社会•事件
憲政史上初の女性総理大臣である高市早苗新政権の誕生で、政界通の間で密かに懸念されているのが、3月に東京地裁で解散命令が下された世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の復権という。 東京高裁は11月下旬に審理を終局させ、年明けに解散命令の適否を判断する。 教団トップのマザームーンこと韓鶴子総裁は、9月23日に韓国の特別検察官チームに逮捕されており、解散命令が覆ることは、まずないとされる。 逮捕された韓鶴子総裁 だが、この教団の粘り腰を甘く見てはいけない。とんでもないウルトラCを目論んでる可能性があるのだ。 過去にも教団創設者の文鮮明牧師が、1982年にアメリカで脱税で逮捕され、18ヶ月の実刑判決を受けて服役するも、国外追放にならず、アメリカで活動を続けられた。 文鮮明を逮捕したアメリカは、統一教会のアメリカ布教を、1976年に発覚した大韓民国政府による米政界工作『コリアゲート事件』の一環として見ていた。そして、韓国の背後に日本の右派勢力がいると睨んでいた。満洲国陸軍軍官学校出身の朴正煕大統領と日本政界との関係から、アメリカがそう思い込んだのは無理もなかった。もちろん現実は違ったが、統一教会は、日本の右派政治家との親密な関係を、アメリカの為に役立てる取引で、教祖が国外追放されることを免れたとされる。 今の世界平和統一家庭連合に取引材料があるとすれば、裁判所の裏金問題だろう。「裏金議員」が批判され、政治とカネの問題で自民党は選挙に大敗した。だが、裏金は政治家だけの問題ではない。過去には検察の裏金を告発しようとして逮捕された「三井環事件」や、北海道新聞の調査報道による「北海道警裏金事件」が発覚している。そして、裁判所にも裏金があるという告発本が、昨年6月に死去した生田暉雄弁護士によって出版されている。 (出版社: 三五館 発売日:2016/4/23) 同書で元判事の生田弁護士は、裁判官の3号年棒と4号年棒には大きな開きがあるが、3号年俸に昇級する裁判官は3分の1なのに、全員分の予算が組まれており、これが裏金の原資となっている、と告発。101名の市民とともに行政文書の情報開示請求を行ったが拒否されたとある。 国会で、国政調査権のある国会議員によって、裁判所の裏金が追及されることになったら、最高裁はどうするのか。 福祉を食い物にし、地方自治に浸食 世界平和統一家庭連合の福本信也弁護士 世界平和統一家庭連合の顧問弁護士・福本信也弁護士は、元検事で教団信者。2世信者の記者会見で、「娘は精神異常だから、すぐに会見を中止せよ」と、両親の署名入りFAXを送付。教団の記者会見では、記者の質問を遮ったりするなど、強面で知られる。 記者会見中に福本弁護士からのFAXが届き、涙ぐむ2世信者 福本弁護士は、平成10年に法務省民事局参事官室局付検事として、成年後見制度の民法改正にも携わっている。 成年後見制度にまつわる数多の不祥事や悲劇については,聞いたことのある人も多いだろう。家庭裁判所に選任された法定後見人に財産を横領されても、選任した裁判官は責任を取らない。一度施設に入れられると親族も会わせて貰えない。一人暮らしの資産家が、自治体の首長に後見人をつけられてから行方が判らなくなった、といったケースが、全国各地で報告されており、日本の成年後見制度は、国連でも障害者権利条約に抵触する可能性があると指摘されている。 そして、カルト教団は、地方自治体の政治家への工作活動を活発化させている。 写真は9月1日投稿「5選を目指す鎌倉市長の足下で相次ぐ疑惑」から 今後問題になりそうなのは、外国人と日本国籍を持つ信者との偽装結婚や養子縁組だろう。 世界平和統一家庭連合では、養子縁組制度の利用について、積極的に信者を教育してきた。布教活動で新たな信者の獲得が難しくなった昨今、日本国籍の欲しい外国人に教団加入を条件に日本人信者との縁組みを斡旋。韓国ではかなり前から日本人女性と結婚ができる、と宣伝して勧誘してきた。数千人の日本人が韓国に渡り、韓国人と結婚したが、彼らの間に生まれた子供にも日本国籍の取得を勧めているとされ、日本人と韓国人の間に生まれた“祝福2世”達が、日本に入国している。 (青山みつお)
2025.10.22
2025.10.21
2025.10.21
今月26日に市長選挙が行われる鎌倉市(松尾崇市長)で、「詐欺グループの関係者が、介護保険ビジネスに参入している」という告発があった。 告発者によれば、「インターネットの複数のサイトで投資詐欺ではないか? との批判を受けていた投資セミナー『神藤塾』塾長の神藤真也氏が、2019年に松尾鎌倉市長から介護保険指定事業者の指定を受け、介護保険ビジネスを手広く運営している」という。 松尾鎌倉市長から介護保険指定事業者の指定を受けた(株)SPSの石田雄嗣代表は、かつて「最高日給が1300万円なんです」「生徒さん方の(稼がせた)累計が3億5千万円」「58年間、 上流階級の間だけで使われてきたノウハウ」といったキャッチフレーズで、必ず儲かる方法を講義していた『神藤塾』の看板講師・神藤真也その人なのだという。 https://www.nicovideo.jp/watch/sm31335512 『ヒラックス大町』(地域密着型通所介護、通所型サービス)や『ヒラックス訪問介護大町』(訪問型サービス)の運営母体である(株)SPS(石田雄嗣代表)のメールに、「神藤塾塾長だった神藤真也氏(下写真)は、石田さんじゃないのですか」という質問を送信すると、以下の返事が返ってきた。 神藤塾塾長だった頃の(株)SPS石田代表 「約9年前、私が『神藤真也』という名前で登場していた動画コンテンツは、当時演者として依頼を受け出演したものであり、実際のコンテンツ設計や運営、販売、サポート対応等に関する責任は、別の法人が担っておりました。また、販売元との契約に基づき、私自身が販売主体であったり、ノウハウ提供者としての実態があったわけではありません。顧客との間でトラブルが生じた件についても、私が直接責任を負う立場ではなかったものの、関係する範囲で誠実に返金等の対応を行ってまいりました。 なお、返金のご要望があった案件についてはすべて対応を完了しており、いずれも訴訟などの法的トラブルに発展することなく、既に解決済みであることをご報告申し上げます」 自分は雇われ講師に過ぎず、神藤塾の運営は別法人なので、責任を負う立場にはなかったという。それなら、返金も別法人がすべきであり、神藤こと石田代表は返金することはなかったはずだ。 調べてみると、(株)SPSも、2020年に大阪の弁護士から損害賠償請求訴訟を提訴されていたことが判った。原告は、神藤塾とは別の儲け話を信じ、200万円以上の金員を振り込んでしまい、返金を求めていた。 (株)SPSの代理人だった深澤生弁護士の答弁書は、「被告SPSは、原告が主張する『●●●●』を運営していない」、「被告は『●●●●』なる名目で金銭を受け取ったことはない」と主張するも、銀行口座が開示され、(株)SPSの口座に原告から金員が振り込まれたことが証明されると、返金に応じている。 この裁判について(株)SPSの石田代表に質問すると、「当社が儲け話で金を振り込ませたのではなく、別法人の決済の代行をしていただけです。当社も被害者です」との回答だった。 (株)SPSが鎌倉市から指定業者に認可された当時の鎌倉市福祉部長だった内海正彦氏を、鎌倉市深沢行政センターに尋ねて聞くと、「書類上、整っていたので問題はないと思う」とのこと。 「介護の指定業者になるには、どこの自治体でも審査が厳しく、政治家や有力者のコネを利用する者もいると聞きますが」、と水を向けると、内海部長は「鎌倉市においては、その様なことはありません」と、きっぱり否定した。 内海氏には、2016年に市議会で論議された社会福祉法人『ラファエル会』の不祥事や、2015年に鎌倉市役所内で発覚した生活保護費盗難事件についても尋ねたが、ここでは割愛する。 もし、鎌倉市が本当に問題ないと思うなら、必ず儲かる投資術を教えてくれる石田SPS代表を鎌倉市の財政顧問にすればいい。 鎌倉市の財政は火の車。2022年の基本計画では新庁舎整備にかかる「最終経費」は、約170億円と見積もられたが、松尾市長は大幅に上ぶれする可能性に言及。一方、二つのゴミ処理場が老朽化、他県にゴミ処理を依頼した結果、鎌倉市の家庭ゴミの処理費用は全国でも有数の高額となっている(40リットル(LL袋)10枚入りで800円)。 (青山みつお)
2025.10.20
「Luup 利用者の交通違反情報が警察からLuupに提供される」というこの仕組み、あるガイドラインと自主ルールに基づいて導入されたとのことだ。 ガイドラインというのは、警察庁や国交省といった省庁と電動キックボード等のビジネスを手がけている民間事業者から構成されている「パーソナルモビリティ安全利用官民協議会」が策定したガイドラインで、自主ルールというのは、Luupが参画している「日本マイクロモビリティ協会」が公表した「交通安全対策自主ルール」のことだという。 いずれも2023年に策定・公表されたちょっと古いものだが、内容を確認すると、なるほど、シェアリング事業者が取り組むべき交通安全対策として、「利用者による交通違反を把握した場合には、利用者のサービスの利用停止またはアカウントの抹消措置を講ずる」旨が明記されている。 この「利用者による交通違反を把握した場合」の「把握」の仕方として、今回、「警察からLuupへ交通違反情報が提供される」新しい枠組みが始まったということらしい。 確かに、最近では、法令違反行為に関する情報が政府と事業者の間で共有される取り組みが増えている。 例えば、トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)による詐欺について、警察庁は、三菱UFJ銀行・りそな銀行・みずほ銀行といった大手銀行8社と、不審な取引が感知された口座情報を共有する協定を締結している。 これは、銀行から警察に対して、犯罪捜査に必要な情報提供を行うと言うもので、昔からある「捜査協力」の現代版、トクリュウ対策版だ。 これに対して、今回のLuupの場合、警察から事業者に交通違反情報が提供されると言う点で、いわば情報提供のベクトル(向き)が異なるのだ(続く)。 (北島純・社会構想大学院大学教授)
2025.10.20
9月28日、アメリカンフットボールの試合に招待されたので初めて観戦した。場所は川崎駅東口からバスに乗って5分ほど、富士見公園内にある川崎スタジアム。川崎競輪の隣にあり昔はプロ野球のロッテ球団の本拠地だった球場をアメフト用に改装して利用している。川崎競輪の前には川崎競馬場がある。公園内に公共ギャンブル場が存在するところが如何にも川崎らしい。 試合は富士通フロンティアーズとオリエンタルバイオシルバースターの対戦。Xリーグはアメフトの国内リーグの最高峰、プロ選手3名、外国人選手3名と契約できるプロリーグに準じた形態をとっている。実業団チームは富士通を含めた3チーム、色々なところから集めってチームを組成するクラブチームが17チームという構成になっている。 さて、会場に入り初めに驚いたのは試合前の選手の入場である。どんだけ~と言いたくなるほど大勢の選手が入場してきた。まるでタイムボカンの戦闘シーンのよう。次から次へと50名以上、チームスタッフやチアリーダーも同じくらいの人数がいる。総勢100名くらいはいるのだろうか。うっかりすると観客より多くなるのではないか。とにかく大所帯。試合には46名登録でき1プレーには11人が参加できる。選手はオフェンスとディフェンスで分かれており攻守が変わる度に両チームの選手も入れ替わる。1プレーは短くて一瞬で終わる。そのすべてが作戦通りのセットプレーのようである。インカムをつけて資料を見ながら指示を出すコーチがF1のようでかっこいい。巨大なボードにイラストを描いてサインをだしている人もいる。MCがプレーごとに会場内の応援を煽る。大音量で流れるケニーロギンスの映画フットルースのテーマ曲がアメリカンでありつつも懐かしい。派手に応援しては数秒間のプレーに挑む、の繰り返し。もしかしたら選手よりもチアの方が大変なのでは思ってしまった。 試合は富士通がオリエンタルバイオを圧倒し36-10で破った。MVPは背番号2をつけたニクソン選手。二回もタッチダウンを決めた。外国人契約かプロ契約をしているのだろうがさすが本場のアメフト選手だと思わせるだけの活躍ぶりだった。そうはいうものの、私の印象に一番強く残ったのは応援のMCの発音の良さ。「レゴ、ロンティー!」はたぶん「レッツゴー、フロンティアーズ」を1万回以上言ったらたどり着いた神発音なのだろう。「ティーファイ、ティーファイ」は正確には何て言っているのだろうか。「フロンティアーズファイト、フロンティアーズファイト」だとしたら仙人級の発音力である。さすが“ アメリカン”フットボールだ。アメリカンさが半端なかった。(坂本雅彦)
2025.10.17
2025.10.16
9月13日から21日まで東京で世界陸上が開催された。メイン会場となったのはもちろん新国立競技場。2020年の東京五輪のメイン会場として建替えられた競技場ではあるが、五輪開催当時と今回の世界陸上では設備環境に大きな違いがある。それはサブトラックの存在。東京五輪時には聖徳絵画館の前にあった神宮軟式野球場に仮設のサブトラックが設けられていたので国立競技場へのアクセスは目と鼻の先であり良好。ところが今回の世界陸上では代々木公園陸上競技場がサブトラックとして使用された。代々木公園から国立競技場へは車移動で約15分。決して隣接しているとは言い難いアクセスである。東京五輪時に使用した神宮軟式野球場に設置されたサブトラックは五輪終了後に撤去されたので使用できなかったことから3キロも離れた代々木公園陸上競技場を使用するしかなかったのだ。 ではなぜ神宮軟式野球場に仮設されたサブトラックは撤去されたのか。簡単に言うと設置された目的を果たし終えたからだ。そもそも五輪後には新国立競技場のトラックも撤去する予定となっていた。国立競技場の維持費は年25億円にも達すると言われ陸上競技場として存在するには採算上で無理が生じる。よって、トラックを撤去し客席を増加させることでサッカーのワールドカップにも対応できる多目的競技場に改修することで収益性の向上を図る方針であった。となるとサブトラックは五輪後に不要となることから仮設で設置して、五輪後には撤去するという方策は妥当であった。 ところが日本陸連は五輪後に方針を変更し国立競技場のトラックを残すことにした。そうなると当然の問題として持ち上がるのがサブトラックの設置問題。外苑の再整備は地主である明治神宮とデベロッパーである三井不動産が協議を重ねて進めてきた。再整備の構想では当初あったサブトラックの設置は国立競技場のトラックの撤去予定に準じて見送られ仮設することで凌ぐこととなった。それで生まれた容積を事務所棟などと称する高層ビルに転用する計画が立てられた。東京都は五輪後に都議会に諮ることなくこっそりと公園まちづくり制度を創設し神宮外苑の公園内に商業ビルの建設をできるようにした。伊藤忠との協議も進んでおり商業ビルの計画を白紙に戻すことは現実的ではない。とはいえ、国立競技場で陸上競技の国際大会を開催するには隣接したサブトラックは必要不可欠である。相容れない両計画に解決策はあるのだろうか。 五輪後に方針を転換した陸連に分が悪いのは当然である。陸上競技よりもサッカーやラグビーやコンサートなどでの利用の方が、収益性が高いのは明らかである。トラックを撤去して客席を1万2千席増加させることができればサッカーのワールドカップ誘致も夢ではない。結局、国立競技場のトラックは撤去するしかないのか。東京五輪に続き世界陸上でも使われた陸上の聖地となり得る国立競技場のトラックである。陸連が手放したくない気持ちになるのはよくわかる。だからと言って3キロも離れた代々木公園陸上競技場をサブトラックとして今後も使うとなると出場するアスリートの不満と不憫は解消されないし、国際大会の仕様標準にも劣ったままとなる。 そこで拙者が思い出したのが東京ドームである。東京ドームは屋内野球場としての顔以外にもう一つの顔を持つ。ドームの床下には競輪のバンクが備わっていて床を昇降させることで競輪を開催することも可能となる。国立競技場の隣接地に建設予定の新秩父宮ラグビー場は全天候型になるという。その全天候型ラグビー場の地下にサブトラックを設置もしくは昇降可能な収納型でサブトラックを仕込めないものだろうか。フィールドの大きさが随分と違うだろうから容易ではないとは思うが。 今回の世界陸上は目標の50万人を大きく超える62万人を集客し、最終日にはリレーのテレビ中継の瞬間視聴率が31%を超えるという大きな盛り上がりを見せた。「陸上の聖地を残して!」という声に応える為の努力を国、都、地権者らは惜しまないで頂きたいと願う。(坂本雅彦)
2025.10.15







