるのだが、これに対しても「多くの反対意見を聞かなかった」として市民団体が協会会長を業務妨害で刑事告発したり、韓国の日本でいうところのスポーツ庁が協会の監査に乗り出すなど、内部はゴタゴタ。そんな空気が選手の戦う気持ちに反映しないわけがない。ちなみに最近のUー23代表は、親善試合で格下のベトナム、中国に連続ドローでこちらも揮わないが、やはり監督は臨時体制という始末だ。  アメリカ・ファーストで同盟国を何とも思わないトランプ政権に対し、日本の防衛庁は、陸海空だけでなく宇宙とサイバーも加えた指揮系統の1元化を図る「統合作戦司令部」を発足。そこには在日アメリカ軍との連携を深める狙いもある。そして3月30日には、ヘグセス国防長官が来日して、中谷元防衛大臣と会談を行う予定だ。だがヘグセス長官は、日本のほかにフィリピンを訪れるが韓国はスルー。先に来日したトゥルシー・ギャバード国家情報長官も、日本のほかにフィリピン、インドを訪れたものの、やはり韓国はスルーしている。  激変の時代に乗り遅れると、気付かないうちにいつか取り返しのつかないことになるやもしれない。韓国サッカーの現在の状況が、実はその結果なのかもしれない。  

「デジタル遺品・終活」に注目 家族に安心を
「デジタル遺品・終活」に注目 家族に安心を

パソコンやスマホといったデジタル機器の利用が高齢者にも広がる中、インターネットで取引が行われる銀行口座や定期購入契約を巡って、本人が死去後に家族らがIDやパスワードが分からずに困るケースが後を絶たない。ネット契約の解約に数年を要するケースも確認されており、国民生活センターは生前に行う「デジタル終活」の必要性を訴えている。 ◆ID・パスワードの整理をできるだけ早く 総務省の調査によると、スマホでネットを利用する人の割合は全世代で増加。20~59歳は9割ほど、60歳代は8割近く、70歳代は約5割に及んでおり、高齢者でもネット利用者が多い実態がうかがえる。  今後は、ネット上の契約を残したまま死亡する人が増える見込みで、国民生活センターは「デジタル遺品」の処理に関する対策を公表。ネット上の資産やサブスクリプションの契約、スマホやパソコンのロック解除のためのパスワードやIDを紙に書くなどして残しておくことを注意喚起している。   具体的には、名刺サイズの紙にパスワードなどを記入し、修正テープを複数回重ね張りするなどのマスキングを施して保管することなどが推奨されているようだ。 「死」は高齢になればなるほど向き合う必要性が大きくなるとはいえ、どの世代にも突然やってくる恐れのあるものだ。 家賃の振り込みや住宅ローンの支払いを、ネットバンキングを通じて行っている現役世代も少なくないのではないか。「債務」も相続されることを考えると、多くの人にとって「デジタル終活」は人ごとではないだろう。  スマホをはじめとしたデジタル機器の機能の向上も進み、生きている間は利用する上で非常に便利になっている。ただ、亡くなった後に家族らに迷惑をかける形となってしまっては、元も子もない。 亡くなってからでは遅い。対応が後手に回らないよう、生前からの心がけが重要だ。それは高齢者に限らず、全世代に通じることでもある。

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2025.03.27

職場の熱中症対策 罰則付き義務化へ
職場の熱中症対策 罰則付き義務化へ

 寒い冬が終わって各地で気温が高騰しており、春を飛び越えて今にも夏がやってきそうな勢いだ。職場での熱中症による死傷を防ぐため、厚生労働省はこのほど、企業に労働環境の整備などの対策を罰則付きで義務化する方針を固めた。職場で熱中症による労災が相次いでおり、死傷者が後を絶たない現状を踏まえ、国が厳しい対応を決めた形だ。労働安全衛生法に基づく罰則付きの義務化は6月には始まる見通しで、各地の建設現場などで熱中症対策の強化が期待される。 ■死者は年間30人 職場で熱中症にかかり、4日以上の休業を余儀なくされるなどした死傷者は2024年、1195人にも上り、そのうち死者は30人だった。 このため厚労省は、熱中症の症状が出た後に重症化を防ぐ必要性が高いと判断。厚労大臣の諮問機関である労働政策審議会分科会で議論を重ねた結果、労働安全衛生法の省令を改正し、企業に対策を義務づけることを決めた。 対策が義務づけられるのは、気温や湿度などから算出する暑さ指数の「WBGT」が28度以上、あるいは気温31度以上の環境下で連続1時間以上か1日4時間以上の作業をするケースについて。 具体的な義務付け内容は、▽熱中症の恐れがある労働者を早期に発見・報告するための体制整備▽重症化を防ぐための応急処置や医療機関への搬送などの実施手順の事前作成――などとした。対策を怠った場合の罰則は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金となる。 厚労省が対策を単なる企業の「努力義務」にせず、罰則付きで義務化しているのは、労働者保護に重点を置いたためだろう。 働き手の人手不足が深刻化している中、現場熱中症で倒れる労働者が出てくると、企業にとっては大きな痛手だ。真夏の屋外の建設現場を中心に、手厚い対策が迫られる。  

独・米政権が代われば、コロナウイルスの発生源も変わる
独・米政権が代われば、コロナウイルスの発生源も変わる

コロナ・ウイルスはどこから来たの?いまさらながら蒸し返される世界的問題、その真相は? (写真 ロベルト・コッホ研究所 Wikipediaより)  のど元過ぎれば何とやら…。すっかり鎮静化というより忘れ去られた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2:以下コロナウイルス)だが、ベルリンにある欧州最大級の大学病院シャリテのウイルス学研究所長・クリスティアン・ドロステン博士は、WHOが新型コロナ「緊急事態宣言」を発令した2023年5月の1年前には「春には終息する」と断言していた。ドイツはどこよりも早く、正確にコロナウイルスの正体を見抜いていたのだ。コロナウイルスには2つの発生源がある。まず「自然発生説」(a natural zoonotic outbreak)と「武漢ウイルス研究所=WIV流出説」(a research-related incident)だ。このうちドイツの諜報機関、独連邦情報局(BND)が、20年の段階でWIV流出説を裏付ける機密情報、資料を入手していたことがこのほど明らかになった。  BNDが根拠にしたのは、公的なデータの分析に加え、「サーレマー」というコードネームで行われた情報機関の極秘作戦で入手した資料に基づくものだった。資料の中には、中国の研究機関、特にウイルス研究の最先端機関である「武漢ウイルス研究所」からの科学データが含まれていた。また、自然界のウイルスを人為的に改変する「機能獲得(Gain-of-Function)」実験のリスクに関する証拠や研究所の安全基準違反を示す多数の資料も含まれていた。当時のメルケル政権下にあったBNDのブルーノ・カール長官は、首相府に対し、「武漢ウイルス研究所」起源説の信憑性は「80~95%」と報告したが、首相府は非公開の決定を下した。  そしてメルケル政権からショルツ政権への移行後、BNDのカール長官は首相府に再び報告を行ったもののドイツ連邦議会の情報機関監視委員会や世界保健機関(WHO)は、この情報を共有しなかった。24年末、ドイツ政府はBNDの知見を外部専門家に検証させることを決定。ロベルト・コッホ研究所(RKI)のラース・シャーデ所長と前述のドロステン博士を含む専門家チームが現在、BND情報の妥当性を評価している。ただし最終結果はまだ公表されていない。興味深い点は、BNDは昨年秋、詳細な情報を米中央情報局(CIA)にも提供していることだ。ところが、CIAは25年1月に入って、「武漢研究所事故の可能性は低い」との立場を示した。しかし、トランプ米政権がスタートした直後の1月25日になってCIAは、中国の研究室から流出した可能性が高いと豹変した。これまでコロナウイルスの起源を調査した米機関のうち、エネルギー省と米連邦捜査局(FBI)は研究室からの流出が最も可能性が高いと評価したが、国家情報会議と他の4つの情報機関は、自然発生の可能性が高いとしている。  こうしたBNDの報告について、中国外務省の報道局長・毛寧は北京で、「コロナウイルスに関する問題で、中国はいかなる形の政治的操作も断固として拒否する」と強調し、BNDのWIV流出説を一蹴している。  

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2025.03.25

元大阪地検検事正の準強制性交事件 捜査情報漏えいの女性副検事に「大甘処分」 
元大阪地検検事正の準強制性交事件 捜査情報漏えいの女性副検事に「大甘処分」 

 検察史上最大級の不祥事ともいえる元大阪地検検事正の北川健太郎被告(65)による部下の女性検事への準強制性交事件を巡り、大阪高検の甘い対応に批判が集まっている。大阪高検がこのほど、捜査情報を漏えいするなどした50歳代の女性副検事を、懲戒処分の中で最も軽い「戒告」にしたためだ。女性検事の代理人は「懲戒免職相当の非違行為だ」と憤りを隠せないでいる。 ■元検事正の弁護士に情報伝達 大阪高検などによると、女性副検事は事件直前に開かれた飲み会に、被害者となった女性検事とともに参加し、北川被告と杯を交わしていた。副検事は事件の参考人として検察側の聴取を受けた際、聴取内容を口外しないよう要請されていたにもかかわらず、元検事正側の弁護士に聴取された事実などを伝えたという。さらに、被害者を詮索しないよう注意されていたのに、検察組織内の複数人に被害検事の氏名を明かした。 通常、刑事事件を巡って、検察・警察側の人間が加害者側に捜査に関する情報を伝えることなどありえない。捜査機関が刑事事件として調べていることが加害者側に漏れれば、証拠隠滅や逃走などを誘発しかねず、捜査に支障が出るのが明らかなためだ。 被害者の女性検事は、副検事について、名誉毀損や国家公務員法違反などの罪で告訴・告発していたが、大阪高検は戒告処分に合わせて、いずれも不起訴にした。 ■不起訴と戒告 刑事上の処分は「不起訴」、人事上の処分は「戒告」と、いずれも最も軽い処分で早々の幕引きを図る検察の姿勢には、検察OBの弁護士からも「北川被告本人の裁判がまだ続いており、裁判でどういった事実が認定されるかも決まっていない段階で副検事の処分を決めるのはさすがに不適切だ」との声が上がっている。女性検事の代理人も「検察庁の対応は国民の信頼を損ねるもので、身内びいきの不適切な処分だ」と批判する。 一方、副検事の代理人は懲戒処分について、「事実関係の誤った評価に基づいて判断されたもので不当。適切な法的手続きを通じて不当性を訴えていく」とコメントしており、大甘処分で済んだにもかかわらず、不満を述べる姿勢には呆れるばかりだ。 北川被告は昨年10月の初公判でいったん起訴事実を認めたが、「同意があったと思っていたので、犯罪の故意がない」と無罪主張に方針を一転させている。大阪地検トップまで上り詰めた敏腕検事が、自ら晩年を汚しているその姿が痛々しいのは言うまでもないだろう。

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