社会•事件
熊本県信用保証協会を横目でにらみ同じ手口を実行しようとした熊本信用金庫のあきれたモラル (写真 井星伸一熊本信用金庫理事長 熊本信用金庫HPより) 今回の短期連載の反響が大きい。アクセス数も伸びている。これは金融機関による金融被害に対する関心が高いということの証左でもあろう。 マリーゴールド社が運営する結婚式場の建物をめぐって熊本県信用保証協会による債権の付け回しは前日(4月30日)報じたとおりだが、今度は同地の土地で同様の問題が起きている。このケースのおける金融機関は熊本信用金庫である。同信金は今起きている係争では訴外にある。しかしながら、被告の立場にあるCN社の答弁書にはあたかも問題の主人公のごとく登場しているのだ。これは非常に興味深いことである。この問題では当該裁判の原告である熊本県信用保証協会とまったく同じ〝債権の付け替え〟を行なっているのだ。しかも、同じ物件の土地と建物で別の金融機関が同じご法度と言われる〝債権の付け替え〟をしている。これが非常に興味深い事態であることに異論をさしはさむ余地はなかろう。 CN社の主張はこうだ。 『また、本件建物の所在する熊本市東区佐土原2-5-135所在の土地は、M氏(※同氏は熊本市内で幼稚園の経営などをしている)の所有であったところ、訴外熊本信用金庫は、M氏に対して債権を所有していた。M氏は本件土地を含めほかの不動産の売却代金から訴外熊本信用金庫に返済する意向を示していたが、その売却手続きは遅々として進んでいなかった。そこで訴外熊本信用金庫は、被告CN社に対して、本件不動産を含むM氏所有不動の売却手続きを依頼した』。 ここでこの物件の土地債権をM氏からCN社に転換しようと熊本信用金庫が画策したことがわかる。M氏は債務返済に四苦八苦してたことから熊本信金が窮余の一策として債権の付け替えを実行しようとしたわけだ。これは、建物において熊本県信用保証協会が行ったことをそのまま土地でも実行しようとした、ということである。このことで熊本県信用保証協会と熊本信用金庫は結託したと指摘されても無理からぬことである。 翻って建物、土地とどちらでもまんまと利用されたのはCN社である。CN社はこの施策において建物に関して4550万円を拠出している。ここで救われたのは建物の全所有者であったK氏、そして、不良債権化していた物件を健常債権化した熊本県信用保証協会であることに説明の余地はない。 これと同じ手を使おうと考案したのが熊本信用金庫だった。ところが、この土地に関わる交渉で金融機関側があえてCN社に告知していなかったことが露見する。この〝事件〟の最大のポイントである。 この秘匿行為が金融機関のモラルハザードを決定的なものにする。(つづく)
2025.05.02
今年に入っては新NISAブームの恩恵もなく、かと言って世間を騒然とさせているトランプ・ストームの悪影響もなく、ただただ低迷しているのがオリエンタルランドの株価だ。年初来だと年初の3500円台前後だったのが、ここ3カ月近くは3100円辺りが定位置で、2~3年のスパンで見れば、23年下半期に5000円台だったものが順調な右肩下がりで、きれいに上がっては下がった山型のチャートがSNSで、「完全にシンデレラ城」状態などと揶揄されている。 「会社の数字」は、やはりシンデレラ城のごとく、目を見張るものだ。4月28日にあった通期決算で、売上、最終益は過去最高。24年6月に開業した新エリアの「ファンタジースプリングス」が当たって。宿泊客が増えたことが貢献したとしている。今年度の決算では人件費の高騰などがマイナスに響くとのことだが、28年中に就航予定の「ディズニークルーズ」では、将来的に2隻を就航させる目標もあって、昨年度6793億円の売上を、35年度には1兆円まで引き上げるという野心も覗かせた。 だが同時に冴えない株価によほど焦っているのだろうか、かなりの悪手も同時に繰り出してしまった。9月30日の基準日時点で100株以上を保有する株主に、ワンデーパスを配布する株主優待を導入したからだ。 「同社は優待導入の理由を65周年の感謝としていますが、もっと区切りの良い60周年での株主優待を行っていないので、株価対策の意図は明らか。近年はこれから迎える夏の猛暑で客足が落ちるのは明らかですし、仮にこれで株価が上がったとしても、権利日翌日には派手に売り浴びせられる可能性は大。そもそもこういった近視眼的な施策を打ち出す段階で、投資家は今後の業績見通しでの不安を見て取るでしょう」(経済部記者) もともとあまり株主を大事にしていなかった また同社の株価が揮わない理由は、それこそ株主対策での別の理由にあるわけで、そういう意味でもチグハグだ。 「23年4月には、ほかならぬワンデーパスの株主優待で条件が厳しくなり、それまでもらえていた枚数が少なくなり、保有期間の要件も引き上げられました。また同社の筆頭株主は、22。15%を保有する京成電鉄ですが、このところ京成電鉄の株主の英・投資ファンドのパリサー・キャピタルがオリエンタルランド株の放出を要求していたため、現在は約19%の保有になっています。パリサーは更なる放出を要求するものと見られ、売り圧力が潜在的にあり続けるわけですから、ホルダーには常に気がかりが存在することになります」(同) その他、近年の入園料の高額化、少子化、円高でのインバウンド需要減、1%にもならない配当の低さなど、マイナス要因は枚挙にいとまがない。 とは言え、「ディズニー」ブランドは唯一無二で、圧倒的な強さを持つ。もっとじっくり腰を据えた資本政策をすべきなのではないだろうか。
都合の悪いことは秘匿して買受を促す、自らは不良債権を回収 (写真 田嶋徹熊本県信用保証協会会長) 熊本県信用保証協会(原告)から求償金等請求訴訟を起こされた(令和6年8月8日)、熊本市内の不動産業者CN社(被告)は次のように主張している。前回の連載において既報済みの熊本市東区佐土原にある現在はマリーゴールド社(本社・熊本市)運営の結婚式場を舞台とする事案についての主張である。 『原告は~中略~K氏(※書面では実名)所有建物に根抵当権の設定を受けていたところ、当該根抵当権にかかる債権回収のため、平成22年10月頃、被告CN社に対して本件建物の売却手続きを依頼した。~後略~』 これがこの問題事案のすべての発起点である。これを咀嚼していえば、現在営業している結婚式場の建物に関してその当時の所有者であるK氏はその建物を根抵当として借り入れを起こしていたが、その債務の返済が渋滞してしまっていた。要するに不良債権になっていたのである。この根抵当権について保証していたのが熊本県信用保証協会である。K氏の返済渋滞に困った保証協会は、ある妙案を思いついた。まずはCN社に対して建物の売却を依頼した。ところがそう簡単に売却先が見つかるはずもない。そこで保証協会はCN社に対して、こう持ち掛ける。『いっそのことあなたのところ(※CN社のこと)でこの物件を買い取ってはどうか』。保証協会というれっきとした公の金融関係組織からの提案である。断るわけにもいかない、断るいわれもない。ここのくだりをCN社は次のように主張している。 『本件建物の買受人が見つからなかったところ、原告は本件物件を被告CN社自らが買い受けることを依頼し、被告CN社はこれを承諾して本件物件を3500万円で買い受けることとし、諸経費合わせて計4550万円ほど捻出した。~以下、後略~』。 これによって保証協会は頭を悩ませていた不良債権を健常再建に転換させることにまんまと成功した。一方のCN社は建物を買い受けることで新しい事業意欲を燃やすこととなる。ここまでならば何ら問題はなかったように見える。 ところが、現実はまったく違った。CN社が買い受けるにあたって保証協会はこの当該の土地建物において最も重要な事項を一切隠し込んでいたのである。この隠し込みが意図的なものであるのは言うまでもない。もしCN社がの物件にまつわる現実を知っていたならば4550万円も出してこの物件を買い受けるはずはないのだ。(つづく)
2025.05.01
温かい目で見てやってね、大阪万博、実は見どころ満載のようです (写真 大阪・関西万博公式Webサイトより) 「万博無用論」とか「開幕できるんかいな」などさんざん陰口を叩かれた「2025年大阪・関西万博」が4月13日に無事オープンした。大阪万博は一見の価値ありだ。ここでは、環境技術、医療技術、通信技術の3分野に5年後の日本経済を支える「成長技術」が披露されてぃる。 前回(1970年)の大阪万博における日本からの主な出品技術は、動く歩道、リニアモーターカー、電気自動車・自転車、テレビ電話、電波時計、ウォシュレット、缶コーヒーなどで、現在の日常生活に不可欠な技術がズラリ並んでいた。今回の大阪万博の日本による出品技術は、55年前とは大違いの大型技術群が登場しているばかりか、いずれも世界をリードする標準技術候補ばかりが顔をそろえている。5年後の日本経済は、これら技術が花開き、日本経済の巨大エンジンとなるはずだ。ぜひ中国に盗まれたり、米国に邪魔されないでほしい。まず環境技術では、①CO²回収技術、②カーボンニュートラル技術、③再生可能エネルギーの3つが披瀝されている。医療技術では、ノーベル医学賞に輝いたiPS細胞を活用した再生医療の普及が注目される。京都大学とキヤノンが共同で開発したプロジェクトにより、血液検体からiPS細胞を全自動で作製するシステムが最終段階にある。この技術は、全工程の95%が自動化され、品質の均一化とコスト削減を目指している。製造コストは、従来の数千万円から100万円以下に抑えられる画期的技術で、再生医療の量産化は、今年中にも実用化の見通しが立つ。世界中の難病対策に有効であり、メガトン級の技術となること請け合いである。 通信技術では、30年以降に実用化されるNTTが開発中の「IOWN=アイオン」が要注目だ。この技術は、光技術を活用した通信基盤で、従来の電子技術を超える性能を実現する。超低消費電力、超大容量通信、超低遅延という「超」の付く3大メリットによって、次世代通信基盤「6G」の世界標準が有力視されている。「IOWN」は、トヨタ自動車の全自動運転車(FAV)の技術開発で共闘している。またラピダスの「AI半導体」(CPUとアクセラレータを接続)の高速なデータ処理能力とIOWNの超低遅延通信技術を組み合わせることで、ロボットがリアルタイムで複雑な仕事を実行できるようになる。加えてラピダスの「2ナノ」半導体試作品は、今年7月に登場し、日本の精密機械業界は、さらなる飛躍の期待大だ。 日本の誇る環境技術や通信技術を満載した「空飛ぶクルマ」も出品され、注目を集めている。阪万博会期中に3社が試験飛行を行う予定だ。中国も空飛ぶクルマに力を入れているが、主要部品を海外供給に依存している状況だ。「自立化」には、まずこの点の解決が必要で、現状は日本が大きくリードしている。
2025.04.30
熊本県信用保証協会が付け替えをした業者相手に訴訟を起こしていた (写真 田嶋徹熊本県信用保証協会会長) 本サイトにおいて今月、熊本信用金庫と熊本県信用保証協会による実質的な債権の付け替え事案を追求した短期連載は多数のアクセスがあった。それだけ金融機関に対する関心度が高いのであろう。この関心度の高さは閲覧者が『明日は我が身』との危機感があるとも考えられる。それだけ金融機関に対する信頼度が希薄になってきたということの証左である。それはまさに深く頷けることで金融機関自身が自らわが身の信頼性を毀損するような事案が全国各地で相次いでいる。前回の連載に多くのアクセスがあったというのも同様の事案がそこここで起きているのであろう。 さて、熊本である。この事案の一方の主人公は、債券付け替えをした側、つまり、熊本信用金庫並びに熊本県信用保証協会である。そしてもう一方の主人公は、債券付け替えをされた側、熊本市中央区のCN社である。債券付け替えの詳細については今回の連載でさらに明らかにしていくが、その前に極めて重大な訴訟が起きていることを知っておかなければならない。 令和6年8月8日、求償金請求事件が熊本地裁に提起された。訴訟物の価額、つまり、この訴訟における原告の請求額は、5739万7306円である。同訴訟の原告は、熊本県信用保証協会、そして、被告はCN社と同社代表S氏となっている。 思わず原告被告が逆転しているのでは?と錯覚してしまうような事件である。しかし、決して錯覚ではない。(つづく)
2025.04.30
大規模災害が起きた際、避難所などで大きな力を発揮するのが、炊き出しを担うキッチンカーだ。厚生労働省が3月、被災地でキッチンカーによる炊き出しを迅速に進めてもらうため、「無償や安価の炊き出しの場合は営業許可が不要」という趣旨の通知を全国自治体に出した。被災者を支えるキッチンカーの炊き出しは、従来から営業許可は必要ないとされているが、被災自治体が判断に迷い、キッチンカーの稼働が遅れたケースもあるためだという。通知により、キッチンカーによる炊き出しの早期稼働を後押しする狙いだ。 キッチンカーは通常、食品衛生法に基づき、稼働を予定している都道府県など各自治体の保健所に申請し、「飲食店営業許可」を得て稼働している。一方、被災地の避難所などでの炊き出しは、事業者らが無償か安価なボランティアで行うのが一般的なため、営業にはあたらないとして許可は不要とされている。 だが、過去に国内で起きた大規模災害では、周辺自治体から支援に駆け付けたキッチンカーに対して、被災自治体が営業許可を出す必要があるかどうかをすぐに判断できず、受け入れが滞ったケースも複数で確認された。 こうした状況を踏まえ、厚生労働省は3月の通知文書で、「避難所で食事を提供する必要性が高く、事業者が利益を追求していなければ、営業許可は不要となる」との見解を明確に示した。ある厚労省関係者は、「自治体間で対応が割れないようにする意味でも、通知の意義は大きい」と語っている。 温かい食事を提供できるキッチンカーは、被災地の心を潤す上でも非常に重要な役割を担っている。大規模災害が起きることはもちろん望ましくないが、いざという時に駆け付けてくれたキッチンカーが早期に被災者支援にあたれるよう、各自治体は厚労省の通知を踏まえ、適切に対応することが求められるだろう。
多くの国民が利用する公共交通機関が担う最大の責務は、乗客の安全確保だ。兵庫県尼崎市で起き、乗客106人と運転士が死亡、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故は、4月25日で発生から20年となった。事故を起こした当時のJR西日本では、ミスをする運転士ら社員を厳しく叱責した上で反省文を書かせる「日勤教育」が行われており、脱線事故を起こした運転士はそれを恐れて集中力を欠いていたとされる。懲罰的な指導ではミスを防げないという教訓が残された事故だが、近年は鉄道各社で安全面の意識が欠如していると言わざるをえない事態も起きており、改善は急務の課題だ。 ■乗客106人が死亡 福知山線脱線事故は2005年4月25日午前に発生。7両編成の快速列車が脱線し、線路脇のマンションに激突したことで、多数の犠牲者を出す悲劇につながってしまった。国の航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)は、制限速度(時速70キロメートル)を大幅に上回る時速約116キロでカーブに進入し、事故が起きたと結論付けた。 運転士は事故前の駅で電車をオーバーランさせ、運行が1分余り遅れた経緯もあり、JR西日本の日勤教育が事故の背景にあるとの指摘は根強かった。このためJR西は事故後、日勤教育が社員を萎縮させて仕事の質低下を招いたとの反省から、日勤教育を廃止した。 さらに、事故の背景として、会社の利益や効率を重要視しすぎていた企業風土があった点も見過ごすことはできない。JR西は当時、私鉄との競争が激化する中で、運行本数を増やした過密ダイヤを設定していたため、運転士には電車の遅延は許されないとのプレッシャーがあり、焦りにつながったとの指摘も出ていたのだ。 ■安全意識の欠如が鮮明に 脱線事故が起きて以降、JR西や他の鉄道会社では、一時的に安全意識は向上したのは間違いないだろうが、近年は、事故の教訓や反省が生きているのか疑問視せざるをえないケースも相次いでいる。 JR西日本では2017年、台車に亀裂の入った新幹線を運転士らが異音に気付きながら走行させていた問題が発生。昨年はJR東日本などで、車軸の取り付け作業に伴う記録の改ざんも複数にわたり発覚した。 これだけ不祥事が続いている現状を踏まえれば、鉄道各社は、安全意識が欠如していると批判されても致し方ないだろう。未曽有の大規模被害につながった脱線事故から20年を契機に、改めて各社は襟を正し、安全確保への誓いを新たにすべきだ。
2025.04.29
ふたつの山口組が抗争終結宣言「誓約書」を兵庫県警に提出 (写真 二つの山口組の代紋 Wikipediaより) 「六代目山口組」と「神戸山口組」との10年続く対立抗争で「えっ!」という動きがあった。4月7日、六代目側が兵庫県警に抗争の終結宣言と受け取れる「誓約書」を提出したのだ。「六代目山口組の森尾卯太男本部長、安東美樹若頭補佐、津田力若頭補佐の最高幹部3人が、六代目と神戸の両組織が本拠を構える神戸市を管轄する兵庫県警本部を電撃訪問し、『神戸山口組、池田組、絆會との抗争を終結する。今後一切揉めることはしません』などと記載された誓約書を提出し、一方的な“抗争終結宣言”をしたのです。山口組には前例があります。昭和50年に勃発した大阪戦争においてです。松田組との抗争に際して圧倒的な勝利を収めた後のことでした」(ヤクザ業界ライター)今回の場合も六代目の構成員6000人vs神戸2800人で始まった抗争は10年を経て、六代目が約3300人、神戸が120人と勢力に大きな差が付いた。 ただ、誓約書提出は一方的なものであり、神戸側の意向がわからない以上、警察当局としては六代目側の主張を額面通りに受け取って「抗争が終結した」とは認めないだろう。六代目側の誓約書提出の狙いは、「特定抗争指定暴力団」の縛りを解いて欲しいという要望ではないかとする向きもある。というのも同指定は、指定暴力団同士が対立抗争状態にある場合、その暴力団の主な活動拠点を都道府県の公安委員会が警戒区域に指定して、区域内では概ね5人以上での集まりには中止命令などの行政手続きを踏まずに即逮捕できるほか、事務所などの使用も禁止される。六代目と神戸は、抗争が激化した20年1月に指定され、双方の主な拠点がある神戸、大阪、名古屋の各市などが警戒区域に設定されている。六代目側が、警戒区域外の愛知県や静岡県の傘下組織の事務所で集会を開くことがあるのはこのためだ。また今回の「宣誓書」は、髙山清司若頭名で出されており、司忍組長の名がないだけに重みのなさに疑問符が付けられている。その理由を探ると「山一抗争」終結時と同じく調停に動いた稲川会の姿が見え隠れする。今年に入り、稲川会の内堀和也会長は六代目の内諾を得た形で住吉会など全国の友好団体を回り、抗争終結にまつわる要望書を取りまとめた。これにより終結宣言は、六代目山口組の独断ではなく、友好団体の賛同を得たものであるというお墨付きを得たわけである。 現在六代目山口組は、髙山若頭に代わって、竹内照明筆頭若頭補佐が新若頭に就き、新六代目体制に移行中だ。組織固めが終わった後、正式な形の終結宣言が出されるのではないか。神戸側には厄介な問題が持ち上がっている。神戸市北区にある神戸山口組の井上邦雄組長宅では、現在塀を高くする工事が進められている。井上組長は、新たな抗争に備えるための“要塞化”を進めているわけで、抗争終結の動きに沿うばかりか逆行する動きを見せているのだ。「井上組長の自宅は何度も六代目側からの襲撃を受けている。過去には、六代目の組員に拳銃を乱射されたり、ガソリンを撒かれたりした。それが25年1月にはエスカレートし、元六代目系組員の男が塀を乗り越えて侵入し、車2台と物置の一部を燃やし、住居侵入と建造物等以外放火容疑で逮捕されている。また拳銃を警察官に向けたとして公務執行妨害容疑でも逮捕されています。だから自宅を堅牢化しヒットマンの侵入を防ごうとしているのです」(同)。井上組長の自宅を巡る動きは、こうしたヤクザ業界からの攻めとは違う意味で攻勢にさらされている。4月16日、神戸地裁は井上組長宅に対し、強制競売の手続きを開始して土地と建物を差し押さえた。「井上組長は、暴対法の代表者責任を問われ、24年12月に大阪高裁から2億7000万円の損害賠償を命じられています。これを受けての強制競売の手続き開始なのです。現在井上組長側は、この民事訴訟の判決を不服とし、最高裁に上告受理を申し立てていますが、判決が確定したあとに支払いがないまま手続きが進めば、裁判所は入札を実施することになるでしょう」(全国紙社会部記者)井上組長としては、目の前で警察官が24時間警備しているし塀も高くしている。これで自宅に籠っていれば命を狙われないと思っているだろう。 だが、今後の裁判所の判断次第では強制退去もありうる。そうなれば身の隠し場所に困る井上組長は、終結宣言を受け入れざるを得ない状態になるかもしれない。
2025.04.28
いよいよ高級品市場も合従連衡の嵐が吹き始めたか、富裕層の関心事… (写真 プラダのサングラス Wikipediaより) 世界中で高級品市場の減速が続き、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(パリ)やケリング(パリ)といった巨大企業ですら業績を落とし始めている。その一方で「勝ち組」として浮上しそうなのがプラダグループだ。イタリア・ミラノに本社を置くプラダの2024年12月期の売上高は、前期比17%増の54億3200万ユーロ(約8646億円)と過去最高を記録し、その勢いのまま25年4月10日、112年の同社史上、最大規模のM&Aとなるカプリ・ホールディングス(以下:カプリ)傘下の「VERSACE(ヴェルサーチェ)」の株式100%を取得するための最終合意を締結した。この買収でルイヴィトンやケリングなどのライバル企業と競争する上で、有利な立場を得る可能性は大きくなり、またヴェルサーチェとしては、カプリが実現できなかった経営再建の機会が与えられることになる。買収額は12億5000万ユーロ(約2060億円)で、25年後半に買収完了の見込みだ。プラダグループのアンドレア・グエラCEOは、今回の買収は「グループ進化の旅路における新たな一歩」とコメントした。 ヴェルサーチェは46年前、ジャンニ・ヴェルサーチェによって設立され、クリエイティブディレクターのドナテラ・ヴェルサーチェの創造的ビジョンの下で発展を遂げたイタリアを代表するブランドだ。プラダグループは、ヴェルサーチェのクリエイティブなDNAを維持しつつ、グループの確立されたプラットフォームを最大限に活用してブランドの発展を目指すという。なお、ヴェルサーチェは3月にドナテラ・ヴェルサーチェの退任を発表。同氏は今後チーフブランドアンバサダーとして携わり、後任のチーフクリエイティブオフィサーとして「ミュウミュウ(MIU MIU)」のデザイン・ディレクターを務めていたダリオ・ヴィターレが就任することになった。プラダはヴェルサーチェ買収に向け、数カ月にわたって交渉を続けてきたが、トランプ米大統領の関税攻勢をきっかけとする世界的な市場混乱にもかかわらず、今回の買収合意を成立させた。 女性を射落とすブランドは、ヴェルサーチェを傘下に収めたプラダか、ルイヴィトンか、イヴ・サンローランやグッチなどのブランドを抱えるケリングか。
2025.04.27
ああ、ここでもか(涙) 台湾バーサス中国 ローマ教皇フランシスコの葬儀 (写真 ローマ教皇フランシスコ Wikipediaより) 約14億人の信者を有するカトリック教会のトップに2013年に選ばれた最高指導者のローマ教皇フランシスコが死去した。2月に入院し、一時は危篤とされたが持ち直し、死去の前日にはバチカン(ローマ教皇庁、以下:バチカン)で信者の前に姿を見せてキリスト教の復活祭の声明を発表したばかりだった。声明では「平和は可能だ!」として、パレスチナ自治区ガザの戦闘停止を呼びかけた。ウクライナでの公正で持続的な平和を達成するため関係国に努力を促してもいる。19年には教皇として38年ぶりに日本を訪れ、長崎と広島から核廃絶を世界に訴えた。在位中に約60カ国を訪れた。初めて南米アルゼンチンから選ばれた教皇として、欧州出身の歴代教皇があまり重視しなかったアフリカやアジアの途上国にも足を運んだ。欧米で進むカトリック離れは深刻である。欧州教会ではここ数年、聖職者の未成年者への性的虐待事件が多発し、教会への信頼性が大きく損なわれている。その結果、信者の教会離れが加速しているのだ。5月初めには次期教皇を選ぶ「コンクラーベ」が行われる。選挙権を有する80歳未満の135人の枢機卿が参加し、教皇に選出されるためには3分の2の支持が必要となる。つまり90人の支持がなければならない。135人の枢機卿の内訳は、欧州教会が53人で依然、最大勢力を誇る。それに次いでアジア教会の23人、アフリカ教会18人、南米教会17人、北米教会16人、そして中米とオセアニア教会が各4人という顔ぶれだ。選挙権を有する枢機卿の勢力図からみれば、次期教皇は欧州教会出身の枢機卿が有力だが、教会内ではベネディクト16世がドイツ教会出身だったから次期教皇は欧州教会以外からという声が強い。枢機卿の勢力図から見て、信者数が増えているアジアとアフリカ教会から次期教皇が誕生してもおかしくない。南米教会はフランシスコ教皇が出たばかりだから2期連続して南米出身の教皇誕生の可能性は少ない。 そのアジアでは、4月26日に行われる葬儀の参加者を巡って、中国と台湾の政治的駆け引きが注目されている。国交が断絶した中国との関係改善に努めた教皇フランシスコは18年、中国が独自に任命した司教7人の妥当性を認め両国は暫定合意を結んで関係を改善したが、バチカンは欧州で唯一、台湾と外交関係を維持している国でもある。過去には05年の教皇ヨハネ・パウロ2世の葬儀に台湾の陳水扁(チェンシュイビエン)総統が参列し、13年の教皇フランシスコの就任式には馬英九(マーインジウ)総統が出席している。そのため台湾外交部(外務省)は教皇フランシスコの葬儀に、頼清徳(ライチンドォー)総統の参列をローマ教皇庁に要請していたが、バチカンが関係改善を進める中国に配慮したのだろう、折れた台湾外交部は23日、陳建仁・元副総統が参列することを発表した。 台湾と中国の“根競べ”は続く。
2025.04.26











