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コメと同様、漁業にも食糧安保の危機
コメと同様、漁業にも食糧安保の危機

ああ、排他的経済水域が10分の1の韓国についに追いつかれてしまうのか 水産大国ニッポン今や見る影もない (写真 高級魚ハマダイが日本の水産業の最後の砦か? Wikipediaより)   コメと同様に日本の食糧安保への危機感が募る。日本の水産物生産量(漁業と養殖)は減り続ける一方で、世界では水産物の需要が増加したことで、輸入量も減るというWパンチに見舞われている。ところが、生産量が減り続ける日本とは対照的に世界全体では増え続けている。その理由は、漁業大国ノルウェーに見られる資源管理の徹底だ。国連食糧農業機関(FAD)の2023年の数字によると、日本の排他的経済水域(EEZ)は447万平方キロメートルと世界第6位の広さを誇るが、わずか48万平方キロメートルと日本の10分の1しかない韓国に水産物の生産量で肉薄されている。23年の統計だから今年すでに抜かれているかもしれない。ノルウェーにはすでに21年に抜かれている。ノルウェーのEEZも日本の半分しかない。23年の日本の生産量(漁業と養殖)は、かつての世界1位から11位と転落が続いているのだ。  韓国は日本と同様の条件下にある。だがなぜ韓国は増え続け、日本は減り続けているのだろうか。第一の理由は養殖業の伸びだ。85年時点では日本の養殖生産量は韓国より多かったが、06年に一気に追い抜かれた。第二には資源管理ができていないことで、これが日本漁業衰退の最大原因だ。ズワイガニ、ベニズワイガニ、ワタリガニなどの甲殻類は、右肩下がりに漁獲量が下がり続ける日本に対し、韓国は多少上下があるものの85年と比較してあまり減少していない。韓国は24年11月に日本のズワイガニ輸出に苦情を入れた。慰安婦問題のようなイチャモンではない。韓国ではズワイガニのメスの漁獲を禁止しているのに、日本からメスや基準に達しない小さなズワイガニ33トンが輸入されたという内容だ。韓国は、資源の保護を考えて卵を産むメスは漁獲していない。だが日本は漁獲している。ズワイガニはオスとメスで大きさも価値も大きく異なる。小さなメスを安く輸出し、韓国業者の競争力を削いだという指摘だ。米国やカナダなどでも獲ってもメスは海に帰し産卵させることで資源保護に役立てている。欧米やオセアニアなどの資源管理が機能している国々では、こういったいわば違法な水揚げによる資源の枯渇を防ぐ仕組みができている。スルメイカやハタハタ、イカナゴ、シシャモなどすでに獲れない魚種が出始めている。資源管理しないと、数年は良くても資源が減って漁が成り立たなくなっていく。  実はいま東京都で本マグロが年間40トンも水揚げされるようになっている。都内と言っても東京湾のはるか南、八丈島や三宅島、神津島などの伊豆諸島だ。神津島、大島、新島などでも本マグロは揚がっている。本マグロは、太平洋ではかつて資源が減少傾向にあったため、国際管理機関である中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)が関係国の漁獲枠を削減。この保護策が奏功し、親魚をはじめマグロ資源が増加してきた。これに伴い、24年のWCPFC年次会合では、30キロ以上の大型魚の漁獲枠が50%拡大された。高級魚・キンメダイも新島や神津島などで水揚げが順調に推移している。このほか、伊豆諸島で水揚げされるタカベや小笠原諸島のハマダイといった高級魚も「東京ブランド」の候補に挙がっている。だが、調子に乗って獲りまくれば、いつか来た道…になる。  

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2025.05.28

悪質ホスト規制へ 改正風営法が成立 厳格な運用が不可欠
悪質ホスト規制へ 改正風営法が成立 厳格な運用が不可欠

 ホストの本来の目的は女性客にお金を落としてもらうことだろうが、恋愛感情を悪用して多額の借金を背負わせた女性客に売春などをさせることは到底許されまい。悪質なホストの規制に向け、女性客に売春や性風俗店勤務を要求することなどを禁じる改正風営法が5月20日、衆院本会議で可決・成立した。改正法は6月下旬には施行され、悪質ホスト対策が強化される見込みだが、警察当局には厳格な運用が求められる。 ■借金まみれに 悪質ホストを巡っては、客の恋愛感情につけ込み、高額なシャンパンなどを次々に注文させて売掛金(ツケ)による借金まみれにする行為が社会問題化。女性客の中には10歳代もおり、規制のため法改正に向けた議論が進んできた。  改正法では、客の多額のツケを負わせないために料金に関する虚偽説明をすることや、客に抱かせた恋愛感情につけ込んで飲食させる行為、客が注文していないのに飲食などをさせることを禁止した。違反すれば、営業停止などの行政処分の対象となり、すでに警察庁は都道府県警に改正法を活用した取り締まり強化について指示している。  取り立て対策についても、ツケを払わせるために「払わないと実家に行くぞ」などと客を脅したり困惑させたりする行為を禁じた。さらに、料金の支払いのために売春や性風俗店での稼働を要求することも禁止し、違反した場合は罰則も設けた。  悪質なホストクラブを巡る警察への相談は後を絶たない。警察庁によると、昨年は2776件で、この3年で約700件増加。ホストから売春を迫られたなどのケースが多いという。 ■潜在化を警戒 今回の法改正は、ホストらへの牽制効果が期待されており、ホストクラブの適正な運営にはつながるはずだ。ただ、ある警察関係者は「売春などを迫る悪質なホストは潜在化していき、あの手この手で女性を言いくるめ、警察に相談させないようにするだろう」と警戒感を強めている。絵に描いた餅にならないよう、各都道府県警察による取締強化はもちろん、特に10代の若い女性客らが搾取の対象にならないよう、啓発事業も重要になるだろう。  

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2025.05.27

外食で初の1兆円の大台 ゼンショー「ネズミソ汁事件」をはねのける
外食で初の1兆円の大台 ゼンショー「ネズミソ汁事件」をはねのける

ネズミソ事件も跳ね返しちまった!「すき家」はいまや我が国のインフラ!? (写真 すき家の店舗(関目店)Wikipediaより)  「ネズミの死骸入り味噌汁で会社は潰れるだろう」。ゼンショーホールディングス(以下:HD)傘下のすき家は、1月に起きた「ネズミソ汁」騒動の余波が長引き、ほぼ全店を数日間閉鎖したり、24時間営業を廃止して店の清掃を行うなどの対策を取った。店舗の閉鎖に営業時間を短縮すれば、当然「売上減」に直結するはずだったが、5月13日、HDが発表した2025年3月期の連結決算は、売上高1兆円を突破して、日本の外食産業で初の大台超えを果たした。メディアはすき家の事件で「2割の大減少」と報じたが、蓋を開けてみれば大方の予想は大きく外れ、すき家の4月全店売上高はわずか2割減で済んだ。実際はかなり「軽傷」だったわけだ。今や世界中に店舗を持つHDが、国内における「すき家業態」のみであれば、今回の混入騒動のダメージはもっと大きなものになっていたはずだ。ちなみにHDの予測によれば、2026年3月期の上期は減益予想の見通しだが、下期では再度増収予想だとしている。上期の減益はネズミ混入事件の余波だろうが、その復活もすでに見込んでいるわけだ。  売上高1兆円を突破できた大きな要因はM&Aによる事業拡大だ。なか卯やロッテリアなどのほか、23年には北米・英国で持ち帰り寿司チェーンを展開するスノーフォックス・トップコの全株式を取得した。こうした事件以前からの好調ぶりもあって、予想よりも軽微な影響で済んだのだろう。見逃せないのはすき家の立ち位置だ。その強さの1つに立地がある。同業ライバル他社の吉野家や松屋と比べた場合、すき家は地方や郊外に店舗が多い。実際、店舗数の分布を見てみると、松屋は全店舗のうち約半数近くが関東圏に集中している。吉野家は松屋よりは全国に分布しているものの、例えば四国の全店舗数は28店舗であり、すき家の60店舗に対して展開力が弱い。他の地方でも往々にしてすき家の方が圧倒的な店舗数を誇っている。  これは、すき家が吉野家や松屋への差別戦略として、郊外のファミリー層をターゲットにして店舗展開を行ってきた歴史があるからだ。地方には「すき家しかない」という地域さえある。そうなるともはや「すき家」は日本のインフラとして機能しているといえる。「インフラ」に好きも嫌いもない。「すき家」しかないから行くだけの話だ。すき家は1982年の創業以来初となる社長交代も発表した。スノーフォックス・トップコ買収など、グループの海外展開をけん引してきた実績を持つ小川洋平副社長が社長に昇格する。ネズミは完全に除去された。  

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2025.05.24

証券口座乗っ取りへの対策を講じないと株式投資熱に水を差す
証券口座乗っ取りへの対策を講じないと株式投資熱に水を差す

深刻さを増してきている〝オンライン取引に利用される口座乗っ取り〟ややこしい手口を紐解いていけ (写真 フィッシィング詐欺のイメージ フィッシィング対策協議会HPより)   証券会社のオンライン取引に利用される口座が何者かに乗っ取られ、株を勝手に売買される被害が相次いでいる。犯罪グループによる相場操縦などに利用されている疑いが濃厚で、証券会社や顧客は早急に対策を講じる必要がある。口座乗っ取りによる被害は3月下旬に楽天証券で表面化し、これまでに大手9社で発覚。1月から4月までの4カ月間に確認された不正取引の件数は3505件に上る。また株式などを勝手に売却された金額は約1600億円、買い付けられた金額は約1400億円で、5月8日時点で計3049億円に上っている。証券口座の乗っ取りを防ぐため、インターネット取引を行う多くの証券会社がログイン時に「多要素認証」を必須化することを発表した。また、金融商品取引法は証券会社が顧客の損失を補填することを禁じているが、加藤勝信金融相は各社に被害回復に向けて誠実な対応を取るよう指示。大手証券10社は被害顧客への「補償」を行うことを表明した。  まず今回の金融犯罪の手口を整理すると、犯行グループは売り用口座を2つの手段で入手していると考えられる。まず偽造した身分証明書などを活用して銀行口座を開設し、その銀行口座を入出金先に指定して売り用の証券口座も不正に開設する。口座開設者がそのまま不正売買に使うケースもあれば、第三者(他の犯行グループ)に譲渡するケースもある。最近の金融犯罪は、分業化が進んでいることが特徴の1つにあげられる。身分証明書を偽造するグループ、口座を開設するグループ、フィッシングなどでログインID等を詐取するグループ、実際の不正取引を行うグループ、出金後にマネーロンダリング(資金洗浄)をするグループなどが存在する。それぞれの犯行グループがAIなどのテクノロジーやSNSなどを活用しているほか、金融業の知見も持ち合わせている。近年、金融犯罪被害が急増しているのは、こうした分業体制の下で相当な人数が関与しているためだと思われる。  2つ目がSNSなどを通じて口座を不正に買い取るルートだ。SNSに書き込まれている「買い取り募集」の多くは銀行口座だが、信用金庫・信用組合の口座や証券口座、暗号資産アカウント、クレジットカードなどの書き込みも多数存在する。そのため転売目的で銀行口座と証券口座を同時に作り、犯行グループに高額の値段で譲り渡す顧客も一定数いるものと思われる。顧客に成り済まし、勝手に株を売買する手口も見られる。株価が変動しやすい低価格の株を大量に買い付けて相場をつり上げ、高値で売り抜けたようだ。こうした行為は金融商品取引法が禁じる相場操縦に当たる可能性がある。また証券口座の乗っ取りは不正アクセス禁止法に違反する疑いがあり、警察は不正を行った人物の特定を急がなければならない。

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2025.05.22

ネーミング変更で売り上げが爆上がりした3商品
ネーミング変更で売り上げが爆上がりした3商品

まるでマジック 同じ製品なのに商品名を変えただけでなんと売り上げ17倍とは! (写真 まるでこたつソックス 岡本HPより)   商品名を変更するだけで売り上げが飛躍することがままある。例えば、今では有名な王子ネピアの「鼻セレブ」は、1996年に発売された当初は「モイスチャーティッシュ」と名乗っていた。保湿ティッシュとしてのすぐれた特徴があったが、商品名やパッケージの印象が弱く、売り上げが伸び悩んでいた。そこで2004年にインパクトと高級感を兼ね備えた「鼻セレブ」という名称に変更すると、パッケージのインパクトと相まって売り上げが10倍強に跳ね上がった。  12年に日清食品が発売した「インスタントカレーライス」は、発売当初「カップカレーライス」として売り出された。するとカレーのルーとご飯が混ざっているだけで、カレーライスではないという声が寄せられ、発売から半年後にカレーライスとは異なる新しいジャンルとして売り出す作戦に変更し「カレーメシ」としてリブランディングすると売り上げが2倍になった。  岡本は、奈良に本店を置く老舗の靴下専業メーカーだ。以前、同社が靴下に関する調査をしたところ「靴下についてどう思うか」という質問に、7割の人が「はければいい」と回答した。多くの人は靴下にあまり関心がないことが判明し、靴下は差別化するのは難しい商品ということが分かったという。そこで13年に他社との差別化を図った「三陰交をあたためるソックス」を発売した。三陰交とは足の内側に位置するツボのことで、このツボを温める機能を持った冷え対策の靴下として明治国際医療大学と共同開発した特許技術まで用いて開発したのだが、売り上げはパッとしなかった。そこで入社1年目の女性社員をリーダーに抜擢し、原因を探ったところ、「繊維の特性や編み方など技術的なことをアピールしても消費者はピンときていない」ということが分かった。そこで技術や機能ではなく、靴下をはいたときの体感を伝える方向に転換し、製品名を15年に「まるでこたつソックス」に変えた。これが奉功し、商品名変更前の13年と変更後の16年で比較すると売り上げは17倍以上になった。  売れるネーミングのポイントは、いくつかあるが、なんといっても分かりやすさだ。「三陰交をあたためるソックス」よりも、「まるでこたつ」の方が消費者には理解しやすく、その効果をイメージしやすい。そのブランドを利用することで、どのようなメリットがもたらされるのか瞬時に理解出来ることが売り上げアップにつながるというわけだ。  

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2025.05.21

ディズニーの「お笑い劇場」が幕を開ける
ディズニーの「お笑い劇場」が幕を開ける

悪いジョーク?同性愛行為を死刑とする国UAEの首都に7番目のディズニー・テーマパークを造るとは (写真 アブダビ市のスカイライン Wikipediaより)  ウォルト・ディズニー・カンパニー(以下:ディズニー)は、7番目のテーマパーク・リゾートをアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビに建設すると発表した。いつオープンするかは発表されていないが、ディズニーは現在、アナハイム、オーランド、パリ、東京、香港、上海に6つのテーマパークを展開している。このテーマパークは、アブダビを拠点とする開発会社ミラールによって建設・運営される。これは悪いジョークとしか思えない。よく言ってダブルスタンダードだ。ディズニーは世界でも特にジェンダー・イデオロギーやLGBTQに迎合する企業だが、UAEは、同性愛行為を死刑とする国である。  UAEでは、男女を含む「他人との不自然な性行為」を禁止する法律により、同性間の性行為を禁じている。性的少数派を支援する英慈善団体「ヒューマン・ディグニティー・トラスト(HDT)」によれば、この法律により最高で14年の刑罰が科されるが、シャリア(イスラム法)で裁かれると死刑もありうる。2022年には、UAEのメディア規制局がレズビアンのキャラクター2人がキスをするディズニーとピクサーのアニメ映画「ライトイヤー」を上映禁止にしたことがある。ディズニーは22年にフロリダ州で可決された「教育における親の権利」法案をめぐって、保守派のロン・デサンティス知事を訴えたことがある。この法案は「ゲイと言ってはいけない」法案と批判され、幼稚園から小学3年生までの子供への性自認と性的指向に関する指導を禁止するというものだった。保守系サイトは、「デサンティスを悪者扱いしたディズニーが、“ゲイと言ってはいけない”アブダビにパークを建設予定」と、都合のいいときだけ進歩的なアジェンダを推進する一方で、カネのためには、他の場所で価値観を変えるディズニーのブルスタンダードにダメ出しをした。ディズニーのプレスリリースは、≪このウォーターフロント・リゾートは、エンターテインメントとレジャーの世界的な目的地であるヤス島に位置し、中東、アフリカ、インド、アジア、欧州など世界各地からの旅行者をつなぐ。この7つ目のディズニー・テーマパーク・リゾートで、ディズニーの象徴的なストーリー、キャラクター、アトラクションは、アブダビの活気ある文化、素晴らしい海岸線、息をのむような建築物と融合される≫としている。  これに対し、ディズニーのファンサイト「インサイド・ザ・マジック」は、LGBTQだけでなくユダヤ人観光客のセキュリティーについても懸念を示した。昨年就任したディズニーのボブ・アイガーCEOは、政治から手を引くことを誓ったが、同社はその後もテーマパークでLGBTQのイベント「プライド・ナイト」を開催し続け、ヒューマン・ライツ・キャンペーン(米LGBTQのアドボカシー・グループ)の企業平等指数では満点を獲得している。  

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2025.05.20

史上最弱プロ野球球団は「高橋ユニオンズ」か「中日ドラゴンズ」か
史上最弱プロ野球球団は「高橋ユニオンズ」か「中日ドラゴンズ」か

ああ、中日ドラゴンズ、まさかまさかの歴代「弱小球団」になってしまったか(涙) (写真 高橋ユニオンズのユニフォーム タマリスポーツHPより)  プロ野球ファンの間でよく話題に上るのは「史上最弱のチームはどこか?」だ。1936年のプロ野球創設以来から見ると、創設年の「大東京軍」は0勝13敗1分で1勝もできなかった。とはいえ当時は2シーズン制で試合数が少なかったから参考にはならない。1シーズン制になってからの最低勝率は、1958年の「近鉄パールス」で、130試合29勝97敗4分、率.238だった。しかし野球史研究家の間で「史上最弱ではないか」と言われているのが、1954年から56年までの3年間パ・リーグに存在した「高橋ユニオンズ」だ。  その戦績は以下の通りだ(カッコ内は監督) 1954年:140試53勝84敗3分 率.387 6位(浜崎真二) 1955年:141試42勝98敗1分 率.300 8位(浜崎真二→笠原和夫) 1956年:154試52勝98敗4分 率.351 8位(笠原和夫)  そもそも「高橋」とは人名だ。高橋龍太郎(1875~1967年)というオーナーがポケットマネーで運営した。高橋はビール王とも言われる財界人である。プロ野球にもいろいろな運営形態があるが「個人運営」の球団は「高橋」だけだ。1957年、高橋ユニオンズは、形式上は大映スターズと合併し、大映ユニオンズとなったが、翌1958年には毎日オリオンズと合併して毎日大映オリオンズ(略称:大毎オリオンズ)となる。大毎オリオンズのオーナーは、映画王、永田ラッパで有名な永田雅一だったが、本業の映画会社大映が経営難となり、ロッテに譲渡されロッテオリオンズとなる。今の千葉ロッテマリーンズだ。つまり高橋ユニオンズは、千葉ロッテの「傍系の先祖」の一つということになる。  高橋の3割台の勝率に並ぶのが、横浜ベイスターズだ(カッコ内は監督) 2010年:144試48勝95敗 率.336 6位(尾花高夫) 2011年:144試47勝86敗 率.353 6位(尾花高夫) 2012年:144試46勝85敗 率.351 6位(中畑清) これがいわゆる「横浜ベイ暗黒時代」だ。  対する中日ドラゴンズの戦績は以下の通りだ 2022年:143試66勝75敗 率.468 6位(立浪和義) 2023年:143試56勝82敗 率.406 6位(立浪和義) 2024年:143試60勝75敗 率.444 6位(立浪和義)  高橋や横浜よりは勝率はマシだが、ベイスターズは昨年日本一になった。中日の場合03年(山田久志監督)から常勝・落合博満監督時代(04年~11年)を挟んで12年(高木守道監督)までAクラスの常連だった。が、一転13年からクライマックスシリーズのなかった20年(3位:与田剛監督)を除いて24年までオールBクラス。そして立浪政権時代の3年連続最下位は、球団記録となった。5月11日時点のチーム打撃成績は打率210で12球団中11位、本塁打11本は横浜と並び最下位、平均得点は2.03とこれも最下位だ。投手は0点に抑えても引き分け、1点に抑えても1-0で負ける。11日まで48イニング適時打なしだ。守護神マルチネス投手は「優勝したい」と昨年巨人に移籍。地元出身の福谷浩司(慶応大出身)は、球団にビジョンは?と問い質したところ「明確な答えがなかった」ことに呆れ、昨年FA権を行使し日ハムに移籍した。井上一樹新監督になった今季も、長年の悩みの種となっている得点力不足に喘いでいる。  

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2025.05.20

同性婚 最高裁が判断へ 高裁はいずれも不利益を考慮して「違憲」
同性婚 最高裁が判断へ 高裁はいずれも不利益を考慮して「違憲」

 同性婚を認めない民法と戸籍法の規定が憲法違反だとして、複数の同性婚カップルが国に損害賠償を求めた訴訟を巡り、東京や福岡など5つの高裁がそろって「違憲」の判決を出している。いずれの高裁も請求自体は棄却したものの、同性カップルが被る社会保障上などの不利益は看過できないとの判断を示した形だ。最高裁が今後どういった見解を示すのかに注目が集まる。 同性婚については、2019年以降、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5地裁に計6件の訴訟が起こされた。1審の各地裁判決は合憲1件、違憲状態3件、違憲2件と判断が分かれたが、2024年3月~25年3月にあった5件の高裁判決は、すべて違憲と結論付けた。東京高裁ではまだ1件の審理が継続中だ。  各高裁が現行法上の規定を巡って問題視したのは、同性カップルが受ける不利益で、法律婚ではない場合は社会生活上の制度保障がない点などについてだ。具体的な高裁判決の指摘内容は、「異性カップルと比べ、差別的な取り扱いだ」(福岡高裁)、「アイデンティティーの喪失感も招き、個人の尊厳をなす人格が損なわれる事態になっている」(札幌高裁)などで、いずれの高裁もこうした不利益について言及した。 一方で、国が同性婚を認める立法措置を講じていない点は違法とまでは言えないとして、「違憲」との判断にとどめ、原告側の賠償請求を棄却した。ただ、いずれの原告も上告しているため、最高裁がさらに踏み込んで「違憲」と判断すれば、国会は同性婚を認めるための法制度設計に向けた具体的な検討を迫られる可能性が高い。最高裁の統一判断は、係争中の東京高裁の判決も踏まえ、来年中には出る見通しだ。  だが、日本において同性カップルの法的保護に関する議論が深まっているとは言い難い。最高裁の今崎幸彦長官も5月3日の憲法記念日を前にした記者会見で同性婚などについて、「背景にある社会の実態への理解が欠かせない。裁判官には自立的に識見を高めることが求められる」と述べるにとどまっており、最高裁は慎重に判断するとみられる。家族のあり方に関する重要な問題だけに、社会全体で広く考える必要がある。

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2025.05.18

鉄壁の読売巨人軍のコンプライアンスは一体どこへ。違法オンラインカジノ2選手が書類送検も、巨人は匿名コメントのみ
鉄壁の読売巨人軍のコンプライアンスは一体どこへ。違法オンラインカジノ2選手が書類送検も、巨人は匿名コメントのみ

 違法なオンラインカジノに手を染めたとして、プロ野球巨人のオコエ瑠偉選手(27)と増田大輝選手(31)が賭博容疑で警視庁から書類送検された。いずれも行為時には違法性を認識しておらず、警視庁に自首したとして送検時は起訴を求める意見を付けられなかったが、2選手の容疑は巨人軍が自主的に公表したわけではなく、各報道機関が警視庁からの「リーク」をきっかけに報じたことで明らかになった。読売の対応は適切だったのか。 ◆山口オーナーが判断!?危機管理対応に疑問 「今回は形式犯とはいえ、賭博という重大な違法行為に手を染めたケースで、球団自ら選手名も含めて公表すべきだった。危機管理能力に優れた山口オーナーが決めた方針だとすれば、読売グループのコンプライアンスは大丈夫かと心配してしまう」。 あるNPB関係者はこう疑問を呈する。山口オーナーは、球界の暴力団排除活動を引っ張り続けている第一人者で、球界全体のコンプライアンス強化に向けた取り組みを推進してきた、いわば「危機管理のスペシャリスト」ともいえる存在だ。読売グループにとどまらず、日本相撲協会の社外取締役を務めるなど外部でもその危機管理能力を発揮していることは、広く知られている事実といっても差し支えないだろう。 ◆他社に報じられても2選手の氏名を伏せる  2選手の容疑は、オコエ選手が2022年7月と23年5月、増田選手は24年秋頃、海外のカジノサイトに国内から接続し、賭博した疑い。オコエ選手は約700万円を賭けて約450万円のマイナス、増田選手は約300万円を賭けて約230万円のマイナスだったという。スポーツ賭博は確認されなかったが、金額が一般社会からみて高額なのは明白だ。  巨人軍から今年に入って相談を受けた警視庁が任意で捜査を進め、いずれも容疑を認めている。ただ、この2人の賭博容疑は、テレビなど各報道機関が5月8日に警視庁による送検の事実を一斉に報じるまで、一切公にはされなかった。  巨人軍で不祥事が起きた場合、読売新聞社のグループ本社法務部も参戦するなど、新聞社一体となって対応することは業界では有名だ。一方で、読売新聞は様々な政官財に埋もれた不正を暴くなどスクープに強い新聞社として知られ、事件の容疑者や不祥事を起こした大企業などをもちろん「実名」で報じてきた。社会の木鐸たる新聞社が、今回のようなケースで匿名発表を許すはずはない。 だが、巨人軍はこれまで事実を発表しなかっただけではなく、各報道機関が2選手の実名を挙げて詳細な賭博容疑の内容を報じたこの期に及んでも、「所属の2選手」と氏名を伏せた匿名でのコメントしか出していない。 不祥事対応の原則は、詳細な事実関係をしっかりと認めた上で再発防止策を打ち出すことだ。危機管理業界では基本中の基本ともいえる。各社に選手の実名を報じられながらも、氏名を伏せた上で「検察庁の判断等を踏まえつつ、適切に対処する所存です」などと杓子定規なコメントを出した巨人軍、読売グループの姿勢には唖然とされる。

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2025.05.18

職場の安全対策強化へ 改正労働安全衛生法が成立
職場の安全対策強化へ 改正労働安全衛生法が成立

 職場で働き手の労働災害を防ぐための改正労働安全衛生法(安衛法)が5月8日、衆院本会議で可決・成立した。改正により、働き手の心理的負担を調べる「ストレスチェック」の実施が全事業所に義務付けられることになるほか、高齢者の労災対策も実施が努力義務となり、職場環境の整備が後押しされる。ただ、人手不足に悩む中小企業にとっては、労災防止策への捻出費用に苦慮するケースも懸念され、国や自治体による支援も不可欠だ。 ■ストレスチェック  安衛法では、従業員を精神的な疾患から守るため、従業員50人以上の事業所に対し、ストレスチェックの実施を義務付けていた。早期に精神不調を把握し、仕事からリタイアするのを未然に防ぐ狙いがある。 50人未満の小規模事業所については、ストレスチェックの実施が事業所の負担になるなどとして免除されていたが、精神的ストレスによる労災が増えている現状などを踏まえ、今回の改正法成立によって実施の義務化対象が50人未満の含む全事業所に拡大されることになった。 改正法ではこのほか、高齢者の労災対策の実施についても、努力義務とした。企業は、段差の解消といった職場環境を整備しなければならなくなる。 ■労災隠しの抑止にも また、これまで安衛法は保護対象を企業に採用される「労働者」としてきたが、今回の改正により、労働者を使用せずに事業を行うフリーランスら「個人事業者」も保護対象に含まれることになった。 フリーランスら個人事業者が業務中に死傷した場合、発注者らが労働基準監督署に報告しなければならない制度が創設され、「労災隠し」などの抑止につながることも期待される。 全ての働き手の心身を守ることは企業の責務だ。今回の改正安衛法成立は、安全安心な労働環境の整備を企業に促し、働き方改革を推進していく上でも意義は小さくないだろう。

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